読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
もうすぐ遠子は卒業する。それを寂しく思う一方で、ななせとは初詣に行ったりと、ほんの少し距離を縮める心葉。だが、突然ななせが入院したと聞き、見舞いに行った心葉は、片時も忘れたことのなかったひとりの少女と再会する! 過去と変わらず微笑む少女。しかし彼女を中心として、心葉と周囲の人達との絆は大きく軋み始める。一体何が真実なのか。彼女は何を願っているのか——。“文学少女”が“想像”する、少女の本当の想いとは!? 待望の第5弾!(裏表紙より)
美羽のことに決着がついてほっとしました。想像しうる彼女の本当の姿だったのですが、実際に書かれるときっつい……。心葉がまぶしくてまぶしくて、自分になりたかったものになってしまわれると憎んでしまうよね……。けれどやり方が酷くて、これでよかったのかなあという気もします。目の前で人が飛び降りるなんて、一生の傷だよ……。
だから遠子先輩がいてくれてよかったし、遠子先輩が作ってくれた、ななせや芥川くんや竹田さんといった面々のつながりがあってよかったと思いました。しかし流人……お前だいぶと病んでるな……竹田さんもな……と思いましたが。
作品は宮沢賢治作品。主に「銀河鉄道の夜」でしたが、登場する詩が印象深かったです。
遠子先輩が非実在なのかという大きな引きで幕。続きが気になる。
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文芸部部長、天野遠子。物語を食べちゃうくらい愛しているこの" 文学少女"が、何と突然の休部宣言!? その理由に呆れ返りつつも一抹の寂しさを覚える心葉。一方では、音楽教師の毬谷の手伝いで、 ななせと一緒に放課後を過ごすことになったりと、平和な日々が過ぎていくが……。クリスマス間近の街からひとりの少女が姿を消した。必死で行方を追うななせと心葉の前に、やがて心葉自身の鏡写しのような、ひとりの"天使"が姿を現す——。大好評シリーズ第4弾!(裏表紙より)
クリスマス、音大付属高校に通うななせの親友、夕歌の行方が分からなくなる。事件を調べていくうち、夕歌が「音楽の天使に歌を習った」と言っていたことから、『オペラ座の怪人』と重ね合わせた心葉たちは彼女が天使と一緒にいるのではないかと推理する。
だいぶとえぐいぞ! な真相、かつ、心葉の知らないところで進行している朝倉美羽のやり口がなんだかいやらしいなあと感じる第4巻でした。心葉が前を向き始めたけど、ものすごいやり方で心に切りつけられそうで怖いなあ……。
「ああっ、この本ページが足りないわ!」ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた——。物語を食べちゃうくらい深く愛する“文学少女”が、これに黙っているわけもない。暴走する遠子に巻き込まれた挙句、何故か文化祭で劇までやるハメになる心葉と級友の芥川だったが……。垣間見たクラスメイトの心の闇。追いつめられ募る狂気。過去に縛られ立ちすくむ魂を、“文学少女”は解き放てるのか——? 大好評シリーズ第3弾!(裏表紙より)
どうしてこの学校にはこんなに闇を抱えた人物が揃っているんだ(そういう話だからです)というメタいことを思いながら、黒々とした人の感情に息を飲みつつ読了。
今回は武者小路実篤『友情』がモチーフ。謎自体は簡単なものなのに、狂気に陥る当事者たちがちょっと怖かった……。すれ違いをこじらせるとこうなるのかもしれない。
遠子先輩が食べる物語がどんな味か、すごく気になってきた。すごく美味しそうに食べるんだもんなあ。
「どうかあたしの恋を叶えてください!」何故か文芸部に持ち込まれた依頼。それは、単なる恋文の代筆のはずだった………。物語を食べちゃうくらい深く愛している“文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な“お化け”の嘆きと絶望の物語だった——!
