読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
![最強のふたり スペシャル・プライス [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51ZpH57Ew0L._SL160_.jpg)
フランス、パリ。スラム街出身の黒人のドリスは、失業保険をもらいたいがために介護職の面接を受け、事故で首から下が麻痺し車椅子に乗る富豪のフィリップに雇われることになる。介護の経験もなく、粗暴な振る舞いで周囲を困惑させるドリスだったが、フィリップを病人扱いせず対等に接することで彼と友情を育んでいく。
黒人と障害者、社会的に生きづらい立場にいるふたりが、ごく当たり前に友人になる。台詞にひやっとするところもありましたが、上品な会話と下ネタなど、ふたりのユーモア溢れるやり取りが楽しい。
自分の狭い世界に、相手の世界の言葉や常識を取り込んでいくっていうのは、奇跡みたいな出来事なんだよなあと改めて思う。一番いいなあと思ったのは、フィリップが半年間文通していたことを知ったドリスが、なんで会わないんだっていうところ。会いに行こうって考えることはすごいことで、会いに行けることってすごいことだと思いました。
またラストがなーーー。荒みきったフィリップが最後に見せた泣きそうなほどの喜びと感謝の表情がいいし、去っていくドリスの姿がまたぐっとくる。
素敵な作品でした。
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![エスター [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51JovvhSlPL._SL160_.jpg)
三人目の子どもを死産したケイトとジョンは、その子の代わりに養子を迎えることにする。女子孤児院を訪ねた先で出会ったエスターという名の少女を引き取ることにしたが、エスターの言動は徐々におかしなものになっていき……。
魅力的な子どもと関わったことによるホラー、サスペンスが好きなんだなあと最近気づく。
ケイトとジョンには二人の子どもがいる。生意気盛りの長男ダニエル。難聴の妹マックス。そこに三人目の子どもとしてエスターがやってくる。エスターはジョンの愛情を勝ち取り、すぐに手話を覚えてマックスと仲良くなる。だが徐々に普通の子どもらしからぬ言動にケイトは気づく。
最後の最後までケイトのことを「ママ」と呼ばないこととか、異常なほど賢いとか、どういうオチなんだろうとどきどきしていたんですが、ああーなるほどーああー! ちょっと都合が良すぎる気がしましたが、どう考えてもジョンをロックオンしている様子からして精神的には大人なんだろうと思ったことを考えると、かなり納得がいきました。
エスター役の女優さんが、あまりにも上手で。最後は本当に大人に見えたし。
とても面白いサスペンスものでした。
![めぐりあう時間たち [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51dCiZZpOdL._SL160_.jpg)
「花は私が買って来るわ、とダロウェイ夫人が言った」小説の冒頭を書き記すヴァージニア。時を経て、二人目の子どもを妊娠しているローラはそれを愛読している。さらに時が過ぎ、編集者のクラリッサはエイズを患う作家の友人のために花を買いにいく。『ダロウェイ夫人』を中心に据えた三人の女性の物語。
三人の女性の一日が『ダロウェイ夫人』の、「花を買う」「この人生が正しいか自問自答する」「誰かが死ぬ」などの出来事が共通する。そのほかにもマイノリティとしての許されない恋も絡んで、輪を描くような構造。この輪を思い浮かべた時、死者に送る花輪を想像してしまった。
共通する三人の一日だけれども、少しずつ状況は違う。それは多分時代もあるし、そうした積み重ねで生きてきたそれぞれの精神状態や気力にも由来するのかな。まるでばらばらだった三人の時間は終わりに向けて重なっていく。クラリッサの時間がローラと重なった瞬間息を呑みました。リチャードってそういうことか!
