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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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ブラック・ベルベット―神が見棄てた土地と黒き聖女 (コバルト文庫)
十年戦争で荒れ果てた無法地帯バレン。そこで働くロキシーの前に突然現れた黒ずくめの美少女キリは、ハルという神父を探してひとりで旅をしていた。彼女の無謀さを危ぶむロキシーだったが、キリの戦闘能力は半端ではなく、近所のキメラを次々と狩って賞金を稼いでいく。あまりの強さにキリが三大賞金首のひとりではとの噂が流れ、街を牛耳る野心家のウォルニー神父に目をつけられるが——。(カバー折り返しより)

勝手なイメージでゴシック系な話かと思ったら、近未来バトルファンタジーだった。そして少女たちが主人公でこれは……と一冊読んだ。
読んだ印象は明るく派手でありながら地味というか。冒頭という感じでキリの正体がいまいち掴めないからだと。しかし「漆黒の聖女」というのはかなりきた。少年漫画的な展開ながら、少女が主人公で、地の文が軽くなくてどっしりしている感じですごく好きだ。少女革命ものみたいだけど、らぶが欲しいですとわがままを言いたくなるほど、須賀さんのらぶって美味しそうだと思う。
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東京バンドワゴン (集英社文庫 し 46-1)
東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。60歳にして金髪、伝説のロッカー我南人。画家で未婚の母、藍子。年中違う女性が家に押しかける美男子、青。さらにご近所の日本大好きイギリス人、何かワケありの小学生までひと癖もふた癖もある面々がひとつ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日本中が待っていた歴史的ホームドラマの決定版、ここに誕生!!(裏表紙より)

すっごく面白かった。大好き! ホームドラマすっごくいい。
家族構成からしてもうこれはドラマでしょうというくらいの人たち。頑固じいさん勘一、その息子伝説のロッカー我南人、フリーライターの紺、その妻で元スチュワーデスの亜美、息子の研人、画家で未婚の母の藍子、その娘花陽、妾腹の美男子の青、それからご近所の人やら押し掛けてきた女性やらですごい家族。さらに、物語の語り部は亡くなった勘一の妻サチ。古本屋と家族の営みと、日常の事件がすごくいい。
食事風景のところが、とても映像的。「明日だよね」「そうね。あ、お祖父ちゃん、それソースです」「ソースぅ?」「ハワイでカード買ってきてくれるって」「まずそー」みたいな感じでわいわいがやがやしているところ、映像で見たいなあ。
話もすべてあったかで、みんな笑って受け入れてくれるような心の広さがにじみ出てるようで、読んでいて幸せな気持ちになる一冊でした。
GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)
聖マルグリット学園の図書館塔の最上階に座るひとりの少女、ヴィクトリカ。彼女と関わりを持つようになった留学生の少年、久城一弥。二人は郊外に住まう占い師の老婆殺害事件に関わることとなり、そして客船〈QueenBerry 号〉の謎に足を踏み入れることに。

面白かった! 最初の事件から最後の事件の真相のつながり方がうまいと思った。でもひとつひとつはかなり簡単に真相が分かる。それでもひとつにつなげているのは、やっぱりうまいなと。
しかし、挿絵のせいかイメージが幼い感じなのでときめき成分が薄い。もう少し年齢を上げてほしかったかな。一弥がもうひとつしっかりしてほしいな。抜けすぎててちょっとがっくりする。機微とか身につけろ少年! ヴィクトリカはかわいいが、老成しているところがあって少々悲しいところが。
話の内容としては、怖いところがしっかり怖かった。トラップが発動するところや、殺し合いが始まってしまうところ、エレベーターのところ、斧男が迫ってくるのがぞーっとした。
でもエピローグはかわいかったー! にやにやした。
そしてあとがきが面白いです。何故そんなおもしろ話が転がっているのか……。
イヴは夜明けに微笑んで (富士見ファンタジア文庫 174-1 黄昏色の詠使い)
名詠と呼ばれる、色を媒介にして行う召喚。赤、青、緑、黄、白。そして異端の夜色。赤を学ぶクルーエルは、異端の夜色名詠を学ぶネイトと出会って。

