忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[15]  [16]  [17]  [18]  [19]  [20]  [21]  [22]  [23]  [24]  [25
B07MW9HNCW
伝説の女優の娘に生まれながら醜く生まれつき、いじめられて顔に傷を負いながら、飛び抜けた演技力を持つ累には秘密があった。それは母が残した不思議な口紅。その口紅を塗って人と口付けることで一時的に顔を入れ替えることができるのだ。女優として成功を望む美しいニナは、累と彼女を連れてきた羽生田の誘いに乗り、顔を入れ替えて舞台に挑む。

口付けることで顔を入れ替える気味の悪さ。美醜への欲望と執着。最底辺から成り上がろうとする女と、それに巻き込まれ、あるいは関わっていく人々。このどろどろさがたまらない。また丹沢ニナが挑む舞台が「サロメ」なのがなあ! 累がヨカナーンの首に口付けるのが比喩的。
演技をする人たちの演技なので、普段の感じと舞台人の演技の強弱というのか、振り切っている感で迫力が増していてつい見入ってしまう。惹きつけられるのは、二人が自分の欲望や葛藤に忠実な女性たちだからなのかもしれない。絶対いい子じゃないところがいいというか。
PR
B0732B2PZF
検死官のトミーと息子のオースティンは、ある日馴染みの警察官から、ある事件で見つかった身元不明の女性の遺体の解剖を依頼される。解剖を始めたもののありえない状態の遺体に困惑する二人だったが、同時に次々と不可思議なことが起こり始める。外部との連絡が不可能となり、二人は遺体と向き合うしかなくなるが……。

希望はあるのかと思いながら見てたんですが、なかったね!! だがそれがいい。
地方で解剖をしている父と息子のもとに、謎めいた遺体がやってくる。剖検を始める二人に不思議な現象が起き始め、ついに……というホラー。
解剖するシーンがあるので刃物で切られる描写がうっとなるし、出てくるものが明らかに異常で、これはやばいぞというのが次第に増すのがすごくいい。あと私、ラジオとか音楽が勝手に鳴り出してやばいことを言い始める仕掛けがめちゃくちゃ怖くて好きなんだと思いました。ほら、意味深な歌詞が聞こえて、えっなに誰か自分になんか言ってる? みたいに思うの。気のせいだと思えるけれどそうじゃないやつ。
もう最初から二人が殺されるのは決まってたんだなあという救いようのないラストと、どこかでそれが起きている恐ろしさがよかった。
B08QLKZ3JR
番組プロデューサーから事故物件に住む仕事を受けたお笑い芸人。お金がないため同居するコンビ芸人。恋人に愛想をつかされ相方にも見捨てられた芸人。彼らが住む部屋に共通するのはおかしな現象が起こるということ。怪奇現象に追い詰められていく彼らはやがて……。

謎の女性が現れたり、何度捨てても戻ってくる人形だったり、危ういものに取り憑かれたようにして事件を起こしたりと、それぞれにやばい連作もの。ほん怖の番組と映画の間みたいな不思議な雰囲気で、恐怖の内容もあるある感と作り話っぽさの間みたいな感じ。
怪奇現象よりも、事故物件に住むという番組企画や、相方を思うあまり盗聴器を仕掛けられたり、どんどん狂気に入り込んで人殺しを繰り返すという細々したところが怖かったな笑
「リバーダンス・アドベンチャー」
アイルランドに住む少年キーガンはおじいちゃんとおばあちゃんが大好き。しかし灯台守だった祖父が亡くなり、悲しみくれたキーガンはある日少女モヤとともに不思議な世界に迷い込む。そこでは川を守護する鹿たちが伝統的な舞踏、リバーダンスを踊っている神話の世界だった。

伝統のリバーダンスをテーマにしたアニメーション作品。実際に見てみたいんですけど機会がないんですよねえ、リバーダンス。ケルト音楽も好きだから一回見たい。
と、そんな欲求を少しばかり叶えてくれるのがこの作品。音楽とダンスをアニメーションに詰め込んでいて、民族の歴史や神話に絡めた内容も興味深くて、思っていた以上に見応えがあって楽しかった。
B08W5J68R9
結婚後なかなか子どもに恵まれずにいる佐都子と清和。不妊治療を続けるも辛い日々に、ついに子どもを諦めた二人だったが、偶然目にした特別養子縁組に希望を抱き、養子を迎えることにする。やってきた朝斗の産みの母は片倉ひかりという名の中学生だった。その後、その名を語る女性の電話がかかり……。一方、母となったひかりは、望まぬ妊娠や家族の不和、自宅に戻った後の様々な出来事に、孤独を深めるようになっていたが……。

