読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
冷戦時代に東ドイツで生まれ育ったハンセルは、ある日米兵のルーサーから結婚を申し込まれ、母の助けもあってパスポートを偽造し性転換手術を受ける。だが手術は失敗。股間には「怒りの1インチ(アングリー・インチ)」が残った。しかも結婚生活は破綻を迎えてしまい……。
ヒューマンドラマと音楽。ヘドウィグの怒りと叫びが込められた魂の歌とその物語。
片割れを見つける物語だったなあ。男と女、どちらかの性だと決めなければならないような気がしてしまうけれど、どちらも持っていていいのだと思うし、持っていなくてもいいのだと思った。ずっと歌っているけれど心情を語るその歌がすごくよくて、また画面が雑然としているのに綺麗なんだよなあ。
失墜と成功が非常にドラマティックで面白かった。舞台、一度見に行ってみたい。
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古い時代から続く王と魔法の力、そしてクリスタルが存在するルシス王国と、機械文明の発達により急速に巨大化していたニフルハイム帝国は、長きにわたって戦争を続けていた。移民によって成り立つ王の従兵たち「王の剣」もまた、あちこちの先頭に駆り出されており、ニックス・ウリックも例外ではなかった。だがついに和平が成り立つというその日、帝国はルシスの懐に入り襲いかかろうとしていた。ニックスたちは王都を守るため、行動を開始するが……。
ゲームの「ファイナルファンタジーXV」では語られていない「その頃王都では……」のお話。
ものすごい大変だったんじゃないかよ!
ノクトたちがのんびりロードムービーやってる一方で、王都陥落というすごい展開を迎えるわけですが、この状態でルーナがオルティシエに来ていたとか、凄すぎて。もうちょっとノクトとルーナが交流しても良かったんじゃないか……などと本編のだめだめさ加減が浮き彫りになる映画ですが、しかし映画は映画でルーナを唯一のヒロインに仕立て上げてしまっているのでそれはそれでちょっと物申したい笑
映画は移民たちの悲哀の話。故郷を失った人たちがたくさん出てきて、力を求めて奔走する。ニックスも同じように力を求めるわけだけれど、ルーナの神凪らしい発言に感化される。王と認められたわけではないけれど心が揺るぎなくなったのかな。新参者の王に優しい歴代の王たちはちょっと笑ってしまいましたが笑 血族はかわいいんだろうか。多分ここが指輪に認められるには強い心が必要であるという伏線なんでしょうね。
とてつもなく美しい3Dで作り上げられた作品で、バトルシーンがはちゃめちゃにかっこよかったです。でかい敵が出てくるの、たぎるなあ!
幸せな日々を送っていた皇女アナスタシアだったが、魔法使いラスプーチンによる呪いで革命が勃発し、ロマノフは滅んだ。そしてアナスタシアは逃亡の際に家族と離れ離れになってしまう。十年後、パリに亡命した皇太后にアナスタシアを引き合わせて報酬をもらおうと画策する人々が溢れる中、過去を持たない少女アーニャは自分を知る人を求めて旅立つ……。
アナスタシア伝説を下敷きにしたミュージカルアニメ映画。子どもの頃に見た覚えがあったんですがほとんど覚えていなかった。当時はなんとも思っていなかったけれど、ぬるぬる動くアニメですごい。細かいところまで描き込んでいてすごい作品だ。
過去を持たない少女と、過去の彼女を救ったことのある青年が再会し、恋心を育む。彼女は貴族の世界に戻るか、それとも彼との愛に生きるか。そこに邪悪な魔法使いが彼女を殺さんと迫ってくる。ちょっとファンタジー成分がとってつけた感はあるんですが、貴族の世界か自由な恋かというのはロマンスとしては素晴らしい題材だなあと思います。
とにかく人物がものすごくぬるぬる動くのですごいなあ。久しぶりに見て楽しかったです。
