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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)翼の帰る処 下 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-2)
「過去を視る」力を持つ帝国の史官・ヤエト。病弱な彼は、赴任先の北嶺で地味な隠居生活を送ることを夢見ていた。しかし、政治に疎い北嶺の民に悩まされ、さらには北嶺に太守として来た勝ち気な皇女に振り回され休まる間もない。だが、北嶺を知るにつれ、ヤエトはこの地に帝国の秘密が眠ることに気づいていく…。歴史の光陰が織りなす壮大なるファンタジーロマンの扉がいま開かれる——。(上巻裏表紙より)

おっもしろかったー……。もっとこの世界を、すごく深く知りたくなった。話が進むに連れて明らかになる余談(と言ってもきちんと本編には大事だけれど)に、この世界がとても深くて広いことを気付かされて、すごく、いいなあ……と思いました。
帝国の辺境でのほのぼの物語かと思いきや、ヤエトの苦労性のせいですごく大変な物語。ヤエトが少しずつ手繰り寄せ始めている秘密が、ものすごく大変なことを呼び寄せて(そしてそのせいで色々問題が引き寄せられているのではと思う)、非常にどきどき。ヤエトも皇女もルーギンも皇妹も、すごくいいなあ。ヤエトの不思議な力が感じられる度に、すごくどきどきしてページを繰る手が早くなってしまうのは何故だろう。
なんだかんだで一生懸命になるヤエトが、上巻はすごくかわいいなあと思っていたけれど、下巻になって「帰る」という目標を見つけた彼はすごくかっこよくて、皇女が見たらきっと笑ってくれるような気がしました。ただ単に脱出する、北嶺に危機を知らせにいくっていうことじゃなかったと思う。
会話がすごく好き! 冗談を交えたり、食い違うのも面白くて。特にヤエトと皇女の会話は好きだなあ。
皇女、伝説、過去視、竜、帝国、陰謀、政争などなど、盛りだくさんですごく楽しかった。上下巻で結構分厚いはずなのに、あっという間に読んでしまった。面白かった!
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夢館 (創元推理文庫)
崖に聳えるガラスの館。かつてそこで命を落とした少女、千波は再びの生を得て、青年学者の吹原と出会う。しかし二人の前世からの縁と、吹原の一族に潜む愛憎がもたらす過去の悲劇が、千波に新たな試練を課した。前世の思い出を映す未来に導かれるように、千波は崖の館をめざし、歩きはじめる。少女と館を巡る三つの物語、完結。単行本未収録作品「肖像」を併録する。解説・千街晶之(裏表紙より)

『崖の館』ではミステリー、『水に描かれた館』では心理ミステリーと移り変わってきましたが、この『夢館』では幻想小説になっていました。そもそものテーマが「輪廻転生」であるので、不思議なことが起こっても仕方がないのですが、それに人間の心理が絡むと、本当に不思議な空気を作り出していました。
館シリーズの登場人物が一体どうなったのか気になるところでしたが、少しずつ登場してきてちょっと嬉しかった。涼子たちは別作品で登場するようなのが解説に書かれていたので、いつか読んでみたい。
スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン (集英社文庫)
東京、下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」。営む堀田家は今は珍しい三世代の大家族。今回もご近所さんともども、ナゾの事件に巻き込まれる。ある朝、高価本だけが並べ替えられていた。誰が何のために? 首をかしげる堀田家の面々。さらに買い取った本の見返しに「ほったこん ひとごろし」と何とも物騒なメッセージが発見され……。さて今回も「万事解決」となるか? ホームドラマ小説の決定版、第三弾!!(裏表紙より)

第3巻。新しい家族が加わった堀田家だけれど、周囲の人々もゆっくり移り変わりつつあるのが感じられるホームドラマでした。なんだかんだで一番迷惑なのが我奈人さんだけれど、結局許される感じが悔しい!笑
登場人物も多くなると、第1巻、第2巻の事件が絡むので、この人誰だったかなとなること数回(だって文庫は一年ごとにしか出ていないのだ)。しかしみんな、どたばたと幸せそうでいいなあ。古書の寄り合いはもうちょっとじっくり見たかったな! しかしすずみさんかっこいい! そしてやっぱり藤島さんがおいしいところを持っていく。それは反則だけれど、許される感じがまたいいなー!
水に描かれた館 (創元推理文庫)
いとこ三人の死の秘密をいだく〈崖の館〉。財産目録作成のため再び集った涼子たちだが、招聘した鑑定家は予定より一人多く来た。招かれざる客の目的とは。奇妙な緊張を孕んだまま迎えた一日目の夜、聖書を携えた少女が館に保護された。以降、人知を超えた出来事が館で立て続く。幻視的世界の神秘を纏い繰り広げられる密室劇は終局に至って驚くべき展開を遂げる。解説・津原泰水(裏表紙より)

