読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
東京のある下町に、年金で暮らす初枝と、押しかけてきた夫婦の治と信代、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。散らかった家で、万引きで生活する一家は、ある日幼い少女が放置されているのを見かねて連れ帰る。秘密を持ちながら身を寄せ合い、擬似的な家族を形成する彼らだが、その日々は終わりを告げて……。
年金暮らしと強請りとは言えない強請りで生活する初枝。わけありの信代と、息子に万引きを促す治。言われるままに万引きをしながらゆり/凛がきたことで少しずつ自らのあり方に疑問を抱き始める祥太、妹の名前を使いながら孤独に生きる亜紀、虐待を受けてこの家族に迎えられることになったゆりことじゅり。
すべてがすべて、寄せ集め。本当の家族ではなく、みんながみんな小さな罪を塗り重ねて、この日々を保っている。それが社会の常識という正しいあり方によって崩されてしまうことは、本当に正しいのか。
正しいんだよ、でもそれだけじゃない。罪を重ねることでしか救えないときもあるかもしれない。そんなジレンマを感じる良い作品でした。
役者さんたちがすごくよくってねえ。人生に疲れたような、軽薄で、けれど奥底にどうしようもない孤独や空白があるような。物語が進む中で、寄せ集めのものが少しでもその孤独を慰撫しているような、そんな雰囲気が感じられて。初枝の死が終わりで、始まりなんだという、否応なく変わるものを感じさせるのも、切ないしやるせない。
大人たちは自らの罪を償う必要があり、どこへも行けない子どもたちはもしかしたらどこかへ行けるかもしれない、外の世界に出て行ける可能性の種を手に入れられたであろうとわかるラストシーンがよかったな。
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ドラえもんのひみつ道具を使って絵本の世界で遊んでいたのび太たち。だがひょんなことからしずかちゃんだけが「シンドバッドの冒険」の世界に取り残されてしまい、散らかした本を片付けていなかったせいで処分されてしまった。助けに行けないと落胆するのび太たちだが、アラビアンナイトの世界が一部現実を反映していることから、可能性を求めて過去のアラビアに向かう。果たしてしずかちゃんを助けることはできるのか。
本を処分するってひどくない!? が最初の感想でした。多分これいまだと描写しないよね……?
調べていたら、そういえばこの作品が初めて四次元ポケットが使えない状況だったのか。何故か結構使えなくてどうしようという状況に陥るような気がしていたので意外だったな。
子ども向けの作品で奴隷になるって危機的展開ながら結構登場するように思うんですが、描写のバランスが難しそうだなあと思って見ていました。リアルに寄せるときつくなるし、かといって甘くするとはらはらできないし。
すべての戦いが終わり、役目を終えて去りゆく者と、未来に向かって歩みを進める者、それぞれの道を選んだ七つの大罪たちと王女エリザベス。国王即位を打診されたメリオダスは、その前にエリザベスと新婚旅行に出かけていた。各地を巡る旅の最中、同じく新婚旅行中の弟ゼルドリスとゲルダと遭遇した二人は、不穏な気配を察知して動き出す。この戦いは、人と人ならざるものの時代の終わりと、混沌の始まりを告げる物語。
本編後の物語として、ようやく幸せになろうとする恋人たちと、すれ違い続けた兄弟の共闘と、これまで作品を見守ってきたファンにサービスするような劇場版。そうなんだよ、劇場版というのは「これが見たい!」となんとか叶えてくれるやつであってほしいんだよ!!
メリオダスとエリザベスが安定の夫婦感を見せる一方、恋人らしいいちゃいちゃを見せてくれるゼルドリスとゲルダににやにやしてしまった。ゲルダに弱いゼルドリス、めちゃくちゃいい。撫でられているところでにまにましちゃった。
ディアンヌとキングも結婚式を挙げましたが、意外だったのがバンとエレイン。二人とも人間の誓いごっこはお好みじゃないそうですが、バンはエレインをめちゃくちゃ着飾らせて可愛がってあげてくれよ!!! とちょっと思っちゃった。
そうした本編の色々にけりをつけ、続編の伏線となる作品。とにかくゼルドリスが可愛くて楽しかった。
いまだ人と、ひとならざるものの世界が分かたれてはいなかった、古の時代。魔神族の暗躍から王国を救った七つの大罪と王女エリザベスは、国王の生誕祭を祝うための食材集めに走り回っていた。だがメリオダスとホークが偶然天空の世界に転移したことで、一行は天翼人と魔神族の黒の六騎士との戦いに身を投じることになる。
本編とはちょっと違う設定の番外編的な位置づけかな? メリオダスとエリザベスがいて、そのそっくりさんがいたら、三千年前の聖戦を思い出さないはずがないもんね。本編が悲劇の恋人たちやすれ違った兄弟の話でもあるシリーズなので、公開時期的にその設定が生かし切れないであろうこの劇場版はちょっとパワーダウンさせられてしまっている印象。
七つの大罪はアニメと変わらずかっこいいし、戦闘シーンもいいんだけれど、惜しい……。