終わり方としては、自分を押し殺して生き続ける苦しみが人生の終わりまで続くことと、やっぱりマイノリティであるっていう辛さを描いていたのかなあと思いました。三人とも女性相手に親愛の情よりも強い感情を持つキスをするんですが、彼女たちが性的マイノリティであることを描くんじゃなく、「女性として苦しい」ことの強調だったように思ったり。
静かで苦しい作品でした。
![大統領の料理人 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/515GdjfBJbL._SL160_.jpg)
フランスの片田舎で料理人をしていたオルタンスは、ある日ミッテラン大統領の専属料理人に抜擢される。女性であることや自由な料理を作ることで他の男性料理人たちから嫉妬されるが、ついに大統領の信頼を得るようになる。
大統領の料理人として働いていたシーンと、その職を辞した後のシーンが交互に描かれます。料理の現場ってすごく閉鎖的で苦しいんだろうというイメージがあるんですが、女性で大統領の料理人ってやっぱり大変だったんだろうなあと。料理を作るのは楽しいって気持ちと、経費削減やら献立の見直し、人間関係のわずらわしさで、心と身体が引き裂かれるような思いをして疲れ果ててしまうのは「これが好きだ」というものを持っている人は誰でも経験することだろうし辛いことだと思う。好きなことを仕事にすることの辛い部分だなあ。
自分が料理人だと思って、何が大事なのかを見極めて行動するオルタンスはかっこいいし素敵だ。何のために料理を作っているのか見失わなかった彼女だからこそ、次へって思えたのかもしれないな。
![7500 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51BnEj8dhtL._SL160_.jpg)
ロサンゼルス発東京行き、ビスタパシフィック航空7500便。一時的に乱気流に襲われた飛行機の中で、一人の男性が突然死亡する。これをきっかけに乗客の不安が広まり、機内はゆっくりとパニックに陥っていく。
飛行機で突然死でパニックってCoCかな? って思いながら見てました。
登場する人たちがだいたいみんな「もうちょっと落ち着けよ!」っていう人で、感情移入もできないまま話が進んでいく……。不思議な現象が起こっているには違いないんですが、命の危機が迫っているわけではないのに死んだ人間の荷物を漁るってどうなんだ。あんたたちに何の権限があるんだ。という感じであまり好きではない人物像。
びっくり現象は多かったけれど何かに襲われるっていうのはもうちょっと早めにしてもらってどきどきしたかったなあとか思ってたんですが、ラスト15分からどどどっと話がまとまっていくのは楽しかったです。

恋人のハルを失って引きこもるようになってしまったくるみを癒すため、ロボットであるキューイチはハルとなって彼女の自宅兼店で暮らすことに。くるみとハルの記憶を追いながら思い出を重ねていく二人。けれど本当は……。
京都が舞台のロボットと人間のお話。風景の美しさや小物の配置の具合とか、見ていて楽しかったなあ!
ハルとくるみの話はべたべたですが、すごく近未来的な世界だけれど街の風景にほっとしたり人々のつながりに安心したり。尺が足りてない気がしておや? と思うところもあったので、もう一時間くらい長い作品だったら解消されたのかな。
ボタンがすごく綺麗でいいモチーフだなと思いました。最初のばらばらっとボタンが落ちて毛糸玉が跳ねるカット、あれを見てあっと思ったので。
![キューティ・ブロンド2/ハッピーMAX<特別編> [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51-fMzIO7cL._SL160_.jpg)
大手法律事務所に就職したエル。恋人のエメットともうすぐ結婚する予定。順風満帆な毎日を謳歌していたエルは、愛犬ブルーザーの母親を探すことを思いつく。だが見つかった母犬は化粧品開発の実験に使われようとしており、母犬を守るために事務所をあげて戦おうとするエルだったが、相手会社がクライアントだったことで解雇されてしまう。
動物の権利と動物実験を絡めた二作目。
