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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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おじさん図鑑
おじさんの仕草や言葉には、長年社会を歩いてきた人生が詰まっています。それはくだらなかったり、おもしろかったり、為になったり…と千差万別。その隠れた素晴らしさ、若者にはまだ備わっていない味わいを伝えるべく、取材し、観察して図鑑としてまとめました。今まで気にしていなかった「おじさん」を楽しむガイド。これからの人生を歩むヒントが見つかるかもしれません。(カバー折り返しより)

街中にいる「おじさん」たちを、「普通のスーツのおじさん」「休憩中のおじさん」「ぽっこりおなかのおじさん」などに分けてスケッチし、一言添えた図鑑。いるいるこういう人いるー! っていうおじさんたちが収録されていてふふっと笑ってしまった。こうして集めてみると「おじさん」って面白いなあ。
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少女A (徳間文庫)
 オレ、アイダ・ナオ。高校入試に失敗しつづけ、ジョーダンのつもりで女装して受けた女子高に、なんと入学してしまった。最初はおっかなびっくりだったけど、だれも気づく気配がないし、まわりはみーんな女のコ。これはオレのための花園なのかもしれない…。「十五歳」の体と心の成長を鮮烈に描いた、パワーとスピード感あふれる痛快な青春小説。(裏表紙より)

どうしてばれないんだ! という突っ込みどころが多々あるんですが、子どもの性についてここまであけすけに書いてあるのはめずらしいなあなんて思いながら読みました。ラッキースケベ的なこともここまであからさまに書かれるとちょっと引いてしまうんですが、なんだか子どもたちのやるせない怒りとか苛立ちが込められている気がしました。
世界でいちばん淋しい遊園地 (角川文庫)
「当遊園地は今年末をもちまして、78年の歴史に幕を下ろします」。初めてのデートも、家族の思い出も、プロポーズも、すべてを包み込むように存在していた町の遊園地が閉園する。色あせた時代遅れのアトラクションがひしめくその場所に、思い出を胸に訪れる人々。それぞれの人生が交錯するそのとき、世界は鮮やかに色づきはじめる。楽しいことはいつかは終わる。でも、大丈夫。思い出は消えないから。ファンタジック・ストーリー。(裏表紙より)

遊園地が閉園するその年の12月。そこに集った人々の連作集です。一つの話に登場した人が別のところで脇役だったり通り過ぎたりする。読み進めていくとその人の事情が分かったりして楽しいです。
閉園する遊園地、寒々しい季節、などの設定が近付く終わりを感じさせて、読みながらなんだかしんしんと寂しい気持ちになりました。登場人物もみんな過去を振り返っているし……。遊園地っていうのは思い出が集約する場所なのかもしれないなあ。
ロスト・グレイの静かな夜明け (コバルト文庫)
不慮の事故に巻き込まれて亡くなった15歳の少女・アズサは、見知らぬ場所で目を覚ました。傍らにはカーゴと名乗る少年。そこは、心残りを抱えて亡くなった者がたどり着く“霧の壁”の向こうだという。知る人もいない世界で、再び“生きる”こととなったアズサ。しかし、そこは武器商人が権力を握る退廃的な町で? 2011年度ノベル大賞受賞作家が贈る、世界と再生の物語——。(裏表紙より)

表紙がとても美しいので手に取りました。
海の上に「霧の壁」と呼ばれる謎の領域が存在していて、調査に行った者たちは帰ってこない。いつしか死者は皆、水葬という形でその霧の向こうへ流される、という世の中。アズサは大火災に巻き込まれて15歳で亡くなり、霧の壁へと流されて、新しい世界で目覚める。
異世界にトリップしたかのような雰囲気だなあ、と街の様子を想像しながら読んでいました。いろんなものがきっとごたまぜになっていて、不思議も存在していて。このお話で起こる出来事を、アズサは巻き込まれる形で、傍観者のようにして見ることになるんですが、少し寂しい雰囲気がある話だなあと思いました。
ドイツェン宮廷楽団譜 嘘つき婚約コンチェルト (角川ビーンズ文庫)
「共犯者になるなら、守ってやる——婚約者なら当然だろう?」バイオリニストの伯爵令嬢・ミレアは、気が進まない婚約話に困っていた。そんな時、宮廷楽団指揮者で公爵令息・アルベルトから〈嘘の婚約〉を提案される。「で、でも私、お付き合いとかしたことないし」「僕の言う通りにすればいい。この総譜を片付けろ」「下僕扱いじゃない!」かくして、互いに望まぬ婚約よけで熱愛中ということに!? 宮廷ラブ・ストーリー!(裏表紙より)

