読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
収穫祭の優勝金授与のため、離宮に招待されたシェヘラたち。だが、そこで彼らを待ち受けていたのは、国王による脅迫まがいなサディーンの王籍復活だった! そのうえ「この国に魔法使いは必要ない」と宣告されたシェヘラ。このままふたりは永遠に離ればなれに!? 魔法の真実が明かされるとき、シェヘラが選ぶ未来とは――? 半人前魔法使い×守銭奴元王子のアラビアンファンタジー感動の最終巻!(Amazonより)
サディーンが王位継承権第一位を与えられ、シェヘラは王により彼との別れを勧められる。そして明らかになるシェヘラの魔法の秘密。そして暗躍するクルファが強硬手段に出たために、サディーンとシェヘラ、そしてアフガットは協力して民を救うために奔走する。
ハッピーエンドに至るための第3巻。最後の最後でとてもヒロインらしく、対話という手段を試みたシェヘラに拍手。
あと最後の最後でアフガットが最高だと思いました。異母弟と反逆者の望まれない子を養子にするって、とても素敵ですね。物語が生まれちゃいそうですね。最後にめちゃくちゃ株を上げました(私の中で)。
シェヘラとサディーンの結婚式も見られて本当によかった。お幸せに。
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ギルドに残ると決めたシェヘラ。しかしサディーンとの接し方が分からず、戸惑う毎日!そんな折、収穫祭の舞姫が秘宝『砂海の涙』と共に忽然と消えてしまった!!しかも現場に残された予告文からサディーンが犯人と疑われる。王位継承問題がからんでいると睨んだふたりはギルドを離れるが、その先で意外な人物と出会い…!?恋の進展ももどかしい、陰謀渦まくアラビアンファンタジー第2弾!!(Amazonより)
1巻を読んでから相当間が空いており、設定等ぼんやりとしか覚えていませんが、いまさら2巻を読みました。
シェヘラの造形がいま読むと珍しい、ちょっとうじうじした、世間知らず、気弱という感じの少女だったので、近頃のヒロインはみんな強いんだななどと思いつつも、一生懸命に自分で立ちたいと思う女子は本当に良いものだとしみじみしました。
読んでいて、こいつ好きだな……と思ったのは第一王子アフガットです。前巻の所業を覚えていないせいなんですが、この人かなり不器用で生き方を知らないだけで実は結構有能でいい人なのでは……?
突如、異世界へ召喚された高校生ナツキスバル。普通の一般人である彼に特殊な知識も技術も武力もあるわけもなく、さらに手にした能力は『死んだら時間が巻き戻る』という痛みを伴う『死に戻り』のみだった!(Amazonより)
アニメは最新まで視聴済み。声優さんの力はすごいなあ、読みながらちゃんと声が再生される。
異世界召喚された引きこもり高校生ナツキスバル。なんの能力も付与されていないと思いきや、偶然出会った銀髪美少女を助けた結果、殺されてしまったことで能力が発動。それはある地点へ巻き戻ってやり直すことができる『死に戻り』の力だった。
さくっと死ぬんですよね。選択肢一個ミスったら死。登場人物の好感度が足りなければ詰み。事情を知っていても解決できなければ死。その中でも心が折れないスバルですが、この先のことを知っている身としては、一巻は世界はまだまだ全然優しかったんだなあ……と遠い目をしてしまう。
どんどん加速度的に面白くなっていくはずなので、続きも読んでいきたい。
神棲まう不知森に足を踏み入れた高校生の光流が気づくと、そこは「照国洛豊」という華やかな都だった。
元の世界に戻る方法を知るという“賢大婆”を探しに、後宮へ入るが……現代っ子の光流は身分もしきたりもお構いなし、目立つ存在に。お付きの女官の祥華の手助けもあり、気のいい内宮女の梨香、麗雅という友達を得、高官・徐煌貴の目にも留まり――。
同じ頃、血族が途絶えかけ皇帝の力が弱体化する照国に不穏な影が。王宮に渦巻く黒い陰謀は、光流にも忍び寄る。(Amazonより)
父が過労死し、母と二人暮らす光流。ある日不気味な噂のある森に入ると、気付いたら中華風異世界だった。失踪した娘の代わりに後宮入りした光流は、現代人ならではの感覚で下女や一部の宮女に慕われるようになる。なるんですが、それがメインの話ではなく。
異世界召喚、中華風ファンタジー、後宮もの、謎解き、宮廷劇といった要素を詰め込んだ話でどれに特化しているとも言い難い感が惜しい。肝心なところで光流が関わらないので勝手に話が進んでいる感がなあ……。光流は身代わりになったのに普通に実の父母の話をしてしまううっかりさもちょっと。
