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コブラは賞金稼ぎを営む美女ジェーンと出会う。ジェーンには三つ子の姉妹キャサリンとドミニクがいて、自分たちは海賊ギルドに狙われているというのだ。ギルドと因縁のあるコブラは三姉妹に関わっていくことになるが……。
1982年の映画。コブラ本編の三姉妹編のエピソードで新しいお話を作っている劇場版。本編の三姉妹もいいですが、劇場版もめちゃくちゃいいんですよね! ロマンだ。声が本編とは違うのがちょっと残念なんですけれど(コブラがちょっと少年っぽくて軽薄に聴こえてしまうから)
運命の三女神を思わせる、ジェーン、キャサリン、ドミニクはそれぞれ性格も違い、強い部分も弱い部分も違っているけれど、みんなコブラに惹かれていく。コブラはそうやって三人に愛されたことで最終的に宇宙の秘密のひとつに触れるのですが、三姉妹の寂しさや悲しさに対しては傍観者でしかなくて、やるせない思いをするシーンもたくさんあるんですよね。子どもの頃からそこがもう好きで好きで……。でも今見ると三姉妹の異常なほどのコブラへの愛には首をかしげるし、真相に当たる部分での黄金のプロポーションのくだりは笑ってしまう。
放浪とか、あてのない旅とか、宇宙の意思とか、スペースロマンというものがたくさん詰め込まれていて大好きな作品です。見返すことができてよかった。
でも私はコブラの相棒はレディだけだと思っているので! ほんといい女だよなあレディは……。
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子どもの頃舞台に魅せられたことがきっかけで、大人になったバスター・ムーンは劇場主となった。しかしヒットは飛ばせず、賃金未払い、銀行から返済を迫られる状況。起死回生の策としてムーンは歌のオーディションを行うことにするが、賞金1000ドルのはずが手違いで10万ドルとポスターに記載。後に引けないムーンはオーディション合格者たちとショーを作ることになるが……。
歌があってハッピーな映画が見たいなあと思い。それぞれの悩みと向き合いながら、最後に歌うシーンは感動でした。拍手。
好きなのはロジータとグンターでした。吹き替えで見ていたんですけど、グンター、めちゃくちゃいい。彼の言動を見ているだけで楽しくてポジティブになれる。っていうか吹き替えの人たちが皆さんお上手でよかった。
あと楽しいっていうとキューティーズの面々がうざ可愛い笑 怒った理由がわからなかったからこの部分は字幕で見た方がよかったかも。
いいなあと思ったのがエディで、生きる目的がない今時の若者だったのが、ムーンに影響されて仕事をしたり舞台に関わったりしているところが、すごく楽しそうで生き生きしてていいなあと思いました。
楽しい作品でした!
2001年。ボストンの新聞「ボストン・グローブ」のチームスポットライトのメンバーはカトリック教会で起こった神父による性的虐待事件を捜査する。被害者や関係者に接触し、協会が隠蔽工作を行っている可能性に行き着いたメンバーだったが、様々な障害に遭うが……。
カトリック教会で神父が犯した性的虐待事件。それをスクープした人々を描く。
宗教という巨大な権力が覆い隠す真実に光を当てる。ジャーナリストたちの思いもあるのですが、どんな風にして被害者たちが告白したのかというところが一番胸に痛かったかなあ……。マスコミが権力に屈することで自衛するのは理解できるけれど、やはりそれでも本当のことを広く知ってもらわなければと心を奮い立たせてほしいという気持ちがあります。この作品の品の良さというのか、そうした「暴いてやったぞ」とひけらかすのではなくて、あくまで日常の一部みたいに静かに描いているのがいいところだと思いました。
