読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
九州の港街で暮らす高校二年生の岩戸鈴芽は、登校中にすれ違った美しい青年に「この辺りに廃墟はない?」と尋ねられる。打ち捨てられた温泉街を教えるものの、気になった鈴芽は後を追い、彼を見つけられない代わりに廃ホテルで扉を見つける。何気なく扉を開けたそこには美しい星空と草原が広がる場所だったが、中に入ることができない、足元にあった石を持つと突然毛玉に変わってどこかへ行ってしまうなど、不思議な状況に遭遇する……それが鈴芽の戸締まりと災いを鎮める「閉じ師」の青年・草太との旅のはじまりだった。
公開中なので続きから。
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韓国でも有数の心霊スポットとして知られるコンジアム精神病院。恐怖動画を配信するチャンネル「ホラータイムズ」の主催者ハジュンは、募集した一般参加者を含めた七名に指示しながら病院内の探索動画をリアルタイム配信する。いくつかのやらせもあって視聴者数は順調に伸びるが、想定外の現象が起き始め……。
動画配信者たちが心霊スポットでやらせをしながらリアタイ肝試し。だからそういう冒涜的な行いをしちゃだめだって……。
心霊動画で視聴数を稼いで報酬やスポンサーを得ようとした若者たちの末路を描いた作品で、最初こそああやらせなんだなーとわかる感じなんですが、徐々にあ、やばいぞ……? という感覚が増していくのがすごい。実際の場所で心霊現象に見舞われるのもめちゃくちゃ怖いですが、離れたところから謎めいた現象に気付いてしまう怖さがやばい。録画しているので比較できてしまうのがさらにいまどきっぽくて怖い。間違い探し的に気付けちゃうの嫌だなあ……。
売れないコンビ芸人である山野は、相方の中井からコンビ解消を求められ、起死回生を狙って放送作家となった中井の提案に乗って事故物件に住む企画を始める。次々に心霊現象に見舞われる様子が放送されたことで、仕事が舞い込ようになった山野だが、次第にその影響は周囲に及び始めた。
事故物件に住んでみましたという芸人さんのノンフィクションを下敷きにした映像作品。
こういうのを見ていると、どういう理由で心霊現象が起こるのか不思議だし、原因が理解できないまでも怒りや悲しみや憎しみが染み付いた場所や人を弄んではいけないんだと思う……。
ホラー作品、しかも邦画なんですが出演者が豪華すぎてすごい。山野と中井のコンビはイケメン芸人として売れるのではと思うレベル。心霊現象に見舞われる梓の演技がめちゃくちゃ怖かった……。
ニューヨークにやってきたトムとジェリー。永遠のライバルである二匹は、いつものように追いかけっこをしていたところ、仕事中だったケイラの邪魔をしてしまう。おかげでケイラはクビとなるが、偶然ホテルで臨時スタッフを募集していることを知ると面接予定だった女性を言いくるめ、自分がホテルスタッフとして採用される。だがここにはトムとジェリーの姿もあって……。
「トムとジェリー」の実写版。二匹はアニメ絵の合成というのが新しいですが、アリだと思います。すべてCGにするよりもわかりやすい!
