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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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毒吐姫と星の石 (電撃文庫)
 全知の天に運命を委ねる占の国ヴィオン。生まれながらにして毒と呪いの言葉を吐き、下町に生きる姫がいた。星と神の巡りにおいて少女は城に呼び戻され、隣国に嫁げと強いられる。
『薄汚い占者どもめ。地獄に堕ちろ!』
 姫君は唯一の武器である声を奪われた。
 星の石ひとつ抱き、絶望とともに少女は向かう。魔物のはびこる夜の森、そのほど近くの聖剣の国レッドアークに。
 少女を迎えたのは、夜の王に祝福を受けた、異形の手足を持つ王子だった。
 第13回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作『ミミズクと夜の王』の続編、登場。(カバー折り返しより)

番外編的なものでもあるのかなと思ったら正統な続編でした。この童話めいた優しく厳しい物語が好きだ!
毒吐姫エルザの毒の数々が、読み進んでいくうちに痛々しく、愛おしくなってきて、レッドアークの人々の優しさが胸に沁みる。エルザにはきっと分からなかったのだろうけれど、かつてその国に裸足で立った女の子がいたってことは、彼女にとって幸せな巡り合わせだったのかもしれない。
「裸足の福音」の章は胸がいっぱいになった。お伽話の主人公たちが交差する。みんなに愛された人からの、なんのてらいもない祝福が、泣きたいくらい嬉しかった。
読んでいて、すごく嬉しくなる物語でした。
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かもめ幼稚園 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
幼稚園の先生って、大変!
かもめ幼稚園で働き始めたちかこは、やる気のな〜い毎日。うるさいママさんグループや生意気な子供たち、日和見主義の園長、マイペースな先輩……とうんざり。それなのに彼氏は全然話を聞いてくれず、鬱憤はたまる一方。もうやめちゃおっかな、と思いはじめたころ、ちょっと素敵なパパに惹かれてしまって‥‥!? 文庫書き下ろし。巻末に宇仁田ゆみのエッセイ漫画も収録!(裏表紙より)

幼稚園で働き始めたばかりのちかこが、子どもたちと打ち解けられなかったり、ママたちにひそひそされたり、問題を起こしたり、先輩や園長に叱られたりと、仕事を始めたばかりの先生のめまぐるしい日々、という感じでした。でも、軽率なところがあるなあと思ったり。大変な人に同情してつい子守りを引き受けたり、それをなかなか断れなかったりするところは、世慣れていない人だなあとも思うけれど、簡単に園児の家に上がるのはちょっと自覚がない気もするなあと思いました。でもよく考えたらまだ二十一歳なんですよね。そうかあ、なんだか身につまされるところがあるなあ……。
園児の生意気さ、小憎らしさや、ママたちのどろどろな力関係は、読んでいていらっとしたり笑ったりして、本当にどこかにあるんだろうなあと思いました。ああ……あんな大人になりたくない……。
やおろず弐 でこぼこな恋、始めました。 (Regalo)
祖母の死をきっかけに、八百万の神様たちが見えるようになった澄香。神様たちの姿は澄香のイメージによる。バレリーナ、巨大な招き猫、関羽、公務員などなど……騒がしい神様たちとの日常の中で、澄香には、ある異変が起きつつあった。

連作を繋ぎ合わせた長編。あらゆるところで笑わせにかかるのやめて! と叫んでしまう、楽しいお話でした。腹筋痛い。そういうお腹を抱えたり噴き出したりするところがあるかと思えば、野呂君や家神周りのエピソードは、切なく、優しく、じんわりと感動して、この絶妙さが本当に好きでした。「澄香の段」のラストは震えてしまった。こういうのがいいんだよー!
楽しく、優しい気持ちになれる物語でした!
スカーレット・ウィザード外伝―天使が降りた夜 (C・NOVELSファンタジア)
30年と限られていたジャスミンの命
しかし訪れるはずのない誕生日を
4回迎えた彼女は
その日々、何を思い過ごしたのだろう
そして総帥の地位を継いだケリーは
何を見据え生きたのだろう
二人の言葉と想いが残された
本編では語られることのなかった
死の直前の女王の姿と
キングのその後を描く外伝登場(裏表紙より)

