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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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「エルマーのぼうけん」
母と二人で暮らす少年エルマー。希望を持って移り住んだ新しい街では貧しい暮らしに母はどんどん心を荒ませて息子を顧みなくなり、街の暮らしにも馴染めずエルマーはどんどん孤独を深めていく。だが人の言葉を喋る猫に導かれ、竜の子がいるどうぶつ島に渡ることに。そこは恐ろしい動物たちが暮らす不思議な場所で……。

現実世界で居場所を見失いつつある少年が、不思議な冒険を経て、種族の違うものたちと友情を育み、成長して元の場所へ帰っていく。行きて帰し物語の形はちゃんとあって、登場する動物たちはエルマーも含めてそれぞれの考えや望みを持って行動している。それは立場が違えば、ずるであったり自分勝手であったりするけれど、それが現実。戻っていったエルマーの世界は変わらないけれど、彼自身の見方が変われば身近な人々とそれなりに上手く暮らしていける……ってところなんだろうな。
『エルマーのぼうけん』である理由はあったのか? と子どもの頃原作を繰り返し読んでいた身としては思うのですが、しかしアニメーションとしてはちゃんと個性があって美しいんだよな。
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誰も果てを知らない呪いに満ちた地下世界アビス。高名な探窟家である母ライザの痕跡を追ってアビスに踏み入った少女リコと相棒のレグは、アビスの呪いによって姿を変えたナナチとともにさらに深い場所へと足を進める。黎明卿ボンドルドと娘のプルシュカと出会ったリコたち。だがボンドルドこそ、ナナチをこの姿にした張本人だった。

テレビシリーズの第一期と第二期の間、リコの持つ白笛にまつわる大事なエピソード。知らずに先に第二期を見てしまったので巻き戻って視聴。
相変わらず悪趣味な設定だな!(褒めています)。人体実験、切断、血とか色々ぐちゃあという内容なので苦手な方はお気をつけください。第二期はもっとひどいしな!
母を追うリコと、父の側にいるプルシュカ。プルシュカは一緒に行きたいと望みながら父親のことも否定せず命を失ったけれど、これ、リコとライザはどうなっちゃうんだろうなあ……なんてことを思いました。偉大な探窟家だけれど謎ばかりで本当の気持ちがわからない、けれど愛情めいたものを感じさせるライザ。それをそれとして理解しているのかわからないけれどまるで糸をたぐるようにライザの痕跡を辿るリコ。もし出会うことがあったらと想像すると怖くて震える。
「レインボータイム」
同棲中のトッドとリンジーは恋人同士。ある日父親が入院したことで、トッドたちは発達障害の兄ションジと暮らすことになる。知的障害があり性的な事柄に強い関心を持つションジにトッドは手を焼くが、リンジーは彼に支援や援助をしようとして、二人は少しずつすれ違ってしまう。

発達障害の兄を挟んだ恋人の二人が色々なものを見つめ直すお話。この世界のどこにでも起こりうる日常の風景をちゃんと描いているような印象で興味深く見ました。
リンジーのションジへの関わり方は海外ならでは、という感じがします。色々と遅れている日本では知的障害を持つ人との関わり方を考えたり実行したりという人は多くはないんじゃないかな。
それぞれの考え方、立場、関わり方があって、それが噛み合わないときもあれば上手くいくときもある。試して、考えて、やり直して、そういう日常の繰り返しが詰まっている作品だと思いました。
昔々、隣り合う二つの国がありました。この二国はたいそう仲が悪く、長く戦争が続いておりました。やがて古い取り決めに従い、金の国アルハミトは最も美しい王女を嫁がせ、水の国バイカリは最も賢い男性を婿にやる……はずが、それぞれの国が約束を違えたことで、アルハミト王国第93王女サーラと、バイカリ王国の建築士ナランバヤルは、偶然にも偽りの夫婦を演じることになる。それは二つの国の未来を変える出来事だった。

原作が大好きで、すごく泣いて、映画化をとても楽しみにしていた作品。もうすごくよかった! 泣いた! 誰かを思う、国を思う真っ直ぐな気持ちがみんなを繋いだ、最高の作品だった。
王女ながら自分に自信がないサーラ。けれど彼女の卑屈さは言葉にされることはない、というのがすごく胸に迫る。ただどうしようもないときがあって、それが涙になってしまったり、ナランバヤルが受け止めてくれたり、というのがもう、もう……! サーラはなんて素敵な人なんだろうと思うし、その魅力をしっかりちゃんと気付いているナランバヤルが素晴らしい。
「言葉にしない思い」が緩やかに人々をつないで、誰かの言葉が気付けなかった思いに気付くきっかけになって。いやもう本当に、本当に素敵な作品をそのまま映像にしてくださって感謝しかない。いい作品を見たと心から言える、そんな映画作品だと思います。しみじみと、本当に、美しいものを見た……。
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山間に暮らす羊飼いのイングヴァルとマリアは、ある日羊が出産した「羊ではない何か」をアダと名付け、家族として暮らし始める。奇妙なものとの不思議で穏やかな生活は、イングヴァルの弟ペートゥルが転がり込んできたことでゆっくり崩れ始める。

