読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
幼い頃のトラウマで男性が苦手な未紘は、地味で冴えない27歳。ところが母を喪いひとりになった未紘に、突如求婚してきたのは、何故かこの国の総理大臣。更には父の結婚に反対する3人の息子までもが現れ求婚を!? 「今すぐひとりを選べないなら、抱かれながら選ぶがいい」。強引すぎる兄弟に甘い言葉を囁かれ、淫らに身体を拓かれて、未紘は女として磨かれていくけれど、心は千々に乱れて……。過激に切ないネオ・シンデレラストーリー!(裏表紙より)
それまで読んでいた本が、結構しっかりした女の子が主人公のものだったので、ここまで徹底して「受け」なヒロインだとは思わず、その真逆っぷりにおおー……と思ったりなどする、TL作品です。4Pです(でも矢印出してきてるのは合わせて四人)
血なのかなんなのか、とにかくヒロインとその母の血筋に過剰に情欲してしまう、総理大臣とその三人の息子たち。母が亡くなったことで、未紘は母に恋い焦がれていたという総理大臣伊勢知に求婚されるも、それを反対する三人の息子たちに「お前を磨いてやるから別の男を捕まえて結婚しろ」と言われてしまう。しかしその息子たちにも、父の血を受け継いだのか、未紘に欲情してしまうようになって。
いやー、すごい。どんな小説も「その設定マジか」っていうものがあると思うんですけど、現実離れしたものは突き抜けてて面白いですね。最終的に三人の誰も選ばずに一緒に暮らしてっていう一妻多夫制をとるんですけど、それもありなのかーと色々考えさせられました。
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1968年12月10日、三億円事件の真相は、府中の雨に消えた。
孤独な少女の初めての恋は、昭和史最大の謎を闇へ葬った。(帯より)
両親の離婚により、やがて天涯孤独となったみすずは、親戚の家をたらい回しにされる日々だった。引き取られた先にで疎まれてきたみすずは、新宿のジャズ喫茶《B》に流れ着き、そこで仲間を得る。やがてその内の一人、岸から、お前しかできないと、あることに協力するよう依頼され……。
私だけがその秘密を知っている、というセンチメンタルに満ち満ちているのかと思いきや、前半は淡々と、孤独な少女がいずれ置いていく子どもの部分(初恋)に重大な秘密を抱え、そのことが重大だったとばかりに大事なことはほとんど語らず、後半はあっという間に時間が過ぎ去ってしまう構成。長々と書かれた《B》でのことや岸とのことだけが必要だったとばかりに、三億円事件はただのおまけみたいな印象でした。
不思議な印象の話だったなあ。
「君は竜の《花嫁》で、私の妻だ」
白竜のシュトラールの“花嫁”となった小国の姫、澄白。名ばかりの花嫁である自分を傍らに置き続けるシュトラールに、彼への恋慕を胸に秘める澄白は喜びと共に哀しみを感じていた。黒竜を追い地上に降り立った澄白たちは、塔に住む王女と若きドラゴン学者に出会い——。
花嫁への独占欲を強める竜と恋心を抑え続ける姫君、切なく純粋な想いの行き着く先にあるものとは…? 人気作第七弾!(裏表紙より)
もうシリーズ七巻なのかあ。思えば遠いところまできたものです。
澄白→シュトラールの一方通行が、ちょっとずつ形を変え始めた巻だったなあ。前巻でシュトラールが澄白に執着しているというのは明らかになっていましたが、今回はシュトラールが澄白にかなり気を使っている……というのか、譲歩している? 尊重している? 守るべき個体という認識ではなくなりつつある……のか? 囲い込み(という表現もどうかと思いますが)をしなくなって……ないかもしれませんけれど、ちょっと対応の仕方が変わったような印象を受けました。それでも自分の考えていることを率直に表すのには変わりがないので、「ちょっとあなたその行動の意図を明らかになさい!」というシーンが主にp152からのところなんですけれども、無言で迫ってくるシュトラール様たいへんごちそうさまでしたァァァァアァア!!!
あと無駄にマントを脱ぐところに萌えた私をお許しください。なんだかすごく人間臭い上に色っぽかった。
サブキャラクターの配置もこれまでと少し違い、転機の巻だったなーと思いました。それぞれに愛の形があって、それぞれの異種族婚ですが、彼女彼らと接してきた澄白は自分らしい心の形をどうやら見つけつつある様子。ちょっと安心して読み終わりましたが、今度はシュトラールを狙う輩も現れているので、また話が動きそう。
1〜3巻重版出来の帯に、まさか別の展開があるのでは……などと妄想しつつ、続きを楽しみにしています。二人の関係がどう変わるかなあ!?
