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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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異端なる尋問官の事件調書 file.01 虐殺と誘惑の少女 (Novel 0)
尋問官――関係者が秘する事実を暴き、難解なる事件を解決へと導く存在。
少年時代、稀代の尋問官にして最悪の犯罪者となった男に“壊され”、長じて尋問官となった青年・サイモン。天才にして規格外の尋問官として名を馳せる彼は、ある日“惑乱の民”と呼ばれる美貌と魅力を備えた二人の少女・アイカとテリネの尋問を担当することになる。彼女たちは愛玩奴隷として様々な主人の下を渡り歩いており、その主人たちがことごとく領民を虐殺するという奇怪な事件が連続しているのだが……
ねえ、これを外して? たくさん尽くしてあげるよ
仰ることには何でも従います。お望みとあらば、何でもいたします……

鉄鎖に縛られし二人の誘惑を受けるサイモンは、即座に束縛を解除してしまい――?(カバーより)

話し方、癖、視線の動きなどを観察して、真実を引き出す尋問を行う尋問官。かつて稀代の尋問官でありながら最悪の犯罪者となったサウルによって、父親を殺されたサイモン。やがてサイモンは尋問官となって、サウルを追っていた。
というところで、貴族出身であり初の女性尋問官になったヘイゼル・リーヴナイトがサイモンの元へ派遣され、『惑乱の民』と呼ばれる特殊な一族であるテリネとアイカがきっかけになったらしい、彼女たちの主人が起こした虐殺事件の真相を尋問する、という話。
常に影が付きまとったような話なのは、誰かの心を暴く必要があるからなのかなあ。きっと息苦しく感じたのはこの世界の闇が深いからなんだろう。『惑乱の民』の存在や、この事件の真相に当たるむにゃむにゃがあるくらいなので……。
そういう心理的駆け引きが多いので、テリネとアイカの挑発する台詞にはわかってやってるとわかるからこそはらはらどきどきしました。だからサイモンの動じなさはすごくかっこいい。彼の心が大きく動く瞬間はこれからやってくるのかな。
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ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)
2007年11月、人気作家を再びガンが襲った。痛みに眠れぬ夜を過ごし、築地を見おろしてグルメを考察し、死を思い、生をふり返る日々。もっと、もっと書こう。一行でも多く——告知から手術、退院までをかろやかに綴って、毎日を生きる勇気にあふれるエッセイ25篇。(裏表紙より)

2008年8月の発行。書き下ろし。胆管癌かと思いきや膵臓癌。膵臓癌は再発の可能性が高いそうで、中島さんは2009年5月に膵臓癌で亡くなります。
入院生活から、食事のことから思い出話から。つれづれと書いていたかと思えば、いつも話題は「死について」に戻ってくる。これが自分がどう生きたか、どう死ぬのかを考えるってことなのかなあ、などと読んで思いました。
最後に再発したことに触れているんですが、「小説のなかとはいえひとの生死と運命を弄んでいるので、「それが自分の番になっても、文句は言えない」みたいなところも〜」という部分を読んでどきっとしました。
南都あやかし帖 ~君よ知るや、ファールスの地~ (メディアワークス文庫)
あやかしたちと遊ぶ、ジャパネスク・ファンタジー
 南都。京の都のごとく栄えるこの都市に、遥か異国の血を引く青年妖術師・天竺ムスルがいた。
 緑色の瞳を持ち、喋る紅い鳥を友とする彼には、表の仕事である金貸し以外にもうひとつ裏の顔がある。不思議な力を秘めた彼のもとには、あやかしに関わる刀剣をはじめ、物騒な事物が次々と舞い込んでくるのだ。
 ムスルの構えた通称『天竺屋敷』に奉公に来た少女・葉月は、仕え女として働くうちに、彼とともにあやかしと関わってゆくことになり――。(裏表紙より)

