読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

亡くなった祖母の品を整理をしていた孫の大輔は、祖母が大事にしていた夏目漱石全集の第八巻を発見した。書店の値札を頼りに、その「ビブリア古書堂」を訪れると、店主の篠川栞子は本を愛するゆえの観察眼で、大輔の祖母にまつわる道ならぬ恋を見破った。これがきっかけでビブリア古書堂でアルバイトを始める大輔だが、古書界隈では太宰治の稀覯本を軒並み買い取る人物と、その荒っぽい手段が話題になっていること、栞子がその標的となっていることを知る。
ライト文芸ミステリのしっとりとした印象と話の重さ、邦画になるとどうしてこうねっとりと陰鬱なのか。ドラマの方はキャストはともかく雰囲気はあっていたような気がする。
しかし「道ならぬ恋」の描写はいかにも邦画! って感じの画面でどきどきしたなあ。
栞子や大輔側の現代での描写はもうちょっとしっとりとした恋のどきどき感を感じたかったかもしれない。すれ違いのひやひや感の印象が強すぎて。
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ネオ・ヴェネツィアの秋。お「オレンジぷらねっと」のウンディーネのアーニャは、尊敬する先輩であるアリスと、彼女の指導係でもあったアテナが、長くすれ違っていることを気にかけていた。ウンディーネ仲間のアイやあずさと協力するが……灯里や藍華、アリシアや晃たちも登場する劇場版。
三人組(三社?)の一人ずつに焦点が当たるいつも通りの方式なので、今回はオレンジぷらねっと編。新世代組の一人のアーニャと、先輩になったアリス、歌姫となったアテナがメイン。
新世代の話は、全然変わったいないように見えてだいぶ大人びている灯里がなんかいいなあと思うんですよね。声や表情の感じが、アリシアを思わせる落ち着き振り。でも「えー」って言う声や表情がいつも通りでほっとするしくすっとしちゃいます。
プリマになったらそれはそれで悩みがあるというのを後輩たちの目で追う話ですが、アリスが頑ななところを残しつつ自覚的になって、いっぱい悩んでいるところ、がんばれーがんばれーって応援しながら見ていました。
「ARIA」はこうやってずっと続いてくれたらなあという作品を作ってくれるので、こうして続きが見られるのはすごく嬉しい。
「呪詛」
念願かなって施設から娘のドゥオドゥオを引き取ったリー。リーは動画配信を通じて視聴者に語り始める……娘と自分に襲い掛かる数々の怪異とその原因。娘が生まれる前、ある都市伝説系動画配信チャンネルを持ち、彼氏と彼のいとことともに山奥の心霊スポットに足を踏み入れたこと。その際自身と娘が呪われたことを。
視聴者に語りかける冒頭、イヤな予感しかしないよね! その通りだったね!
いやもうまじで巻き込まないでくれや……というホラー作品。
山奥の、特殊な信仰を持つ人々の聖地に足を踏み入れたことで、恋人と彼のいとこを失い、結果的にお腹にいた娘をなにものかに捧げてしまったリー。呪いが発動したことで怪異に追われ、日常生活も損ないつつあるリーは、娘を奪われる恐怖に耐えながら呪いを解く方法を探す。
ビデオ撮影を通じて何が起こっているかを描写するので、何か見切れてそうで怖くて怖くて。そして実際に起こるんですよね。リーの見てないところでドゥオドゥオが何かに語りかけていたりするところ、やっぱりと思ったし怖かった。
結末をもって、視聴者がどう思ったか知りたかったなあ。めちゃくちゃ話題になって大騒ぎになったりしたんじゃないだろうか。
念願かなって施設から娘のドゥオドゥオを引き取ったリー。リーは動画配信を通じて視聴者に語り始める……娘と自分に襲い掛かる数々の怪異とその原因。娘が生まれる前、ある都市伝説系動画配信チャンネルを持ち、彼氏と彼のいとことともに山奥の心霊スポットに足を踏み入れたこと。その際自身と娘が呪われたことを。
視聴者に語りかける冒頭、イヤな予感しかしないよね! その通りだったね!
