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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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マイナークラブハウスへようこそ!―minor club house〈1〉 (ポプラ文庫ピュアフル)
桃李大学付属、那賀市桃李学園。文武両道の有名私立大学に付属する中高一貫校である。その高等部の一角に、部員5人未満のため非公式な存在の文化部ばかりが集い、「マイナークラブハウス」と通称される古ぼけた洋館があった——。
思春期を旅する「普通じゃない」少年少女たちの一筋縄ではいかない日常を描き、面白いのに不思議とジンとくる、最先端の学園小説。〈解説・三村美衣〉(裏表紙より)

いわゆる「はみ出しものクラブ」が集まった、マイノリティーの集団がマイナークラブハウス。そこでの一人一人の視点で語られる学園の日常。色んな考え方が、分かる分かるという意味でむずがゆくて、とても青春ものでした。
マイノリティーと言っても、もうマイナークラブハウスに入ってしまうとそこがすごく好きになっている。だから全然卑屈ではなくて、爽やかそのもの。それでいて、みんながみんな「仲間」としての意識を持っているせいか、すごく仲が良い。むしろ第一話での普通の学園生活の方が、凄まじい異空間みたいだ。
第四話が好きだなー! バンドの話。こういうちょっと悪ぶった(?)視点のバンドものって、純粋に登場人物が「すげー! すげー!」と叫ぶから本当に楽しい。かと思ったら、一番子どもっぽく、こうしていられるのはいつまでだろう、と泣きそうになるのもすごく分かってしまう。
気になるひと、気になる話で一巻が終わったので、続きも読みたい。
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スペース (創元推理文庫)
ご存じだろうか。〈魔が差す〉という瞬間は、たぶんどんな人にも一度や二度は訪れるものなのだ。そう、犯罪行為などとは地球とアンドロメダ星雲くらいにかけ離れている駒子にさえ、その瞬間は突然やってきたのだから。クリスマスにひいた風邪が軽快し、空はすこんと晴れ上がった大晦日、出かけたデパートであるものに目を奪われたばかりに、息が止まりそうな思いをした駒子は……。(裏表紙より)

再読だった。でも未読の棚にささっていたので、あれー? と思いながら読みました。でもとてもしんみりと面白かった。駒子と瀬尾さんの物語というよりは、彼女たちを外側から見た二編でした。
駒子に対する評が、とてもずばりと書かれていて、私はどちらかというと駒子寄りだけれども、まどかの思いも分かる気がします。ちょっとテンポが違うなあと思う気持ちも、それでも誰かに親近感を抱く気持ちも、そして、駒子の「誰にとっても一番ではない」という悩みも。
これを読んで無性に宮沢賢治記念館に行きたい! と思ったりしました。
レディ・ガンナーと二人の皇子 (上) (角川文庫―角川スニーカー文庫)レディ・ガンナーと二人の皇子 (中) (角川スニーカー文庫)レディ・ガンナーと二人の皇子 (下) (角川スニーカー文庫)
「あんな《役立たず》を誘拐?」仕事を失って浮かない顔のダムーたちの前で、突然ヴィンスが連れ去られた。追いかけてみると、犯人はエルディア王国の大貴族。命を狙われている皇子の身代わりになってほしかったのだという。そんな勝手なと思いながらも、金のない用心棒四人組はOKするのだが……その頃キャサリンもこの王家の奇妙な風習に悩まされていた。シリーズ屈指の理不尽な事件に、信念のお嬢様、キャサリンの怒りが大爆発!?(上巻裏表紙より)

お借りしたもの。上中下巻の三冊分冊。
茅田さんの作品は爽快感が伴うけれど、レディ・ガンナーシリーズはそこから更に考えさせられた上で気持ちいいので大好きだ。気持ちよかったー!
異国での風習は奇妙に思えてもそこでは普通のことだから、と前置きがありつつ、おかしいものはおかしい! と訴えるキャサリン。現代人の私たちにとっては、それは当然の主張で、考え方で、主張できる彼女がすごくかっこいい。訴えるだけではなくて、人に考えさせる力を与えるから、空虚な言葉でなく上辺だけの主張じゃないと思えるんだな、きっと。
中巻で、キャサリンのドーザに触りたくてうずうずしているところは笑った。確かにちょこんと座られるときゅんとするかも。動物がとても綺麗だと思うのも分かる気がする。茅田さんは本当にケモノスキーだなー。いつ変身シーンが出るかな出るかな、とじらされたけれど、ケモノの大盤振る舞いでとてもにやにやしてしまった。異種人種にも族長とかあるのか! とわくわくした。ら、やっぱりドーザさんがかっこよろしくかわいかった。
続きが気になるシリーズでもあります。だいぶと前に、他の巻を読んだので、揃える傍ら読み返したいところ。
パラドックス学園―開かれた密室 (光文社文庫)
パラドックス学園パラレル研究会、通称パラパラ研。ミステリ研究会志望のワンダは何故か、このパラパラ研に入部することに。部員はドイル、ルブラン、カー、クリスティーと名だたるミステリ作家の名前を持つものばかりだが、誰もミステリを読んだことがないという……。やがて起きる”密室殺人”と予想もできない究極の大トリック! 鯨ミステリのまさに極北!(裏表紙より)

