忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9
B09GK8W1KR
人付き合いが苦手で常にヘッドホンを装備する男子高校生のチェリーは、上手く話せないことからその思いや感情を俳句にしてSNSに投稿する毎日。一方動画配信サイトの配信者として活動する女子高生のスマイルは元三姉妹アイドルだがある理由でマスクを手放せない。そんな二人がスマホを落としたことをきっかけに交流を重ねるようになり……。

タイトルからして青春! という印象がある作品。ポップな色合いがちょっと眩しいのでもうちょっと優しい色がいいなーと個人的に思ったりもしましたが、賑やかな彼ら彼女らが強調されていてこれはこれでありだなと思います。
車での移動が必須の地方の、大きなショッピングモールがある街での出来事。SNSで距離を縮めるチェリーとスマイルが可愛かったなあ。いやもうそのいいねとフォローはどきどきするよね! とにっこにこで見てました。
一方でお年寄りの描写もあるのがリアル。チェリーたちとフジヤマさんとの関わりも、いまどきっぽい印象がありました。こう、職員さんたちより距離を取りつつ、でも優しくないわけじゃない感じというか。でも何かしたいと思ったときの行動力はすごく親身だったりとか。
ところで、レコードの曲げを伸ばそうとした瞬間に悲劇が見えて叫んじゃったよね……。その辺りの知識のなさもリアルだった。
PR
B0B9GVZD91
かつて不死身の龍と呼ばれて恐れられた伝説の極道、黒田龍は、結婚を機に足を洗い、専業主夫として家庭を守りながらご近所さんたちと平和な日々を過ごしていた。だがある日玄関前にどこからやってきたのかベビーカーに乗った男の子が現れる。警察に届けるも養護施設に預けられると聞いて反対した龍は、その子を仮にリュウと呼び、保育園を頼ることにするが……。

強面で、極道ものの言動が抜けきれないせいで勘違いされながらも実は家事スキルが非常に高い専業主夫のアットホーム任侠コメディ。
登場人物がものすごい顔をして凄まじい勢いで啖呵を切るのがもう面白くて面白くて……。まさか「脳みそチューチュー吸うたろか」が飛び出すとは思わなくて巻き戻して二度見しちゃった。強面でかっこいい、または美しいお顔の役者さんたちが迫真の怖い顔になるのがいいよね!笑
元ヤクザ者が主人公なので、弱いものを守る、子どもを守る、悪い大人とは全力で、な正統派ヒーローもののストーリーで楽しい。気を楽にして楽しめる作品だと思いました。
B077P4K9R1
それはディスボードの世界が始まる6000年前、エルフ、ドワーフ、フリューゲルなどの種族が争う時代。その戦いによって大勢の人類が巻き込まれ、隠れ住むことを余儀なくされていた。人類種のリーダーであるリクは、ある日エクスマキナの少女・シュヴィと出会う。人間の心を解析することを求めるシュヴィとの出会いこそ、世界を変えることになるのだが……。

ゲームの勝敗ですべてが決まる世界、の、始まりの物語。本編は見ていましたが、まさかこういう神話に絡む話があるとは……。人に近くありたい者と、それを受け入れた人のあがき、とても良いですね。いやでも切ないよ!
けれど二人の出会いのきっかけになったチェスが、最後の瞬間にリクの心にあったからこそテトが現れたんだと思うと、愛の力だなあ……と思うんですよね。神様に祈るとき、リクの心にはシュヴィがいたんだな……。
B003RSDE8M
夏休みの宿題の自由研究に行き詰まっていたのび太。最終的にドラえもんを頼り、ひみつ道具「創世セット」を使って新たな宇宙を作り出して観察絵日記をつけ始めることにする。新しく誕生した地球に降り立ち、進化の歴史を垣間見るのび太たちだが、その星では人間以外の種族も進化しており……。

ひみつ道具で地球を作ったら、他の人類が出現してあれやこれや、というだいぶ壮大なお話。仏を拝む祖先のそっくりさんに「神だってば」と主張するのび太が子どもらしくてちょっと笑ってしまった。宗教のことは小学生にはきっと難しい。
久しぶりに環境問題等々が関わらない内容だったように思うけれど、地球を作って、その歴史を見るというのはいままでの話の総まとめみたいで興味深かったな。いままでいろんなところを見てきたよねえと感慨深くなってしまった。
ここまでだいぶ見てきたけどまだまだいっぱいあるな映画ドラえもん。リメイク版にたどり着くのが遠いわー。
B0BDQHW7NB
不眠症に苦しむ史織は、卒業制作のためにホラー映画を撮るという元彼の啓太と付き合っている友人の真帆の撮影に無理やり同行した。幽霊団地と有名なそこでは、しかし大勢の住民が暮らしており、撮影は迷惑だと嫌がられてしまう。だが団地では奇妙な現象が発生し……。

廃墟と噂の団地だが、大勢の住民が暮らしているという奇妙な場所に入り込んだ三人の大学生。ここで面白いのは主人公がまともじゃないこと。常に精神状態が不安定なので、超常現象や恐怖体験が発生すると、さらに怖くなる。登場人物から距離を取らないと不安になる作品だと思います。
「ミッドサマー」に影響を受けたんじゃないかなあと思われる色彩の統一や、人々の服装、奇妙なダンスや食事が、見ていて本当に薄気味悪くて、ホラー映画の画として良い。話としてはめちゃくちゃなのも、見ているこちらを不安にさせます。
結局これは入り込んで関わってしまった時点でアウトだったんだろうなあ。色々食べちゃったし、仲間入りさせられてしまったんだろうな。
B096VD7XL7
両親の再婚でできた血の繋がらない弟・透と仲が悪い湊。友人のバイトを手伝うため、渋谷で女子高生の格好をしていたところ、なんとその透と遭遇。とっさに別人だと誤魔化したものの、何故か透に好意を向けられ始める。これを機に女の癖の悪い弟を改心させようとするも、何故か本気になられてしまって……。