いやもうまじで巻き込まないでくれや……というホラー作品。
山奥の、特殊な信仰を持つ人々の聖地に足を踏み入れたことで、恋人と彼のいとこを失い、結果的にお腹にいた娘をなにものかに捧げてしまったリー。呪いが発動したことで怪異に追われ、日常生活も損ないつつあるリーは、娘を奪われる恐怖に耐えながら呪いを解く方法を探す。
ビデオ撮影を通じて何が起こっているかを描写するので、何か見切れてそうで怖くて怖くて。そして実際に起こるんですよね。リーの見てないところでドゥオドゥオが何かに語りかけていたりするところ、やっぱりと思ったし怖かった。
結末をもって、視聴者がどう思ったか知りたかったなあ。めちゃくちゃ話題になって大騒ぎになったりしたんじゃないだろうか。
「闇はささやく」
夫の仕事の都合で田舎に引っ越してきたキャサリン。だが移り住んでいたその家には何かがいた。不自由な田舎暮らしに、怪異に見舞われ、周囲の人々から話を聞いて隠された真実に近付くキャサリン。同時に夫ジョージの異常性も浮き彫りになり……。
田舎の古い家に引っ越し、霊現象に見舞われるようになったキャサリン。明らかになったのは、この家で「夫が妻を殺す」惨劇が繰り返されているということ。
面白いのは幽霊が、それも殺された妻の方がどうやらキャサリンに味方しているらしいところ。本物の悪意を持った霊は悪意を持った人間に語りかけて唆すのが印象的。不安や恐怖といったマイナスの感情を増幅させるというあれですね。だいぶ悲惨なのに最終的には、善きものは善き場所へ、悪しきものは悪しきところへ行くという展開なんですが……救われたって言っていいのか? 繰り返されるなら根本的な解決はできなかったのか? と思ってしまう。しかし「家の中」っていう余所者がはじかれる場所の出来事だし難しいのか……。
とにかくジョージの凄まじいクズっぷりが最高に怖くてよかったです! 何が怖いか、「人間が一番怖い」を地でいくやつでした。
夫の仕事の都合で田舎に引っ越してきたキャサリン。だが移り住んでいたその家には何かがいた。不自由な田舎暮らしに、怪異に見舞われ、周囲の人々から話を聞いて隠された真実に近付くキャサリン。同時に夫ジョージの異常性も浮き彫りになり……。
田舎の古い家に引っ越し、霊現象に見舞われるようになったキャサリン。明らかになったのは、この家で「夫が妻を殺す」惨劇が繰り返されているということ。
面白いのは幽霊が、それも殺された妻の方がどうやらキャサリンに味方しているらしいところ。本物の悪意を持った霊は悪意を持った人間に語りかけて唆すのが印象的。不安や恐怖といったマイナスの感情を増幅させるというあれですね。だいぶ悲惨なのに最終的には、善きものは善き場所へ、悪しきものは悪しきところへ行くという展開なんですが……救われたって言っていいのか? 繰り返されるなら根本的な解決はできなかったのか? と思ってしまう。しかし「家の中」っていう余所者がはじかれる場所の出来事だし難しいのか……。
とにかくジョージの凄まじいクズっぷりが最高に怖くてよかったです! 何が怖いか、「人間が一番怖い」を地でいくやつでした。

どん底の生活を送る劔はバンド活動もうまくいっていないある日、友人の勧めで松浦亜弥のMVを見て、涙を流す。それからハロプロにハマった劔は、同じくハロプロを応援する仲間たちと知り合い、アイドルオタクとして騒がしくも楽しい日々を送り始めた。だが人生の転機が各々に訪れ……。
ハロプロを愛する人たちの青春。こんなにも好きなものがいて、意見を戦わせながらも一緒にいられる仲間がいて。めちゃくちゃ幸せな時間は、でも永遠ではないという、アイドルの存在にも似た輝きが切なくも愛おしい。
生きていかなければならない現実だったりなんだり。でも病気というのはきつい……。死が目前にあるという現実にはっとさせられる。こうして唐突に終わりが来るんだ、って思ってしまって。
しかしみんな本当にこんなに無茶苦茶だったんだろうか。盛ってない? って思ってしまうのは個性が強い人たちばっかりだから。トラブル起こしすぎだよ!

