読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
![真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41ERQ2DHQFL._SL160_.jpg)
家計を助けるために画家フェルメールの家の下働きとなったグリート。彼女が芸術に関して秘められた才能を持っていることに気付いたフェルメールは、絵の具の調合を手伝わせたりと彼女を重用するが、それが家族の反発を呼んでしまう。そしてついに、フェルメールはグリートの肖像画を描くことになり……。
有名な絵画「青いターバンの少女」(「真珠の耳飾りの少女」ともいう)を題材にした作品。原作となる小説があるんですね。
身分が低く、立場が弱く、虐げられる立場にありながら、直感的な芸術センスを持つグリート。画家としてよいものを描こうとするが芸術を理解しない家族に苛立っていることもあって、彼女と距離を縮めていくフェルメール。ただの不倫とは思わないんですが、芸術のパートナーってこういうことがまま起こるんだろうなあと思うと、なんとも言い難い気持ちになる。時代なのか価値観なのか。
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![帰ってきたヒトラー [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41P2G6UepOL._SL160_.jpg)
2014年ドイツ、ベルリン。突如現れたその男は、自殺直前のヒトラーだった。リストラされた番組制作者のザヴァツキはひょんなことから彼を見出し、番組を制作する。それがきっかけとなってメディア進出を果たしたヒトラーは、かつて国民を扇動したその演説で人々を魅了していく。さらにはネットの力も合わさって、その危険性を誰も気づかないまま。
コメディかと思ったらとんでもないホラーだった。いやいやいや、いやいやいやいや! 笑え! って言われてるけど笑えないよ!
それでもこのヒトラーという人が、どんな影響力を持っているのか、人を魅せる能力に長けているかということを描いているのは面白いんだよなあ……怖いんだけど……。メディアとネット、あと大衆の恐ろしさを見せつけられた気がする。
知識を持って、きちんと歴史を知って、知恵をつけることが大事なのかもしれない、と思いました。

どこにでもいるごく普通の女性、アンジェラ。ある日指先に傷を負ったことをきっかけに、周囲で不可思議なことを起こるようになる。あまりにも続く不幸や死に異変を感じた父や恋人は、検査の結果、彼女が悪魔に取り憑かれていると告げられる。バチカンから派遣された神父は悪魔祓いを行うが、現れたのは凄まじい力を持つ悪魔だった。
パッケージ版がないのでアマプラを貼ります。
実は全部作り物なんだよーん、みたいな展開を想像していたんですが、ガチで悪魔に取り憑かれていた。悪魔祓いのシーンは緊張感あったなあ。ここまでやって悪魔が憑いていなかったらどうしようかと思った。
悪魔に振り回された感が強くて、誰も勝つことはできない、みたいな終わり方だったのが消化不良です。いやでもこれまで見てきたホラー映画(悪魔もの)を思うとだいたいこんなものなのかな?
海老反りがきたときは「きたきたきたー!!!」と興奮したので、私にはホラーの素養があるのかもしれない。

異世界で魔王ヴァルヴァランを倒すべく立ち上がった領主の娘コーネリア。狂戦士、魔道士、暗殺者は彼女と力を合わせて戦っていたが、魔王の「魔王転生」の術に巻き込まれ、異世界に転生してしまう。そうして今度こそ魔王を倒す、はずだったが、コーネリアは犬になり、仲間の三人はそれぞれ自由に、かつごくつぶしとして駄菓子屋に居候、さらに魔王はいたいけな少女となっていて……。
魔王と転生ネタを扱いつつも、日常系な中編アニメ映画。
女子たちがわいわいしていて、かつ幼女が元魔王というのは好きな人にはたまらないやつだよなあ。
何にも考えなくてもゆるーく楽しめる作品で、前世(異世界)絡みの事件はあるものの、平和でいいなあと思いました。
最後の絵、めちゃめちゃ上手いな……。
![LION/ライオン ~25年目のただいま~ [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51jOFKoDWwL._SL160_.jpg)
オーストラリアで幸せに暮らすサルーは、インドで生まれ育ちながらも迷子になり、家族と生き別れて養子に出された子どもだった。成長したサルーはGoogleのサービスであるGoogle Earthを利用して、記憶を辿りながら家族を探す旅に出た。
実話をもとにした作品。ニュースでもすごく話題になりました。脚色が加えられているのは承知の上であっても、とてもドラマティックで運命的な出来事を描いていたように思います。孤児になってしまった無力な少年が、無事に成長して家族を見つけられるってどれだけの運命があったのか。タイトルの意味がわかったとき、感動で震えました。
すぐに繋がれるっていい面も悪い面もあるけれど、これはテクノロジーが繋いでくれたいい出来事だったよなあ。けれど、グーグルアースがなくても彼はいつかそこにたどり着けた気がする。
![吉原炎上 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51t-MSHcanL._SL160_.jpg)
明治時代、吉原の遊郭「中梅楼」に19歳の久乃は売られてきた。様々な女たちが春を売るそこで、久乃は花魁や客たちに教えられながら、少しずつ花魁としての意識を高めていく。ついには御職を目指すようになるが、一方では転落する女たちもいた。
1987年の映画。結構性的なシーンがあったんですがR指定つけなくて大丈夫?
