読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
![腐女子彼女。 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51ZDpgOxS1L._SL160_.jpg)
二歳年上のOLヨリコと付き合うことになった大学生のヒナタ。けれど告白のときに彼女から逆告白されたのは、オタクであることと腐女子であることだった。彼女の妄想や同人誌やゲームなどの趣味に振り回され、それでも一途に彼女を思うヒナタは……。
2009年の映画。原作は未読。
こういう、オタクや腐女子を過剰気味に描いている作品はあんまり好きではないんですが(オタクはちゃんと隠れるよ! 気を許した相手にしかオタ話しないよ!)、とにかくヒナタがいい子すぎて……。彼女に付き合ってアニメ関係のイベントに行くって優しすぎる……。
そして見たことあるようなと思っていたらヨリコさん役は電王のお姉ちゃんだったかあ。
声優の福山潤さんと日野聡さんが本人役で出演していて笑ってしまい、それを前にしているお客さん(キャストさんですよね……?)の反応がガチっぽくてまた笑ってしまいました。跳ねるよね、嬉しいとね。口抑えちゃうよね。何かが出そうで。
腐女子という設定はあるものの大人の女性と年下の男性が付き合っていくには……という現実的でビターな部分もある作品で、オタク部分はハイテンションめで生暖かい感じなのに、恋愛部分はシリアスという落差が、あんまり見ない感じだったので不思議で興味深かったです。
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![ARIA The AVVENIRE [Blu-ray]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41Q4kV3VDkL._SL160_.jpg)
アリアカンパニーのシングルであるアイは、今日も先輩である灯里の指導を受けていた。ある日姫屋の藍華、オレンジぷらねっとのアリスと偶然に再会する灯里。アイはそれを「みらくる」と言い、灯里は独り立ちする前の三人で一緒にいた日々を思い出す……。
原作読了済。アニメは第1期、第2期、第3期視聴済で、OVAは未視聴。
本編のその後が垣間見えるOVA。修行時代の灯里たちのエピソードをやりながら、"アクアマリン"となった灯里と後輩のアイのお話をやってくれるという、ボーナストラック的なお話が三つです。一話目がアリシアさんの裏誕生日の話なんですが、アテナ先輩がいないのが泣けてしまう……でも登場してくれた……嬉しい……。
二話目はケットシーの最後のお話。三話目は先輩から後輩へ、後輩から先輩への気持ちがいっぱい詰まった未来軸でのお話。ウンディーネ三人組が三組揃うという奇跡のショットが見られて嬉しかったです。アテナ先輩……。みんなが揃うようにお話が作られていてよかった……。
出会いと別れを繰り返しつつも、その一瞬一瞬にある幸せなことをめいっぱい味わう登場人物たちが素敵でした。
![一枚のめぐり逢い [Blu-ray]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51EoMmQ-dzL._SL160_.jpg)
戦地で一枚の写真を拾ったローガンはたった一人生き残って国に戻ってきた。手にした写真に守られたように感じていたローガンは、そこに写っていた女性にお礼を言うため、彼女を探してルイジアナへやってくる。そして写真の女性であるベスと息子ベン、彼女の祖母エリーと関わっていくが、写真のことは伝えられないまま恋に落ちてしまい……。
戦争というものは人の心を傷つけ、その傷はうまく塞がらないものなのだ、ということを最初に感じました。
男性主人公視点のハーレクインロマンスみたいなストーリーなんですが、ところどころに見える心の傷や寂しさの気配が上品でいい映画だなあと思いました。どんなに痛くても空白が埋まらなくても、寄り添って生きようとという人たちの切なさと力強さを感じる。誰もがより良い方向に変わりたい、運命を変えたいと願いながら、少しずつ前に進む。そういう堅実さが愛おしい作品だ。
なんだか心がしんとなる、好きな映画でした。
![スクール・オブ・ロック [Blu-ray]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/613UOLEIFWL._SL160_.jpg)