「覇権」、それはシーズンごとに新作が発表されるアニメのうち、最も話題になった面白いアニメ作品を表す言葉。覇権を取ると、その時期二人の監督作品が注目される。名作を生み出したが音沙汰のなかった監督・王子千晴の復帰作と、新人監督・斎藤瞳の監督デビュー作。だがアニメの制作現場はただではいかず忙しい。製作委員会、各制作会社、スタッフ、そして監督自身もただではいかず……。
辻村深月作品。原作がめちゃくちゃ面白くて、最近番外編集も読んだので、実写映画に手を出しました。
いかに「ハケンアニメ!」という作品としてまとめるかというところに重きがあったように感じられて、主要登場人物の香屋子、王子、瞳、行城、和奈といった面々の息苦しいほどの葛藤は薄め。「どうしてわかってくれないんだ!?」という仕事に対する苛立ちやままならなさへの共感を強める感じだったように思います。「成功」を描くには「覇権を取る」という目標と結果がわかりやすい。
瞳が最後に子どもたちを見て声を漏らすところ、すごくよかったなあ。ここが一番辻村作品っぽかったかもしれない。
「LIONHEART/ライオンハート」
ナイジェリアにある、観光を営むライオンハート社。社長である父が体調不良で倒れ、代理の社長を立てることになった。娘のアダエゼは、叔父の力を借りながら、男性優位の社会との摩擦に苦悩しながらも奔走する。
ナイジェリア映画。あまり見慣れない風景に服装、けれど覚えがある、男性優位の社会。でもそんな場所で人を助け、支えるのは情であったり、家族だったりするんですね。しかし社長令嬢でも成り上がるには難しい世界なんだなあ……。けれど作中で様々な困難に遭ったアダエセは、きっとこれからもなにくそという感じで頑張っていけるのではないかな。
ナイジェリアにある、観光を営むライオンハート社。社長である父が体調不良で倒れ、代理の社長を立てることになった。娘のアダエゼは、叔父の力を借りながら、男性優位の社会との摩擦に苦悩しながらも奔走する。
ナイジェリア映画。あまり見慣れない風景に服装、けれど覚えがある、男性優位の社会。でもそんな場所で人を助け、支えるのは情であったり、家族だったりするんですね。しかし社長令嬢でも成り上がるには難しい世界なんだなあ……。けれど作中で様々な困難に遭ったアダエセは、きっとこれからもなにくそという感じで頑張っていけるのではないかな。

校外ヒーロー活動として離島にやってきた雄英高校1年A組の面々。この小さな島で起こる大小の事件や困りごとの解決を手伝っていた出久たちだが、ヒーローを嫌う姉と憧れる弟という不思議な姉弟と出会う。だがこの島にはある目的を持った敵<ヴィラン>たちが近付いていて……。
見始めたときは「ああ、みんなまだ明るい顔をしている……」「市民がヒーローを当たり前のように頼りにしている……」と涙が出たんですが、ラストバトルになって「それっ、それは、それは原作でやらなくていいのかい!!!!?」という展開になってびっくりしました。映画だけの大盤振る舞いにしてはちょっとその設定はでかすぎないかい……?
離島でヒーロー活動中の1年A組が、ヴィランの強襲を受けて、冬眠を守りつつ戦うという、私の大好きな「子どもたちが自分たちだけで指揮をとって戦う」話。ここでもうすでに1年A組の絆が描かれていると涙……。ひとりでは無理だけどみんなでなら、という。
かっちゃんとの共闘は、この時点での距離感がちゃんと描かれているんですが、これ「黒いヒーロー編」での状態でやったらまた大変なことになっていたんだろうなあ主に私の涙腺が……。
本編が目が離せない感じになってきたので、明るい雰囲気の映画を見てちょっとほっとしました。楽しかった。
「サイトレス」
バイオリニストのエレンはある日暴漢に襲われ、薬を浴びせられたことで失明してしまう。外国で仕事をしている弟の援助を受けて介護士を雇うことになったエレンだが、これまでとまったく異なる暮らしに、介護士のクレイトンに辛く当たってしまう。だが尽くしてくれるクレイトンに心を開き始めたある日、隣室の夫婦が激しく争う物音を聞く。この暴力を振るわれていたと思しき隣室の住人ラナとの出会いで、エレンは自らを取り巻く異常な状況に気付き始め……。
視力を失った女性の世界を巧みに描写したサスペンス。目が見えない状態で、周りの人間から与えられる状況で認識する世界が変わる、という描写がいい。絶対これ嘘つかれてる感があって笑
限られた人間とのやり取りしかないので、怪しい人間は限定されるし犯人もわかってしまうんですが、犯人の動機とその後の展開がはらはらさせるもので面白かった。
バイオリニストのエレンはある日暴漢に襲われ、薬を浴びせられたことで失明してしまう。外国で仕事をしている弟の援助を受けて介護士を雇うことになったエレンだが、これまでとまったく異なる暮らしに、介護士のクレイトンに辛く当たってしまう。だが尽くしてくれるクレイトンに心を開き始めたある日、隣室の夫婦が激しく争う物音を聞く。この暴力を振るわれていたと思しき隣室の住人ラナとの出会いで、エレンは自らを取り巻く異常な状況に気付き始め……。
視力を失った女性の世界を巧みに描写したサスペンス。目が見えない状態で、周りの人間から与えられる状況で認識する世界が変わる、という描写がいい。絶対これ嘘つかれてる感があって笑
限られた人間とのやり取りしかないので、怪しい人間は限定されるし犯人もわかってしまうんですが、犯人の動機とその後の展開がはらはらさせるもので面白かった。