拙い演技もあるはずなのに、みんなすごくいきいきしてて力強くて、古い邦画はなんか面白いんだよなあと思う。あと思い切りの良さがすごい。激しい演技に見入ってしまう。
苦界と呼ばれる場所の女性たちの生き方はそれぞれ違っていて、どうしてそうなってしまったのかを考えるとどんな辛くて苦しい積み重ねがあったんだろうと思ってしまう。またそれぞれの終わりというのか、その人の物語の最後が凄まじい人ばかりでな……。
最後の失笑めいた表情がどういう意味だったのかを考えているんですが、何もかも虚しい、なのかな。虚しくないはずだと思うんですよね。
![ブラック・スワン [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41waJ%2BYTH9L._SL160_.jpg)
バレエ一筋のニナは、ステージママである母親の期待と愛情を一身に受けるバレリーナ。バレエ団の次の公演は「白鳥の湖」だが、主役は純真無垢な白鳥と官能的な黒鳥という一人二役を演じなければならない。ライバルの存在、演出家の性的なほのめかし、自らの力不足に追い詰められていくニナは、少しずつ少しずつ壊れていく。
真面目で抑圧された女性が少しずつ自身の黒い部分を開花させていく……というストーリーを想像していたんですが、ラストの畳み掛けに、ひいっ! と悲鳴をあげたし、最後まで見て、いやまじこれ好きだわ……と思いました。現実感を残したまま、見ているものが壊れているところがめちゃめちゃ怖いし、すごくいい。
結局ニナは、自分が黒い部分に染まることができなかった、直面して受け入れることができなかった、ということなのかな。母親に望まれる自分がもう完全に自分自身と化していて、そこから逸脱することができず、認められることもできず、こういう結末なのかもしれない。いやでもあるいは、純真無垢であることを否定するかのように白鳥は失敗したけれど、黒鳥を完璧に踊れたのは邪悪さを受け入れたからで、でも何もかも遅かったということなのか。
どちらにしても面白かったです。
![オーメン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Gldr7yHQL._SL160_.jpg)
六月六日の六時に生まれた我が子が死産だった駐英大使は、同じ日に生まれた孤児を引き取ってダミアンと名付けた。しかしダミアンが成長するにつれ、周りでは不可思議な事件や死亡事故が次々に起こるようになる。ついには教会関係者に、ダミアンは悪魔の子だと言われ……。
ダミアン少年、という言葉だけを知っているという感じだったのですが、この度初視聴。めちゃめちゃ勢いよく人が死ぬし首を吊るし首が落ちるし、ぎゃっと言わせようとしているシーンのオンパレードで、古いホラー映画のこういうところ好きよって思いました。いやでも残酷だしグロテスクなんですけどね……。
抗って戦って、こういう結末を迎えるのは珍しいなあと思いつつ、機会があったら続きも見てみよう。
![ムーンライト スタンダード・エディション [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51a3SgCWVNL._SL160_.jpg)
内気な性格を学校で嘲笑われているシャロン。いじめられっ子の彼にとって、同級生のケヴィンが唯一の友人だった。薬物中毒の母にネグレクトを受け、麻薬の売人の男フアンとその恋人テレサに助けられたシャロン。我が子のように可愛がってくれる彼らに安らぎを与えてもらって成長していくシャロンだったが。
マイアミの黒人コミュニティで暮らす少年のヒューマンドラマ。静かで上品で、どこか物悲しい、いい作品だった。心を救われるってどういうことなのか、丁寧に描いてるなあという感じ。自分の世界に溢れる矛盾や、受け入れがたい現実とどう向き合っていくのか。夜の海を望んでいたシャロンが振り返ってくれたことで、なんとか自分自身を受け入れることができたのかなと思う。
シャロンは報復しないし、裏切り行為を働いたケヴィンに怒りをぶつけたりしない。母親と和解するけれど、彼が更生するわけではない。そういうリアリティがすごく丁寧で、すごくよかった。
![ぼくのエリ 200歳の少女 スペシャルプライス版 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51rqDbUR0%2BL._SL160_.jpg)
いじめられっ子のオスカーは、ある日隣に越してきた少女エリと出会う。しかし彼女が外に出てこられるのは夜だけ。それでも密かな交流を続けていた二人だったが、街では不可解な失踪事件や殺人が起こっていた。
「モールス」を先に見ていて、原作は未読。孤独な少年と謎めいた少女の交流の話で、こちらはどちらかというと事件性が強い物語になっているような気がします。二人の世界の外で起こっている事件が現実として押し寄せてくる感覚、恐ろしい感じがあるけど嫌いじゃない……(むしろ好きだ……)
残酷なシーンが結構ストレートに描かれるので、そういう意味では「モールス」の方が綺麗で幻想的だったかなと思いつつも、わかりやすくて面白かった。