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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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幸福な食卓
父と母と兄に囲まれ、佐和子は普通の家庭にいたはずだった。だが母は家族と離れて一人暮らし、将来を有望されていた兄は農業に精を出し、父は父さんを止めると宣言した。それでも、佐和子は幸福な日々で大人になっていく。中学生から高校生の時間。

数年前に、映画のCMで、冬の夕方の道を女子高生がマフラーに顔を埋めながらただ歩いていくという画が、ずーっと頭の中にあって、先日映画が放送されたけれど見られなかったので、原作を借りてみた。
内容は、幸福。ぱあっと明るい幸福じゃなくて、しんしんと降り積もる幸福という感じ。「幸福な朝食」「バイブル」「救世主」は当たり前の日々で、突然襲ってくる「プレゼントの効用」にどきっとした。でもやっぱりこれも日々も積み重ねのひとつなんだなあと思ったりもする。
「大丈夫だよ」
「そう?」
「大丈夫。僕、大きくなるから」
「そっか。そうだね」
『プレゼントの効用』

大浦君の止まった時間と、弟君の進む時間。佐和子がそれを認めた瞬間にほろりとした。
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図書館の神様
バレー部のエースだった早川清。部員の一人が自殺したことで、正しく清い道から外れた。それまでの道から一転地方の私大に進学したあと、清はある高校で国語の講師として働き始める。部活動顧問は、望んでいたバレー部ではなくて文芸部。しかも部員は一人だった。

青春らしい青春を過さなかった若い女性がもう一度青春する話と受け取った。
清は先生らしくない先生で、正直なめてるので、世の文学人間と教職の講義を真剣に受けている学生はむっとしそうだが、しかし段々と文学を楽しんでいく課程はとてもわくわくした。授業も面白くなって生徒に受け入れられていくのは、段々と信頼を得ていくのが分かって嬉しかった。
垣内くんが他の生徒とどう過ごしているのかという視点があったら少女小説かな。垣内くんが誰よりも大人であるように見えるのは、清が子ども過ぎるからか。二人セットでちょうどいいということか。
しかし先生らしくない先生というのが、大人と子どもの中間の位置にいる感じがしてすごーく良かった。大学生が読んだらいいと思うよこれ。しかも教職目指してる人(最初むっとするだろうけど)
帝国の娘 (前編) (コバルト文庫―流血女神伝)帝国の娘〈後編〉―流血女神伝 (コバルト文庫)
カリエ、十四歳。彼女は、ルトヴィア帝国の国境にほど近い小さな山村の猟師の家に育った。ある冬の日、カリエは、いつもは女の身で狩りに出ることを快く思っていない父親に、珍しく「狩りに行け」と命じられた。吹雪の森の中、獲物を求め歩いていたカリエの前に突然現れたエディアルドと名乗る貴族風の男。「おまえを迎えに来た」——気を失わされたカリエが攫われていった場所というのは…!?(前編・カバー折り返しより)

流血女神伝シリーズ一作目。色々な方向から話を聞いて、密林探索した。
入れ替わり劇で陰謀劇で壮大な物語の幕開けが。世界観が結構はっきり決まっていて、これは濃いファンタジーになると思った。ときめきかと思えばあまりそういう要素はない。カリエの成長がときめきかも。グラーシカと対等に渡り合うという辺りとか、堂々とした振る舞いにときめくかも。グラーシカが輝いていた気がする。私は彼女が好きだ。しかしサルベーンはうさんくさい。エディアルドはヅンヅン(ツンツンの上)しすぎ。
皇子宮の日々は結構平和だけれど、サルベーンが出ると物語がじわじわ動き出していくのが分かる。もしくは彼によって動き出されているのか。ラクリゼさんがとても好きだ。ただものではない感じで、挿絵にとても射抜かれた。
まだカリエは何も知らないということがよく分かった一作目だったように思う。知っているのは一部の人のみで、まだまだ始まったばかりだと。
兄上たちの思いが痛かった。ドーンもシオンも納得のいく思考だと思った。ミュカはこれからどうなるんだろう。エド以外では味方になってくれそうなのに。
タイトル通りというか、きっとかなり女性が強いシリーズなのだろうという想像を巡らせている。
ブラック・ベルベット―神が見棄てた土地と黒き聖女 (コバルト文庫)
十年戦争で荒れ果てた無法地帯バレン。そこで働くロキシーの前に突然現れた黒ずくめの美少女キリは、ハルという神父を探してひとりで旅をしていた。彼女の無謀さを危ぶむロキシーだったが、キリの戦闘能力は半端ではなく、近所のキメラを次々と狩って賞金を稼いでいく。あまりの強さにキリが三大賞金首のひとりではとの噂が流れ、街を牛耳る野心家のウォルニー神父に目をつけられるが——。(カバー折り返しより)

勝手なイメージでゴシック系な話かと思ったら、近未来バトルファンタジーだった。そして少女たちが主人公でこれは……と一冊読んだ。
読んだ印象は明るく派手でありながら地味というか。冒頭という感じでキリの正体がいまいち掴めないからだと。しかし「漆黒の聖女」というのはかなりきた。少年漫画的な展開ながら、少女が主人公で、地の文が軽くなくてどっしりしている感じですごく好きだ。少女革命ものみたいだけど、らぶが欲しいですとわがままを言いたくなるほど、須賀さんのらぶって美味しそうだと思う。
東京バンドワゴン (集英社文庫 し 46-1)
東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。60歳にして金髪、伝説のロッカー我南人。画家で未婚の母、藍子。年中違う女性が家に押しかける美男子、青。さらにご近所の日本大好きイギリス人、何かワケありの小学生までひと癖もふた癖もある面々がひとつ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日本中が待っていた歴史的ホームドラマの決定版、ここに誕生!!(裏表紙より)