ローラの元に恋人のマニから電話が入る。組織のボスの10万マルクをなくしてしまった、助けてくれという内容だった。受け渡しは12時。電話が入ったのは11時40分。あと20分で10万マルクもの大金を作らなければならない。ローラは彼のために疾走する。
20分間で10万マルクを調達して彼の元に運ぶ。二人が生き残った上でハッピーエンドになるためにはどう行動すればいいかという話で、時間ものというので見始めたんですが、演出が面白くて見入ってしまった。数秒の違い誰かに声をかけた、こう返答した、などのささいな出来事の積み重ねで結末が変わる。ローラだけでなく関わった人の未来までも変わっているらしいのがすごく面白いです。すれ違ったこの人が実は……!? みたいな驚きもあり、ポップなのにヒューマンドラマだわ……と思いました。
そんなんありかよっていうお金の集め方をされてびっくりしました(伏線があったとはいえそれをどう持ってくるのかどきどきしてましたが)。ローラはもうマニと別れていいと思うよ……笑
外では大人の女性として働く蛍は、家ではジャージ姿でごろごろしながらビールを飲む干物女。高野部長と結婚し、相変わらずごろごろする毎日。そんな二人は新婚旅行と仕事を兼ねてイタリア、ローマへ行くことに。宿泊先のホテルでは同じような干物女が滞在していたり、ローマでは誘拐事件が起こっていたり……果たしてのふたりの旅の結末は。
ドラマはろくにみていないんですが、綾瀬さんの「ぶちょおぅ~」が可愛いなと思っていたのでなんとなく映画を見ることに。
イタリアをウェディングドレス姿で走り回るのはなかなかロマンですね。もっと派手なドレスだったらよかったのになあというフェチズム。ドレスをめちゃくちゃ汚すのが気になって仕方がなかったんですが……。
こういうラブコメなドラマの映画はだいたい展開が予想できるのが面白いなあと思うんですが(だいたい事件の原因は、主人公側を試す試練。あるいはとてもくだらないすれ違い)、これもやっぱり想像通りの展開で安心して見られました。登場人物の言動としてはありえないなあなんて思うんですが、蛍が楽しそうなのでいいや! でももっとにやにやらぶらぶなシーンが見たかったなあと思いました。
あとエンドロールのやりとりって即興なのかな。ウクレレのくだり、綾瀬さんまじ笑いしているように聞こえて噴きました。
アメリカの全寮制名門高校に奨学生として在籍しているチャーリーは、裕福な家庭に生まれ育った同級生たちにいじられている。そんなある日三人の友人が校長の所有する高級車にいたずらを仕掛ける現場を、もう一人の友人と目撃。二人で校長の取り調べを受けるが、チャーリーは校長から、密告してハーバード大への推薦を手に入れるか、黙秘して退学するかを休暇後に回答するよう迫られる。一方、アルバイトとして盲目の元軍人スレード中佐の世話を任されるが、気難しく突飛な言動をする彼に振り回され、ニューヨークにいくことになってしまう。
おすすめされた作品。苦学生と元軍人が、人生の行き詰まりを感じたときに出会い、もう一度新しく生き直す物語。
登場人物が目の見えない元軍人なので女性の香りに関するシーンと台詞がすごく印象的で官能的だなあと思いました。しかし気難しいあまりだいたいの台詞が怒って聞こえるのが見ているとちょっと辛いところもあったのですが、ひやひやさせるシーンと胸を引きしぼられるような悲しいシーン、ユーモア溢れるシーンの緩急がすごくて見入ってしまいました。
審問会のシーンはやっぱり演説がうまいなあと思いました。ここでうまくないとずっこけるので、どれくらい練るんだろうなどと考えてしまった。
面白かったです。おすすめありがとうございました!