挿絵のせいなのか、優しい物語のせいなのか、透き通った印象の物語だった。
名詠式が綺麗なんだよなあ。何気なく印象はアルトネリコだった。
クルーエル自身が夜色名詠を学ぶのではなく、クルーエルが夜色名詠を学ぶネイトと関わる、という位置関係が面白いなと思った。
歴史が続くように、先生たちにも学生時代があって、というのが好き。この設定がある時点で、物語はかなり優しくなってるような気がする。クルーエル一人ががんばるのではなくて、ミオがいるところとか。イブマリーがいいな。彼女が最後に登場するのが、何よりも優しく切なかった。
うつろ舟―渋澤龍彦コレクション   河出文庫
私が読んだのは福武文庫版だったけれど、在庫がないようなので河出文庫版を張っておきます。
「護法」「魚鱗記」「花妖記」「髑髏盃」「菊燈台」「髪切り」「うつろ舟」「ダイダロス」の八編。
「護法」の話は聞いたことがある。護法童子が男の願いを叶えて、女房の首をすげ替えるという話。これが一番妖譚として好きだったかな。
「魚鱗記」は魚を狂わせる様を楽しむという遊戯に興じていた頃の、ある一家で亡くなった女の子が幽霊として出たのを客人が見る話。少し子ども向けっぽかった。「菊燈台」は塩汲みの奴隷が長者の娘に気に入られて炎の中に、という話。安吾の「夜長姫と耳男」と似た匂いがした。そのせいか、かなり印象に残っている。底深いところにあるエロスというのか、そういうもの。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)
怖かった。人物がリアルで怖い。話の展開はダークで、良いと思ったのはその後と話の締め方。
 この世界ではときどきそういうことが怒る。砂糖でできた弾丸(ロリポップ)では子供は世界と戦えない。
 あたしの魂は、それを知っている。


藻屑がどうなるのか分かっているから、最初から暗黒が漂っていて、なぎさと藻屑のやりとりも痛くて痛くてたまらなかった。良い方向には絶対進まないと分かっている物語ってすごいなあ……。
逃げよう、と言って実行できるのは青さだ。この辺りがふわふわ浮いた感じがして、次の瞬間ずどーんと落とされる感じ。
挿絵にもうちょっとなぎさと藻屑の区別を付けて貰いたかったなーとわがままを思う。
身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫 64-1)

かなり面白かった! 王道を行きつつ元気で勢いがある。ミレーユが可愛いなあと思って、フレッドは馬鹿系なんだろうかと読み進めてみると策士ときた! 好みど真ん中。
リヒャルトが若干うさんくさいかなと思いながら、ジークの正体ってやっぱり? と思ったらその通り。期待を裏切らない。一巻だけの知識しかない私としてははジークとリヒャルトにミレーユを取り合って欲しかったなーとか。
登場人物みんな良いなと思う。どこか少女小説の理想的なものが流れているような。筋肉が出て来るのは樹川さとみっぽいなーと思いました(すみません好きなんです樹川さん……)
白薔薇乙女の会が突っ込んでくるシーンの「脱出します!」が何故かツボにはまった。

アンケートのオススメでした。ありがとうございました! これは続きを買いたい……。
カシオペアの丘で(上)カシオペアの丘で(下)
関西のローカル番組「ちちんぷいぷい」で紹介されていたのと、元々重松清が好きだったので手に取ってみた。最初から泣けるフラグがびんびんでどうしようかと。
何を最後に残せるのかと考える。何もないと思う。いつか大人になって何かないのかと私も探すんだろうか。

 そんな日々は、いつか終わる。僕はそれを知っている。だが、いつか終わってしまうんだと知らないからこそ、いまがいとおしくなるんだということも、おとなになればわかる。


下巻は涙腺結界なので人前で読まないように。
星はいつでも輝いているって、よくある台詞なのに染みた。ありがとうがこんなに穏やかに響くのかと思った。文字なのに、優しい声が聞こえた気がした。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)

短編集。「小さな部屋」「禅僧」「閑山」「紫大納言」「露の答」「桜の森の満開の下」「土の中からの話」「二流の人」「家康」「道鏡」「夜長姫と耳男」「梟雄」「花咲ける石」以上の作品が収録されている。
この頃から付箋を付けて読むようにしているので、そこから引用などをする事にする。
坂口安吾の童話小説は美しくて芸術品のようだ。芸術には醜い物も芸術とする力があるので、美しいと思えるのだ。