物語は色々と上手くいかないでいるヒロインが、ちょっとしたずるをしてホテルの臨時スタッフとして採用され、セレブカップルの結婚式を担当をするという内容。もちろんカップルはすれ違っているし結婚式の準備で揉めるし、そこにトムとジェリーが罠だのそれを回避するだの、追いかけっこをして、最後には仲直りというどたばたを繰り広げる。
アニメに引っ掛けたメタ的な台詞にくすっとします。そうそう、トムとジェリーは喋らない笑
ろくでなしの恋人に頼まれて運び屋めいた仕事をすることになったルーシー。だが仕事を完遂するはずが恋人は射殺され、マフィアと思しき男たちに拉致され、運んでいた荷物である謎めいた薬袋を腹部に詰め込まれるとさらに運ぶよう命じられる。だが袋の中の薬、人間の脳を目覚めされるそれを摂取したことにより覚醒し、人外の能力を得て自らの死を悟る。そのとき彼女が撮った行動は……。
めちゃくちゃかっこいい! 荒唐無稽だけれどすごくいい。こういう思い切り方、めちゃくちゃ好きだなあ。
底辺と称されるような暮らしをしている女性が、マフィアと薬物に関わったことで人外の能力を得て、人を操ったり自分の見た目すら変えたりなどしながら、すぐに訪れる死の前に何をするか。感情を失っていくルーシーが人類の使命めいたものを目的にして迎えた結末は、人間らしくないのにまごうことなく「人」のもので、ああなるほどなあと面白かった。
脇役たちも魅力的。警部も博士も、それぞれの良さがあって。特にノーマン博士のゆったりとした話し方や物腰が、この人は一生懸命に理解して飲み込もうとしている、立派な研究者なんだというのが伝わってよかった。
すごく好きな作品でした。面白かった。
新興貴族ブーリン家の姉妹アンとメアリー。家族の策略によってヘンリー8世に近付き、寵愛を得ようとする姉妹だが、選ばれたのは妹のメアリーだった。自尊心を傷付けられたアンは別の貴族と結婚を強行するも、家族の怒りを受けてフランスへ送られる。だがメアリーの寵愛が薄れ、アンが呼び戻されるとあっという間に王の寵愛を受けるようになった。未来に続く因縁の、王と女たちの物語。
アン・ブーリンの名はよく聞きますが、この作品はどちらかというとメアリーにも視点を置いていて面白い。美しいけれど姉に比べて平凡なメアリーが、ブーリン家に生まれた不幸を見ていて感じました。ともすれば男性のように貪欲に頂点を目指すアンは、やはりブーリン家の人間という感じだから。
物語はコンパクトながらきっちりまとまっていて、思っていた以上に姉妹がギスギスしすぎていないのは見ていてちょっと安心。いやでも内心では嵐が吹き荒れていたでしょうけれど。同じ男性と関係を持つ姉妹って、現代の価値観的にあまり推奨されないと思いますけれど。
またこの作品、めちゃくちゃ服飾や建物が綺麗でなあ! 16世記イングランドはこういう感じねふむふむ。
脳をスキャンして生前の記録を映像化するMRIスキャナーを用いて、数々の事件が解決されるようになった現代。しかし凶悪事件に関わる記憶を目の当たりにすることで、捜査官たちの精神は常に危うい状況にある。そんな警視庁の通称第九に配属された青木は、室長の薪と出会う。今回捜査するのは一家殺害の罪で死刑に処された男について。だが記憶を読み取ったところ、真犯人は現在行方不明である娘の絹子だとわかってしまう。だが捜査を進めるにつれて封印された過去の事件を暴くこととなり……。
原作は未読。原作作画の美麗さはさすがに表現できないので、映像をちょっとサイバーパンク風にしてみました、という印象。しかし出演者の顔がみんないいのはわかってるなと思いました笑
わかっていたはずなのに結構きついシーンが多く、捜査官が絡むもので精神に揺さぶりをかけてきて主人公側が後手後手に回る展開はだいぶメンタルにきます。
それだけに「美しい世界」のシーンは、ちょっとだけ救われました。この「ちょっとだけ」がいいんですよね……本当に美しい世界なんてどこにもないけれど、その一瞬、その刹那が尊い。
人情に厚い、穏やかな人柄ながら剣の達人でもある坂崎磐音。幼馴染みの二人と江戸勤番を終えて故郷に戻った三人だが、とある策略にはめられた幼馴染みたちを失い、自らも結婚の約束をした奈緒を置いて脱藩。江戸にて浪人として暮らし始める。長谷の大家は困窮する磐音を見かねて、両替商・今津屋の用心棒の職を紹介するが、図らずも商人たちの争いと幕府が流通させた新しい貨幣をめぐる陰謀に関わることになった。
原作は未読。長期シリーズなので映画化? と思っていたんですが、思いがけず面白くてびっくりした。時代劇といってもライトな雰囲気で、穏やかな人柄で軽んじられがちだけれど剣の達人、礼儀正しく優しいのでみんなに好かれる、賢くて知恵を巡らせて窮地を救う、と完全に主人公体質な磐音が事件に立ち向かう。
