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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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君も知らない邪恋の果てに 花降楼シリーズ第一弾 (白泉社花丸文庫)
売春が公認化されて数年。中学を卒業した長妻蕗苳は、兄に命じられ、借金返済のために吉原の男の廓・花降楼へ売られていくことになった。そんな蕗苳が吉原へ発つ前日。憧れていた伊神旺一郎に告白され、ふたりは駆け落ちをするが、兄に邪魔されてしまう。そして月日が流れ、蕗苳の水揚げが決まったある日、花降楼に旺一郎がやってきて蕗苳を水揚げするが、指一本ふれず……。はたしてふたりの恋の行方は?(裏表紙より)

指一本ふれずって、触れてるよ!? 思いっきり二人で過ごしてるよ!(あらすじにツッコミ)
花降楼シリーズの途中巻を人に勧められて読んだことがあって、遊郭物が好きだと自覚したので一巻から読むことにしました。遊郭は遊郭でも、男の遊郭です。
旅館の次男坊で甘やかされて育った蕗苳。旅館の従業員の息子で昔よく命令させていたりもした旺一郎。攻めの方が受けの方に邪な思いを抱いてしまったために離れてしまう。そうして受けが「嫌われたんだ……」と苦悩する王道を踏んだ上で、さらにすれ違いの上に、受けは遊郭に売られてしまう。数年の後、ちゃんとのし上がってきて、登場してくれる攻めがかっこいいです。
このシリーズ、今まで読んだのでは廊での生活(受け視点)で書かれるらしくて、ヒーローが何をやっているのかというのが分からないのがちょっと残念なんですが、廊での日常が好きです。個性豊かな子たちがなんだかんだ言いながら仲良くしたり反発したりしているのが楽しくて。
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女神の花嫁(後編) 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)
傭兵団の留守を狙って襲ってきた賊から村を救うため、みずからの胎児の命と引き換えに強大な女神の力を取り戻したラクリゼ。同じころ傭兵団は、遠く離れた地で部隊の兵力が半減するほど苦しい戦いを強いられ、サルベーンも瀕死の重傷を負ってしまう。それでもなんとか帰還を果たし再会を喜びあうふたりだったが、お互いの気持ちが少しずつすれ違っていくのを、止めることはできなかった…。(カバー折り返しより)

ラクリゼ編である「女神の花嫁」の後編。ラクリゼはどうやって女神の加護を取り戻し、女神の娘ザカルエフィを見いだしたのか。
二人の結びつきとすれ違いと別れが、大河だよなー! 最も理解できるところにいるだろうにどうしても一緒にいることができない。人々から遠巻きにされるラクリゼが、子どもの頃とは違って落ち着いているのが強くて悲しい。サルベーンはなるべくしてなったという感じだったけれど、この先がとてつもない道だと思うと辛いなあ……。カリエの物語に続く人々の物語だったので、この後に関わってくる人々の裏を思うと、うおおおと拳を握って絶叫してしまう。北公の姉妹、エディアルド、トルハーン……。そうだよな、そういう人たちの生きてきたものがあるからこそ、カリエの運命に繋がるんだ。
女神の花嫁(中編) 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)
新しい世界を求めて、サルベーンとともに深い森に入っていったラクリゼ。しかし、ザカールの村以外は何も知らない彼女に行くあてがあるはずもなく、サルベーンの勧めにしたがってホルセーゼ傭兵団をめざすことになる。楽しく旅を続けていたのも束の間、お互いを強く思う気持ちが、次第に二人の間にすれ違いを生んでいく。そしてついにラクリゼは、サルベーンに別れを告げることになり——。(カバー折り返しより)