母との名状しがたい関係に苦しみながら、それでも罪悪感にとらわれている女性たちが数多く存在しているはずだ。カウンセリングの経験に基づいて、墓守娘たちの苦しみを具体的に取り上げていきたい。娘たちを描くことで、母親たちの姿も逆照射されるに違いない。本書が、母娘関係を解くヒントになれば幸いだ。——まえがきより (帯より)
今でいう「毒親」の、特に母親に焦点を絞った事例を取り上げています。2008年の刊行です。母親の愛情、にしては重すぎる、娘の人生を自分のものにしている行動や、自分の人生を捧げるようにして娘に過度の期待を寄せる感じを、「お母さんが死んだあと、お墓をお願いね」と託す事例に基づいて、娘のことを「墓守娘」と呼称しています。
家とお墓を託して、家に入ることを強制して、かつ娘の成功を自分のもののように思いつつ、娘の成功を羨んで嫉妬し……などと、母親の子どもに対する異常な依存状態を紹介しているわけですが、だめだ、重い……。うちがそうだというわけではないので、あくまで想像ですけれど、これは重い。息苦しい。家族と縁を切りたくなる。でも実際にあるんですよね、こういうことが。
「君への罰は俺との結婚だ」稀代の少女騎士・シェリーは、舞踏会で急に口づけてきた王子・ユリウスの頬を叩いてしまう。でも下された処分は意外なもので!?有無を言わせず王宮に召し上げられ、夜毎の褥で甘く激しい愉悦を教え込まれるシェリー。——私、こんなに淫らな身体だったの? 自分の変化に戸惑いつつ、意地悪で優しいユリウスに身も心も蕩かされ惹かれる気持ちを抑えられない。だけどある人物が、彼がシェリーと結婚するのは、愛情からではないと囁いて…?(裏表紙より)
あらすじだけで大体話が分かりますね! 頭を恋愛脳に切り替えるために、久しぶりにTL小説を読みました。男装の少女騎士が、王子様に見初められる話です。
もっとがっちがちに男っぽいのかと思ったら、生真面目な普通の女の子で、そういうシーンでも非常に可愛かったのがびっくりしました。エロいなあ……笑 しかし、ちゃんと戦う人っぽいシーンもあったので、もうちょっとバランスが違っていたらすごく好みだったのに……いかんせんラブシーンが多すぎた。おなかいっぱいです。だがヒロインが可愛かったので良し!
女性初のノーベル賞受賞者、マリー・キュリーが18歳のときに落ちた許されない恋。夫と子を捨て、27歳でワーグナーに走ったコージマのその後。愛人300人といわれたエカテリーナ2世が、45歳にして初めて出会った真実の恋。66歳のマルグリット・デュラスを復活させた、27歳の青年の献身的愛。古今東西、歴史に名を残す女性たちが織り成す、さまざまな恋の形。圧倒され、やがて切なさが胸に迫る歴史エッセイ。(裏表紙より)
歴史的に有名な、古今東西の女性たちの、恋愛遍歴を短くまとめたものです。アン・ブーリン、マリリン・モンロー、絵島、ヴィクトリア女王などなど。短くさくっとまとまっているので、読みやすい上に分かりやすく、これ参考にしようなどと妄想力が働いてしまう。
男性に振り回される人もいるかと思えば、権力を持っているせいで相手を振り回す人もおり、かと思えば自分の力で別れを乗り越える人もおり、と恋の多種多様性を感じました。っていうか、みんな命がけで恋し過ぎじゃないのか。だから身を滅ぼすのでは……と思うこともしばしば。
とても面白い本でした。オススメありがとうございました。
シングルさんの部屋を訪ねて、いつも作っているごはんをいただき勝手にくつろぐ厚顔ルポ。21世紀のひとりぐらしの全貌がここに!(帯より)
「モーニング」連載のコラムの書籍化。一人暮らししている人のところにいって、その人が普段食べているごはんを出してもらって、その人の素性などを聞く、というもの。37人の人の家にお邪魔してごはんを食べています。ヨガ教師だったり元芸者だったり30歳の受験生だったりグラビアアイドルだったりAV女優だったり……。
一人暮らししている人って、普通の人はいないのか……? と尋ねたくなるような個性的な素性の人ばっかり。というか、みんな人生いろいろあるんだね……!
