読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

女子高生の自殺事件の報道記事を読んでいた教師の清佳は、その母のコメントを読んで自らの生い立ちを回想した。母ルミ子と祖母の関係、そして自分と母の関係。そこにあったものは、果たして母性なのか?
母ルミ子と娘清佳の視点で同じ出来事を見るシーンが凄まじく恐ろしい作品。そんな怖さなのに案外さくっと終わってしまい、原作が読みたくなりました。だって省かれたシーンとかもうちょっと詳しくってところ、絶対怖いに決まってるから……。
母の愛を望む二人、これが母娘なのが悲劇の原因で、最後まですれ違い続けていた証拠になるのが、最も大事なシーン。祖母の死の真相を知った清佳にルミ子は、愛を告げたのか首を絞めたのか? こうなると自殺も、本気で死ぬつもりだったのか怪しく見えてしまい……。怖い。
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同性愛者で恋人がいることを隠して生きている高校生・安藤純はある日クラスメートの三浦紗枝が書店でBL漫画を買っているところを目撃する。BL好きが知られて偏見の目で見られることを恐れる紗枝の懇願を受け入れて秘密を共有する二人。やがて紗枝は純に告白し、二人は付き合うようになるが……。
同性愛者と、BLの周りを描いた作品。偏見とアウティングって、同性愛にもBLにも絡むよなあと思いながら見てました。
BL好きの女子ではないところにしっかり焦点が当たっていて、同性愛者の不倫が物悲しく感じられたり、子どもがほしいと思ったり、そんな人を好きになったヘテロの葛藤だったり、どこかで起こっているであろうことをすごく上手くまとめてあるなあと思いました。
作中では学校でもLGBT教育が始まっていた感じ? でしたが全然行き届いてないみたいでしたね。2023年現在の教育現場ではどうなっているのかなあ。

マーベリック事件から一年後。ヒーローを引退した鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックスJr.だが、かつての1部ではなく2部ヒーローとして相変わらず息が合っているようないないような活躍で街の平和を守っていた。しかし1部に上がりたいという気持ちがくすぶるバーナビーは、新オーナーの提案に乗り、虎徹ではなく新ヒーローのゴールデンライアンと組まされることになってしまい……。
アニメシリーズからの続き。そう、これが見たかった! というやつですね。
引退してもやっぱりヒーロー。たった一年じゃそう変わらないという、達観しているような諦めが早いような虎徹と、まだまだ青すぎるバーナビー。この二人の間に割り込んでくるライアン、という、なんかちょっと痴話喧嘩というかそういうのを見せられている気がちょっとしてしまい笑 多分みんなが虎徹を好きすぎるせい。
Beginningを見た後に見ていたんですが、ワイルドタイガーがみんなをまとめていたんだなあとしみじみ思いました、いろいろな気持ち、名声や、活躍や、復讐といった望みがあってヒーローという仕事をしているわけですが、ワイルドタイガーの根っこにある「ヒーローとは」という気持ちは多分みんな持っているもので、彼がそこにいることで最も大事なものを見失わないで済むからなんじゃないかなあと。
会社や利益が絡むヒーローという仕事の世知辛さを感じる敵と黒幕と事件の顛末でしたが、とても面白かったです。これで第2シーズンを見る準備ができたぞ。

「NEXT」と呼ばれる特殊能力者たちが現れた時代。大都市シュテルンビルドで暮らす能力者たちの中には、スポンサー会社との契約下でヒーロー活動を行い、その活躍を番組として放送することで生計を立てるヒーローなる職業に就く者たちが現れるようになっていた。ベテランながら旬を過ぎたヒーロー、ワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹は、ある日会社からバディヒーローとして売り出すことを命じられ、新人ルーキーのバーナビーと組むことになる。しかしそりが合わない二人はとても相棒らしいとは言えず……。
テレビの最初の話をまとめた劇場版。
虎徹とバーナビーが絆を作っていくまでのお話で、登場する他のヒーローたちもちょっとギスギスしている感じ。ちょっと新鮮。
普通に総集編だと思っていたので、全然知らない話が始まってびっくりしたんですが、再構成の上で劇場版オリジナル要素を入れてあったんですね。さすが、ファンの心を知っている……。ただの総集編じゃ物足りないんですよ本放送を見た勢はね!

