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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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本のおかわりもう一冊 (桜庭一樹読書日記)
あの3・11の日も、サクラバカズキは本を抱えて避難した。どんなことがあっても、やっぱり本は手放せないのだ。動揺する心をなだめてくれた本、陽気な犬との慣れない生活を助けてくれた本、忙しない日々の一服の清涼剤となった本——
読書と執筆漬けの日々を過ごす作家の、今回のおすすめ本は?(カバー折り返しより)

この辺りからネットで読んでいるなあ。本の形で再読。巻末に座談会があります。2010年8月から2011年12月までのエッセイ。
最近は、中で紹介されている本が大体分かるようになってきた(と言っても、作者名やタイトル名くらいで呼んだわけではないけれど!)
ネットで読んだときも歯を食いしばったけれど、3・11の後のあの部分は、自分も辛かったことを思い出す。いつもの日常と、変わりない日々と、でも変わってしまってどうしようもないものたち。辛いなんて言えないけれど辛いと思っていた日々。私の日常はなんて恵まれていて幸せだったんだろうか。でもその言葉が辛くて仕方がなかった。
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燃えるサバンナ (ミステリーYA!)
サバンナに訪れる四年に一度の赤い月。真っ赤な太陽がぎらぎら輝き、人間も動物も植物も渇きに苦しめられる。マサイ族の伝説では、太陽の化身である赤いライオンのたてがみを取れば、雨を降らすことができるという。

呪われた娘として生まれ、女性としての幸せを奪われ戦士として孤独に生きる美少女・シバは、赤いライオンを探すため、旅に出る決意をする。村人たちを救うため、そして、自分自身の生きる意味を探すため……。

過酷なサバンナを舞台に、勇壮で胸躍る冒険がいま、始まる——。(カバー折り返しより)

アフリカを舞台に、マサイ族の少女を主人公にした物語。戦士として生きる少女シバは夢見を語る異能力を持っているために忌み嫌われていた。日照り続きで危機に瀕した村を救う水がある場所を求めて占った、長老でもある大呪術師レムヤとは異なる予言をしたことで、一族から離れ、ひとり雨を降らすべく旅に出た。それは、伝説でしか語られない太陽の化身である赤いライオンのたてがみを取ることだった。
呪われた身の上、心優しくない人々、過酷な旅と、秘められた過去。決して優しくはないお話なのですが、さっと気持ちのいい風が吹く、そんな印象の物語でした。誰かのために戦う人たちの話だったなあ。あとがきにもあったけれど、マサイ族というあまり知られていない民族の話なので、これがいつの時代なのかというのが分からなくて不思議と面白い。私はなんとなくかなり過去の話だと思っていたのですが、確かに現代にあってもおかしくはないなあ、と。
『碧空の果てに』とかあの辺りの本が好きな方は好きそうだな、という児童書でした。
ああ息子
毎日新聞に400字程度で息子に関する投稿を募集したものをまとめたもの。
私は俗にダンスィと呼ばれる生き物たちの話を読むのが好きなんですが笑 これも笑った。なんであんなに息子っていう生き物は異次元なんだろうな。私は兄も弟もいないので実感はないんですが、読んでいると「あーあるある」って思ってしまうのはなんでなんだろう。
「雨は速く走ると当たらない」とか叱っている最中別のことに気を取られるとか。一番噴いたのは西原さんの絵で、
郵便ポストにしがみついてぺろぺろなめてるなぞ男子発見。
2メートルほどはなれたとこで母親が空をみていた。
そう。直視せず遠くを見るといいよね。

爆笑。
ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)
西暦1627年、ドイツ——魔女狩りの苛烈な嵐が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは〈アンチ・キリスト〉に出会った……。西暦2022年、シンガポール——3Dアーティストの青年ディッキーは、ゴシックワールドの昏い眠りの中、絶滅したはずの“少女”というクリーチャーに出会う……。そして、西暦2007年4月の日本。死にたくなるほどきれいな空の下で……。3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語。(裏表紙より)

私が読んだのはハヤカワJAの前の版。
ものっそい好きです。面白かったです。すごくもどかしい感覚で繋がっているという話が好きなのだな私は。
やっぱり女の子でくろぐろとした話なのかなと事前情報をまったく入れずにただ手に取って読んだだけだったんですが、くろぐろはしていなくて、表紙の青さにはっとする、刹那的なものがあるように感じられた小説でした。やべー構成にはまったわこれー……。最後うっかり涙が滲んでしまった。
時代も民族も価値観もまったく違う人々が、ある存在によって結ばれる。過去では旅立ちが、現在では死が、そして未来では青い空がある。読み返せば読み返すほど、噛み締められる小説だった。この話本当に好きだ!