動物実験を禁止する法律を作るため、奮闘するエル。ワシントンにまで行くけれどもなかなか仕事がうまくいかない。新しい職場での同僚たちは破天荒なエルに批判的で非協力的。それでもめげない、めげてもわーっと泣いた後は気持ちを切り替えて次へ進むエルはすごいなあ。調子がいいっていうのもあるんだけれど、基本的に彼女が言っていることは自分の気持ちに正直なもので、がんばれーって思うんだよなあ。
仲間たちが協力してくれるようになって、その熱にみんなが巻き込まれていくところやもっと嫌な敵が登場するところもうまいよなあ。あと1作目でも思ったけれどスピーチがうまい。さすがアメリカ。
今作ではハウザー議員がお気に入り。彼女が社交クラブの元会員だったのには笑ったしよっしゃ! って感じでした。
![キューティ・ブロンド(特別編) [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51aef8xxkyL._SL160_.jpg)
見事なブロンドの持ち主であるエルは、政治家志望の彼氏から「君は妻には向いていない」と振られてしまう。これまで美容とファッションしか興味がなかったけれど、ロースクールに入って彼が結婚したい女になってやる! とハーバード大学を目指す。見事合格したエルだったが、まったく性質の違う人々に囲まれた不穏な学生生活が始まり……。
ブロンドの女性やアメリカの地域性についてのあれこれを逆手にとったサクセスストーリー。頭空っぽに見えるかもしれないけれど努力していい女になるわよ! というエルのポジティブさが可愛くて気持ちよくて楽しい。義理堅くて大事にするところを間違えないエルはいい子だー。そしてちゃんと見ていてくれる人もいるっていうのがなー! すごくいい。エルならではの知識とラッキーで裁判に勝利して、自分を振った男を最後には見返すっていう爽快感! 楽しいー!
そしてストームウェル教授が厳しいけれど素敵な女性教授でー! 「この人に認められた」っていう気持ち良さが最後まであって楽しかった。
![サカサマのパテマ 限定版 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/514SuxSXK8L._SL160_.jpg)
空を忌み嫌う世界。エイジは空を飛ぶ乗り物を作っていた父を亡くして以来、今の生活に漠然とした鬱屈を抱えていた。ある日エイジは地下世界の長の娘パテマと出会い、重力の反転したサカサマ人である彼女を家族の元へ帰すと約束するが……。
同じ世界にいるけれども住む場所が違う。手を繋がなければ空へ落ちてしまう少女。ボーイミーツガール。ロマンがたっぷり詰まったアニメ映画。少年少女イイ……って気持ちで見終わりました。空と地底の交流が冒険譚として面白かった。冒険に出た父親がいなくなって……っていうセオリーはやっぱり胸がときめきますし、そこを乗り越えて一緒に行こうと相手に言えるようになる少年少女っていうのは胸が熱くなる。
空に落ちてしまう相手をつなぎとめるために手をつないだりしがみついたりするっていう体勢は本当にロマンなので! いい少年少女充しました。
![東京無国籍少女 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51D54ReTCYL._SL160_.jpg)
天才芸術家ともてはやされた芸術高校に通う藍は、ある事故で心に傷を負ってしまい、ドロップアウトしてしまっている。嫉妬した同級生たちにいじめを受けながら新しい作品を作っていた藍だが、突然武装集団に襲撃される。
少女たちが通う芸術学校。特待生でありながら心に傷を負い荒れる天才少女。彼女に嫉妬する同級生たち。彼女たちを苦々しく眺める教師。女子校ものかなと思って見始めたら、なんか違うぞ……? という。ラスト20分くらいで一気にテイストが変わってびっくりしました。一気にスプラッタな美少女のアクションシーンが始まって「お、おおおお!?」ってなった。普通の美少女かと思ったらめちゃくちゃアクションが派手で見入ってしまった。
オチがすごく好きなんですが、そこに至るまでの学校の風景がちょっと単調(今思えば伏線めちゃめちゃあったんですけど)なところがちょっと辛かったでしょうか。しかし戦う少女はいい。この世界はどうにもならないって感じがすごく……。