はああああ面白かったー!! なんて元気で楽しい話なんだろう!
聖夜の夜に天使からもらったバイオリンを弾き続け、生き別れた伯爵家の令嬢として引き取られたミレア。その特殊な経歴を利用したい楽団の運営側に「バイオリンの妖精」として売り出すことを押し付けられるが、有名になって今でもバイオリンを弾き続けていることが伝われば、きっと聖夜の天使ともう一度会えると信じている。
果たして聖夜の天使は誰だ? というのはもうべったべたでわかりやすくって、だからこそにやにやが止まらない。皮肉屋で厳しいアルベルトの優しさが染み渡るシーンもあり、ずっとにやにやしっぱなしで、けれどバイオリンが壊れてミレアが押しつぶされそうになっているシーンではいろんな人の救いの手が泣けて仕方がなかった。
脇役たちもいい味を出していて、レベッカとフェリクスの恋模様が気になります。フェリクスもぜったい溺愛系だよね!笑
朧月夜の訪問者 (コバルト文庫)
時は平安——。京のはずれの邸に暮らす、靖子と咲子。最近、咲子には気がかりなことがあった。靖子が、気味の悪い男につけ狙われているのだ………。(表題作)都でも屈指の美姫といわれる奏子。密かに、血の繋がらない兄に恋をしていたが、ある日、一冊の日記を見つけてしまい…?(瑠璃と桜の人魚姫)——四季折々の京が舞台の、戦慄のホラー短編集。全4編収録。この世で一番怖いのは、だあれ?(裏表紙より)

ホラーと聞いていたけれどコバルトだから、死んだ夫がやってくるとか、猫の亡霊が助けてくれるしっとり系の話なんだろう、なんて思っていたんですが、甘かった。しょっぱなから魔性に取り憑かれた男につけ狙われたり、上記あらすじの「瑠璃と桜の人魚姫」なんてカニバリズムですよ。いい意味で期待を裏切られて「はわわわあ」ってなりました。平安ものでこういう病んでる感じのものって初めて読むので新鮮です。
「朧月夜の訪問者」「瑠璃と桜の人魚姫」のほか、火事にあった自分を助けてくれた少年を失って以来声をなくした姫のお話「白露の契り」、魔物を見る目を持つ孤児が陰陽師の血筋、由利家に引き取られるも次第に心を病ませていく「紅雪散らす鬼」を収録。この中で恋が成就するのは「白露の契り」だけで、書き下ろしというのも納得。この話がなければ後味がとっても悪いです。ほかの話はだいたい誰か死んでいます。
そういう意外性や読み易さも含めて面白かったです。
引きこもり英雄と神獣剣姫の隷属契約 ふたりぼっちの叛逆譚 (MF文庫J)
山奥に引きこもっていた少年・白火の下を《神獣の末裔》たるソウガの姫・グウィンが訪れる。彼女は滅亡の危機に瀕した国を救うために、様々な褒美を提案して助力を請うが白火はことごとく拒絶してしまう。だが――「ソウガの一族に協力し、この地よりカースの魔の手を完全に退けることができたなら──妾を好きにしてよい。貴殿の奴隷にしようが、素材にしようが、煮ようが焼こうが構わぬ」彼女自身を対価に契約は成立。敵国の圧倒的兵力に対して白火は《変幻流転》――超常の力を持つ武具を創る力を用いて対抗し、たった一人で戦局を打開していくのだが――? 必敗必死を逆転し、新たなる王道を斬り拓く大スケール無双戦記ファンタジー、ここに開幕!(裏表紙より)

《封命具》と呼ばれる自動的に動く道具を作ることができる少年、白火。山奥に一人きり《封命具》を作って暮らしていた少年が、神獣の末裔であるソウガ一族の姫グウィンに連れられて戦うことに。戦いの始まりといった感じで、まだまだいっぱい謎があるよ! という感じです。
グウィンは猫系の異種族なんですがとってもかわいい。気高くってでも弱いところもあって、主人公を信じてくれる正統派なヒロイン姫。彼女に仕える侍女のダナは主人公を敵視しながらも手を貸してくれる明るく元気なしっかり者ヒロイン。カナリア一族のアミラは儚くて可愛らしい、主人公一途に思うヒロイン。いいヒロイン揃ってます!
白火が《封命具》を作ることしか頭にない完全なる社会不適合者なんですが、そのまっすぐな気質が時には救いになることもあって……いい主人公だなあ本当に。
敵側に《封命具》に関する秘密があるようなので気になります。《十二刃》の何人かと共闘するっていう展開があったりしないかなあ。
ハルと歩いた (児童書)
一年前に東京から引越してきた陽太は、亡くなった母の故郷・奈良で、小学校の卒業式をむかえた。仲のいい友だちもまだいないし、気になっている女の子には声をかけることもできない。父は仕事でいそがしいし、春休みは何をしてすごそう……と思いながら、川べでぼんやりしていると、とつぜんホームレスの男から、フレンチブルドッグをもらってしまった。「迷い犬らしい。飼い主を捜してやれよ」といって、男は姿を消してしまう。
犬だけでなく、動物を飼うこと自体が初めての陽太。とまどいながら、犬といっしょに、奈良の町を歩く日々が始まった。
犬がいるおかげで、さまざまな出会いがあった。気になっていた女の子久留實の、意外な素顔にふれたり、子どものころこの町で犬を飼っていたという母に、近づいた気がしたり……。そしてついに、もとの飼い主が見つかったとき……?
十二歳の春をみずみずしく描く、心に残る物語。(カバー折り返しより)