同い年の血の繋がらない弟が姉への想いをこじらせ、姉は姉で嘘を重ねたせいで何故か弟と付き合うことになり、とややこしいアンドややこしいが重なる話。
いやでもなんかもうちょっとこうさあ……! 冒頭から透は湊のことが好きだとはわかるんですけれど、さすがにここまでこじらせる前にもうちょっと頑張ったらよかったんじゃないのか。「野口みな」に対してやったことを湊の前でやって、告白したらそれで終わった話のような気がするんだけど!
なんてこともありながら、ただのイケメンとのどたばたラブコメにならないのは、ちょっとピリッとした展開や発言があるからかな。普通に「気持ち悪い」って言うんだ!? ヒロイン全肯定じゃないんだ!? しかしその後のホテルでの色々は普通に怖いんで心臓に悪かったわ……。
軽く見えて思ったよりそうでもなかった(それでも軽いけれど)という恋愛作品だったと思います。
「マチルダ ザ・ミュージカル」
子どもを望まない母と男の子を望む父のもとに生まれた少女マチルダ。親の自覚のない両親のもとで生まれ育ったマチルダの楽しみはフェルプスの移動図書館の本と、即興で考えた物語をフェルプスに話して聞かせること。だが学校に行っていないことが問題になり、両親が罰金を嫌がったため、ようやく学校に通えるようになるが、そこは校長と上級生に支配された監獄のようなところで……。

原作未読。『マチルダは小さな大天才』が原作。教育を奪われながらも読書好きで、想像力豊かな賢い少女が、監獄のような学校に囚われたあらゆるものを解放し、悪者をこらしめる、子どものための楽しいお話。
こういう荒唐無稽なハッピーエンドはロアルド・ダールらしくてすごく楽しい。ミュージカルとの相性もばっちりで、いろいろな人が入れ替わり立ち代わりしながら歌ったり、大勢で踊ったりしているシーンはとても綺麗で賑やかで楽しくて大好き。
しかしまさか念動力が発現するとは……。子どもが「もし私にその力があったら」と想像する代表的なものが備わるなんて、読者をきちんと想定した設定だなあと感心しました。
「バクラウ 地図から消された村」
ブラジル北東部にある小さな村、バクラウ。村の長老の葬儀に参列するために村に戻ってきたテレサだが、バクラウでは水を巡る争いが続いており、市長と対立状態にあった。やがていくつかの不穏な出来事とともにこの村に惨劇が訪れ……。

ホラーかと思いきや、スプラッタでサスペンスでした。何故村が消えるのか? についてはとても現実的な理由で、そのミスリードがなかなか面白い。
つまり、ここは当たり前に戦闘を行う人々が暮らす土地であり、傭兵部隊が存在し、土地の住民と政府(権力者)との諍いが絶えないということ。それが「地図から消された」を意味しているという、ほほう? な部分が多い作品で面白かったです。しかし全裸で銃をぶっ放した後、瀕死の人間に、翻訳アプリを使いながら話しかけるのはなんか怖かったな。
B003RSDE8C
夢の中と現実の落差を嘆いたのび太。頼ったドラえもんにはもっと現実で頑張るように叱責されるも、結局ひみつ道具を出してくれ、好きな夢が見られるカセットを使った「気ままに夢見る機」を使わせてくれる。しかしそんなのび太に怪しい老人が近付き『夢幻三剣士』のカセットがあることを教えていく。それはある企みがあってのことで……。

のび太たちにとっては夢の世界ではあるけれど、その世界の住人にとっては本当の、もう一つの世界とも言える場所での冒険。いかにもRPGっぽいので騙されそうですが、だいぶ深いぞこの話。一回死んでるし。ラスボス戦でメンバーが全員揃っていないのも珍しいし、謎めいたキャラクターもいるし、色々と挑戦的な感じもしたなあ。
のび太というキャラクターの人間性を本編以外でよく描いた作品だったように思います。弱っちくて甘っちょろい、なんてことを言われがちだけれど、本当に心の優しい子なんだという。
「ボクたちはみんな大人になれなかった」
46歳。つまらない大人になってしまった。テレビ番組の制作会社で働く佐藤は、ある日Facebookに初めて付き合った彼女のアカウントが表示されていることに気付く。そこには家族と「フツー」の幸せな日々を送る姿があった。結婚を決めておきながらそうはならなかった彼女、その前の、売春をしていた外国人の彼女、そして初めての彼女……現在と過去を思いながら佐藤がたどり着いたのは。

全員が未熟で、何かが足りずにいた。そうして何も変えられないまま日々を続けていく、どうしようもなさを感じる作品だったなあ。「フツー」という言葉への、嘲りと、どうしようもない羨望。そうなりたいけれどそうなりたくないという相反する気持ち。子どもにも戻れないし大人にもなりきれないのって苦しい。仕事をし、結婚して家庭を作り、子どもを育てるという「フツー」、すなわち大人になれずにいる佐藤なので「ボクたち」で括っちゃいけないんじゃないかな、なんて思っていたので、最後の「ボクたちはみんな」で止まる一文の余韻がよかった。私ならこの文章を「ボクたちはみんな大人になりたかった」と書くだろうな。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]