頭にロックしかなく、やりすぎのパフォーマンスと人間性のクズっぷりからバンドから追い出され友人からも見放されそうになったデューイ。私立小学校の代用教員にありつくものの授業をやる気はない。しかし生徒たちの高いポテンシャルを感じ、授業と偽ってロックバンドを結成してしまう。しかも学校と保護者には内密で大会に出場しようとし……。
デューイのあまりのクズっぷりに、言いくるめられて騙されている生徒たちが心配になるんですが、子ども側から見れば大人を出し抜く楽しい作品なのかな。保護者の反応は当然だと思いますが、音楽は人生を少し豊かにするよなと思います。がちがちで固められた人生よりも遊びがある方が楽しい。
みんなどこかしら鬱屈した思いがあってそれを「ロック」にぶつけるのが楽しかったなあ。どんなにがちがちの人でも案外そういうものに救われた年頃があるのかもしれない。
好きだという気持ちの狂気と喜びは大人として見ていて少し怖かったですが、子どもたちは楽しそうだ。楽しみを見つけた子どもたちなので、音楽のある人生を楽しんで成長していってほしいです。
![コロンビアーナ [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51AOol0fEaL._SL160_.jpg)
マフィア幹部である父と母をマフィア関係者に殺されたカトレアは、隙をついてアメリカ大使館に逃亡し、亡命。だが空港を逃げ出して叔父のエミリオの元に身を寄せたカトレアは復讐を誓い、15年後暗殺者として、両親の仇を誘き出すために次々と仕事を果たしていく。しかし偽名を使って付き合っていた恋人から素性が漏れてしまい……。
復讐を誓った美しき暗殺者。華麗なんだけれども泥臭さを感じさせるところが、非常にシリアスでかっこいいです。犯行現場にカトレアの花を置くって、「私はここにいるぞ」という激しい復讐心を表していてすごくかっこいい。
何も知らずに愛していた恋人から素性が割れるというのは、暗殺者ヒロインの作品としてはとしては「ああーやっぱりー」っていう感じなんですが、そういう甘さがいいと思いつつも、そういうところもちゃんとしっかり自分を律するヒロインを描いてほしいなという気持ちもあり……。あんなに幼い頃から構成員の素質を見せていたカトレアが、寂しさを埋めるために男性と付き合ってそこから大事なものを失うって、あまりにも悲しい。暗殺者に徹してほしかった。
いやしかしアクションといいかっこいい映画でした。
![ガッチャマン(本編ディスク+特典ディスク) [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51lsn4UsSZL._SL160_.jpg)
21世紀初頭、突如現れた謎の組織ギャラクターに制圧された世界で、人間はごく一部の地域でかろうじて暮らしていた。ギャラクターに対抗するため、「石」と呼ばれるものの力を引き出すことのできる適合者と呼ばれる能力者たちが集められ、迫り来る敵と戦うようになっていた。ガッチャマンと呼ばれるGチームの、健、ジュン、甚平、竜の四人は指令を受けてギャラクターに立ち向かうが……。
原作は見たことがない世代です。
テンポがあんまりよくないアメコミ映画を見ているような印象でした。CGやらエフェクトやら何やらを駆使しまくっていて動きや構図がかっこいいですが、ところどころ垢抜けない感じが実に邦画だなあと、逆に微笑ましくなってしまいます。
こういうパーティものだと必ず過去に仲間の喪失があったり裏切りがあったりという部分は王道を貫いていてわかりきったストーリー展開ですが、健とジョーが役者さんとしてもキャラクターとしても濃いので、この二人に注目して見てました。
ジュンの性格、というか精神年齢が他のメンバーと比べて一つ下に位置しているようなのが、ちょっとちぐはぐで気になったかなあ。ガッチャマンである自覚が足りない気がするというか。甚平は子どもなので(でも多分演技だろう)まだいいとしても、こういうときにそういう声量は変じゃないか? とか、恋する言動がちょっと子どもっぽいとか、いかにも作られたキャラクターなのがシリアスにそぐわない気がしました。気が抜けてしまうというか。
戦うためだけに選ばれた人間兵器としての台詞が多数あるんですが、人ならざる者の苦悩をもっと見てみたかったかなあ。絶対そこ美味しいと思うんですよ! 任務任務言うだけじゃなくてもっと葛藤を! 人なのか兵器なのかって悩むところをもっと!