旅立ちの理由も、幼馴染みたちが策略によって勘違いから人を殺し、その人物と策略を巡らせた人物を別の幼馴染みが殺し、それを磐音が討ち取らざるを得なかった、という、ほぼほぼ「村を焼かれた」なのも面白いなあ。
悲しみを抱えながら腐らずにいる磐音がまたいいんですよね。それを新しい恋が支えてくれたり。
最後に奈緒と、再会しつつ永遠の別れを告げるのも哀愁が漂っていてよかったな。
「彼女」
美容整形外科の医師であるレイは同性の恋人と付き合っている。だがある日十年ぶりに高校の同級生だった七恵から連絡が来る。七恵は結婚後、夫から暴力を振るわれ続け、ついに限界を迎えていたのだった。七恵のためにレイは彼女の夫を殺害して出頭する旨を伝えるが、七恵は怒り、二人の逃亡生活が始まってしまう。
裕福な家に生まれ自身も医者だが、同性愛者であるレイ。崩壊した実の家族から逃れて結婚したものの夫から暴力を受けて何一つ持たない七恵。きっとどちらも本当にほしいものが手に入らない二人。そんな二人の逃避行は、心がひりついて、熱くて、苦しい。情念とか歪んだ愛と呼ばれるものが、煮えたぎるように見えたり、ひたひたと冷たく満ちているようにも思えたりする。
レイが売春をするシーンがきつかったなあ……。多分これってめちゃくちゃ心が乾いて飢えてどうしようもなくて、お金を稼ぐためもあったと思うけれど空虚を埋めようと必死だったんじゃないかなと思ったんですよね。その後置いてきた恋人に電話して、恋人に肯定されるシーンはちょっとほっとしました。このままだとどこかで死んでもおかしくなかったから。
兄の将人は最初うっとなったんですけれど、奥さんの悠がすごくよかったな。悠がいることで将人は少しだけ視界が広くなっている感があって。
濡れ場やスプラッタシーンがありながら、逃避行シーンの二人の楽しげな様子が見ていて嬉しくて、旅するところをずっと見ていたくなってしまいました。
美容整形外科の医師であるレイは同性の恋人と付き合っている。だがある日十年ぶりに高校の同級生だった七恵から連絡が来る。七恵は結婚後、夫から暴力を振るわれ続け、ついに限界を迎えていたのだった。七恵のためにレイは彼女の夫を殺害して出頭する旨を伝えるが、七恵は怒り、二人の逃亡生活が始まってしまう。
裕福な家に生まれ自身も医者だが、同性愛者であるレイ。崩壊した実の家族から逃れて結婚したものの夫から暴力を受けて何一つ持たない七恵。きっとどちらも本当にほしいものが手に入らない二人。そんな二人の逃避行は、心がひりついて、熱くて、苦しい。情念とか歪んだ愛と呼ばれるものが、煮えたぎるように見えたり、ひたひたと冷たく満ちているようにも思えたりする。
レイが売春をするシーンがきつかったなあ……。多分これってめちゃくちゃ心が乾いて飢えてどうしようもなくて、お金を稼ぐためもあったと思うけれど空虚を埋めようと必死だったんじゃないかなと思ったんですよね。その後置いてきた恋人に電話して、恋人に肯定されるシーンはちょっとほっとしました。このままだとどこかで死んでもおかしくなかったから。
兄の将人は最初うっとなったんですけれど、奥さんの悠がすごくよかったな。悠がいることで将人は少しだけ視界が広くなっている感があって。
濡れ場やスプラッタシーンがありながら、逃避行シーンの二人の楽しげな様子が見ていて嬉しくて、旅するところをずっと見ていたくなってしまいました。
街外れにある「ジェイルハウス」と呼ばれる廃屋に肝試しにやって来た高校生の卓郎、美香、たけし。素行の悪い彼らはかつて同級生をいじめて自殺に追い込んだ過去があり、いまはシュンがターゲットだ。そんなシュンは不登校となり、家で自作ゲームを作り、登場人物にいじめっ子たちを配置し、ゲーム中で彼らが死ぬことで鬱憤を晴らしていた。そんなゲームと現実が何故かリンクしてしまい……。
人気フリーゲーム「青鬼」を題材にした映画作品。鬼ごっこのように逃げるというゲームの内容をしっかり踏まえて、高校生らしい浅慮さとちょっとした成長と因果応報を描いたストーリーになっているのがなかなか面白かった。
いじめられっ子が作った「青鬼」的ゲームと、現実のお化け屋敷がリンクし、ゲーム製作者側がお化け屋敷にいるいじめっ子たちや巻き込まれたひろしをなんとかしようとする。ひろしのちょっと風変わりなキャラクターが結構ちゃんと生きていて、原作ゲームで会話するパートがあればこういう風だったのかなーなんて思えて面白かった。いじめの主犯たる卓郎は改心、リセット前の記憶がないたけしの馬鹿な振る舞いは最後にしっかりお仕置きと、ちゃんとオチもついているのがいいな。
そしてフワッティーが可愛らしかった。実際はアレなんだけど……笑