読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
アメリカ・カルフォルニアの農園の娘ハリーはサマーキャンプで自分とそっくりな少女アニーと出会う。イギリスの上流家庭で育ったアニーは母と娘の二人暮らし、一方ハリーは父と二人で暮らしている。真ん中から破れたもう一方の親の写真が互いの父母で、なんとハリーとアニーは双子だったのだ。父/母に一目会いたいと、キャンプの帰りに入れ替わった二人はそれぞれを演じつつ、やがて父母を復縁させようと画策し……。
「ふたりのロッテ」ですね。またこの映画自体もリメイク作品とのこと。
おてんばなハリーと、おしとやかなアニー、賢く行動力がある二人が子どもらしい無茶で大人たちを翻弄するハッピーエンド。これだけ子どもが可愛いと「仕方ないなあ」と思わせられてしまうけれど、まだ子どもといっていい年齢のメレディスはその境地に至れるはずもない。しかし双子の意地悪はちょっとひどかったな。
こういう作品だとお茶目なサブキャラとその恋の進展も魅力で楽しい。しかし一番はやっぱりおじいちゃんだよ! なんて素敵なおじいちゃんだろう。すぐに理解を示して応援してくれる年の功よ。
賑やかなハッピーエンド、よかったです。
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ウラシマトンネル、それは入れば欲しいものがなんでも手に入るけれど歳を取る代償を支払うもの。高校2年の塔野カオルは転校生の花城あんずと少しずつ親しくなる。漫画家の才能が欲しい花城と、死んでしまった妹を取り戻したい塔野、願いを叶えるためトンネルを利用すると決めた二人は現象の検証を始める。けれどその道は次第に違っていき……。
原作未読。映像を見て俄然原作を読みたくなってきた。
「欲しいものがなんでも手に入るけれど、自分と外の世界の時間が違ってしまう」トンネルを使う、過去と現在と未来、その全部の狭間で揺れ動く高校生の男女の青春小説。いまの自分の環境のどうしようもなさも含めて現実なんだけれど、どうにかしたい、なんとかしたい、欲しい未来を手に入れたいと足掻くところに胸がぎゅっとなるんだよなあ……。
しかしやっぱりメールってエモいよな。スマホが一般的に普及するより前のガラケーを使っていたり、傘が錆びて古くなったり、というちょっとした描写に時間の流れを感じて、いいなあと思う。
金剛郭の崩壊、倒幕から約半年が経ち、日ノ本はいくつかの勢力に分かれ、各地で生き残った人々がカバネと戦いながらなんとか生活を続けていた。そして甲鉄城は、北陸の海門駅にいた。カバネが多数巣食う海門を攻略すべく連合軍に加わるが、カバネの動きに、カバネリの生駒は奇妙なものを覚え……。
美馬の反乱を乗り越えていまなお進み続ける甲鉄城。大小の犠牲を払いながらたどり着いた北陸の地で、統率されたカバネの軍団と戦う。カバネリという存在になった生駒が、人かカバネか、と苦悩して、自分はカバネリだと吠えた生駒とは真逆に、激しい怒りや悲しみを暴走させていく敵大将の景之たち。人を人たらしめるものは何か。狭間のものである生駒と無名のコミカルであったりちょっとエロチックな描写だったりでも描かれているのが興味深くて面白いと思います。
それはそれとして最後のダンス、いる?笑 いや楽しいし綺麗だからいいんだけど!