大学の同級生だったピーターとティムは時には喧嘩しながらも次第に仲を深めて親友になっていた。しかし要領がよく目的を達成するためには汚い手段を用いることを厭わないピーターに、ティムはそれでも関係を切らず友人として付き合いを続けていく。だが青年時代から変わらないピーターの言動はやがて彼を追い詰め……。
男性同士の友人関係を描きながら立身出世や嫉妬を描く、という感じかな。1991年の映画なので男性像が、時代だなあという印象を受けました。こういう出世物語に女性関係やら裏切りやら誇りが絡むの、そういう時代だったんだなあと思う。
その人の本質というのはいつになっても変わらないもので、ピーターはきっとずっと誰かを踏みにじりながら大物になろうとするんだろうし、逆にティムはそれでも関係を切ることができず何かあったときに助けてしまうんだろう……と思いました。こういう、友情がとんでもなく鎖になって互いを束縛している感じ、嫌いじゃないです。
学校の王子様、久我山柊聖に告白して玉砕した友人のために彼に抗議した西森葵。けれど柊聖が足をくじいたことをきっかけに、彼が隣室の同居人であることを知る。しかもボヤ騒ぎで柊聖の部屋を水浸しにしてしまったせいで何故か同居することになってしまった! 自分勝手で口の悪い柊聖に振り回される葵だったが……。
原作は漫画。原作は少しだけ読んだことがあります。
剛力さんはショートカットの方が可愛いですね。大人っぽくてとても爽やか。
高校生活と同居ものということで、学校にバレるバレないのドキドキ感と、S系イケメン男子に振り回されるヒロインの気持ちを楽しむお話だと思うんですが、この関係が始まるまでの導入がかなり無理矢理感があるのがちょっと気になったかなあ。漫画だとそんなに気にならないんですが、実写になるとありえない感がすごく増します。
あと桜月が嫌な女すぎて……笑 「いつまでも待ってるから」っていう文句は自分を盾にするみたいでずるいよなあ。優しい人なら見捨てられるわけないじゃん……。
しかし苦しい恋をしながらそれを捨てられない葵がとても切なくてよかった。とてもヒロインでした。
妻と二人の娘たちと幸せな日々を送るジェリー。その頃全世界では謎のウイルスと人間の暴走事件が連日報道されており、なんらかの異常が始まっていたが、ついに彼らの元にもその脅威が押し寄せる。人間を凶暴化させる未知の病から逃れたジェリーたちだったが、元同僚の国連事務次長から現場へ復帰してくれと要請される。家族を守るために死地へ飛び込むジェリーは、果たしてこの世界の希望を見つけることができるのか……。
ゾンビ物というと「どのように逃げて戦うか」ということで閉鎖的で限定的な地域での戦いになるように思うんですが、これは全世界を飛び回って情報を集めながら、ゾンビにどう対抗していくかを見つけるお話。ジェリーがだいぶしぶとく笑 知恵と勇気と戦闘力を持って戦ってくれるので、安心してストーリーを楽しみました。
なんといってもかっこいいのは、ゾンビの中を悠然と歩いて戻って来るところ! まさに「英雄」「希望」という感じでめちゃくちゃいいシーンだなあ。
全世界の人々がゾンビと戦うのはこれから先の話、という「まだまだ俺たちの戦いは続く」という終わりですが、ジェリーのチートぶりといい大量のゾンビが登場するシーンといいかっこいいなあと思った作品でした。
女優の卵であるミア。売れないジャズピアニストのセブ。夢を抱いて必死にそれを追う二人が偶然出会い、恋に落ちる。夢を叶えるために同じ速度で歩いていけるはずだと思っていた恋は、一方の成功によって少しずつずれ始めていき……。ミュージカルとダンスを交えて描かれる作品。
夢を追う人はこれを見るとキツイ気持ちになる、という前評判を聞いていて恐々見ましたが、私は爽やかな作品だと思いました。それぞれ形は違うけれどいまに満足しているし、夢を完全に諦めたわけでもない。ただ若い恋人たちが人生の岐路に立って別れただけだと思う。キツイという部分をあげるとすればすごく都合のいいお話だったところかなあ。結局二人とも才能があったおかげで思い描くものやそうでなかったものを実現できたという、幸せな成功例を見せられたのはちょっとなあと思ったかもしれない。