ブルースカイ (ハヤカワ文庫JA)
女子校育ち (ちくまプリマー新書)
女子一〇〇%の濃密ワールドで洗礼を受けた彼女たちは、卒業後も独特のオーラを発し続ける。
インタビュー、座談会、同窓会や文化祭潜入などもまじえ、知られざる生態をつまびらかにする。(裏表紙より)

『女子の国はいつも内戦』は全体的な女子の世界でしたが、この本は女子校に焦点を当てて、インタビューやアンケートなどで得た意見をまとめたもの。学校の格みたいなものについて書かれてあったり、学校内の色々(女子同士の付き合いとか恋とか、ヒエラルキーとか、お掃除とか……)とか、男性に対する意識について書いてあるところはなんだかちょっと生々しかったですが、興味深くて面白かったです。女子校ってやっぱりちょっと不思議な世界だな……。
名探偵に薔薇を (創元推理文庫)
むかしむかし、それはわるい、とてもわるい博士がいました。悪行の限りをつくしたあげくあっさり死んでしまいましたので、仲間を殺された小人たちはうらみのはけ口がありません。話しあいのけっか、ハンナ、ニコラス、フローラの三人をやりだまにあげることにきめました。つもりつもったうらみをはらすと、村にへいわがもどりました。めでたしめでたし。〜『メルヘン小人地獄』より〜(裏表紙より)

表紙裏の紹介文だけ読むと何がなんだか。
ガンガンで連載されていた『スパイラル〜推理の絆』の原作者さん、城平さんの本業の方。私は城平さんをスパイラルで知ったので、ミステリを読むのは初めて。
謎の怪文書「メルヘン小人地獄」の通りに人が殺される事件が起こり、「小人地獄」という必殺の毒薬の存在がちらついていた。最初の被害者に関係する藤田家の家庭教師だった三橋は、名探偵を呼ぶことにする。瀬川みゆきという名探偵は、ある真実を見抜いて……という「メルヘン小人地獄」と「毒杯パズル」の二部構成の物語。
「メルヘン〜」の方は普通に面白いなーと思っただけだったんですが、「毒杯パズル」のくるくる回る真相がすごかった! 最初に「もしかして真相ってアレか?」と思った自分を褒めてやりたいぜ! でも予測がついていても、やっぱり翻弄されてしまったわけですが。
名探偵側の視点から事件を解いて、しかもその名探偵も揺れ動く人間だというのが面白かったです。名探偵という存在がどんな苦悩を抱えているか。けれど安易な物語として終わらないところも、名探偵という存在は孤高なのだと寂しくも気高く感じられました。
女子の国はいつも内戦 (14歳の世渡り術)
14歳の女子たちの学校生活における処世術を、実際の学生にインタビューやアンケートしながらまとめてみた読み物。この前『くすぶれ! モテない系』(能町みね子)という本を読んだのですが、この本は女子学生(あるいは女子)におけるヒエラルキーとかカテゴライズとかの話をしています。本気なのか冗談なのかちょっと分からないところもあったけれど笑 面白く読みました。
女子高生のあるある感がぱねえっす。そう、何故かヒエラルキー上位の女子はディズニーグッズが好きなのだ……。私の地元が大阪なので109系の文房具を持っている子は私の知っている人にはいなかったように思うのですが、制服の着こなし方とか、あるある……。女子校と公立で多少の違いがあるというのを初めて知りました。
日本の学校はこんな感じ、という話が主でしたが、中にアメリカとドイツの学校の話がちょっとだけあって興味深かったです。面白かった。
黄金の王 白銀の王黄金の王 白銀の王 (角川文庫)
翠の国の鳳穐と旺廈、二つの氏族は長らく恨みと憎しみと復讐によって覇権を争ってきた。国を統べる鳳穐一族、その頭領・穭。裏切られ囚われの身となった旺廈一族の頭領・薫衣。宿命づけられたようにお互いを殺したいという思いを抱いてきた二人はしかし、国のために手を取り合うことになる。