羊から生まれた「何か」と共同生活を送る夫婦。アダと名付けられたそれは幼い子どもと変わらず、とても可愛らしくて愛おしい。殺すべきだと言っていた義弟も彼女の存在を受け入れた……それだけで終わったらいい話なんですけれど、イングヴァルとマリアの精神状態がおかしいのは冒頭から明らかで、陰鬱な風景とともにひたひたと嫌な予感が満ちていく。
出産した我が子を求める母羊に対する仕打ち、ペートゥルの性的な執着、ここが隔絶された場所だから起こるんだろうという秘密の空気が、多分「ソレ」を呼び寄せたんだろうというラスト。なるべくしてなったんだろうという結末で、なんとも言えない……。でもいまもこの世界のどこかでこういうことが起こっているのかもしれないなあ、なんて思ったのでした。
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コスメ会社リリー・ルクレアのウェブ担当であるレネーは、冴えない見た目と卑屈な性格の持ち主。だが変わりたいという気持ちはあり、運動をしようと運動系ジムのソウルサイクルを訪れる。強い言葉で励ますインストラクターの声を聞きながら興奮状態のまま、不運にも自転車から落下したレネーは頭を強打。だが目が覚めたとき、その目に写ったのは美しく変貌した自分だった……他の人間には、冴えない見た目は何一つ変わっていないけれど。

太った身体に卑屈な言動、それでも限られた友人たちと励まし合いながら楽しそうに過ごしているレネー。だがもちろん「美しくなりたい」という望みはある。そんな彼女は劇的に変わることはないけれど、頭を打ったことで視覚情報にエラーが発生。自分が痩せて美しく変わったように見えるようになってしまった。見た目が変わったと思い込んだレネーの言動は変わって、多くの人をドン引きさせつつ、魅力的にも感じられるようになって……というコメディ作品。
楽しかったんですが共感性羞恥が強い人は見ていて辛い気持ちになりそう……。レネーの言動は、ポジティブとはいえだいぶ自意識過剰でちょっと大人しくしてほしいと思わずにはいられなくて。
でも自尊心が低い、というのが現在の社会の問題なのかな。エイヴリーも、イーサンも、マロリーも、成功者だったり高収入だったり美人だったりするのに、それぞれの悩みがあるという。
学校に行けなくなった中学二年生のこころ。ある日自室の鏡が不思議な色に輝き、触れた途端に向こう側へと引っ張り込まれる。そこは海の浮かぶ孤城で、待っていたのは狼の面をした「オオカミ様」なる少女と、同じ中学生の六人だった。この城に隠された鍵を見つけることで願いがなんでも叶うなど、いくつかのルールのもと、こころたちは3月末までこの城に立ち入る資格を得るが……。

公開中なので続きから。
「2人のローマ教皇」
コンクラーベにより選ばれたローマ教皇ベネディクト16世は、2012年当時いわゆるバチリークスにより、性的暴行を行った聖職者たちの存在によって教会の権威失墜に悩まされていた。退位を望む教皇は南米にいるベルゴリオ枢機卿と対話を行うことにする。やってきたベルゴリオは聖職者を守り被害者を捨て置いた教皇を強く非難し……。

実際の出来事をもとにした、教皇と枢機卿、後の二人のローマ教皇のある日々を描いた作品。
ただ喋っているだけでもものすごいドラマなのは、そこが宗教の中心地であり、それに関わる人々が世界中にいて、信仰や思想を少しばかりでも知っている人が多いという世界だからなんだろう。
教会を重んじる保守派のベネディクトと、不正を許せない改革派のグレゴリオ。まったく違う二人であっても、人々の声に耳を傾ける聖職者の二人だから、お互いの胸の中にある悲しみや後悔を理解しあえる相手だったという展開はぐっときます。権威を持っているからこそ、誰も救えないということにきっと苦しんだんだろうな……。
堅苦しい世界に身を置きながらお茶目なところもあり、静かだけれどとても豊かな作品だったと思います。
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考古学者の稗田礼次郎は妖怪の実在を唱えたことで学会を追われた変わり者。ある日亡くなった妻の兄から悪霊を鎮めるために作られたと思われる古墳を発見したという手紙を受け取る。だが教師の義兄は教え子の月島とともに行方不明になっていた。稗田は月島の行方を気にする男子生徒のまさおと出会い、その謎めいた古墳に足を踏み入れることになるが……。

少し前に「学校であった怖い話」「晦」というゲームの実況動画を見ていたんですが、そのゲームにも込められているような当時のホラーや恐怖体験のエッセンスを詰め込んだような映画がこれ。
登場する「ヒルコ」は日本神話に登場するヒルコのつもりのようですが、確かに顔や両手両足がないものではあるけれども、描かれているものは生き物としてのヒルっぽい。古墳に出てくるクリーチャーが蜘蛛だの動く頭部だの、他にも人面瘡だの、時代を感じる色々が出てくる印象が色濃い。こういうのって創作物に登場するとき流行り廃りがありますよね。興味出てきた。
オチ的には、結局すべての元凶はそのまま、封印されたものはそこにあって守り人の役目も変わらずってところが土着の話っぽい。しかしもうちょっと凶暴性を削いだっていう描写が見たかった。
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高校受験に失敗し、逃げるように北海道の大蝦夷農業高校に入学した八軒。夢も目標もないが、農業や畜産などを身近にして育ち、将来を考えるクラスメートたちに囲まれ、少しずつ自分のやりたいことを見出し始める。

原作は途中まで、アニメ試聴済み。農業と青春を絡めた作品。
やっぱり面白いんだよなあ。食べること、育てることをすぐ近くで見てきた荒川先生ならではのストーリーや信念を感じるエピソード。豚の「豚丼」やその後の八軒の選択、何度も見てもぐっとくる。生きるって、食べるってこういうことだと思う。
主要人物たちもいいんですが、先生たち大人の豪華キャストがとてもいいな。さりげなくて。
最後まで描き切るともったいないので、いいところで終わったのもよし。八軒や御影や駒場の今後は原作で!
Profile
Author:月子
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