一年以上前の積ん読。解説の方が、今度読もうと思ってメモった作家さんだと気付いてびっくりする。呼ばれたのか……。
電話が通じず、雪や嵐で閉ざされた〈崖の館〉で、再び事件が、という物語。ミステリというより、心理学の要素が強い印象を受けました。超常現象の追究と解明が行われます。
愛と精神の物語だなあと思います。謎解きよりも、涼子の揺れる「少女の心」をメインに読みました。でも今回はとても心理学の話が多かったので、どちらかというと美術館のような前作『崖の館』が好きだなと思います。
少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記 (創元ライブラリ) (創元ライブラリ L さ 1-1)
小説家・桜庭一樹は稀代の読書魔である。本当に毎日本を読むのである。こよなく愛するジョン・ディクスン・カーのミステリをはじめ、ガルシア=マルケスの傑作小説、アゴタ・クリストフの自伝、死刑囚についてのドキュメント、茨木のり子の詩集から三島由紀夫のエッセイまで、縦横無尽に読んで過ごした、疾風怒濤の一年間!(裏表紙より)

読書エッセイ。文庫は、注釈が読みにくいなーと思いつつ、楽しかった。まったく読書傾向が違う感じがして、読みたい本が増える。
執筆についても少しあって、書いている時は本当にそのことで頭がいっぱいなのだなと思う極限感。削るように書く人かもしれないなあという印象は前からあったけれど、裏付けされた気がする。
しかし周囲を囲む編集さんたちが独特で面白い。桜庭さん自身も独特な人だけれど、面白いひとには面白いひとが集まるのだな、と思う。
桜庭さんの話で好きなのが、祖母、母、桜庭さんの三人が揃っている話。お父様の話を実は今まで見たことがなかったので、これを読んで実在したんだ(失礼。すみません)と思いました。覚えているのが、『私の男』のインタビューで、ちょっと怒ったように喋っていらしたのですが、なんとなく桜庭さんとお父様のイメージが薄くて。本読みという血なのか、おばあさまとお母様と桜庭さんの揃った濃さが面白いなあと思いました。
青年のための読書クラブ
聖マリアナ学園。通うのは良家の子女という人々の認識が持たれる、少女たちの園。生徒会、演劇部という二大勢力を主としたせかいで、ひっそりと受け継がれる記録があった。読書クラブの、読書クラブ誌である。

学園で抹消された事件の記録が記された、読書クラブ誌が語る短編集です。面白かったー! 毒が効いていて、洒落ている、少女たちの物語でした。毒々しい感じの少女たちでもありました。この語り口は酔うなあ。素敵だ。
桜庭さんの少女の目線が、とても好きだ。私はこういう見方は、素地がないのでうまくできないのですが、そうそうそうなんだと頷くくらいはできるほどに、少女が好きです。閉じられた学園で、みんなが大体男言葉を喋って、学園の王子様を選ぶ制度があって……。物語で語られる通り、男性なんて、と思っているのに、そうして擬似的に男性が存在している。太っている、のと、美しい、というのをこうも何度も使って強調しているのが面白いです。
最終話まで読めてよかった。面白かった。おすすめです。
“柊の僧兵”記 (徳間デュアル文庫)
少年ミルンにとって、生まれついての自分の白い肌は、うとましい以外のなにものでもなかった。〈白い子供〉——過酷な砂漠で生きる民たちの間で時折生まれる彼らは、体力的に劣る鬼っ子であり、悪しき伝承によって語られた忌むべき存在でしかなかったのだ。しかし、村が謎の侵略者に襲撃された時、なぜか生き残ったのは、ミルンと、やはり白い肌をもつ少女アジャーナだけだった。突然の破壊と惨殺。敵は何者だったのか、その目的は…。ふたりは真実を知るために、〈柊の僧兵〉を探す旅に出ることを決めた。(裏表紙より)