「紫大納言」
宇治拾遺物語? 伊勢物語? とか色々考えたが、元が分からない。大納言が天女に縋る言葉は必死でいて詩的だった。
「(中略)償いは、私が、地上で致しましょう。忘れの川、あきらめの野に呼びよせて、必ず涙を涸らしましょう。あなたの悲しみのありさまあなたの涙を再び見ずにすむためならば、靴となって、あなたの足にふまれ、花となって、あなたの髪を飾ることをいといませぬ」


表題作「桜の森の満開の下」
桜の下に行くと発狂するような恐ろしさがあるということを書いて始まる。解説に書いてあったが、男が出会うのは鬼というのにかなり納得してしまった。
 ほど経て彼はただ一つのなまあたたかな何物かを感じました。そしてそれが彼自身の胸の悲しみであることに気がつきました。花と虚空の冴えた冷めたさにつつまれて、ほのあたたかいふくらみが、すこしずつ分かりかけてくるのでした。

閉じられた空間で見つめるものは己ばかりという感じ。

一番お気に入りになったのが「夜長姫と耳男」。登場人物の魂がとても高い所にある感じがする。夜長姫は神の視点に立っているし、耳男は芸術家としての苦悩を越えて高みに至ろうとする。ラストの姫の言葉がすごかった。
「好きなものは咒うか殺すか争うかしなければならないのよ。お前のミロクがダメなのもそのせいだし、お前のバケモノがすばらしいのもそのためなのよ。いつも天上に蛇を吊して、いま私を殺したように立派な仕事をして……」

私としてはそれ以外の感情も有り得る。もっと純粋なものが。と思いもしたが、まだ完全な思考に至っていない。しかしやはりこれらの感情も欲からくる純粋なものかなと思ったりもする。

解説にも付箋を付けていた。
「ふるさと」に対する愛と憎しみ、懐かしさと嫌悪といったアンビバレンツな感情はもちろんのこと、「ふるさと」は始源の場所であるのと同時に終極の場所であり、孤独の極みであると同時に孤独を宥める所であり、「むごたらしく、救いのないもの」であるのと同時に、懐かしさと憧れを掻き立てられ、そこにおいて究極的な慰めを見出すものでもある。

安吾は日本的な血縁的、地縁的な共同体としての”ふるさと”を否定するところに「ふるさと」を見ていた。その時、彼の「ふるさと」はむしろ集団性から孤立、逸脱、落伍した”孤独”な個性のほうにあった。

私にとってふるさとは心安らぐ場所であり、血縁的、地縁的な「繋がり」があるところをふるさととするので、坂口安吾の考えを解いたこの説を面白く読んだ。
ジハード〈6〉主よ一握りの憐れみを
ヴァレリーとアリエノールの婚姻による共同統治はつかのまの平和をもたらした。勢力の微妙な均衡の中、仲間たちと別れ、ヤーファで過ごすヴァレリー。しかし要衝アスカロンの支配をめぐって、和平は決裂しつつあった。両陣営の内部で続発する不穏な動き。多くの仲間の死……。そしてついにヴァレリーとエルシードの運命を賭けた最後の戦いが始まる。傑作歴史エンタテイメント、感動の大団円。(裏表紙より)

最終巻。
途中の巻から、現在の文章から過去の事を述べる文に入る事があって、時系列が上手く整理できずに混乱する事がよくあった。
アリエノールが穏やかになっていて、これが彼女本来の姿なのかと思った。マリアンは違うようだったけれど、アリエノールはヴァレリーに対して娘のようであるのが本来の姿ではないのだろうかと私は思う。
彼女が行けと言った時、戻ってきたヴァレリーの愚かさは美しかったと思う。
あとでwikiで調べてみたんだが、西洋人のアル=アーディルは空想上の人物らしい。本当はサラディンの子どもにアーディルがいるみたい。アーディルの子どもがアル=カーミル。スルタンになる。ということで、この「ジハード」のヴァレリーはエルシードと結婚して王位を継ぐと思われる。
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Author:月子
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