足利将軍の時代、興福寺の食客であり金貸しである天竺ムスル。武士の娘である葉月は、借金を減らしてもらいたい父親によって、ムスルの元で働くことになる。
あらすじにみられるようなお店もの(事件や謎が主人公たちの元に持ち込まれる)という要素は少ない? ような気がします。この時代においての異国(唐国やペルシア、さらにヨーロッパ)への少しの恐れと憧れみたいなものを強く感じました。なんだかちょっと不思議な印象の話だったなあ。
ムスルと葉月が結局どうなるのかは第一話でざっくり語られるので、その過程をもうちょっと見たかったかもしれません。
ときめかない日記 (幻冬舎文庫)
何となく誰ともつきあわないまま、26歳になってしまっためい子は、親友・後藤ちゃんの同棲話を知り、突然焦りを覚える。その上、母親からは、てんで冴えない男のお見合い写真が送られてきて……。「あんな人と初めてのセックスするってこと?」。追いつめられためい子は、出会いを求めてとんでもない迷走をはじめるが――。痛くて沁みる異色マンガ。(裏表紙より)

能町さんはエッセイしか読んだことがなかったので、マンガ、それも喪女かあと思って読み進めたんですが、胸がひりひりするよ! 不倫がどうのこうのとか、男の人の「こいつ何考えてんの?」的行動とか、めんどくさい! すっごくめんどくさい! そして何より自分の思考回路がめんどくさい! というふうに読んでしまいました。
パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)
少女達が織り成す《友情》ミステリ
 周りのみんなより、ちょっとだけ頭がよい小学四年生の理桜。担任の千里子線絵師からも一目置かれている彼女は、不登校の少女「さなか」の家を訪ねるようにお願いされる。
 能天気少女のややや(注:「ややや」で名前)や、引っ込み思案の柊子とともに理桜は彼女の家に向かうが、姿を現したさなかは、早々に大学の勉学を身につけ、学校に行く価値を感じていない超・早熟天才少女であった。そんな彼女に理桜は、学校と友達がいかに大切であるかということを説くのだったが……?(裏表紙より)

担任からも頼りにされ、クラス委員長を歴任し、自分が周りよりも賢いという自覚のある少女、理桜(りざくら)。そんな彼女が、不登校のさなかを訪ねた。だが、さなかの素性を聞くうちに、彼女が自分より賢いという事実に打ちのめされた理桜は、相手より優位に立つべく「友達が必要だ」ということをまくしたてる。
達観した子どもって不自然で嫌味っぽく感じられることがあって、実はあんまり好きではないのですが、この作品の子たちは読んでて楽しかったなあ! ちゃんと前を見据えて、現実を捉えている感じの理桜と、達観しすぎるあまり友達方程式を生み出し友達というものを数字で表してしまうさなか(さなかは数学者でもある)。この二人の、噛み合っているようなそうでないような、一緒にいて心地いいようなそうでないような、みたいな関係が楽しくて。だから、終盤の展開にはえーって言ったし、どきどきしたけれど、すごく面白かったです。
還るマルドールの月 The Return of the Mardore Moon (コバルト文庫)
没落貴族の娘ダリアードは16歳の春、爵位と引き替えに元敵国であるツェブ合衆国の大富豪と結婚することとなった。相手の名前も知らないまま赴いた先で待っていたのは、眼光鋭いカタブツ警部、マーク・コリンズ。ダリアードは彼に激しく「運命」を感じてしまって。恋愛とかときめきなんて自分には一生無縁と思っていたダリアードの人生は一転、カーニバルみたいに色とりどりになるのだが!?
生きて。思うままに。愛を掴んで抱きしめて。(裏表紙より)

この本が新刊で出た時、めちゃくちゃコバルト文庫のデザインがおしゃれになったな! と思った記憶があります。最近コバルトのデザイン素敵なものがたくさん出ていますよね。
物語も、とっても楽しくてワクワクして、少女小説ってほんと素敵だな、というか野梨原さんの本が読めて嬉しいな! と思ったりしました。
古き良きといっては聞こえがいいけれど、貴族社会でカチコチに固まった古臭い国、マルドール。没落貴族の娘ダリアードは、優秀な家庭教師と老メイドとともに、合衆国ツェブの大富豪かつ刑事であるマークに嫁ぐ。けれどそれは単なる政略結婚ではなく、マルドールとツェブ両国の和平のための隠れ蓑であるという事実が判明するのですが、それよりもなによりも、くるくる動くダリアードのかわいいことかわいいこと! したたかで、賢くて、行動的で、でもまだ十六歳の初恋を知ったばかりの女の子。彼女がしゃべる、企む、なんてところが本当に楽しくて、読んでいて嬉しい気持ちにもなったり。
ラストバトルは、えーっ!? っていう連続だったんですが、楽しかったです。気分が落ちてた時だったので、読んでて気持ちが明るくなりました。
精霊歌士と夢見る野菜 (角川ビーンズ文庫)
精霊の力を借りた歌で、あらゆる植物を実らせ、王国を支える『精霊歌士』。メロウは、その登竜門であるムーサ音楽院合格を夢見ていた。けれど、彼女は野菜しか育てられない落第生。しかたなく相棒のラヴィと共に、新天地で見習い修業をはじめるメロウだが、とんでもない理由で自主退学したという首席、天才青年エイディが現れ、いきなり同居することに!? 王道ファンタジーの大本命! 第11回小説大賞、奨励賞&読者賞W受賞作!!(裏表紙より)