男にだまされふられる度に住む場所を変え、いまは娘のキクりんと小さな漁港に住む肉子ちゃん。太っていて不細工、空気の読めないながら、明るく素直な肉子ちゃんは、焼肉屋の店主に気に入られ、店員として雇われて漁船の家に住むようになり、いまではキクりんも11歳になった。キクりんこと喜久子は学校での出来事や不安定な暮らしに悩む思春期を迎えていて……。
大雑把で世間知らず、太っていて決して美人ではない母と、色白ですらっとしていて、けれど他の女子のように可愛らしく振る舞う性格ではない少女らしい潔癖さを持つ娘。微妙な年頃の喜久子は、同性のクラスメートたちのカーストだったり不安定な暮らしだったり、漠然と不安を感じている。けれど心とは関係なく毎日は続くし、様々な変化も起こって、翻弄されてしまう。
母娘の関係や、思春期の少女の気持ちだったり、すごく丁寧に描かれた作品ですごくよかった。喜久子の気持ちがすごくよくわかってなあ……。それにしてもクラスメート女子の人間関係をこうやってちゃんと理解しているの、すごく頭がいいな。自分に対しても理解が深くて、自分が一番マリアちゃんに怒っている、と気付くところ、すごくぎゅっとなった。
似てない親子に関してはさほど気にしていなかったんですが、そういうことだったのかという描写が挟まるところも、肉子ちゃんの魅力や、母娘の確かな絆を感じられる展開だと思いました。
内向的な性格でいじめのせいで卑屈になってしまった羽花はレモン色の髪の三浦界に憧れている。ふとしたことで界と関わることになった羽花は、少し強引ながら優しい彼に背中を押され、たくさん友人を得て楽しい学校生活を送れるようになるが、次第に界への気持ちも大きくしていく。
いじめられっ子のヒロインと、派手で塩で人気者のヒーローの青春ラブストーリー。
ヒーローを魅力的にしようとしすぎて違和感のある言動をさせるの、ちょっとやめた方がいいと思うな……。寒い、と思ってしまうあたり、嫌な大人になってしまった。
そんな感じなので、もうずっとお互いのこと好きじゃん、という展開が続いて、予想通り付き合うことになるけれどすれ違い、けれどお互いの気持ちを確認しての安定のハッピーエンド。
ただ映画なのでだいぶ駆け足で、他のいいエピソードをかなり省いているんじゃないかなあという感じがする。友達みんなで遊ぶエピソードの楽しさをもっと見せてほしかった。
「ザ・サイレンス 闇のハンター」
事故で聴力を失った女子高生のアリーは、両親と祖母、弟と愛犬と暮らしている。音がない世界で、手話と読唇術で意思疎通をするアリーだったが、ある日世界は一変する。地中の奥深くに生息していた飛行型の肉食動物がふとした偶然で解き放たれ、あっという間に世界を覆い尽くしたのだ。音に反応して襲いかかるベスプと名付けられた怪物から逃れるため、多くの人々と同じようにアリーたち家族も脱出を目指すが……。
音に反応する怪物から逃れるホラー作品。ゾンビじゃないし、見えないものでもないのを作品が久しぶりでちょっと新鮮。
音を立ててはいけないという制約と、聴覚を失った主人公と声を使わずに意思疎通ができる家族という組み合わせが面白い。でも犬が可哀想な目に遭う(直接的な描写はないけど)ので注意です。
なので結構簡単に逃げ切れるんじゃないかと思ったんですがそう簡単にいくはずもなく。宗教関係はきつい。しかも自爆テロ的なやつを仕掛けてくるとは。ものすごく胸糞でしたが物語的にはばっちりなんだよなあ……。聴覚を失ったアリーが「適応した」ことを絡めて最後に繋げたのはわかりやすくて上手いと思いました。
事故で聴力を失った女子高生のアリーは、両親と祖母、弟と愛犬と暮らしている。音がない世界で、手話と読唇術で意思疎通をするアリーだったが、ある日世界は一変する。地中の奥深くに生息していた飛行型の肉食動物がふとした偶然で解き放たれ、あっという間に世界を覆い尽くしたのだ。音に反応して襲いかかるベスプと名付けられた怪物から逃れるため、多くの人々と同じようにアリーたち家族も脱出を目指すが……。
音に反応する怪物から逃れるホラー作品。ゾンビじゃないし、見えないものでもないのを作品が久しぶりでちょっと新鮮。