野村美月が贈る新味、口溶け軽めでちょっぴりビターな、ミステリアス学園コメディ、開幕!!(裏表紙より)
2巻から読んでしまったので、1巻冒頭の明るめのトーンに結構びっくりしたんですが、あとがきを読んで、なるほどコメディだと思われないよう続く2巻はシリアスなトーンにしたんだなと納得しました。
ラブレターを代筆したはずが、送る相手が実は存在しない? という謎から始まる悲しいお話。『人間失格』と重なる巻です。真相が、というより謎に関わるところで人死にが多くておおう……と思った。
心葉が再び筆をとることができるのか、しばらく見守っていきたいと思います。
文芸部部長・天野遠子。物語を食べちゃうくらい愛しているこの自称“文学少女”に、井上心葉は振り回されっぱなしの毎日を送っている。そんなある日、文芸部の「恋の相談ポスト」に「憎い」「幽霊が」という文字や、謎の数字を書き連ねた紙片が投げ込まれる。文芸部への挑戦だわ! と、心葉を巻き込み調査をはじめる遠子だが、見つけた"犯人"は「わたし、もう死んでるの」と笑う少女で——!? コメディ風味のビターテイスト学園ミステリー、第2弾!(裏表紙より)
何がびっくりしたって、何の疑問も思わずに2巻を読んだことだよ。1巻読んでないのに普通に読めるのもすごかったけれど(でもやけに登場人物の解説がないなあとは思った)、1巻を読んでないことに最後の内容紹介を読むまで気付かなかった私もすごいわ。
というわけで初めての文学少女シリーズ、何故か2巻から読むという読み始め。
この巻の謎は「嵐が丘」の内容に沿っていく。現代にすると結構非現実な内容だと思うので、なかなかファンタジーだなあと思う。もっと現実味を帯びた話をイメージしていたので、そういうところとか、最後に人が死んでしまうのとか、ちょっとびっくりしました。
《ディセンド》皇国の《十二刃》の一人、オースを倒し、滅亡の危機に瀕したソウガを救った少年・白火。英雄となった彼は、自身の力《変幻流転》を上手く使えなくなったことに悩んでいた。ある日、次なる皇国の襲来に備えるため、ソウガの姫たるグウィンらは豊富な資源を持つ《獣の末裔》タルパとの同盟を計画する。彼らとの交渉は難航したが、タルパの技術に惚れ込んだ白火が自らの技能を示したことで信頼を勝ち取ることに成功する。だが、その帰り道、突如として矢の嵐が降り注ぐ。それは第四刃《射手》のセレネの強襲で、白火は彼女に連れ去られてしまい――? たった一つの力が絶望の運命を打開する! 新たなる無双戦記ファンタジー、待望の第二弾!(裏表紙より)
第二巻。生き物と道具を掛け合わせることによって命を持った道具を作る能力を持つ少年が、皇国に滅ぼされようとしていた《獣の末裔》たちに力を貸して戦うお話。今回は、腕に翼を持つカナリア一族の姫君アミラの巻でもあります。
皇国に抵抗すべく同盟を結ぼうと考えたグウィンたちソウガ一族。しかし前回の戦いでオースが倒されたことを知った皇国が様子見を行う、という準備のような話もあって、果たして《変幻流転》を使う白火は何者なのか、そして《十二刃》の持つ《封命具》は誰の手によるものか? と点になっているものを繋ぐための道筋が提示される。でもまだまだ秘密がありそうだなあ。白火はまだまだ力に振り回されている感があるし、一方の視点からはわからないこともたくさんあるので、皇国側の事情がどんなものなのかが気になります。
勇ましい姫の活躍が見たいのでグウィンが強く変わるところも見たいなあ!
結婚したら、花粉症とはおさらばよっ!!! 奨励賞受賞作!