仕事を辞めた父が、亡くなった妻(母)の実家で暮らすというので、東京から奈良に引っ越してきた陽太。小学校を卒業したけれど、奈良には馴染めないし、木になる女の子はいるけれど友達はいない。そんなとき、ホームレスの男性からフレンチブルドッグを託され「飼い主を見つけてやってくれ」と言われる。
犬が飼いたくなる話だなあ! と思いました。作中のフレンチブルドッグが本当にかわいくてかわいくて。飼い主を探す、という目的のために散歩のシーンが多いのですが、常にいろんな顔を見せてくれるし、散歩の風景も人の姿も素敵で、ほんわかと優しい物語でした。
原発についてや、認知症、障害者、古い町に新しい建物を建てることなど、日常生活において切り離せない問題をさりげなく取り扱っているのも、なるほどなあと思いました。犬と友達になりたくなる素敵な作品でした。
love history (角川文庫)
結婚式の前日、由希子は昔の恋の思い出の品を捨てに出かけ、事故に遭う。気がついたとき、彼女は19歳の恋にタイムスリップしていた。さらに思い出の曲たちに導かれて、経験したすべての「恋」をたどるうち、高校時代の恋の思い出に立ち止まる……。一方現実の時間では、結婚を約束した恋人が、行方不明になった彼女を懸命に探していた。忘れられない過去の恋と大切な今の恋。彼女が選ぶのは? 思い出とともに愛を巡る恋愛小説。(裏表紙より)

事故に遭ったことで、過去に意識が飛んだ由希子。飛ぶのはいつも恋をしていた頃。かつての恋人との出会いや別れを思っているうち、最も大きな意味を持つ恋の思い出に至る。運命を変えるべきか。それとも戻るべきか。由希子の答えは。
まずどうでもいいことなんですけど、こんなにたくさん恋をする人はすごいなあと思いました笑
どれも彼女にとって大きな意味のある恋だった。不毛な恋も、苦しい恋も、気づかない恋もあった。結婚を前にしてそんな昔の恋の時代にタイムスリップするって、本当に飛ばなくても多分よくあることなんだろうなあと想像します。ふと今までの自分を立ち返るって、ある程度生きてくるとやるよなあと思うので。
作中、永遠に過去にいるらしい玲という女性が現れますが、彼女と由希子を見ると、やはり最も苦しいのは「永遠に別れること」なんだろうなあと。それが最後の恋になってしまった人はつらいよなあ……。
そして僕等の初恋に会いにゆく (単行本)
ままならない現実に落ち込む中
中学の旧友と再会した雄也は
文化祭で上映できずに心残りとなった
告白映画「初恋シネマ」を
完成させようと決心するが……。
後悔ばかりで情けない29歳が
昔の仲間たちと新たな人生へと立ち上がる
感涙のハートフル・ストーリー!(帯より)

中学の旧友と再会した雄也。そこからかつて中学時代、放送部であった四人でつるんでいた思い出を蘇らせていく。売り言葉に買い言葉で、自分たちが告白するシーンを映画に撮って撮影することになった四人。だがその映画は、体育館の火事で上演不可能になってしまった。そして四人は会うことがなくなり……。
冒頭から軽い閉塞感があるなあと思うのは、うまくいかないなあと途方にくれたような雄也が気持ちが漂っているからかもしれない。物語は過去へ、あるいは未来へと視点を移したりなどしていく。BGMは放送部がかける音楽、そして人物たちの語る音楽の話。小説なのに映画だなあ! と思いました。エピローグ的な雄也の新しい恋の余韻がいいなあと思ったラストでした。
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Author:月子
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