音を立ててはいけないという制約と、聴覚を失った主人公と声を使わずに意思疎通ができる家族という組み合わせが面白い。でも犬が可哀想な目に遭う(直接的な描写はないけど)ので注意です。
なので結構簡単に逃げ切れるんじゃないかと思ったんですがそう簡単にいくはずもなく。宗教関係はきつい。しかも自爆テロ的なやつを仕掛けてくるとは。ものすごく胸糞でしたが物語的にはばっちりなんだよなあ……。聴覚を失ったアリーが「適応した」ことを絡めて最後に繋げたのはわかりやすくて上手いと思いました。
グレイス=フィールドハウス孤児院で暮らすエマ、レイ、ノーマンとたくさんの子どもたち。大好きなママ・イザベラの優しさと愛情を受け、新しい家族の迎えを待つ……けれどそんな日々はすべて偽りの作り物だった。外の世界には恐ろしい異形の者たちが跋扈し、人は家畜であり、自分たちはいつか出荷される存在。真実の一端に触れたエマたちは定められた運命から逃げ出すことを決意する。
アニメは視聴済み。
いわゆる人間牧場から脱出する子どもたちと母の物語。母のもとから旅立つ物語は普遍的ですが、こんな悲しく辛く力強い旅立ちがあるかよという気持ち。面白いんですけどね! まさかエマの選択がこうなるとはとアニメを見たときに思いましたから。
イザベラとクローネがハマり役すぎてね! 対立する二人の格の違いが見て取れるシーンがよかった。尺の問題で他の家族を巻き込むかどうかの葛藤や、ばれるかばれないかの駆け引きが省略されているのは残念でしたが、だいぶ忠実な実写作品だったと思いました。
台北に住むカイティンとジュンジョーは休日の予定について話して揉め、気を取り直して仕事に出るといういつもの一日を過ごすはずだった。しかし様子のおかしい人々が、とてもまともとは思えないことを言いながら周囲の人間を次々に残酷な手段で手にかけるという猟奇的な現場に遭遇する。この状況はこの街のみならず国中に広がっており……。
とんでもないスプラッタホラー。R18+も納得。
血も出るし色んな意味でぐちゃぐちゃにされるし、何より猟奇発言が大変気持ち悪い。見ながらうわぁ……とどんどん気持ち悪くなっていくので耐性がある人しか見ちゃだめなやつ。
やっぱりバッドエンドなんですが、最後まで見ていると「きたきたやっぱりバッドエンド!」という期待を裏切らないいい胸糞感(褒めています)。ここまで嫌な気持ちを貫いてくれると清々しくて、面白かったです。
「親愛なるエヴァン・ハンセン」……社会不安障害のエヴァンはカウンセラーの勧めで自分宛の手紙を書いている。それを素行の悪いクラスメート、コナーに奪われてしまうが、次の日彼の両親に呼び出されたエヴァンはコナーが自殺したこと、二人が親友だと知らなかったと告げられる。誤解を解くことができず嘘を重ねるうち、エヴァンの行いは美談となり、どうしようもない状況へ展開していく。
社会に適応しづらい主人公が嘘を重ね、多くの人と交流を得て、最後に本当に大事なものとともに歩んでいくミュージカル作品。
ただただ嘘を塗り重ねられていく展開がきつく、劇中歌で緩和されるものの、行き着く先は破滅だよという気持ちで見てしまってだいぶしんどかった。なので不器用に生きる人たちの苦い青春物語としては満点だと思います。
エヴァン・ハンセンの歌声がよくってなあ。心の優しい、不器用で、悲しみを抱える、生きづらい若者の声をしているなあと歌に聞き入ってしまった。
スネ夫に自慢された宇宙旅行にいますぐ行きたいと、ドラえもんに力を借りようとするのび太。だが危険な宇宙に行かせられるはずもなく、道具で宇宙を体験するだけにしようとするが、この道具が何者かに持ち去られてしまう。それが飛来したUFOの仕業だと知ったのび太たちは期せずして宇宙旅行に出ることになる。
だいぶがっつり宇宙の冒険。宇宙船団だったりブラックホールだったり危険な星だったり宇宙での戦いだったり。これだけでもだいぶ盛り沢山だな……。最後にノストラダムスの大予言が絡んだのが時代を感じます。98年から99年の連載で、1999年の公開作品です。
しかし眩乱の星が普通に怖いんだよな。どうして映画ドラえもんは作品を見る子どもたちに軽いトラウマを植え付けていくのか。