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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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恵まれない生い立ちから恋愛詐欺師となった蓮は、恵まれすぎている男たちの金を巻き上げることに、なんの罪悪感もなかった。次のカモにと狙ったのは、総合病院の長男である医者の加賀谷。呆気なく騙され蓮に夢中になる加賀谷を、内心馬鹿にしていた。なのに——生真面目で真摯な愛情、穏やかな逢瀬。加賀谷と過ごす優しい時間に、知ることのなかった感情が湧き起こるが……。(裏表紙より)

本屋大賞を受賞されたとのことで、まずは過去作品を読んでみようと手に取りました。
めっっっっっっっっっちゃくちゃ好みでまいった! 何回泣きそうになったか!
詐欺師の青年が、不器用ながらも優しい実直な青年と恋仲になるんですが、騙している罪悪感はさることながら、蓮の生い立ちに関係する描写が辛くて切なくて切なくて。すごく丁寧に、美しく書く方だなあ、と過去作と最新作に俄然興味が出てきました。
いや本当に。蓮の描写もいいんですけれど加賀屋の台詞がいい。ただ優しいだけの男じゃないことが伝わってくる。育ちの良さとか、不器用さの裏に、積み重ねられた葛藤と柔軟さを感じます。いい男だなあ。
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ナタリア姫と忠実な騎士 (フェアリーキス)
気品にあふれ優しい性格で人気の第一王女ナタリア。しかしその容姿は兄や妹に比べてかなり地味。それを内心恥ずかしく思っているナタリアは、幼馴染である近衛騎士のエドワルドに片思いをしていた。エドワルドとのダンスの練習に顔を赤らめるナタリアを、愛しげに見つめるエドワルド。焦れったい両片思いに周囲はヤキモキしていたが、ある時、隣国の美しい第二王子との縁談が持ち上がり……!? 愛され王女と幼馴染騎士とのロマンチックラブコメディ(裏表紙より)

ラブコメというよりラブロマンス(コメディもあるよ)という感じのぴゅあぴゅあなこじらせ片思いのお話でした。可愛い二人が結ばれてほっとしました。
兄と妹に比べて華やかさに欠けるものの王族としての気品や役割を果たす立派な第一王女ナタリア。かつての幼馴染で近衛騎士である不器用なエドワルド。この二人がちゃんと立場をわきまえていて、真面目だからこそ起こってしまうすれ違いにやきもきしました。というかやきもきってこういうことかっていうのをじっくり味わわされました笑 もう完全に好きじゃん! なのにすれ違う! じれったい! っていう展開で最後まで気が抜けなかったです。
だからこそラストは万感でした。新婚生活も幸せそうで何よりです。
準主役のフィンとマアサの二人も落ち着くべきところに落ち着いてよかった。結局みんな純情なんだよなあ。はー本当に可愛い……。
幸せな読書でした。ごちそうさまでした!
東京すみっこごはん (光文社文庫)
商店街の脇道に佇む古ぼけた一軒屋は、年齢も職業も異なる人々が集い、手作りの料理を共に食べる“共同台所”だった。イジメに悩む女子高生、婚活に励むOL、人生を見失ったタイ人、妻への秘密を抱えたアラ還。ワケありの人々が巻き起こすドラマを通して明らかになる“すみっこごはん”の秘密とは!? 美味しい家庭料理と人々の温かな交流が心をときほぐす連作小説!(裏表紙より)

とある一軒家で、レシピノートに記載されたものをくじ引きで選ばれた人が作る共同台所めいた場所「すみっこごはん」。いじめられている女子高生がその場所を見つけるところから始まり、みんなが彼女を見つける話で終わる、温かな連作短編集。
なんですが、これ、楓の問題が解決しきっていないのがめちゃくちゃ気になるなあ。拠り所を見つけた彼女は強くなったかもしれないけれど、問題が残ったままなのはちょっと。続きで読めるのかなあ?
華宮 愛慾の供物 (ティアラ文庫)
「愛している。もっとお前を独占したい」
強引に想いを伝えてくる兄の龍瞬。
「あなたを抱けるなんて、夢のようです」
優しく理知的な弟の寿峰。
二人から与えられる快楽に戸惑いながらも、心奪われていく晶蘭。
皇子兄弟に後宮で寵愛される夢のような日々。
周囲から隠れて行う悦楽の饗宴は、より激しくなるばかり。
ある日、宮殿内の陰謀に巻き込まれ、三人の関係が晒されてしまい!?(Amazonより)