二人の別れと絆と蜜月、女神の呪詛とも思える祝福の巻。別れた後の再会、そこからの和解と蜜月、そしてラクリゼの選択が「うあああああ」という面白さですね! お互いを必要としているのにどうしてこうも試練が立ちふさがるのか。しかし一番「あがががが」となったのは、アリシアの生まれてくる子どもの名前でした……。
女神の花嫁(前編) 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)
女神の定めにより、ザカールの長老の子は代々男児であるはず。だが、九九九番目の子として生まれたラクリゼはなぜか女だった。“呪われた子”だとして父親の愛も受けられず、男と偽わって育てられた彼女は、その苦しさを学問の習得や武術の鍛練にぶつける。そして彼女が十二歳になった年のある夜、一人の少年が結界を破り村を訪れた。少年の名はサルベーン。ラクリゼとの運命の出会いだった。(カバー折り返しより)

ラクリゼの過去編開始。謎めいた美女で女神の僕であるザカール族のラクリゼが、どうしてカリエの運命に関わるようになったのか。本編でのラクリゼが、めちゃめちゃ強くて、綺麗で優しい女の人なだけに、この女だとばれてはいけない、長老の子として立っていなければならないと、重圧に押しつぶさそうになっている彼女は、案外普通の人なのだなあと思いました。だからこそ、何度も傷ついて立ち上がってきた強い人になるんだろう。
サルベーンがここでも謎なので、まじうさんくせーと思う。ラクリゼは痛い目を見せられるんだろうか。心配。
水のしろたえ
亡くなった母が残した“水のしろたえ”とは?
真実を知る父はエミシ討伐に旅立ってしまった。
水の屋敷が燃えて以来、真玉の運命は大きく動き出す……。(カバー折り返しより)

羽衣伝説を下敷きにした、平安時代の薬子の変の頃の物語。水底の国からやってきた娘は、人間の男との間に女の子をもうけた。母の命と引き換えに生まれ、成長した真玉は、水の国のものと言葉を交わし、泳ぎも人並みはずれている。そんな真玉の父が行方不明になったことで、彼女の運命が大きく動く。
死んだ母がついに見つけられなかった「水のしろたえ」、付け火された邸、男の子の格好をして隠れたり、歴史に記される薬子や高丘親王との出会いなど、ひとつひとつの要素がおいしい。そして、みずみずしい女の子の話でした。この世で生きるか、「水のしろたえ」を見つけて水底の国へ行くか、岐路に立つ少女・真玉。たよりないようでいて、しっかりしていて、けれどやっぱり女の子というのが主人公としてはちょっと寂しい気がしつつも、挿絵の繊細で柔らかい感じがお話によくあっていて、好きだなーと思いました。
本のおかわりもう一冊 (桜庭一樹読書日記)
あの3・11の日も、サクラバカズキは本を抱えて避難した。どんなことがあっても、やっぱり本は手放せないのだ。動揺する心をなだめてくれた本、陽気な犬との慣れない生活を助けてくれた本、忙しない日々の一服の清涼剤となった本——
読書と執筆漬けの日々を過ごす作家の、今回のおすすめ本は?(カバー折り返しより)

この辺りからネットで読んでいるなあ。本の形で再読。巻末に座談会があります。2010年8月から2011年12月までのエッセイ。
最近は、中で紹介されている本が大体分かるようになってきた(と言っても、作者名やタイトル名くらいで呼んだわけではないけれど!)
ネットで読んだときも歯を食いしばったけれど、3・11の後のあの部分は、自分も辛かったことを思い出す。いつもの日常と、変わりない日々と、でも変わってしまってどうしようもないものたち。辛いなんて言えないけれど辛いと思っていた日々。私の日常はなんて恵まれていて幸せだったんだろうか。でもその言葉が辛くて仕方がなかった。
燃えるサバンナ (ミステリーYA!)
サバンナに訪れる四年に一度の赤い月。真っ赤な太陽がぎらぎら輝き、人間も動物も植物も渇きに苦しめられる。マサイ族の伝説では、太陽の化身である赤いライオンのたてがみを取れば、雨を降らすことができるという。

呪われた娘として生まれ、女性としての幸せを奪われ戦士として孤独に生きる美少女・シバは、赤いライオンを探すため、旅に出る決意をする。村人たちを救うため、そして、自分自身の生きる意味を探すため……。