フランス、パリ。スラム街出身の黒人のドリスは、失業保険をもらいたいがために介護職の面接を受け、事故で首から下が麻痺し車椅子に乗る富豪のフィリップに雇われることになる。介護の経験もなく、粗暴な振る舞いで周囲を困惑させるドリスだったが、フィリップを病人扱いせず対等に接することで彼と友情を育んでいく。
黒人と障害者、社会的に生きづらい立場にいるふたりが、ごく当たり前に友人になる。台詞にひやっとするところもありましたが、上品な会話と下ネタなど、ふたりのユーモア溢れるやり取りが楽しい。
自分の狭い世界に、相手の世界の言葉や常識を取り込んでいくっていうのは、奇跡みたいな出来事なんだよなあと改めて思う。一番いいなあと思ったのは、フィリップが半年間文通していたことを知ったドリスが、なんで会わないんだっていうところ。会いに行こうって考えることはすごいことで、会いに行けることってすごいことだと思いました。
またラストがなーーー。荒みきったフィリップが最後に見せた泣きそうなほどの喜びと感謝の表情がいいし、去っていくドリスの姿がまたぐっとくる。
素敵な作品でした。
一条シンは、ある夜出会った如月ルヰからペンダントを託され、Over The Rainbowのライブに行ってほしいと言われる。承諾したシンは初めてプリズムショーを見て感動し、プリズムスター養成校エーデルローズの氷室聖に入学を勧められる。かくしてエーデルローズの一員となったシンは、エーデルローズと所属する生徒、プリズムスターを取り巻く状況を知っていき……。
噂のキンプリ。冒頭から置いていかれてぽかーんとしました。どんな話かと思ったら結構力技で話を進めていくので、お、おう……ってなりましたが、なるほど、これは応援上映をするのが楽しそうだ。
もともと女児向けゲームである「プリティーリズム」に登場した、男性アイドル(正しくはプリズムスター)側を描いた番外編作品なんですね。ちょこちょこヒロインと思しき存在をちらつかされるのでかなり気になりました。彼女居てんのかーい!笑
お話は次作へ続く! という感じで、とにかく何も考えずに歌やパフォーマンスやファンサを楽しめばいいんだなと理解しました。
三人目の子どもを死産したケイトとジョンは、その子の代わりに養子を迎えることにする。女子孤児院を訪ねた先で出会ったエスターという名の少女を引き取ることにしたが、エスターの言動は徐々におかしなものになっていき……。
魅力的な子どもと関わったことによるホラー、サスペンスが好きなんだなあと最近気づく。
ケイトとジョンには二人の子どもがいる。生意気盛りの長男ダニエル。難聴の妹マックス。そこに三人目の子どもとしてエスターがやってくる。エスターはジョンの愛情を勝ち取り、すぐに手話を覚えてマックスと仲良くなる。だが徐々に普通の子どもらしからぬ言動にケイトは気づく。
最後の最後までケイトのことを「ママ」と呼ばないこととか、異常なほど賢いとか、どういうオチなんだろうとどきどきしていたんですが、ああーなるほどーああー! ちょっと都合が良すぎる気がしましたが、どう考えてもジョンをロックオンしている様子からして精神的には大人なんだろうと思ったことを考えると、かなり納得がいきました。
エスター役の女優さんが、あまりにも上手で。最後は本当に大人に見えたし。
とても面白いサスペンスものでした。
「花は私が買って来るわ、とダロウェイ夫人が言った」小説の冒頭を書き記すヴァージニア。時を経て、二人目の子どもを妊娠しているローラはそれを愛読している。さらに時が過ぎ、編集者のクラリッサはエイズを患う作家の友人のために花を買いにいく。『ダロウェイ夫人』を中心に据えた三人の女性の物語。
三人の女性の一日が『ダロウェイ夫人』の、「花を買う」「この人生が正しいか自問自答する」「誰かが死ぬ」などの出来事が共通する。そのほかにもマイノリティとしての許されない恋も絡んで、輪を描くような構造。この輪を思い浮かべた時、死者に送る花輪を想像してしまった。
共通する三人の一日だけれども、少しずつ状況は違う。それは多分時代もあるし、そうした積み重ねで生きてきたそれぞれの精神状態や気力にも由来するのかな。まるでばらばらだった三人の時間は終わりに向けて重なっていく。クラリッサの時間がローラと重なった瞬間息を呑みました。リチャードってそういうことか!
終わり方としては、自分を押し殺して生き続ける苦しみが人生の終わりまで続くことと、やっぱりマイノリティであるっていう辛さを描いていたのかなあと思いました。三人とも女性相手に親愛の情よりも強い感情を持つキスをするんですが、彼女たちが性的マイノリティであることを描くんじゃなく、「女性として苦しい」ことの強調だったように思ったり。
静かで苦しい作品でした。