『花冠の王国』と称される大国エスカ・トロネアの王女フローレンスは、重度の花アレルギー! 常にくしゃみ鼻水が止まらず、淑女にあるまじき鼻の下(以下略)。そんな彼女に、人生の転機が!! 北の辺境国ラハ・ラドマ、イスカ王子との婚約話だ。アレルギーが出ない不毛の地こそ我が楽園と浮かれるフローレンスだが、イスカにとっては、なぜ大国の姫がと不審でしかなく!?(裏表紙より)
異世界ファンタジーでもし花の咲き乱れる大国の王女が花粉症だったら、というラブコメ、に見せかけて結構政治のお話もする、可憐ながらも賢く前向きなフローレンスのお話。
本当にかわいいなあ! 素敵なヒロインだ。アレルギー性鼻炎って本当につらくて、本人も見ている人もしんどいんですよね。「汚い」って言われて傷つくのが身近すぎてフローレンスの気持ちがよくわかる。
顔はいいけれど外交には向かない素直な気質のイスカは少々影が薄めですが、彼の誠実な態度はなんの裏もないとわかるので、口説き文句がもだもだしてたまらない笑
フローレンスとミリア、ジゼルの関係がなんだか好きです。主人と侍女の関係で、ミリアとジゼルでは仕えている期間が違うからもちろんやりとりも違うんだけれども、仲良くなれそうでよかったなあ(にこにこ)と思いました。
おじさんの仕草や言葉には、長年社会を歩いてきた人生が詰まっています。それはくだらなかったり、おもしろかったり、為になったり…と千差万別。その隠れた素晴らしさ、若者にはまだ備わっていない味わいを伝えるべく、取材し、観察して図鑑としてまとめました。今まで気にしていなかった「おじさん」を楽しむガイド。これからの人生を歩むヒントが見つかるかもしれません。(カバー折り返しより)
街中にいる「おじさん」たちを、「普通のスーツのおじさん」「休憩中のおじさん」「ぽっこりおなかのおじさん」などに分けてスケッチし、一言添えた図鑑。いるいるこういう人いるー! っていうおじさんたちが収録されていてふふっと笑ってしまった。こうして集めてみると「おじさん」って面白いなあ。
オレ、アイダ・ナオ。高校入試に失敗しつづけ、ジョーダンのつもりで女装して受けた女子高に、なんと入学してしまった。最初はおっかなびっくりだったけど、だれも気づく気配がないし、まわりはみーんな女のコ。これはオレのための花園なのかもしれない…。「十五歳」の体と心の成長を鮮烈に描いた、パワーとスピード感あふれる痛快な青春小説。(裏表紙より)
どうしてばれないんだ! という突っ込みどころが多々あるんですが、子どもの性についてここまであけすけに書いてあるのはめずらしいなあなんて思いながら読みました。ラッキースケベ的なこともここまであからさまに書かれるとちょっと引いてしまうんですが、なんだか子どもたちのやるせない怒りとか苛立ちが込められている気がしました。
「当遊園地は今年末をもちまして、78年の歴史に幕を下ろします」。初めてのデートも、家族の思い出も、プロポーズも、すべてを包み込むように存在していた町の遊園地が閉園する。色あせた時代遅れのアトラクションがひしめくその場所に、思い出を胸に訪れる人々。それぞれの人生が交錯するそのとき、世界は鮮やかに色づきはじめる。楽しいことはいつかは終わる。でも、大丈夫。思い出は消えないから。ファンタジック・ストーリー。(裏表紙より)
遊園地が閉園するその年の12月。そこに集った人々の連作集です。一つの話に登場した人が別のところで脇役だったり通り過ぎたりする。読み進めていくとその人の事情が分かったりして楽しいです。
閉園する遊園地、寒々しい季節、などの設定が近付く終わりを感じさせて、読みながらなんだかしんしんと寂しい気持ちになりました。登場人物もみんな過去を振り返っているし……。遊園地っていうのは思い出が集約する場所なのかもしれないなあ。