前作『ミステリアス学園』があまりもあまりにもすごい真犯人だっただけに、今回はどんな趣向が凝らされているのだろうとわくわくして読みました。やっぱりすごかった。ミステリなのに、すごくエンターテインメントだなー! と思いました。
パラパラ研に入部することになったワンダ。この名前にぴんと来た瞬間から、すでにこの小説のトリックに巻き込まれてる(そういう点では、『ミステリアス学園』を読んでいないと説明不十分かもしれない)。ミステリの基本、法則性を逆手に取れるのは、これがこういう小説であるのと、登場人物に名ミステリ作家の名前を冠した人たちがいるからだなとお思います。いや、本当にすごかった!
『本当におもしろい本ほど壁に叩きつけたくなります』。笑ってしまった。
解説の方の文章も合わせて、すごくよかった!
はなひらく 淵国五皇子伝 (一迅社文庫 アイリス り 1-5)
西の都の王立大学で植物について学ぶカナン。ある日、異国の青年・善が持っていた奇跡の実に触れたカナンは、不思議なツタにとりつかれてしまう。ツタごと東方の帝国につれてこられた彼女を待っていたのは、呪われた体を持つ五人の皇子たちだった。奇跡の実の力で呪いが解けるまで、カナンは個性的な皇子たち&ツタと王宮で暮らすことになって……!?
植物を育てる能力を持つ西洋乙女と皇子たちが繰り広げる、中華風王宮恋愛ファンタジー!(裏表紙より)

面白かった! カナンの一生懸命さ、かっこよかったです。いつまでも悩むのではなくて、ぱっとすぐに求めているものを見出す力があるのが、とても爽やかで素敵でした。
それから、個性的な五人の皇子がそれぞれとてもいい。なんだかんだで全員変人な皇子たち……笑。電車にいて思わず噴き出しかけたのが郷の台詞。ぐっ、とも、もご、ともつかぬ奇声を発しました。危なかった。でも終始にやにやしていました。
ぐっと迫ったのが、カナンが泣いたあと、みんなで食事をするシーン。カナンの台詞がそのまま自分の心情でした。
郷が一番お気に入りなんですが、でもやっぱりパフュームさんかな! この人が本気を出したらめろめろになってしまう。
楽しかったー!
暁のアドミラル (角川ビーンズ文庫)
イングランド王家にはトップシークレットが存在する。
それは、海賊ドレークの養い子ジュエルが、実は処女女王エリザベス一世の隠し子である、ということ。けれどジュエルは、自分が王国の正統な後継者だとは知らずに、政敵フェリペ二世を暗殺すべく、単身スペインへ乗り込んでしまった!
女王陛下に忠誠を誓うか、それとも王位を継承して玉座を得るのか。襲い来る無敵艦隊を前に、海の宝石が選んだ運命とは!?(裏表紙より)

歴史を下敷きにした海賊ファンタジー。海賊ドレークとエリザベス一世とスペイン無敵艦隊の時代です。かと言って薄暗くて重たいわけでもなく、実にライトノベルとして明るく走っていくような物語でした。お話としては歴史を追わないといけないので、みるみる過ぎさってしまって、もっとじっくり! と思ったりしたのですが、恋愛成分が微量でも、主人公ジュエルの元気よさと、エリザベス一世のキャラがとても素敵で、楽しかったです。
本当に、エリザベス一世のキャラが素敵なんです。喋り方といい、感情の表し方といい。素敵な女王陛下です。他にも歴史上の登場人物がたくさん出てくるのも、すごく楽しかった。
森茉莉―贅沢貧乏暮らし
森鴎外の娘、森茉莉の幼い過去や『贅沢貧乏』だった日常をまとめたムック。

