読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

両親の再婚でできた血の繋がらない弟・透と仲が悪い湊。友人のバイトを手伝うため、渋谷で女子高生の格好をしていたところ、なんとその透と遭遇。とっさに別人だと誤魔化したものの、何故か透に好意を向けられ始める。これを機に女の癖の悪い弟を改心させようとするも、何故か本気になられてしまって……。
同い年の血の繋がらない弟が姉への想いをこじらせ、姉は姉で嘘を重ねたせいで何故か弟と付き合うことになり、とややこしいアンドややこしいが重なる話。
いやでもなんかもうちょっとこうさあ……! 冒頭から透は湊のことが好きだとはわかるんですけれど、さすがにここまでこじらせる前にもうちょっと頑張ったらよかったんじゃないのか。「野口みな」に対してやったことを湊の前でやって、告白したらそれで終わった話のような気がするんだけど!
なんてこともありながら、ただのイケメンとのどたばたラブコメにならないのは、ちょっとピリッとした展開や発言があるからかな。普通に「気持ち悪い」って言うんだ!? ヒロイン全肯定じゃないんだ!? しかしその後のホテルでの色々は普通に怖いんで心臓に悪かったわ……。
軽く見えて思ったよりそうでもなかった(それでも軽いけれど)という恋愛作品だったと思います。
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「マチルダ ザ・ミュージカル」
子どもを望まない母と男の子を望む父のもとに生まれた少女マチルダ。親の自覚のない両親のもとで生まれ育ったマチルダの楽しみはフェルプスの移動図書館の本と、即興で考えた物語をフェルプスに話して聞かせること。だが学校に行っていないことが問題になり、両親が罰金を嫌がったため、ようやく学校に通えるようになるが、そこは校長と上級生に支配された監獄のようなところで……。
原作未読。『マチルダは小さな大天才』が原作。教育を奪われながらも読書好きで、想像力豊かな賢い少女が、監獄のような学校に囚われたあらゆるものを解放し、悪者をこらしめる、子どものための楽しいお話。
こういう荒唐無稽なハッピーエンドはロアルド・ダールらしくてすごく楽しい。ミュージカルとの相性もばっちりで、いろいろな人が入れ替わり立ち代わりしながら歌ったり、大勢で踊ったりしているシーンはとても綺麗で賑やかで楽しくて大好き。
しかしまさか念動力が発現するとは……。子どもが「もし私にその力があったら」と想像する代表的なものが備わるなんて、読者をきちんと想定した設定だなあと感心しました。
子どもを望まない母と男の子を望む父のもとに生まれた少女マチルダ。親の自覚のない両親のもとで生まれ育ったマチルダの楽しみはフェルプスの移動図書館の本と、即興で考えた物語をフェルプスに話して聞かせること。だが学校に行っていないことが問題になり、両親が罰金を嫌がったため、ようやく学校に通えるようになるが、そこは校長と上級生に支配された監獄のようなところで……。
原作未読。『マチルダは小さな大天才』が原作。教育を奪われながらも読書好きで、想像力豊かな賢い少女が、監獄のような学校に囚われたあらゆるものを解放し、悪者をこらしめる、子どものための楽しいお話。
こういう荒唐無稽なハッピーエンドはロアルド・ダールらしくてすごく楽しい。ミュージカルとの相性もばっちりで、いろいろな人が入れ替わり立ち代わりしながら歌ったり、大勢で踊ったりしているシーンはとても綺麗で賑やかで楽しくて大好き。
しかしまさか念動力が発現するとは……。子どもが「もし私にその力があったら」と想像する代表的なものが備わるなんて、読者をきちんと想定した設定だなあと感心しました。
「バクラウ 地図から消された村」
ブラジル北東部にある小さな村、バクラウ。村の長老の葬儀に参列するために村に戻ってきたテレサだが、バクラウでは水を巡る争いが続いており、市長と対立状態にあった。やがていくつかの不穏な出来事とともにこの村に惨劇が訪れ……。
ホラーかと思いきや、スプラッタでサスペンスでした。何故村が消えるのか? についてはとても現実的な理由で、そのミスリードがなかなか面白い。
つまり、ここは当たり前に戦闘を行う人々が暮らす土地であり、傭兵部隊が存在し、土地の住民と政府(権力者)との諍いが絶えないということ。それが「地図から消された」を意味しているという、ほほう? な部分が多い作品で面白かったです。しかし全裸で銃をぶっ放した後、瀕死の人間に、翻訳アプリを使いながら話しかけるのはなんか怖かったな。
ブラジル北東部にある小さな村、バクラウ。村の長老の葬儀に参列するために村に戻ってきたテレサだが、バクラウでは水を巡る争いが続いており、市長と対立状態にあった。やがていくつかの不穏な出来事とともにこの村に惨劇が訪れ……。
ホラーかと思いきや、スプラッタでサスペンスでした。何故村が消えるのか? についてはとても現実的な理由で、そのミスリードがなかなか面白い。
つまり、ここは当たり前に戦闘を行う人々が暮らす土地であり、傭兵部隊が存在し、土地の住民と政府(権力者)との諍いが絶えないということ。それが「地図から消された」を意味しているという、ほほう? な部分が多い作品で面白かったです。しかし全裸で銃をぶっ放した後、瀕死の人間に、翻訳アプリを使いながら話しかけるのはなんか怖かったな。