原作は読了済み。原作の衝撃的かつ大事な設定は結構序盤で明かされるのですが、きっとこの作品で描きたかったのは、取りこぼされてしまう子どもたちは、助けを得られず守られなかった子ども、子どものまま大人になっていく子どもという負の連鎖だったんだろうな、と思いました。
でもこの作品にはちゃんとその連鎖を断ち切りたいという願いが込められていて、特に印象的だったのはひかりが働く新聞店の店長さん。恋人に相談されないまま自殺された後悔を涙声で話しながら「心配している」と言ってくれるの、多分ここがこの映画の全部なんだと思ったんですよね。
だから後の「なかったことにしないで」を受け取った佐都子が探しに来てくれるのが本当に嬉しくてたまらなかった。涙が出ました。
「パラメディック 闇の救急救命士」
救急救命士のアンヘルは恋人とヴァネサと暮らしている。だがある日現場へ向かう途中、救急車が事故に遭い、重傷だったアンヘルは下半身不随になってしまった。上手くいかない生活に、ヴァネサへの不信感が極まったアンヘルはハッカーアプリを用いて彼女を監視するようになる。それに気付いたヴァネサは恐怖を覚えて逃げ去るが、数ヶ月後アンヘルは彼女を見つけてしまい……。

ちょっとやばい感じの救急救命士の男性が、精子無力症、下半身不随、恋人との別れと彼、女の新しい恋人と彼女の妊娠という畳み掛けるような不幸にストーカーを拗らせて異常性を露呈していくというスリラー。
冒頭からアンヘルの性格がやばくて、人間としての危険度がどんどん加速していくのは納得。心配してくれるお隣さんのまともさが際立って感じられるくらい。
最後は因果応報という言葉がぴったり。これまでの仕打ちを倍以上にして返されるんだろうなあ……仕方ない……と思いました。
B08TNB75GM
両親を事故で亡くした『ぼく』はおばあちゃんに引き取られた。ある日不思議な女性に声をかけられたぼくがそのことを話すと、その女は魔女だとおばあちゃんは言う。魔女に見つかってはならないとあるホテルに宿泊するぼくとおばあちゃんだけれど、同じくして子どもたちを一人残らず消し去ろうと目論む大魔女をはじめとした魔女の組織が滞在していて……。

ナンセンスなストーリー、いかにも児童書っぽい。魔女がきらきらしたものではなく恐ろしいもの、不気味なもの、化物や怪物であると描いているんですが、大魔女のアン・ハサウェイがめちゃくちゃ綺麗で設定と真逆なのが面白い。
中盤からのネズミに変えられたぼくたちの冒険も楽しかったですが、まさか元の姿に戻らないまま話が終わるとは思わなくてびっくりしました。寿命の話をしていてけれど本当におばあちゃんと同じくらいまで生きたんだろうか。夢のある話だなあと思いました。
「エレメンタリ ~鍛冶屋と悪魔と少女~」
バスク地方にはある言い伝えがある。悪魔に魂を渡す代わりに願いを叶えるというものだ。人里離れた山奥で密やかに暮らす鍛冶屋のパチは村人たちに気味悪がられていたが、悪魔と契約して黄金を隠し持っているという噂もあった。だが近くの村に住む孤児の少女ウスエはある日そんな鍛冶屋に忍び込み、衝撃の光景を見てしまう。

ホラー映画の皮をかぶった民族民話映画。ビジュアルは怖いけれど内容は完全に悪魔を出し抜く人間のお話。
悪魔と契約した鍛冶屋と、孤独な少女、実に悪魔らしい悪魔。契約した悪魔を捕らえて痛めつけている鍛冶屋と、痛めつけられている悪魔という構図からして面白いんですが、人外あるある設定の『豆を渡すと数えてしまう』『ばらばらにされると一から数え直す』が馴染み深すぎて笑ってしまった。
孤児のウスエが母親に会いたいと願って別の悪魔と契約し、それを助けに行く展開も楽しく、上記の習性を用いるなどして出し抜く展開はちゃんとしていて面白かった。
「獣の棲む家」
戦火の故郷を離れ、イギリスに亡命した夫婦は指定された期間収容施設に滞在し、許可された家での生活を許された。だがそこで暮らすうちに夫婦は『何かおかしい』と感じ始める。実はこの家には曰くがあったのだが、本当の恐怖は別にあって……。

ホラースポットが『家』で、そこに滞在し続けなければならない状況を発生させるのが亡命した難民ゆえに行く場所がない、という設定がすごくリアルでおおっと思いました。心理的に追い詰められていく状況も、外国人で黒人であるという差別意識が追加されるときつさに説得力がある。
どんどん人が精神的に壊れていくのを見ながら、どう決着をつけるんだろうと思ったら! うわー! と叫んでしまった。そういう設定か! うわーリアルすぎて……うわー……。あるよなあ、あるんだろうなあ、と思って人の心の怖さがここにきてどんとのしかかってきたの、すごくよかったです。
B07ZWBMYJB
自分の気持ちを表現できず周囲と不和を起こしがちな中学生の琉花は、ある日水族館で不思議な少年に出会う。ジュゴンに育てられたという不思議な少年たち、海と空は、海で発生している異変と深くつながっていて……。

原作は途中まで読んでいます。
世界と命の循環にまつわる、海と人と命の壮大な物語。けれど物語はあくまで琉花たちの周りで起こって動いている感じが、スケール感を感じて好きです。
原作に即したキャラクターデザインがいいなあ。漫画原稿の緻密さと迫力をアニメーションにするのはすごく難しいと思いますが、私が原作に感じていた底知れない恐ろしさよりも、美しさや光の表現の方が印象に残っているかも。
ラストシーンのへその緒の切るところは息を詰めて見てしまった。このシーンのためにすべてを組み立てていたんだなあと思うくらい。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
10 2024/11 12
S M T W T F S
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]