読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
巨大生物の存在が示唆される情報に政府が対応を遅らせていく一方、それは蒲田に上陸。被害を受けた日本は対策を講じていくが、様々な要因により東京は壊滅に瀕する。日本はこの危機にどう立ち向かうのか。ゴジラと名付けられた巨大生物は果たして。
「蒲田くん」「内閣総辞職ビーム」「無人在来線爆弾」などネット上では印象的なワードが飛び交っていた印象だったのですが、今回初めてちゃんと見ました。ほとんど会議してるだけなのにめちゃくちゃ面白い!! なんだこれ!!
キャラクターが立っている上にめちゃくちゃリアルで、一人一人にドラマがあるなあと感じさせる台詞回しや表情がすごくいい。ストーリー上容赦ないところも熱いところもあってすごく面白かった。国家の危機に立ち向かう人たちの状況ってこんなんなのかなあと想像させるリアリティが本当にすごいと思う。
怪獣映画としての映像も迫力があってかっこよく、ヤシオリ作戦は熱かった。おお、おお……おおおおおお!! って叫んだ。
たいへん面白かったです。
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オスカー女優グレース・ケリーとモナコのプリンスの世紀の結婚。だがその後の生活は波乱に満ちたものだった。はっきりと自分の考えを述べるグレースは宮廷人から眉をひそめられ、大人しくしろという夫とも喧嘩が絶えない。そんな折、フランスとの関係が悪化。諸外国を巻き込み窮地に立たされていくモナコ。家族を守るべく、グレースは公妃になっていく。
実在の人間を神聖視するのはいかがなものかとは思うんですが、おそらくかなり美化されたり実在の人物とは大きくかけ離れた描かれ方をしている人もあるんでしょうが、生涯一の難役に挑んだプリンセスという文句に釣られてしまった。
アメリカの一女優が、一つの国の高貴な家に嫁ぐ。それはもう波乱に満ちているのだろう、きっと肌に合わないと思ったり反発を受けたりするんだろう、と想像できるそのままが描かれていて、フィクションだとはわかっているのですがそこからどう自身と向き合い、そして国と向き合うかを決めていくグレースがとても興味深かったです。声を荒げたり悲嘆にくれて涙したり、親の理解を得られないと感じたり、子どもを愛したり。本当に普通の女性なんだよなあ。そんな彼女が覚悟を決めていくさまが、そして最後に人々の支持を受けるところが、「上に立つ才能とはこういうことだ」というのを見せつけられたような気がしました。
文武両道でカーストの上位に位置する桐島が、男子バレーボール部を辞めた。その噂は彼を知る同級生たちに衝撃をもたらした。なぜ言ってくれなかったのかと動揺する友人、恋人、そして彼らを取り巻く生徒たちは、何を思うのか。
原作は読了済、なんですがだいぶと前なのでほとんど忘れてしまった。
カーストの描写がリアルできつい。女子グループの華やかさと、映画部男子二人の地味さの描写がなあ……。教師の無神経さが描かれているのもあるけれど、一生懸命作ったものを笑う高校生の幼さに、見ているこちらが傷ついてしまう……。
神木隆之介さんと松岡茉優さんの演技が、私の中では特におお……と思ったかなあ。松岡さん、ああこういう子いるわ……って感じのしゃべり方や無神経さで、すごい。神木さんは明らかに人慣れしてない感じがいつもと違って、すごいなあって。
本当の自分を探している感がすごくて、最後の屋上のシーンなんてみんなが心の中に持っている「桐島」の集大成みたいな感じで。それが爆発してあのシーンになるのは、なんとか当てはめていた「自分」という枠から思わず飛び出した感があって。そこでかかっている音楽がまた大層でいい。
その後の夕暮れの屋上のシーンも、まったく別の世界で生きていたはずが本当は同じ世界なんだよ、君がいるそこはまだ狭いんだよって言われている気がしました。閉塞感とかすかな希望が感じられて、いいなと思った作品でした。
早くに両親を亡くしてからずっと二人で暮らしている、より子と進の姉弟。お互いにいい歳だけれど浮いた話もなく、つつましい暮らしをする仲のいい姉弟だけれど、二人はお互いにコンプレックスと罪悪感を抱いていた。しかしゆるりとした日常に、恋がやってきて……。
いい歳した姉弟の、所帯じみてゆるりとした日常の話。日常といってももちろん仕事や、出会いや、恋があるわけで。
寂れた眼鏡屋に勤めているより子と、香りを作る仕事をしている進という、普通とはちょっと違う二人、というのがすごくリアル。きっとこんな姉弟いるいるって思う。描かれる風景がすごく身近で、私これ知ってるっていう空気に満ちている。先生のエピソードがすごくいい。
長く一緒にいる分、お互いに罪悪感を抱いているのも、兄弟がいる身としてはわかるなあと思いました。
朝のワイドショー「グッドモーニングショー」。司会の澄田は、とある災害現場でのリポートの際、不適切な行動をしたとされ、非難を浴びていた。息子からは信用されなくなり、同僚の女性キャスターからは謎のつきまといを受け、番組は落ち目で終了が予告されている。そんな窮地に立たされていたはずの澄田は、とある立てこもり事件の犯人から警察を通じて名指しで呼び出されることになる。もちろん番組はそれを中継するが……。
マスコミは怖いという話かと思いきや、視聴者が怖いという話だったな……。マスコミがぎりぎりのところで暴走する視聴者を止めたという印象で、この作品を作っている人の良心を感じました。