夢の中と現実の落差を嘆いたのび太。頼ったドラえもんにはもっと現実で頑張るように叱責されるも、結局ひみつ道具を出してくれ、好きな夢が見られるカセットを使った「気ままに夢見る機」を使わせてくれる。しかしそんなのび太に怪しい老人が近付き『夢幻三剣士』のカセットがあることを教えていく。それはある企みがあってのことで……。
のび太たちにとっては夢の世界ではあるけれど、その世界の住人にとっては本当の、もう一つの世界とも言える場所での冒険。いかにもRPGっぽいので騙されそうですが、だいぶ深いぞこの話。一回死んでるし。ラスボス戦でメンバーが全員揃っていないのも珍しいし、謎めいたキャラクターもいるし、色々と挑戦的な感じもしたなあ。
のび太というキャラクターの人間性を本編以外でよく描いた作品だったように思います。弱っちくて甘っちょろい、なんてことを言われがちだけれど、本当に心の優しい子なんだという。
「ボクたちはみんな大人になれなかった」
46歳。つまらない大人になってしまった。テレビ番組の制作会社で働く佐藤は、ある日Facebookに初めて付き合った彼女のアカウントが表示されていることに気付く。そこには家族と「フツー」の幸せな日々を送る姿があった。結婚を決めておきながらそうはならなかった彼女、その前の、売春をしていた外国人の彼女、そして初めての彼女……現在と過去を思いながら佐藤がたどり着いたのは。
全員が未熟で、何かが足りずにいた。そうして何も変えられないまま日々を続けていく、どうしようもなさを感じる作品だったなあ。「フツー」という言葉への、嘲りと、どうしようもない羨望。そうなりたいけれどそうなりたくないという相反する気持ち。子どもにも戻れないし大人にもなりきれないのって苦しい。仕事をし、結婚して家庭を作り、子どもを育てるという「フツー」、すなわち大人になれずにいる佐藤なので「ボクたち」で括っちゃいけないんじゃないかな、なんて思っていたので、最後の「ボクたちはみんな」で止まる一文の余韻がよかった。私ならこの文章を「ボクたちはみんな大人になりたかった」と書くだろうな。
46歳。つまらない大人になってしまった。テレビ番組の制作会社で働く佐藤は、ある日Facebookに初めて付き合った彼女のアカウントが表示されていることに気付く。そこには家族と「フツー」の幸せな日々を送る姿があった。結婚を決めておきながらそうはならなかった彼女、その前の、売春をしていた外国人の彼女、そして初めての彼女……現在と過去を思いながら佐藤がたどり着いたのは。
全員が未熟で、何かが足りずにいた。そうして何も変えられないまま日々を続けていく、どうしようもなさを感じる作品だったなあ。「フツー」という言葉への、嘲りと、どうしようもない羨望。そうなりたいけれどそうなりたくないという相反する気持ち。子どもにも戻れないし大人にもなりきれないのって苦しい。仕事をし、結婚して家庭を作り、子どもを育てるという「フツー」、すなわち大人になれずにいる佐藤なので「ボクたち」で括っちゃいけないんじゃないかな、なんて思っていたので、最後の「ボクたちはみんな」で止まる一文の余韻がよかった。私ならこの文章を「ボクたちはみんな大人になりたかった」と書くだろうな。

