読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

ミレーユの双子の兄・フレッド(将来の夢:勇者)のドラマチックな冒険を描く表題作「身代わり伯爵と伝説の勇者」、“運命の恋人が見える”鏡をめぐって恋する乙女が暴走する「身代わり伯爵と運命の鏡」、美形着ぐるみ王子ヴィルフリートと、ミレーユの勘違いだらけな逢い引き「身代わり伯爵と秘密のデート」他、ジークの仰天花嫁選びを描いた書き下ろしを収録。爆笑&ラブ満載なファン待望(初心者歓迎)の豪華短編集!!(裏表紙より)
楽しかった! 求婚まで読んでいて、本編がちょっとそわそわした感じなので、明るく楽しく読める話は嬉しいな。フレッドがいっぱい出てて楽しいですが、フレッドとセシリアが好きなのでもっと出て! という感じです。
一番好きなのはやっぱり「身代わり伯爵と薔薇園の迷い子」! ジークとリディエンヌの話は、べったべたなだけに、会話が面白くて、しかししっかりツボを押さえてくれて、大変ときめきました。求婚はいい。とてもいい。

少年ワツレンは、海の上で生涯を送るという海人の一族に育った。左半身にほどこされた銀色の美しい刺青が、その証。だが、大嵐に襲われ両親と仲間たちを失ったワツレンは、海軍将校のルーザ=ルーザに命を助けられ、王都の迷宮管理庁で暮らすことになる。王国の至宝を守るために造られた迷宮の謎は、誰にも解けないはずだったが、ワツレンは……!?
迷宮ファンタジーに新たな傑作登場!(裏表紙より)
心に傷を持つ若者たちが、『世界』へと歩き出していく話、という感じで、爽やかで、元気がよくて、しんみりして、とてもいいファンタジーだった! このしっとり感というか清涼感というか、すごく好きだなあ、西東さんのお話。
主人公ワツレンの性格がとてもいい。まっすぐで、明るくて、自分に出来ることをやれる真っすぐな男の子。弱音を吐くときもしっかりしているし、芯が通った男の子でかっこいいなあ! 嫌みがない感じがすごく好き。だからこそエトには眩しかったのだろうし、ぶつかりあってすれ違うこともあったけれど、二人が歩んでいく道はきっとたくさんの光が待っているだろうな。

蘇った名もなき魔王の軍勢により、滅亡の危機に瀕するマルー王国。
かつて魔王を倒したという神剣デアンハークを手にできるのは、
十八歳以下の若者だけだった。かくして国中の若者が集められ、
魔王討伐のための「王国献身隊」が結成される。
苦難に満ちた旅に挑む少年少女たちの運命は——!?
鬼才・十文字青が渾身の力で描き上げる、ファンタジーの神髄!!(裏表紙より)
復活した魔王の討伐のため、集められた少年少女たち。その困難な旅が描かれる。ストーリーはRPGっぽくて、すごくシンプル。文章が硬質で、固い岩のような印象で面白かった! 旅の仲間の関係の険悪さとか、少しずつの変化(いい方向も悪い方向も)が描かれていて、リアルだなあと思ったり。みんながどこかしらすり減っていく中で、トアとササが癒しでした。
神話とか、神様の話も作り込まれているようで、これももっと見たかったなあ。少女神にときめきました。もっと超長編で読んでみたかったかも!
面白かったです。

夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか? その謎を探るため、二人の少年が動き始めた。一人は、飛び降りるまさにその瞬間を目撃した榎戸川。うまくいかないことばかりで鬱々としている受験生。もう一人は“変人”由良。何を考えているかよく分からない……。そんな二人が導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい。(裏表紙より)
いたいいたいいたい。刺さって痛い。辛い。悲しい。切ない。苦しい。ある夏の、青少年たちの残酷さと現実による悲劇。
うまく回らない人生のある部分にいるのが高校生だと思うのですが、まさにその受験生という榎戸川。読んでいくうちにもうこれは関係者だなと思わずにはいられないほど不安定に感じられて、彼の優柔不断さや、それを優しさと勘違いしているところが、もうこれでもかと刺さってくる。榎戸川や旭の存在は愚かしくて、それゆえに怒りにも似た愛おしさが、彼ら高校生に感じられてしまう。
第2部の話は、結末が分かっているから辛い。誰からも相手をされない、陰口を叩かれる、一人の世界にいて誰とも関われないでいる、吉野彼方という人物にも人生があって、困難と喜びに満ちた青春があって、考えていないわけじゃない、一人だけでいたわけじゃない、というのが、もうこれでもかと胸を締め付けてくる。どうしてみんな、そんな当たり前のことに気付かないのだろう、と私たちの現実に照らし合わせて思う。こういう気持ちを忘れていたなあ。
おすすめされた本でした。面白かったです、ありがとうございました。シリーズのほかも読みたいと思います。