すっごく面白かった。大好き! ホームドラマすっごくいい。
家族構成からしてもうこれはドラマでしょうというくらいの人たち。頑固じいさん勘一、その息子伝説のロッカー我南人、フリーライターの紺、その妻で元スチュワーデスの亜美、息子の研人、画家で未婚の母の藍子、その娘花陽、妾腹の美男子の青、それからご近所の人やら押し掛けてきた女性やらですごい家族。さらに、物語の語り部は亡くなった勘一の妻サチ。古本屋と家族の営みと、日常の事件がすごくいい。
食事風景のところが、とても映像的。「明日だよね」「そうね。あ、お祖父ちゃん、それソースです」「ソースぅ?」「ハワイでカード買ってきてくれるって」「まずそー」みたいな感じでわいわいがやがやしているところ、映像で見たいなあ。
話もすべてあったかで、みんな笑って受け入れてくれるような心の広さがにじみ出てるようで、読んでいて幸せな気持ちになる一冊でした。
GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)
聖マルグリット学園の図書館塔の最上階に座るひとりの少女、ヴィクトリカ。彼女と関わりを持つようになった留学生の少年、久城一弥。二人は郊外に住まう占い師の老婆殺害事件に関わることとなり、そして客船〈QueenBerry 号〉の謎に足を踏み入れることに。

面白かった! 最初の事件から最後の事件の真相のつながり方がうまいと思った。でもひとつひとつはかなり簡単に真相が分かる。それでもひとつにつなげているのは、やっぱりうまいなと。
しかし、挿絵のせいかイメージが幼い感じなのでときめき成分が薄い。もう少し年齢を上げてほしかったかな。一弥がもうひとつしっかりしてほしいな。抜けすぎててちょっとがっくりする。機微とか身につけろ少年! ヴィクトリカはかわいいが、老成しているところがあって少々悲しいところが。
話の内容としては、怖いところがしっかり怖かった。トラップが発動するところや、殺し合いが始まってしまうところ、エレベーターのところ、斧男が迫ってくるのがぞーっとした。
でもエピローグはかわいかったー! にやにやした。
そしてあとがきが面白いです。何故そんなおもしろ話が転がっているのか……。
イヴは夜明けに微笑んで (富士見ファンタジア文庫 174-1 黄昏色の詠使い)
名詠と呼ばれる、色を媒介にして行う召喚。赤、青、緑、黄、白。そして異端の夜色。赤を学ぶクルーエルは、異端の夜色名詠を学ぶネイトと出会って。

挿絵のせいなのか、優しい物語のせいなのか、透き通った印象の物語だった。
名詠式が綺麗なんだよなあ。何気なく印象はアルトネリコだった。
クルーエル自身が夜色名詠を学ぶのではなく、クルーエルが夜色名詠を学ぶネイトと関わる、という位置関係が面白いなと思った。
歴史が続くように、先生たちにも学生時代があって、というのが好き。この設定がある時点で、物語はかなり優しくなってるような気がする。クルーエル一人ががんばるのではなくて、ミオがいるところとか。イブマリーがいいな。彼女が最後に登場するのが、何よりも優しく切なかった。
うつろ舟―渋澤龍彦コレクション   河出文庫
私が読んだのは福武文庫版だったけれど、在庫がないようなので河出文庫版を張っておきます。
「護法」「魚鱗記」「花妖記」「髑髏盃」「菊燈台」「髪切り」「うつろ舟」「ダイダロス」の八編。
「護法」の話は聞いたことがある。護法童子が男の願いを叶えて、女房の首をすげ替えるという話。これが一番妖譚として好きだったかな。
「魚鱗記」は魚を狂わせる様を楽しむという遊戯に興じていた頃の、ある一家で亡くなった女の子が幽霊として出たのを客人が見る話。少し子ども向けっぽかった。「菊燈台」は塩汲みの奴隷が長者の娘に気に入られて炎の中に、という話。安吾の「夜長姫と耳男」と似た匂いがした。そのせいか、かなり印象に残っている。底深いところにあるエロスというのか、そういうもの。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)
怖かった。人物がリアルで怖い。話の展開はダークで、良いと思ったのはその後と話の締め方。
 この世界ではときどきそういうことが怒る。砂糖でできた弾丸(ロリポップ)では子供は世界と戦えない。
 あたしの魂は、それを知っている。


藻屑がどうなるのか分かっているから、最初から暗黒が漂っていて、なぎさと藻屑のやりとりも痛くて痛くてたまらなかった。良い方向には絶対進まないと分かっている物語ってすごいなあ……。
逃げよう、と言って実行できるのは青さだ。この辺りがふわふわ浮いた感じがして、次の瞬間ずどーんと落とされる感じ。
挿絵にもうちょっとなぎさと藻屑の区別を付けて貰いたかったなーとわがままを思う。
身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫 64-1)

かなり面白かった! 王道を行きつつ元気で勢いがある。ミレーユが可愛いなあと思って、フレッドは馬鹿系なんだろうかと読み進めてみると策士ときた! 好みど真ん中。
リヒャルトが若干うさんくさいかなと思いながら、ジークの正体ってやっぱり? と思ったらその通り。期待を裏切らない。一巻だけの知識しかない私としてははジークとリヒャルトにミレーユを取り合って欲しかったなーとか。
登場人物みんな良いなと思う。どこか少女小説の理想的なものが流れているような。筋肉が出て来るのは樹川さとみっぽいなーと思いました(すみません好きなんです樹川さん……)
白薔薇乙女の会が突っ込んでくるシーンの「脱出します!」が何故かツボにはまった。

アンケートのオススメでした。ありがとうございました! これは続きを買いたい……。
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Author:月子
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