非常に面白かった! 料理の写真がたくさん出てきてお腹が空きました。森茉莉さんが昔食べたもの、得意料理など、見ていてなんだかとても嬉しくなってくる。茉莉さんの著作の抜粋もあって、おとめごころがときめきました。素敵な言葉を使われる人だなあ。
森鴎外の子煩悩ぶりはうっすら知っていたんですが、その娘たちがこうして愛情深く記憶を書き残しているのは、読んでいて、嬉しいし、楽しい。
桐原家の人々〈1〉恋愛遺伝学講座 (C・NOVELSファンタジア)桐原家の人々〈2〉恋愛心理学入門 (C・NOVELSファンタジア)
桐原家の人々〈3〉恋愛統計総論 (C・NOVELSファンタジア)桐原家の人々〈4〉特殊恋愛理論 (C・NOVELSファンタジア)
桐原真巳は悩んでいた
都と猛がほっそりとしたシャム猫なら
自分は黒くてごついシェパードだ
これで三つ子だなんて本当か!?
真巳が16年間抱えてきた疑惑の渦は
突如として予想をはるかに越え
怒濤のごとき展開を迎えることに
あらわになった真実とは?
とてつもなくパワフル、超マイペースな
家族コメディが新装登場!(1巻裏表紙より)

再読。一度目はルビー文庫版で読みました。全四巻を一気に書いてみる。
あとがきでも仰っているように、恋愛じゃなくてホームコメディです。桐原家の人々の安定した嘘つきぶりというか、我が道を往くっぷりがかっこいい! キャラ濃ゆいなあ。都の人物の作りが、ちょっとデル戦のリィを彷彿とさせて、デル戦も読みたいなあと思っています。

二巻は父親登場の巻。広い学校での学生生活より断然狭い家庭内の方が面白い。どたばたの勢いを超えて、暴れ回っている感じ。
気になったのが、デザインの話。茅田さんはデザインにお詳しいんだろうか。なんだか好きそうな感触が伝わってきた。

三巻、零と麻亜子落ち着くの巻。この巻の話が一番好き。むかつく人たちをぎゃふんと言わせるのが、気持ちよくてたまらない。一方で、破天荒なはずなのに、泣きたくなるくらいみんなが優しい。結婚式が決まってからのどたばた感はいいなあ。いい方向に転がっていくのが分かるからかも。

四巻は桐原家過去編。零が引き取られ、三つ子の時代までに至る物語。すごいテンポで物事が過ぎ去っていくので、ちょっと物足りなくも、しんみりとシリアスでした。
零の考え方が好きです。付き合うってとか、記念日がどうとか。桐原家の人々も、まさに「たくましい」という表現がぴったりくる。気持ちよく、考え方が突き抜けていて、読んでいて気持ちよくありました。
世界のグラフィックデザイナーのブックデザイン
1950〜60年代のアメリカ、ヨーロッパのブックデザインが収録。デザイナー本人の話はごくわずかで、デザインされた本の紹介が多かった。眼福。デザイナーの作った絵本の話もちょろっと載っている。この頃のブックデザインは、色鮮やかでべたっと塗ったものが多かったのかな、とちらっと思った。もちろんそうじゃないのもたくさんあるんだけれど。
レッド・アドミラル  羅針盤は運命を示す (角川ビーンズ文庫)
「私が軍服を着ているのは、戦うためだ」伝説のオルディアス艦長に憧れ海軍を目指すロディアは、男より強く女にもてるクールな麗人。海軍学校も首席で卒業にもかかわらず、転属願いを却下され続けていた。しかし金銀妖眼(オッド・アイ)を持つレーン号の艦長・ランセに強さを見込まれ、憧れの海軍に配属される。実力主義で曲者揃いのレーン号は、マディス王国の切り札で——!?
紺碧の海に気高く赤い薔薇が咲き乱れる、海軍出世物語!!(裏表紙より)

あらすじの名前が間違っている……正しくはオルディアレス。
男装の麗人と海軍もの+ファンタジーです。すごーく面白かった! メインの登場人物である士官たちはくせ者ばっかりで、その中でヒロインとしてどう認められていくのか、が焦点かなと思っていたんですが、……めっちゃめちゃ好みのファンタジー要素が介入してきて、嬉しさのあまりにやにやしてしまいました。
主人公ロディアのたらしっぷりもさることながら、それの更に上を行くランセの口説き文句と見まごうストレートな言動の数々。楽しませていただきました。更に剣での戦いあり、船同士の戦いあり、ファンタジーな戦闘もありで、こちらもとても楽しみました。
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Author:月子
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