敗戦国の公主(しかも妹)が幼い弟を守るため、戦に勝った国の皇子たちに命乞いをした。その行為が気に入られ、公主・晶蘭は皇太子・龍瞬の妃として迎え入れられる。愛し合う幸せな日々が続いていたが、ある日託宣によって晶蘭は『神后』に選ばれてしまう。この役目は建国神話に基づいて、「太陽」と「月」それぞれを愛し、受け入れるというもので。
というわけで女性主人公に対して男性二人という内容です。主人公は最後まで意思と矜持をしっかり持ちつつ二人を受け入れる選択をしたので、あまり読んでいて辛い気持ちにならなかったです。龍瞬と寿峰もそれぞれきちんと自分の愛情を示してくれたのもあったかもしれない。
しかし割と真面目な内容なのにこの紹介文だとただのエロ小説にしかならないよな……。その方が買ってもらえるんだろうなあと思うと寂しくなる。TL小説も読み応えがあってほしい。
愛されすぎたぬいぐるみたち
たいせつなぬいぐるみとその持ち主の写真を撮り、掲載したことで一躍有名になった写真家マーク・ニクソン。その写真集を翻訳したもの。
どの写真も長いこと生きてきたのでだいぶとくたびれたぬいぐるみの写真なんですが、このちょっと怖いような、生きている感がすごく面白いです。目に意思が宿っていてぎくっとしてしまう、んですけれども、多分持ち主にはいつも笑いかけているんだろうなあ。知らない人がじろじろ見てごめんよ……。
私にも長く愛したぬいぐるみがいるからか、とても面白く感じた写真集でした。
法律は嘘とお金の味方です。 京都御所南、吾妻法律事務所の法廷日誌 (集英社オレンジ文庫)
敏腕だが、お金に汚い弁護士・吾妻正義の孫つぐみは嘘をついている人の顔が歪んで見える特殊な能力を持つ女子高生。正義の許に来る依頼は難事件ばかり。“相続放棄を迫られた後妻”“詐欺師扱いされた投資コンサルタント”“DQNネームを改名したい女子高生”“隣人から引っ越しを迫られる犯罪者の息子”、依頼人や原告の“嘘”に隠された真実に幼なじみの草司と共に挑む!
"嘘"に隠された依頼人の本当の願いとは!?(裏表紙より)

事件解決スッキリ爽快! というわけでは全然なくて、ぐっと飲み込まなくちゃならないところや決断しなければならないところもあるんだけれど、リアリティがあって面白かった。草司の謎が解決してないし、つぐみの過去もはっきりしないので、めちゃくちゃ続きが読みたい!
主人公のつぐみが事件を解決するわけではなくて、ただの一般人として、憤るところは憤って、やってほしいと思うところでは行動して、っていうのがよかったなあ。
お菓子の由来物語
ケーキ、タルト・パイ、シュー、焼き菓子、発酵菓子・揚げ菓子、砂糖菓子・チョコレート、冷たいお菓子、パン・その他。これらの項目で洋菓子の由来を写真付きで軽く解説する。
これが世界各国となるとものすごい分厚い、事典と呼ばれるものになるんでしょうが、写真でだいたいのものを確認して、名前と由来がざっと調べられるいい本だと思いました。どれも美味しそうだなあ。普段何気なく食べているものにこういう由来があったのかと思うところもたくさんありました。
イバラ学園王子カタログ (一迅社文庫アイリス の 1-1)
マロウル国の女子校に入学した美少女の正体は、亡きキュイ王国のクランツ王子だった!? 目的は女のフリをして次期国王候補の皇子たちを口説き落とし、ある願いを叶えること。呪いで小鳥に変わってしまう護衛のスズラウ卿&友人のミミカの協力で、計画通り彼らと知り合えたクランツ。ところが、皇子たちを狙う襲撃事件に巻き込まれてしまい…!?
女子校なのに王子様がいっぱい? 女装王子と小鳥が繰り広げる冒険ファンタジー開幕!!(裏表紙より)