父親ののび助に、スキーと海水浴が同時に楽しめるホテルに予約を取ったと言われ、喜ぶのび太。友達に自慢するもそれがパパの夢だとわかり、すっかりしょげてしまうが、次の日名前の書かれた謎めいたトランクを開けると、そこは確かにどこかの島のホテルだった。禁じられた地下室には迷宮の入り口があるとは夢にも思わず……。
幼少期に見て、怖い印象がついた作品。砂嵐のテレビ画面とパパのシーン、親が明かりを消した部屋でテレビを見ているのがなんとなく怖いと感じていた記憶と結びついて印象的だったのと、敵側のナポギストラーのデザインが怖かったのと、あといとまきのうた! 久しぶりに見ていて、何故あの歌を不思議とよく覚えているのかを思い出しました。
劇場版としては、環境問題より、便利になっていく社会に警鐘を鳴らしているような内容。頼りすぎるなよ、というメッセージを感じました。便利に慣れると難しいことではあるけれど、大人になって思うのは、自分の手でやることの面白さや喜びは忘れないでいたいなということです。

デトロイトの貧困地域に住むジミーは、ラッパーになって身を立てることを夢見ている。母親は素行の悪い自分の先輩と恋仲で、金遣いが荒く、普通の生活もままならない。人種や経済環境を分ける「8マイルロード」をジミーは超えることができるのか?
エミネムの半生を描く自伝的作品。こういう作品だと成り上がって成功する輝かしいシーンで終わりそうですが、こちらはただ創作者、表現者として道を定めた静けさがあって、いい終わり方だなあと思いました。成功よりも歌うべきものがある、と思えているのなら、それはきっと素晴らしいことだと思うよ。
しかしこういう貧困層の生活は、当たり前にどこにでもあるということが、なんだかやるせなくなってしまった。多分そういうメンタルだったんだろうけれど、なんかもう、どうしようもないなあ世界、というか。だからこそジミーがより強く格好良く見えました。

アメストリス、イシュヴァール、そして東方のシン国。それぞれに賢者の石を求める者たちが集う「約束の日」に、ついにエドワードたちはすべてを企てたフラスコの中の小人とホムンクルスたちと対峙する。失ったものを取り戻す兄弟の旅の行方は?
ラストシーンに至る完結編の後編。
最後の最後にホーエンハイムとトリシャのシーンを保ってくるのはずるいよ!? と目を潤ませながら見終わりました。
ちょっとだけ許せなかった改変は、マスタング大佐が視力を失ったその後のこと。ドクターマルコーのエピソードが変わっていたのでマルコーが賢者の石を持ってくるシーンじゃなくなっていたのが、違う!! ホークアイ中位はマスタング大佐を支え続けるけど、それはハンディがあるからとかじゃないんだよー! とかつてこの二人にときめいていた人間としては叫んでしまうわけですよ!
やっぱり素晴らしい作品だよなあ……と思ったのでつい原作の最後の方を読み返してさらに泣いてしまった。

アメストリス国軍の闇を知ったエドワードとアルフォンス。その頃国内では国家錬金術師の連続襲撃事件が発生していた。犯人はかつて弾圧されたイシュヴァールの民の特徴を持つ傷を持つ男、通称スカー。襲撃されるエドワードたちは、やがてさらなる闇に遭遇する。
スカーの襲撃から、ざっくり終盤までを描いた完結編の前編。
リンがやたらめったら顔がよくて実写映えする役者さんだなあ? と思ったら、経歴を見てなるほどと思いました。仮面のライダーの中で結構好きだと思った役者さんでした。
その関連で言うとキンブリーがもったいなかったんじゃないかなあ。せっかくいい役者さんを使っていたのに登場が少なすぎる。あとアームストロング少佐が小柄すぎないか? と思ったんですが、確認したら役者さんが結構背の高い方でいらしたので、キャラクター描写って難しいなあと思いました。
二作目ではまり役すぎるだろ! と思ったのはホーエンハイム。飄々としながら重いものを抱えた、愛情深い人になっていて、さすがだなあと思いました。アームストロング少将も美女で大変眼福でした。

アメストリスの最年少国家錬金術師と名を馳せるエドワードと弟のアルフォンス。「賢者の石」を求める二人は、かつて死んだ母親を生き返らせようと禁じられた人体錬成を行い、失った身体を取り戻そうと旅をしていた。しかし旅の最中、国を動かす軍部の闇を知ることになり……。
実写映画一作目。印象的な第一話から、登場人物の立ち位置などもだいぶ改変されていて、原作ファンはだいぶきつかったろうなあ。上手い役者さんがキャラクターをきっちり演じてくれているから保っている感がある。
個人的にはやはりタッカーがよかったです。あの人が「勘の良いガキは~」と言ってくれるの似合いすぎて笑っちゃった。全然笑えるシーンじゃないのにぴったりなんだよなあ!
あとヒューズ中佐の人の良さが滲み出すぎていて、わかっていたのにその展開は悲しかった。