最強の戦士団「独角」のヴァンは戦いに敗れ、岩塩鉱で奴隷として働かされていた。しかし奇妙な山犬の群れに襲われた岩塩鉱の人間は謎の病で全滅し、ヴァンは幼い少女ユナとともに生きるために旅立った。一方、この山犬を遣わしたのは、ツオル帝国の属国と化した国を救わんとする者の仕業だったが……。
原作とは別物。ホッサルとミラルのやりとりが見たかったんですが、ミラルはいないことになっています。
対象年齢を下げつつ話を時間内にまとめるために、込み入った陰謀はざっくりカットされ、誰が悪いかがはっきりしています。なので原作の、たくさんの人の思いが入り乱れる物語が好きだった人には別物すぎてあまりおすすめできない……。
けれど最後、ユナが鹿の王にたどり着くあのシーン。原作のその後、ユナたちはこうやってちゃんと再会できたんじゃないかなと思えたのはすごくよかったな。
「グッド・ナース」
心臓病を抱える看護師のエイミーは、保険の対象となる期間まで不調を隠して必死に働いていた。ある日病院に新人看護師としてチャーリーがやってくる。有能なチャーリーはエイミーの病気に気付き、親身になってくれるが、しばらくして担当の患者たちが次々に容体が急変して死に至るようになり……。
だいぶ不穏な始まり方ですが、実話をもとにした作品なんですよね……。
明らかに怪しい、有能な新人看護師のチャーリー。彼がやってきたことでエイミーの患者たちが次々に不審死を遂げる。以前彼が籍を置いていた他の病院はチャーリーについてなかなか語ろうとしない。すでに彼が怪しいと睨む警察の捜査は始まっているのに。
病院という場所の悪い体質がめちゃくちゃはっきりわかる。一つの病院だけじゃないっていうのがなんとも。
犯行動機も、なんというか、やるせない。そんなことで殺された方はたまったものじゃない。最近、自分の能力を誇示したいために医療事故を起こしまくっている作品を読んだけれど、そっちもそっちで嫌だし、こっちもこっちですごく嫌だ……。
心臓病を抱える看護師のエイミーは、保険の対象となる期間まで不調を隠して必死に働いていた。ある日病院に新人看護師としてチャーリーがやってくる。有能なチャーリーはエイミーの病気に気付き、親身になってくれるが、しばらくして担当の患者たちが次々に容体が急変して死に至るようになり……。
だいぶ不穏な始まり方ですが、実話をもとにした作品なんですよね……。
明らかに怪しい、有能な新人看護師のチャーリー。彼がやってきたことでエイミーの患者たちが次々に不審死を遂げる。以前彼が籍を置いていた他の病院はチャーリーについてなかなか語ろうとしない。すでに彼が怪しいと睨む警察の捜査は始まっているのに。
病院という場所の悪い体質がめちゃくちゃはっきりわかる。一つの病院だけじゃないっていうのがなんとも。
犯行動機も、なんというか、やるせない。そんなことで殺された方はたまったものじゃない。最近、自分の能力を誇示したいために医療事故を起こしまくっている作品を読んだけれど、そっちもそっちで嫌だし、こっちもこっちですごく嫌だ……。

思春期症候群に陥った梓川咲太をかつて救ってくれた牧之原翔子は、二人いる……思春期症候群の影響で重い心臓病を抱える中学生の翔子は、延命して大学生になった翔子としても存在していた。未来を知る大学生の翔子が生きている理由、それは咲太にとって究極の選択を迫ることになる。
アニメシリーズの続きにして、咲太の恩人である翔子をめぐる思春期症候群の話。
いや、きつくない……? 神様は咲太に試練を与えすぎなのでは……? という今回の思春期症候群。自分が死んで大切な人を助けるか、見殺しにして自分が生きるか。けれどその真相を知った、彼を大事に思っている人は行動に出ないはずがなく、という、だいぶ詰み状態だったよなあ。
けれどそこで立ち尽くす咲太ではなく、麻衣を助けるために行動を起こすところはさすが主人公。大切な人を助けるためとはいえ、まさかその覚悟を決めて飛び込むとは……普通できることじゃないよ……心が強すぎる。だから望む未来を手に入れられたし、恩人を失わなずに済んだのかなあ、なんて思うラストでした。