ある日、謎のピンク色のもやをくぐったのび太は動物たちが人間の言葉を話して文明を営む場所に迷い込む。翌日案の定ドラえもんたちに話すも信じてもらえなかったが、寝ぼけて再びピンク色のもやをくぐったのび太と、それを追いかけてきたドラえもんによって確かにその場所が存在すると確認する。そこは地球とは異なる動物の姿をした人々が住むアニマル星だった。
1990年の映画なので、当時話題になっていたであろう環境破壊などの要素が色濃くなっている。いままでならのび太に勉強するよう注意したり、散らかさないように言ったりするママが、いきなり町内会の一員としてゴルフ場建設計画に反対することになって勉強したり、それをのび太に伝えるところが、思いっきり明示的。
いままで結構何かと戦ったり敵対勢力にいたり、助けを求めてきたり、というゲストキャラクターが多かったので、犬の姿の普通の男の子だったチッポとのび太たちが出会って、ちょっと遠い旅行先の友達みたいな感じで一緒にいるのがなんだか微笑ましかったな。
敵対勢力になったニムゲ同盟の総長の最後の一言がなんだか切なかったな……。
目覚めたそこは謎の部屋。続く部屋も同じような部屋が続く場所に、六人の男女が閉じ込められていた。共通点は何もなく、知り合いでもないが、とりあえず外に出ようと試みるが、「間違った」部屋には即死の罠が仕掛けられている。少しずつ精神を削られながら「正しい」部屋を進む彼らだが……。
元になった作品は鑑賞済み。
以前もあるホラー作品で思ったのですが、有名な役者さんを起用するとその人の名前や顔に意識がいくんだよなあ。そのホラーのときはそのズレっぷりと悲惨な死に方が面白かったのですが、特にこういう狭い場所で繰り広げられる作品は、有名な人が演じるなら映像じゃなくて舞台で見たい。
その他、頑張って色々理由付けをしたせいで余計に話がスベッてしまった印象でした。そこまでやるんだったらもうちょっとそれっぽいディストピアっぽいやばい伏線が欲しかったなあ。
「エリア51」
宇宙人に関する機密が存在するというアメリカのエリア51。陰謀論を支持するリード、ダリン、ベンの三人は情報提供者のイェレナとともにその施設に侵入する。そこで彼らが見た真実とは……。
モキュメンタリーで撮影された作品。低予算ながら怖さを感じられる撮影方法だと思うんですが、中盤からだいぶゾワゾワし始めてきたのに、重要施設にあっさり進入できるのはどうなんだと終盤でずっこけてしまって、一気にチープになってしまった印象です。浅慮な人間こそこういう絶対無理なところで一回ばっさりやられてほしかったんですけどなー。
そんなことを思っていたので本当に宇宙人が出てきてびっくりしてしまった。もうちょっと現実的な方法でめちゃくちゃに怖い思いをさせられるんだと思っていたのに。まあここまでやらかした人間としては妥当な結末か……。
宇宙人に関する機密が存在するというアメリカのエリア51。陰謀論を支持するリード、ダリン、ベンの三人は情報提供者のイェレナとともにその施設に侵入する。そこで彼らが見た真実とは……。
モキュメンタリーで撮影された作品。低予算ながら怖さを感じられる撮影方法だと思うんですが、中盤からだいぶゾワゾワし始めてきたのに、重要施設にあっさり進入できるのはどうなんだと終盤でずっこけてしまって、一気にチープになってしまった印象です。浅慮な人間こそこういう絶対無理なところで一回ばっさりやられてほしかったんですけどなー。
そんなことを思っていたので本当に宇宙人が出てきてびっくりしてしまった。もうちょっと現実的な方法でめちゃくちゃに怖い思いをさせられるんだと思っていたのに。まあここまでやらかした人間としては妥当な結末か……。
宇宙からやってきた天人と人間が共存するようになった江戸の町。かぶき町で万事屋を営む銀時のもとに、ある依頼が持ち込まれる。妖刀・紅桜なる刀を取り戻してほしいという刀鍛冶の村田だったが、同時期にかつて銀時とともに戦った桂が行方知れずになり、町には辻斬りが現れるという、不穏な気配が漂いつつあった。
紅桜篇をメインにした実写映画化作品。よくこの俳優にこの台詞を言わせたな……とか、よくこの作品をパロったな……みたいなもののギリギリさ加減が実写になるとより顕著で、見ていると常に半笑いになっているという。
しかしメインストーリーはきっちり一本筋が通っており、かっこいいときはめちゃくちゃかっこいい銀さんのいいところが見られるよい実写作品だったと思います。このすれすれのギャグとはっとするシリアスさがいいんだよあなあ。
新入生歓迎会のために「西遊記」を演じることになったのび太たち。だが提案したにもかかわらず役は村人その1。不満に思ったのび太は孫悟空に似ている自分が悟空を演じるべきだと主張しタイムマシンをつかって旅をしているはずの孫悟空を探すが、そのことがきっかけで歴史が書き変わってしまう大事件が起こってしまうことに……。
ドラえもん映画でどれが怖かった? と聞くとだいたい名前を聞くような気がするパラレル西遊記。確かに家に戻ってきたと思ったら自分たち以外全員が妖怪だったというのは怖い。なりかわりはSFでもよく見ますけれど、怖いと思いますもんね。
しかしドラミちゃんが観世音菩薩なのは納得しかない。劇場版を順番に見ていますけれど、ドラミちゃんが的確な援護をくれるパターンが結構ある気がするので、しっかりものの妹属性に目覚めてしまいそうです。