SFと少年成長物語。面白かった。〈柊の僧兵〉かっこよすぎだー! そして、ひ弱で泣き虫の少年が、己の力を知った時、力強く歩み出す様が眩い物語でした。「みんなとは違う」ことを、ここまであからさまに、強みに描いていても、見下すようなことがないのは、ミルンやアジャーナが本当に知恵者だからなのかもしれません。
侵略者たるネフトリアの正体については、さすが菅浩江さんといった風の、SFならではなグロテスクで危機感を覚える気味の悪いものたちだなあと思いました。時間は他人に使うのではなく自分が楽しむために費やすべき、という台詞が、とても恐ろしかった。
ラストの美しさは素敵だった。最初の方でこれが出た時、きっとキーになるんだと思っていたから、みんなが空を見上げている感じがとても嬉しかった。
天気晴朗なれど波高し。 2 (コバルト文庫)
士官になったランゾットの乗る艦船が入港を間近に控えたある日、彼に衝撃の課題が課せられた。次の南洋への航海の際、洗礼の儀式を受ける他に、何か芸をしなければならないというのだ。それを聞いた彼に蘇った幼い頃の恐ろしい記憶——兄・ウェインが、腰に派手な布を巻いて、世にも奇妙な踊りの練習をしていた姿。”まさか、あれと同じことを自分がしなければならないというのか!?”(カバー折り返しより)

ランゾットとコーアの物語の二巻目。ランゾットが娼婦であるオーリアの元に通うようになる経緯や理由は、ランゾットらしすぎて笑ってしまいました。本当に、いい人物だよなあ、ランゾットって。
士官となったランゾットの航海は、前回よりも血なまぐさくなく、コメディという感じだったのですが(あれの挿絵がついてるとは思わなかった!)、シリアスな本編に関わってくる人たちのようで、彼の活躍がなんだったのか知りたいなあと思ったのでした。
天気晴朗なれど波高し。 (コバルト文庫)
ルトヴィア帝国で代々海軍提督を輩出する名門ギアス家の三男として生まれたランゾット。一見ひ弱そうに見えながら頭脳明晰の彼は小説家志望だったが、海軍への入隊は本人の意志に関係なく決められていた。士官候補生としてジュリエンド号に乗る前夜、彼は酒場で乱闘に巻き込まれる。そこで出会った同じ海軍士官候補生の男とは!? 流血女神伝の姉妹編は、愛と笑いと冒険の青春海軍コメディ!(カバー折り返しより)

頭脳明晰で小説家志望なランゾットと、同じ士官候補生のコーアの物語。ランゾットが海軍に入ることになった、最初の船での大事件。女神伝をまだ読んでいないので、彼らが何者かは知らないのですが、面白かった!
外界と隔絶された、男ばっかりが詰め込まれた場所での事件。殴ったり体罰が横行している世界で、男同士の信頼や、仕事、上下関係、人柄のバラエティ、軍に属する者ならではの思考など、読み応えがあって面白かった。
ネイがいい女すぎて! 登場する女性は彼女だけだけど、男どもの魅力がありすぎて困りつつ、紅一点の彼女の輝きが眩しかった。
帝王の鳥かご―カフェス幻想 (角川ビーンズ文庫)
さて皆様。その夜珈琲店(カフヴェ)を訪れた翠緑と紫の双眸をもつ歳若い物語師(ラーウィヤ)が、楽器(タンブール)を爪弾き紡ぐは、常ならば、名高い神話に英雄譚。「なれど今宵は……天上に咲ける薔薇の物語を」
ラスオン帝国の後宮(ハレム)には、帝王(スルタン)位を望めぬ皇子の幽閉所《鳥篭(カフェス)》がある。側仕えの小姓イクバルとともに鳥篭に住まうナイアードは、その心根と美貌を皆に愛されていたが、ある日、国を揺るがす陰謀に巻き込まれて——。篭の鳥は、檻から飛びたてるのか?(裏表紙より)

異国情緒溢れる物語でした。王宮もの、ライトな政略ものの印象でした。登場人物が結構たくさんいて、主人公たるナイアードが外に出て行けない人物なのと、歴史を描くことを重視しているような感じだと思いました。
病弱な皇子ナイアードは、非常に心優しい人物で、右足が不自由で病弱であると自分の不甲斐なさを責める少年です。彼が非常に澄んでいるのです。汚されないというか。一生懸命で繊細な空気が常にあって、でも今にも脆く壊れそうな気もしてはらはら。
展開が早くて、人物も多いので、もっとじっくり読みたいかもと思いつつ、色んな設定が幻想的でした。イクバルの正体にはちょっとびっくりしたけれども……! そしてところどころ男性同士であやしいところにびびっていました(免疫があんまりないので……)
異国の雰囲気で、作中のような幻想があるっていうのは、なんだかとても新鮮で好きだなあと思いました。
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Author:月子
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