いわゆる「落ちこぼれ」な少女と、天才だけれど自由気ままな少年が出会い、成長していくファンタジー。すっごくかわいかった! 綺麗にまとまっていて楽しかったなー!
メロウも、ただの落ちこぼれではなく、精霊歌士から選ばれる王の娘。野菜しか育てられないのも何か理由がある感じ。そしてエイディは、怠惰なのではなく、自分の思うように、したいように行動できる好青年。メロウが頑張っているのを、自然と手伝ってあげられるいい子。エイディは本当に本当にいい子!
野菜を育てる、ということを、ファンタジーの世界においてこうもうまく使えるのかーとそこがすごく面白く感じました。ただ歌うんじゃない。ちゃんと理にかなった方法がある。すごく説得力があって、面白かった!
不妊治療を受けたものの子どもを授からなかった夫婦が、養子縁組をして双子ともう一人の三人の男の子の親になる。それまでとそれからの手記。
内容によって話を分けているせいか、時系列が前後して読みづらかったですけれども、どのようにして養子縁組をしたか、その時の気持ちは、ということが綴られていて、興味深く読みました。周囲にはどのように対応したか、子どもたちにはどう告知したか、周りから養子と知られた子どもたちにはどう言ったか、など、自分が当事者だったらどういう気持ちになるだろうか、と考える内容がいっぱいありました。
西尾維新対談集 本題
一線を走る彼らに、前置きは不要だ。
西尾維新が書いた5通の手紙と、それを受け取った創作者たちの、「本題」から始まる濃密な語らい。(帯より)

小林賢太郎、荒川弘、羽海野チカ、辻村深月、堀江敏幸という五人のクリエイターと、西尾維新が対談した内容をまとめた本です。
どれも本当に、創作とはそれぞれの形があるものなんだなあ、と思うのですが、一番響いたのは羽海野チカさんとの対談。
「持っていたら他のことが何もできなくなる人生になってしまう」というのが才能。
「どうすればうまくなれますか?」という質問は、どうすれば簡単にうまくなりますかと聞きたいわけで、それに対して、最終的には、練習を続けることというしかない。
自分が凡人であることに安心したと同時に、「人間としてちゃんとやるべきことをやっていたら、いつかチャンスが来る」という考え方をしていたので、はっとさせられました。たしかに、名人や達人とされる人は、自分すらも削り取って(やすりで削るようにして)生きているように思います。吐くとか泣くとかはまだまだ序の口ですね……。
好きか嫌いか、「もうそんな問題ではないんだ」というところに行きたいです。今はまだ、好きでもあるし嫌いでもある、という状態です。
女中譚 (朝日文庫)
90歳を超えるばあさんは「アキバ」のメイド喫茶に通い、かつて女中をしていた若かりし頃の思い出にふける。いつの世にもいるダメ男、わがままお嬢様、変人文士先生につかえる、奥深い女中人生……。直木賞受賞作『小さいおうち』の姉妹小説。《解説・江南亜美子》

女中として働いた思い出が、90歳のおばあさんが語る。その時代の様々な事情が感じられて、それでもごく普通に生きていた人がいて……。実際の文豪作品などを引きつつ、戦前などの風景や社会、人間関係を描く。
喋り方フェチなので、「なさらないの」「お上がんなさい」「よしますわ」なんて台詞がある「文士のはなし」ににやにやしました。
同じ女中さんが出てくる「小さいおうち」とは違って、ここに出てくる女中の物語は、どこにも記録されないし、聞いてくれる人もきっと世間話のひとつとしていずれ忘れてしまうものだろう、という寂しさがある……。
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Author:月子
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