現代から戦国時代へとタイムスリップした高校生のサブローは、織田信長にそっくりだったことで彼に託される形で入れ替わり、信長として振る舞いながら平和な世を作ろうとしていた。しかし歴史が覆ることはなく、あの本能寺の日がやってきて……。
ドラマ作品の続きで、完結編。
まったく歴史に興味がなく、織田信長やその最後についてまったく知らないサブローが信長であり続ける危うさにはらはらさせられ、何も知らないからこその掛け値なしの本心で周囲を魅了してしまうことが喜ばしく感じられるも、変えられない歴史の重要点へと向かっていくどうしようもなさが、この作品の面白さかなと思います。
しかし、結構あっさり現代に戻っていったな?笑 全体的に軽く見られる作品にしてあるようなのでまあ……はい……完結作品にするなら落とし所が必要だもんね……。

派手に学校生活を楽しむツリーは、十八歳の誕生日を迎えた日、謎のベビーマスクの男に殺された。けれど目覚めると誕生日当日の朝。ループしている状況に気付いたツリーは死を迎えることのないよう手を打っていくが、なかなかループから抜け出すことができず……。
わがまま身勝手なツリーは、死んだことで同じ一日を繰り返すループから逃れようとするが、もちろん簡単にはいかない。
ループものというと結構悲壮感が出たり色々とすり減っていったりするものですが、この作品はトーンが明るい。色々と問題のあるツリーが死んでしまうのも致し方ないと思えるところから、少しずつ言動が真人間に変わり、ループの原因や殺人犯に迫っていく展開とリンクしていく話運びにテンションが上がっていく。最後の最後に本当の黒幕を蹴り落としたところは「やりおったー!」と思いながらも爽快で、まさに「ハッピー・デス・デイ」だと思いました。
「ザ・コール」
幼い頃に父を亡くしたソヨンは、実家に戻る途中にスマホを落としたことで奇妙な出来事に遭遇する。実家の電話から落としたスマホにかけると、見知らぬ女性が出るようになり、過去と繋がるようになったのだ。過去を変えることで父が死なずに済むのではないかと考えたソヨンは、通話の相手であるヨンスクに協力を求めるが……。
電話を通じて過去と繋がり、死んだ父が生きる未来を手に入れるべく過去改変を行ったソヨン。しかし協力者となったヨンスクが次第に危険な表情をむき出しにするようになる。
韓国系のこういうホラーやサスペンス作品に登場する女性って、必ず対価や報酬を求めて、それが得られないとなると凄まじい勢いで報復に出るのってどうしてなんだろう。狡猾さと凶暴性が一気にむき出しになる瞬間は怖いけれど、主人公側ももうちょっと感謝の気持ちや思いやりを持ちなさいよ……という気持ちにもなる。傲慢で身勝手だから自分に返ってくるんじゃーん!
望む未来を手に入れるために、選択権がソヨンとヨンスクの手を行き来する展開や描写は凄まじくどきどきはらはらさせられてとても面白かった。最後の最後まで目が離せず、最後の「あああ……」と絶望するところまでが楽しかった。
幼い頃に父を亡くしたソヨンは、実家に戻る途中にスマホを落としたことで奇妙な出来事に遭遇する。実家の電話から落としたスマホにかけると、見知らぬ女性が出るようになり、過去と繋がるようになったのだ。過去を変えることで父が死なずに済むのではないかと考えたソヨンは、通話の相手であるヨンスクに協力を求めるが……。
電話を通じて過去と繋がり、死んだ父が生きる未来を手に入れるべく過去改変を行ったソヨン。しかし協力者となったヨンスクが次第に危険な表情をむき出しにするようになる。
韓国系のこういうホラーやサスペンス作品に登場する女性って、必ず対価や報酬を求めて、それが得られないとなると凄まじい勢いで報復に出るのってどうしてなんだろう。狡猾さと凶暴性が一気にむき出しになる瞬間は怖いけれど、主人公側ももうちょっと感謝の気持ちや思いやりを持ちなさいよ……という気持ちにもなる。傲慢で身勝手だから自分に返ってくるんじゃーん!
望む未来を手に入れるために、選択権がソヨンとヨンスクの手を行き来する展開や描写は凄まじくどきどきはらはらさせられてとても面白かった。最後の最後まで目が離せず、最後の「あああ……」と絶望するところまでが楽しかった。