野梨原節が詰まった、青少年のきらきらわちゃわちゃがやがやファンタジーでした。久しぶりに読むとやっぱりいいなあ。自分の思うことを素直に言って、別にいいんじゃない? っていう多様性が受け入れられる感じ、読んでいてにこにこしてしまう。
女性は出てくるものの、メインは男性、あるいは女装男子。きらびやかなんだけど、ひたすら賑やかで、気のいい仲間たちがわいわいしている。この世界の謎は解決できていないままだけれど、若者たちが世界を変えようとしているところは、最後までわくわくした。
仮面伯爵とお嬢様―駆け落ち相手はストーカー!? (一迅社文庫アイリス)
商家の娘アンネリーゼは窮地に陥っていた。というのも、わけあって企てた嘘の駆け落ちのはずが、相手役の伯爵クリストハルトが本気だったから! ただでさえ仮面を被った変わり者なのに、昔からアンネリーゼを想い続けて尾行を繰り返し、「愛の観察日記をつけています」と誇らしげ。……って、ドン引きなんですけど!! なぜか周囲は彼の味方のため、アンネリーゼは彼の究極の愛に孤軍奮闘することになって!?
駆け引きなんて通用しない!ネオ執着系ラブコメ!!(裏表紙より)

至極ごもっとも! なツッコミが冴え渡るラブコメ。いくら美形で次期公爵となる男性でも、ストーカー男はまっぴらごめん! と逃げ回る商家の娘が、彼の優しいところにちょっとほだされたり、高貴な人々に関わったことで事件に巻き込まれたり。
マイナスから始まる二人の関係が面白いんですが、ディートフリートがなんだかすごく好きでした。切れ者の王太子殿下でありながら茶目っ気があって、結構世話焼き……って苦労するかと思いきや結構クリスのことをうまく扱っている感じ、好きです笑
お父さんはクールな娘に構われたい 円満家庭のための交渉術 (富士見L文庫)
 どんな相手とも円満に取引を交わす、頼れる敏腕営業マンの垣本正樹は、家では妻と娘を愛する良き父親だ(と思う)。ところが春から高校生になった娘の実咲が、最近ちょっと冷たい。もしやここ数年忙しさにかまけて、家族の時間を疎かにしていたせい!?
 良き父親として、このままではいけない。でもどうすれば、と困り果てた正樹に、妻が助言する。あなたは百戦錬磨の営業マン。仕事で培った交渉術で、娘を振り向かせればいいじゃない、と。
 次の休日の予定を懸けて——父と娘の交渉合戦が、ここに始まる!(裏表紙より)

おおー面白かった! 親と子、それぞれの世代間の常識や考え方の違いをどのように擦り合わせていくのかっていうことでこういう話が作れるのかー!
「話し合い」つまり交渉ごとをテーマにしたお話です。
交渉するのは例えば「GWの家族旅行。行く? 行かない?」だったり「泊まりがけでライブ。OK、それともだめ?」だったり、子どもとしてはすごく身近。作品の主な視点は父親で「そんなに家族旅行が嫌なの?」とか「よろしくない噂のあるバンドに、しかも泊まりがけなんて!」という思いを抱くのもよくわかり、双方の言い分のどちらにも納得できる。その分、娘である実咲の十代らしい視野の狭さや大人の言い分に苛立つのもよくわかって、すごくリアリティがありました。そうそう、露出のリスクや遠出の際のアクシデントを想像できる能力がまだないんだよなあ。でも大人の言いなりみたいになるのはって思っちゃうという。
確かに正樹の父親ぶりは過保護気味ではあるんだけれども、それだけ向き合ってくれようとしているって実咲にはわかっているようでよかった。我が家も誕生会というか、誕生日当日や前後にケーキを買って歌を歌うのはやっているので笑 くすぐったい気持ちもわかって最後はほっこりしました。
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Author:月子
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