![アニメミライ 大きい1年生と小さな2年生 [レンタル落ち]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41CYrpTqb2L._SL160_.jpg)
身体は大きいけれど気が弱い小学一年生のまさや。小さいけれど気の強い小学二年生のあきよ。頼りないまさやだったが、あきよのためにホタルブクロを探すため、勇気を振り絞って出掛けていくが……。
聞いたことのあるタイトルだと思っていたら、児童書ですね。25分の短編アニメ映画ですが、丁寧でとても可愛らしい。
小学校低学年のときの子どもたちの大きさや性格の違いって、すごく明らかで面白いと思っていて。本当にいろんな子がいていろんな育ち方をするよなあっていうのをしっかり描いてくれていて、微笑ましかった。すぐお腹が空いたり、気分が悪いって言えなかったり、体力がなかったり。そんな中で女の子っていうのはちょっと成長が早くてこまっしゃくれてて。
可愛らしくて微笑ましい作品でした。
![グラン・トリノ [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41LtyTtih2L._SL160_.jpg)
妻を亡くしたコワルスキーは息子家族からやっかまれ、財産や愛車グラン・トリノを寄越せと暗に言われているが、偏屈で頑固な性格と持ち前の口の悪さで彼らを追い払っていた。ある日隣に住むアジア系の少年タオが車を盗難しようとしたことをきっかけに、少しずつ彼や彼の姉スー、家族たちと交流を持つようになる。だがタオやスーを守り、ギャングたちに立てついたことで、ある悲劇が起きてしまい……。
めっっっちゃくちゃいい映画で見入ってしまいました。罪の意識を抱えて誰にも言わないまま偏屈になっていく老いた男と、異国人で何を目指せばいいのかもわからない少年。二人の交流と、贖罪。最後の方、なんでかわからないけれど涙が溢れて止まらなかった。
治安の悪さがありありとわかるし、悲劇が起こるのではという予感を割と最初の方から感じて、コワルスキーの投げやりにも思える口の悪さと立ち向かい方にはらはらして。けれどタオがめざましいほどに成長して、仕事だけでなく人を敬うことを覚えたりする姿に希望を感じたりもして。
だからこそ、死期を悟り、自らの命の使い方を選択したコワルスキーに涙がこぼれてしまったのかもしれない。最後まで自分の生き方を貫きながら、未だ抱き続ける戦争やスーを傷つけてしまった後悔をきっぱりと拭うと決めた彼は、最高にかっこいいけれど凄まじく悲しい。最後の遺言がまた、彼がそこにいて息子たちとタオに話しているかのようで、ぶわっとこみ上げました。
すごく好きな映画でした。
![ムーラン [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/516SI934AkL._SL160_.jpg)
魏国に暮らすムーランは、病弱な父に黙って身代わりとなって徴兵され、男として戦場に赴く。同郷の知己のおかげでなんとか潜り込めたムーランだったが、彼女を女性と知った上官のウェンタイにも助けられて徐々に出世していく。しかし激化する戦況に仲間を多く失い、ムーランは傷つきながらも戦い続け……。
中国圏で有名な「花木蓮」という人物の物語を映画化したもの。有名なのはディズニーのアニメ映画「ムーラン」ですが、これはガチで戦争をやってひたすら傷ついて泣いて戦って……を繰り返す作品。2009年の作品です。
アニメ映画の「ムーラン」ほどわかりやすい演出や盛り上がりは多くはないんですが、正統派な歴史物という感じがしました。人の思惑が静かに絡み合い、戦いでは激しく、という。決して鮮烈なヒロインではないんだけれど、地に足をつけた一人の人間として戦うムーランの秘めたる強さがかっこいい。
そんな感じなのでムーランは功を認められるものの恋は実らないし、戦争が終わってなお将軍として戦争をなくしたいと愛する人に訴えてしまう。身分違いなのも女性として生きていく上で自分を失ってしまったのもわかるけれど、そこはもう一度、別の戦い方で自分の思いを遂げて欲しかったなあ……。
![東ベルリンから来た女 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Yqmue25cL._SL160_.jpg)
1980年の旧東ドイツ。田舎町に赴任してきたバルバラは、西側への移住を拒否されこの町にやってきた。秘密警察に監視されながらも、恋人と密会を重ね、西への密入国を進めようとするバルバラだが、同僚の医師アンドレとの交流に少しずつ心を温められていく。ついに逃亡の日がやってくるが、バルバラの選択は……。
音楽がほぼない静かな作品で、映像から感じ取れる雰囲気が、常に息苦しく張り詰めている。田舎町の閉鎖的な感じもそうなんだけれども、都会はもっと荒んでいて凄まじいのではないかと思わせるものが、目つきが鋭くほとんど笑わないバルバラから感じられる。
物語としては、西ドイツへ移住を試みながらも失敗し、田舎へ送られてきた女性医師が、秘密警察の監視の目をかいくぐって西ドイツへ行くことができるのかというもので、同僚のアンドレや患者たちと関わっていく中で、果たしてバルバラは移住することを選択できるのかというものになっていきます。
責任、というわけではないけれども、どこでどのように自分らしく生きるのかということでもあるのかな……。バルバラの選択は、ここではどうしても生きられないという人に生きる場所を譲ることだったのかな。少なくともバルバラは強い人でそれを選べたけれど、アンドレの存在があれば心穏やかに暮らしていけるとも限らないわけだよなあ。
バルバラの目や雰囲気に飲まれるような印象の作品でした。