人間関係が入り組んでいてそれぞれの思惑があるのと、立てこもり事件を解決するというはらはらする展開が混じって、緩急がすごくてどきどきしてしまった。また立てこもり犯役の濱田さんの演技がすごくてなあ! めちゃくちゃ心臓に悪かった。あとサブキャスター(スポーツ担当)の志田さんが、いるいるそういうアナウンサー! って感じの見た目やファッションで、感じもよくて面白かった。
鈴木英雄は35歳。冴えない漫画家で、恋人がいるもののヒモ同然の生活をしている。漫然した日々を過ごす英雄だったが、日本では謎の噛みつき事件が多発していた。恋人から息も絶え絶えの電話を受けた英雄が駆けつけたところ、人とは思えない動きと怪力で襲われる。すでに彼女は人ではなくゾンビ状態、ZQNとなっていたのだった。パニックに陥る街で、英雄は女子高生のひろみと出会い、二人でシェルターがあると思われる富士山周辺を目指す……。
原作未読。思ったよりもゾンビもので、血がどばっ、ぐしゃっ、痛い痛い痛い! っていうシーンが多かったので、グロ耐性がない人は要注意。うまく話をまとめたるなあという印象で、見せ場が多くて見入ってしまいました。
冴えない男が少女を守り、コミュニティの中では埋もれてしまうものの、一本筋の通った男気を見せて守ろうと思うものを守りきる、とても熱い展開。トランシーバーで答えたところにはぐっときました。そうした息を飲むシーンもあれば、なるほど! と思わせる展開や、くすりと笑わせるところもあり、とても面白かったです。
亡命した天才音楽家ラフマニノフは、演奏旅行で全米を周り、大成功を収める。だがどれほど拍手を受けても少しずつ心を病んでいく彼は、妻ナターシャともすれ違うことになってしまう。そんなある日ライラックの花束が届いた。ラフマニノフは様々な女性との恋を振り返っていく。
天才音楽家の伝記的な映画。音楽家、そしてクラシック音楽はあまり詳しくないのでどのくらい脚色されているんだろうかと思いながら見てました。
女性たちが入れ替わり立ち替わり現れる中で、ナターシャのひたむきさが健気で、どうしてそこで彼女を選ばないのかセルゲイ!!! と言いたくなる。本当に、いつも燃えているような恋をするなあ。育てる恋、温かく包む恋はできないんだろうか……と思ったり。
音楽家としての自負や時代の流れ、故国への思いに翻弄されたとしても、繋ぎ止めてくれる愛や家族があれば人はそれでも強く生きていけるのかもしれない。
六年生に進級したさくらたち。夏に催される街のお祭りで、さくらたち6年2組の生徒は劇を披露することになっていた。そこへ香港に帰っていたはずの小狼と苺鈴がやってくる。小狼に告白の返事をしようとするさくらだが、その頃街では不思議な出来事が起こっていた。
ふたりの恋の行方は? ということと、一番大事な気持ちを犠牲にすることを引き換えにカードを封印できるのか? というじれじれもだもだなお話です。クリアカード編を見ていると、この頃の小狼の少年らしい真っ直ぐさと真剣さが眩しくて、クリアカード編は何を隠しているんだ……大丈夫か……と心配になってしまう。
あと見ていると知世ちゃんの変わらない気持ちが尊く感じられて、ふたりの仲良しをもっと見たい! ってなります。
この作品を見ていて、カードたちに心があるのが好きだったなあというのを思い出しました。カードたちが無のカードのところを離れるところ、けれどさくらを無のカードのところに繋ごうとするところ、さくらとカードたちの絆が見えるようでいいなあと思いました。
じれじれきゅんきゅん、可愛らしい作品でした。
母親と二人暮らしのオーウェンは、同級生たちにいじめられ、孤独な日々を送っていた。ある日夜遅くに男性と少女が引っ越してくるのを見たオーヴェンは、その少女アビーと偶然夜更けに会話をする。彼女は「たぶん12歳くらい」と自らの年齢があやふやで、その過去も謎めいていた。しかし街では不吉な殺人事件が連続していて……。
夜の世界の子どもたち、というフレーズがなんとなく浮かぶ。
ひたすら、寂しい、悲しい、切ない、辛い……という感じで、どこで生きていけばいいんだろうという悲しみがずっとあって、寄り添って生きる者同士の苦しみがなんだか切なくも愛おしく感じられる作品だなあと思いました。
画面が始終薄暗いので、何か起こるぞ、ここには何かいるぞ、と思わせるのがいい。あと水のシーンが印象的。最後にこう持ってくるかあと思いました。闇の世界は彼女の世界なんだよな。だいぶとホラーでしたがざまあと思ってしまいました。
これからどこへ行くのか、途方もない旅が始まるのか……と思うとまた辛い気持ちになるけれど、少しでも二人に安らいだ時間が訪れればいいなあ。
記憶が戻った滝沢と咲は、混乱真っ只中の日本へ戻る。再開されたセレソンゲームで、物部のミサイル攻撃によるジュイスの破壊、東のエデンチームは公安に狙われながら潜伏し、咲と大杉とともに滝沢の母親探しに向かう。そしてついにミスター・OUTSIDEが現れる……?
劇場版後編。セレソンゲームが再開されたものの、日本をよりよくするために動くセレソンたちはごく少数となり、混乱、疲弊しきった状況にある日本の直近の危機をどうやって救うか、というお話だったような気がします。セレソンのほとんどが脱落……というか滝沢くんの動向を伺っている感じだったので、このお話はどうなるんだろう、誰か救われるんだろうか、という見通しができない不安がずっと付きまとっていたような感じがありました。
結局劇的な、革命は起こらなかったけれど、日本をどうにかよくしようと考える若者たちが少しずつムーブメントを起こすのかな、という予感を感じさせて、11日間に非日常の先は日常なんだなあ、と思わせる作品でした。