けれど映画なんだから夢のあるお話でいいと思うし、ミュージカル映画として作ったならイマドキ風で面白かったと思います。きらきらしたビビッドなミュージカル映画でオシャレだったし綺麗だった。
かつて人気を博したゲーム「ゼビウス」の巨大要塞が突如現実世界に実態化したことで、世界各地が危機にさらされていた。それにより負傷した動物戦隊ジュウオウジャーのジュウオウタイガーが運び込まれたのは、仮面ライダーエグゼイドこと宝生永夢やポッピーのいる病院。だがそこに宇宙戦隊キュウレンジャーまで現れ……。
時期的には仮面ライダーはエグゼイド、スーパーヒーロー大戦はキュウレンジャーのときのコラボ映画ですね。お祭り映画って感じでヒーロー側も怪人側もたくさん登場してわちゃわちゃと戦っています。
残念ながらエグゼイドとキュウレンジャーは嗜んでいない(そもそもあんまり特撮に嗜んでいない……)ので多分本編でむにゃむにゃした人たちとかが出ていてそれを見ていた人たちはきゃーってなるんでしょうが、私はとにかく「ポッピーやっぱめっちゃ可愛いわ……」と思ってました。可愛いよね!?
あとマントばさばさなってるのはめちゃくちゃかっこいいなあと思いました。特撮の映画を見るときってお祭り感があってわいわい楽しく見るときと、アクターさんの動きやカメラワークが凝ってて面白いときとあるんですが、これは後者だった。
デザイナーとして靴を作っていたドリューは会社に多額の損失を出してしまい、仕事を追われる。自殺を考えていたところに父の訃報が届き、親戚と折り合いの悪い母に代わって単独で父が亡くなったエリザベスタウンへと向かうことになった。その行きの飛行機の中で客室乗務員のクレアと出会ったことで、父の葬儀までの短い非日常が優しく鮮やかに彩られて……。
傷ついた大人の男性の再生と、家族と出会いと別れの物語。恋愛に振り切っていないところが爽やかで面白かった。
父の死という非日常に、いつもと違う自分の行動。付き合いの薄い親類たちの大集合や、葬儀。そこで発生する出会いと恋はやっぱり非日常で、こういう作品でもなければ起こらないんじゃないかなあという非現実的なところもあり、休日になにも考えずにぼーっと見て明日から頑張る、というような作品だったなあ。
親戚大集合がどこの国もこういう感じなんだなあというのが楽しかった。お母さんのスピーチはお国柄って感じがしましたが、個人を愛しているから賑やかにするっていうのはなんかいいよなと思う。
自分の中で何かが死んで、新しく生まれる。父の死からクレアと出会い、クレアによって導かれて日常に戻っていく。少しだけ非日常のお土産を持って。優しくてきれいな作品でした。
魔女の血を引くキキは13歳になり、一人前の魔女になるためにどこか別の街を見つけて修行することになった。やがてたどり着いた街でパン屋のおソノに出会ったキキは、そこでお届けもの屋を営むことにする。
実写映画。原作は遠い昔に第1巻を読んだだけなので話はさっぱり覚えていなくて、ジブリアニメの方が親しみがあります。
日本めいた国のどこかで生きている魔女の少女と、列島にある小さな街のお話になっていて、どこか一昔前の町並みになっていたり、都会の風景が映らないことから、上手く現代とファンタジーが融合しているような雰囲気が面白かったです。
でも結構魔女に対してあたりの強い人が出てくるのが精神的にきつかったかなあ。そんなにぎゃあぎゃあ言わなくていいじゃないかと思ったかも。
キキはちゃんと年相応の13歳で、こまっしゃくれたところや小生意気な雰囲気が薄れていて、主人公としてはこちらの方が好感が持てるかもしれません。まだまだ子どもっていう雰囲気がいいなと思いました。