リヒャルトに熱烈なキスをされて以来、奇行を繰り返すミレーユ。煩悩を振り払いながら敵国シアランで新米隊員として捜査を続けていたが、劇団員に紛れ、女装で神殿への密使として潜入することに!! 任務を遂行しつつも幽閉された神官長と接触を図ろうとするが、団長に正体を疑われ、事態は驚きの方向に!?
かくして『身代わり伯爵』と捨て身の求愛騒動が巻き起こる!!
じれったい2人の恋模様も進展する、注目の急展開!!(裏表紙より)
求婚だー!! という身代わり伯爵7巻。当たり前といっては当たり前ですが、そうか、その段階に昇るか……とちょっと感慨深かった。ミレーユがリヒャルトと一緒にいると読んでいてすごく嬉しくなるのは、二人が好きだからだろうなあと思う。何より、ミレーユの思いが本当に恋する乙女でいいなあ。誰かを救いたい、助けたいという思いで突っ走るミレーユは本当にかわいい。しかし無自覚なのが転がりポイントである。
思いがけない秘密まで明かされ、これはどこに決着するんだろうとどきどきする! 早く既刊最新刊に追い付きたいなあ。

セレブ専門の結婚相談所で働く優也は、実はゲイで超オクテな童貞。ある日、スタッフとして働くお見合いパーティで、超男前社長・鷲宮寛貴の担当をすることになるが、生真面目でウブな態度に興味を持った鷲宮から「俺の運命の相手はお前だ」と甘く口説かれて、流されるまま一夜を共にしてしまう! 彼に遊ばれただけと感じながらも惹かれる気持ちを隠して、鷲宮の“運命の相手”探しに奔走する優也。けれど、鷲宮の父が突然、お見合い相手の女性を選んできて…!?(裏表紙より)
受け側がゲイなのかーと思いながら読みました。基本的に攻めの方がリードすることが多いので……。こちらも攻め側がリードしてましたが、とすると攻めはバイだったのか……と下世話なことを考える。
面白い職業と強引系攻め、というテーマで人に選んでもらったのですが、このお話は結婚相談所とセレブ。富裕層というステータスはBLには必須なのかなあ? と何作か読んで思う。大きな度量で受け入れることが必要なのかもしれません。しかし東京タワーでいたしちゃっているのは笑ってしまった。
主人公の優也の視点での三人称で、読みやすくもありました。この主人公が乙女のようでかわいい……。理想のデートを思い描いていたり、運命の赤い糸の話をしたりと、ピュアでかわいいなあと思いました。

サクラバカズキは忙しい。
ドナドナになったり、暴走族になったり、
白い魔物(あいふぉん)に翻弄されたり……
それでも嵐が来ようが、風が吹こうが、
やっぱり毎日、書店に行き、毎日必ず、本を読む。
読書魔サクラバの好評ウェブ連載単行本化!(カバー折り返しより)
この辺りになると、私もウェブ連載に追い付いていて、いくつか読んだ記憶のある文章がある。これだけ本の話ができるのは幸せだよなあと、今日はとても羨望の思いで読み進めていた。
巻末の『トワイライト』についてちょこっと語ってある対談がすごく好きだなと思う。読書日記にある本はほとんど読んだことがないので、知っている本が出てくると、すごく特別なことのような気がする。

作家・桜庭一樹は稀代の読書魔である。
お風呂でも本を読むのである。
今日も今日とて本を読みつつ、
ラスベガスへ、アイルランドへ、そして鳥取へ、
サクラバカズキは世界をめぐる!
そして突然の結婚に至るまでの一年間。(カバー折り返しより)
読んでいて楽しい。面白そうな本がいっぱいあるなあ。前の『書店はタイムマシーン』よりも少し落ち着いた感じがあって、読んでいてそんなに苦しくならなかった。
「現実は小説よりも奇なり」という言葉が嫌いで、だからこそフィクションはそれを力ずくで無理矢理超えねば……という一文がすごく好きだ。入籍されたときの読書日記はネットで読んだ気がする。餃子の下りを覚えているんだが、やっぱり画面と紙はちがうなあと思う。