能町さんの、童貞やモテない系への視線がなんか優しいのが、ちょっとほっこり(?)しました。
《裏切りの勇者》。——それが、ルカの師であるエスベルトの呼び名だった。
魔物を引き連れ世界へ侵攻する厄災《魔女》。それを討ち倒し世界を救う《勇者》。
勇者が魔女を討伐する——何度も繰り返されてきたその歴史は唐突に終わりを迎える。
世界を救うはずだった勇者は、世界を脅かす魔女に下り、人類の敵となった——。
人々は次なる勇者を求めた。魔女を——そして裏切りの勇者を殺せる《英雄》を。
ルカは剣を振るい続ける。師匠を追い、真実を知り、師を奪った魔女を殺すために。
これは決して語られざる物語。魔女と勇者と英雄の紡ぐ、この世界最後の英雄譚。(裏表紙より)
白竜の花嫁シリーズ、アヴェントの娘など、少女向け小説で書かれている永野水貴さんが、MF文庫Jで刊行されたもの。少女の人が少年向けで出したんですから、読まないわけにはいかんでしょうよ!(鼻息荒く)
周期的に姿を現し、世界に災厄をもたらす《魔女》。それを倒す《勇者》を選ぶ機関がある世界で、魔女に寝返り人類の敵となった元勇者をかつて師と呼んでいた、勇者候補生ルカが主人公です。
勇者候補生として、神々の血筋を戴く都に作られた、養成所で訓練を受ける若者たちのなか、裏切りの勇者の弟子だったというルカは、異端であり、揶揄やいじめの対象になっている。けれど、ルカの力は彼らをも凌ぐ。それはただ、魔女のいる《黒の荒野》にいる師匠エスベルトを迎えに行くために。
ルカの必死さがいじらしいというか、そこまで頑張らなくていいんだよというか……。優しさよりも、小さな身体に厳しさと不屈さをめいっぱい詰め込んだルカは、見ていて痛々しいし、傷ついて歩けなくなったらとはらはらしました。そう、もうこれは傷つくんだろうな、というのが読んでいてありありと分かるんですよね……!
物語の結末は、ああ、このいびつで悲しい勇者の物語にふさわしい終わり方だな、と思えて、一巻完結ものとして、とても好きな余韻でした。これ、少女向けだったらルカの恋模様とかもあったと思うんですけど、それは想像で楽しめということか!
いつもと色が違っていて、また違った面白さのある物語でした。糖度、糖度、とか、楽しい話を、などと、少女向けでは言われるかもしれないけれど、こういう乾いている、悲しい、必死な子の物語も少女向けで出してもいいのではないかなー、と思ったりなどしました。
面白かったー!!
辺境で育った少女・春嵐の平凡な日々は、春嵐を《公主》と呼ぶ黒龍の青年・黒淵の襲来により終わりを告げた。両親を殺され激情のまま龍へと変化した春嵐は、帝国の皇子・流星に捕らえられてしまう。人の姿に戻った春嵐は《黒龍の公主》として彼の監視下に置かれ、流星の邸で暮らすことになり…。
私は人なのか、龍なのか——。帝国を舞台に、龍と人が織りなす中華風ドラゴンラブ!(裏表紙より)
新作は、龍と人の中華風ファンタジーでした。竜はドラゴン(主に西洋の、翼があるもの)で、龍は中国や日本で描かれる蛇状のやつ、という書き分けですね。
物語における目的は、黒龍の公主が持っていると思われる宝珠を見つけ出すこと。泰国の皇子流星と、公主と宝珠を手に入れて一族の復活を願う黒淵たちと、自分自身が龍なのか人なのかを思い悩む春嵐と。
春嵐は寂しい感じは漂いつつも、両親や近所の人とちゃんと関係を作ることができた女の子だったのに、それを奪われて、という展開がつらい。奪った相手が、超絶艶っぽい黒龍の青年ってところがにくい……でも好き……。
今までのヒロインは、結構礼儀正しい物静かな感じの子が多かったのですが、春嵐はけっこうはっきりものを言うし、流星とはだいたいが喧嘩腰だし、大丈夫かこの子たちはちゃんと仲良くなれるのか!? とちょっとずれたところを心配しました。どっちもまっすぐだからさ……。それに、物語に書いていないところで、かなり不穏な動きがあるのがわかるんですよ。もう一人の皇子の紫霄とか、流星に仕える麗華とか、お腹の中に何か抱えてるんだろうという人たちが、二人に立ちふさがらないかと不安で。
春嵐の、人とはなんぞや、と問いかけるどきっとするシーンもあったりして、彼女の正体も意外なところに落ち着き、この先があるならどうなるんだろうと想像を巡らせています。
図書館における広報についての本。思ったより薄かったけれど、基本的なことがきっちり書かれていて、ほおほおなるほどなあ、と思いました。
この本でいう広報(図書館の)とは、宣伝活動のみではなく、組織的に繋がった上でそれぞれと連携しあいながらよりよく利用してもらうためのもの、と読みました。なので、実例も、単なる展示ではなく、例えば地元農業と繋がった「としょかん朝市」だったり、ある一分野に特化したりと、特殊な事例が紹介されています。
地域との連携というのは、難しいけれどやっぱり有効な取り組みだよなー、と思う。
いわゆる狭義の広報における、ポスターやパンフレットなんかも、作ってみると難しい。この辺りは、センスかなあ、とも思います。作るのが苦手な人もいますよね(と我が身を振り返る)。