皇帝と御三家の設定が男子校めいて面白いので、この人たちが光流を挟んで賑やかにしているところが見たかったです。
リストラされた加瀬は、強面なパン屋の店主・阿木に声を掛けられ、バイトをすることに。無愛想で人との付き合い方が分からない加瀬にとって、店の温かな雰囲気は馴染みがなく、戸惑うばかりだった。けれど火事に遭って阿木と同居することになり、彼の優しい手にどうしようもなく惹かれていく。優しくされればされるほど阿木に依存してしまい、溢れそうになる感情に加瀬は……。(裏表紙より)
これも良き「傷ついた人の恋」を描いた作品だった。
加瀬は施設育ちで、人との距離の取り方が不器用だ。かつての恋人を束縛した挙句、暴力を振るったこともある。リストラされたことでますます内側に閉じこもる加瀬は、ある日通りすがりのパン屋さんの店主に声をかけられて働くことになった。
阿木のキャラクターがまたいいんですよねえ。ちょっととぼけたような、気遣いのできる優しい人。この人の明るさやスルー力はきっと加瀬を救ってくれたんだろうな。最後の短編がすごくめろめろでにやにやしてしまいました。
不器用で傷ついた人たちの描写がものすごく好きだなと思ったので、著作をこれからも読んでみたい。
恵まれない生い立ちから恋愛詐欺師となった蓮は、恵まれすぎている男たちの金を巻き上げることに、なんの罪悪感もなかった。次のカモにと狙ったのは、総合病院の長男である医者の加賀谷。呆気なく騙され蓮に夢中になる加賀谷を、内心馬鹿にしていた。なのに——生真面目で真摯な愛情、穏やかな逢瀬。加賀谷と過ごす優しい時間に、知ることのなかった感情が湧き起こるが……。(裏表紙より)
本屋大賞を受賞されたとのことで、まずは過去作品を読んでみようと手に取りました。
めっっっっっっっっっちゃくちゃ好みでまいった! 何回泣きそうになったか!
詐欺師の青年が、不器用ながらも優しい実直な青年と恋仲になるんですが、騙している罪悪感はさることながら、蓮の生い立ちに関係する描写が辛くて切なくて切なくて。すごく丁寧に、美しく書く方だなあ、と過去作と最新作に俄然興味が出てきました。
いや本当に。蓮の描写もいいんですけれど加賀屋の台詞がいい。ただ優しいだけの男じゃないことが伝わってくる。育ちの良さとか、不器用さの裏に、積み重ねられた葛藤と柔軟さを感じます。いい男だなあ。
気品にあふれ優しい性格で人気の第一王女ナタリア。しかしその容姿は兄や妹に比べてかなり地味。それを内心恥ずかしく思っているナタリアは、幼馴染である近衛騎士のエドワルドに片思いをしていた。エドワルドとのダンスの練習に顔を赤らめるナタリアを、愛しげに見つめるエドワルド。焦れったい両片思いに周囲はヤキモキしていたが、ある時、隣国の美しい第二王子との縁談が持ち上がり……!? 愛され王女と幼馴染騎士とのロマンチックラブコメディ(裏表紙より)
ラブコメというよりラブロマンス(コメディもあるよ)という感じのぴゅあぴゅあなこじらせ片思いのお話でした。可愛い二人が結ばれてほっとしました。
兄と妹に比べて華やかさに欠けるものの王族としての気品や役割を果たす立派な第一王女ナタリア。かつての幼馴染で近衛騎士である不器用なエドワルド。この二人がちゃんと立場をわきまえていて、真面目だからこそ起こってしまうすれ違いにやきもきしました。というかやきもきってこういうことかっていうのをじっくり味わわされました笑 もう完全に好きじゃん! なのにすれ違う! じれったい! っていう展開で最後まで気が抜けなかったです。
だからこそラストは万感でした。新婚生活も幸せそうで何よりです。
準主役のフィンとマアサの二人も落ち着くべきところに落ち着いてよかった。結局みんな純情なんだよなあ。はー本当に可愛い……。
幸せな読書でした。ごちそうさまでした!
商店街の脇道に佇む古ぼけた一軒屋は、年齢も職業も異なる人々が集い、手作りの料理を共に食べる“共同台所”だった。イジメに悩む女子高生、婚活に励むOL、人生を見失ったタイ人、妻への秘密を抱えたアラ還。ワケありの人々が巻き起こすドラマを通して明らかになる“すみっこごはん”の秘密とは!? 美味しい家庭料理と人々の温かな交流が心をときほぐす連作小説!(裏表紙より)
とある一軒家で、レシピノートに記載されたものをくじ引きで選ばれた人が作る共同台所めいた場所「すみっこごはん」。いじめられている女子高生がその場所を見つけるところから始まり、みんなが彼女を見つける話で終わる、温かな連作短編集。
なんですが、これ、楓の問題が解決しきっていないのがめちゃくちゃ気になるなあ。拠り所を見つけた彼女は強くなったかもしれないけれど、問題が残ったままなのはちょっと。続きで読めるのかなあ?