私が読んだのは単行本版。
すっごく政治的な話がずーっと続くんですが、最後まで読むと一気飲みしたみたいに「ぷっはー!」となるような、息が詰まって詰まって苦しくて、どうしてうまくいかないのだろう、二人の思いはここで潰えてしまうのだろうかとはらはらのし通しでした。最後は悲しいような、けれど確かに大地を踏みしめている気もして、泣き笑いの顔になってしまう。
鳳穐と旺廈の宿命づけられた憎しみの鎖を断ち切るには、あまりの多くのことが難しく、それをやってのけた穭の政治的手腕が物凄いのと、それに応じながら自分らしさを失わなかった薫衣に、もうひたすら感嘆のため息。基本的にはうまいこといくのに、人々の思惑が絡み合って、ただではいかない感じや、穭の君主としての容赦のなさがすごい。優しい話を書くならきっと薫衣の視点で選ばれた者としての話が書けただろうになあ……すごいなあ……。
羽州ものがたり (カドカワ銀のさじシリーズ)
ひとつしか瞳をもたない鷹のアキと暮らす少女・ムメは、都から来たばかりの少年・春名丸と出会った。それが縁で春名丸の父親・小野春風にさまざまなことを教わるムメ。やがて見違えるような娘へと育ったムメは、春名丸との友情をはぐくんでいく。だがそのころ、羽州では都に対する戦いが起きようとしていて——!! それが、東北の地、羽州で起きた〈元慶の乱〉のはじまりだった。(カバー折り返しより)

東北を舞台にした、歴史の流れの裏にある人々の物語、という感じでしょうか。なんとなく上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』みたいな話だと思い込んでいたみたいで、ムメは賢く健やかな子だし、春名丸はちょっとまっすぐすぎるけれど気のつくいい子だし、カラスは迷いながらも大事なものを失わない子でした。それから上記の紹介文ではムメにロマンス的な香りがするんですが、実はそんなことはあんまりなかった。最後まで、主人公は地に足の着いた娘さんでした。ムメの物の見方や考え方がはっきりしていて、彼女が大事なことを発言すると目が覚める思いがしました。なので、ジオがどう変わるのかをちゃんと見たかったなあ。
最後の「記録は、もとよりないが」という一文がすごく響いてくる。でも、ここにこうして物語があるように生きた人たちがいたんだな。
身代わり伯爵の誓約 (角川ビーンズ文庫)
リヒャルトが即位するために必要な宝剣の鍵を手に入れるため、結婚契約書にサインをしてしまったミレーユ。大公との挙式まであと三日と迫る中、リヒャルトはミレーユと王位奪還のため単身宮殿へと向かった。しかし再会したミレーユは、花嫁衣裳を身に纏い、リヒャルトの記憶をなくしてしまっていて——!? かくして身代わり伯爵の一途で感動的な奇跡が巻き起こる!! 恋愛指数最高潮!! シアラン編感動の完結巻!!(裏表紙より)

シアラン編完結! 両思いおめでとうー! とてもとてもロマンチックな活劇でした。
再会からの記憶取り戻し、王宮逃走辺りは、どきどきもしたし、にやにやもして楽しかった。そして何より聖堂でのシーン! これこそロマンス! ミレーユの啖呵はかっこよかった!!
でも誰がおいしいかというとフレッドがおいしかったです。一番じゃなくなる兄、というのが切ない。妹が大好きで、妹のためになら何でもできる。フレッドは自分のことを歪んでいると言うけれど、誰よりもミレーユの幸せのことを考えて行動できる人だな。ウォルター伯爵とは違う、と分かるところがやっぱり聖堂でのシーンで、フレッドスキーにもとてもとてもおいしい巻でした!
ミレーユとリヒャルトはこれかららぶらぶするんだろ! と思わずにはいられないラストでしたが、次巻から新章でまた一波乱ある気配ですね。二人ともがんばれ!
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Author:月子
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