過酷なサバンナを舞台に、勇壮で胸躍る冒険がいま、始まる——。(カバー折り返しより)

アフリカを舞台に、マサイ族の少女を主人公にした物語。戦士として生きる少女シバは夢見を語る異能力を持っているために忌み嫌われていた。日照り続きで危機に瀕した村を救う水がある場所を求めて占った、長老でもある大呪術師レムヤとは異なる予言をしたことで、一族から離れ、ひとり雨を降らすべく旅に出た。それは、伝説でしか語られない太陽の化身である赤いライオンのたてがみを取ることだった。
呪われた身の上、心優しくない人々、過酷な旅と、秘められた過去。決して優しくはないお話なのですが、さっと気持ちのいい風が吹く、そんな印象の物語でした。誰かのために戦う人たちの話だったなあ。あとがきにもあったけれど、マサイ族というあまり知られていない民族の話なので、これがいつの時代なのかというのが分からなくて不思議と面白い。私はなんとなくかなり過去の話だと思っていたのですが、確かに現代にあってもおかしくはないなあ、と。
『碧空の果てに』とかあの辺りの本が好きな方は好きそうだな、という児童書でした。
ああ息子
毎日新聞に400字程度で息子に関する投稿を募集したものをまとめたもの。
私は俗にダンスィと呼ばれる生き物たちの話を読むのが好きなんですが笑 これも笑った。なんであんなに息子っていう生き物は異次元なんだろうな。私は兄も弟もいないので実感はないんですが、読んでいると「あーあるある」って思ってしまうのはなんでなんだろう。
「雨は速く走ると当たらない」とか叱っている最中別のことに気を取られるとか。一番噴いたのは西原さんの絵で、
郵便ポストにしがみついてぺろぺろなめてるなぞ男子発見。
2メートルほどはなれたとこで母親が空をみていた。
そう。直視せず遠くを見るといいよね。

爆笑。
ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)
西暦1627年、ドイツ——魔女狩りの苛烈な嵐が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは〈アンチ・キリスト〉に出会った……。西暦2022年、シンガポール——3Dアーティストの青年ディッキーは、ゴシックワールドの昏い眠りの中、絶滅したはずの“少女”というクリーチャーに出会う……。そして、西暦2007年4月の日本。死にたくなるほどきれいな空の下で……。3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語。(裏表紙より)

私が読んだのはハヤカワJAの前の版。
ものっそい好きです。面白かったです。すごくもどかしい感覚で繋がっているという話が好きなのだな私は。
やっぱり女の子でくろぐろとした話なのかなと事前情報をまったく入れずにただ手に取って読んだだけだったんですが、くろぐろはしていなくて、表紙の青さにはっとする、刹那的なものがあるように感じられた小説でした。やべー構成にはまったわこれー……。最後うっかり涙が滲んでしまった。
時代も民族も価値観もまったく違う人々が、ある存在によって結ばれる。過去では旅立ちが、現在では死が、そして未来では青い空がある。読み返せば読み返すほど、噛み締められる小説だった。この話本当に好きだ!

ブルースカイ (ハヤカワ文庫JA)
女子校育ち (ちくまプリマー新書)
女子一〇〇%の濃密ワールドで洗礼を受けた彼女たちは、卒業後も独特のオーラを発し続ける。
インタビュー、座談会、同窓会や文化祭潜入などもまじえ、知られざる生態をつまびらかにする。(裏表紙より)

『女子の国はいつも内戦』は全体的な女子の世界でしたが、この本は女子校に焦点を当てて、インタビューやアンケートなどで得た意見をまとめたもの。学校の格みたいなものについて書かれてあったり、学校内の色々(女子同士の付き合いとか恋とか、ヒエラルキーとか、お掃除とか……)とか、男性に対する意識について書いてあるところはなんだかちょっと生々しかったですが、興味深くて面白かったです。女子校ってやっぱりちょっと不思議な世界だな……。
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Author:月子
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