「エピローグ・アンド・プロローグ」とあとがきにあるように、スカウィの完結と新シリーズ始動のお話。スカウィの世界にもラー一族が関係してくる、という話でした。
『暁の天使たち』シリーズを読まなければ……。
怪獣夫婦の息子は、やればできる子でしたが、あくまで普通の子なんだなあと思ってそれが微笑ましかったり、ケリーとルウの交流が楽しかったり、ケリーはルウと会うことを楽しみにしていたんだと思うと切なく、次々とあの時代を共有した人たちがいなくなってしまうのが寂しく……。物語の続きってこういう風に寂しいものなんだなあと思う。
老けていくケリーがダンディでときめいてしまいました。
楽しいシリーズでした。次のシリーズも読みたい!
スカーレット・ウィザード〈5〉 (C・NOVELSファンタジア)
おまえ本当に優しい男だな、海賊
巨大なクーアの権力にも
何の興味も無かったくせに
おまえは私につきあってくれた
だから——だからもう終わりにしよう
最重要課題であるダニエル救出作戦は
ジンジャー主演で華々しく開幕し
…………そして
ラヴロマンスも終幕を迎える
スカーレット・ウィザード最終巻(裏表紙より)

まさかの大号泣。こんな終わり方ってあるのかー!! 最後になって明らかになる事実に、もう、もう……!
運命という言葉がキーワードになっていたけれど、確かにこの広い宇宙で出会って、しかも二度、三度と巡り会ったのなら、確かに二人には運命があったんだな、と思う。夫婦としてはもっと同志的な位置にあるけれど、すごく居心地のいい相手に巡り会えたことは、やっぱり愛だよなあ。
救出作戦は、宇宙大決戦という感じで、色んなところに鳥肌が立ったし、笑った。
五巻まで本当に楽しかった。
外伝でお別れになるのが寂しいな。『暁の天使たち』『クラッシュ・ブレイズ』シリーズを読むべきかな。
スカーレット・ウィザード〈4〉 (C・NOVELSファンタジア)
低能海賊がケリーを本気で怒らせた
触れてはいけない男の過去を
土足で踏みにじったのだ
彼は左眼を琥珀色に輝かせ
口元には薄く微笑みをはいた
もう誰にも止められない
この空域の船は残らず消滅する——!
リミッター解除!!
私——ダイアナ・イレヴンスは
白い閃光となって跳躍した(裏表紙より)

3巻からのギリアン海賊団との決着戦。ケリーの過去と、意外なジャスミンの秘密。
この、恋愛に至らない同志の関係がもどかしいなあ! だがそこがいい。居心地の良さを感じているのに、長居しすぎたと言うケリーとダイアナが切ない。別れがくるんだろうか……。
息子ダニエルが誘拐され、大きな陰謀が動き出したところで次巻が最終巻(外伝があるけど)とか大丈夫か!
スカーレット・ウィザード〈3〉 (C・NOVELSファンタジア)
ジャスミンの出産を控えて
ケリーが総帥代理の任についたとたん
無人車は暴走し強化硝子が落下し
重役たちの露骨な抱込み工作が
はじまった
でもね、こんなのは余興にすぎない
あの気障で自信過剰ではた迷惑な
銀髪のあいつが現れたのだから
私は瞬時にリミッターを解除した
ダイアナ・イレヴンス——発進!(裏表紙より)

ラー一族との接触、出産、拉致拷問と本が後半になるにつれ、ものすごい話になってきましたが、ケリーが心配すぎる。ケリーにもまだまだ秘密があるようだ。
ジャスミンのアップリケ付きドレスに噴いた。似合わない……!
短編「十一番目のダイアナ」にはすごくしんみりしてしまった。人間ではないけれど人間に近しい何かは、常に自分であることを問い続けているようで、愛おしく感じられる。人間が誰しも当然と受け入れていることを、ずっと考えているという感じがして。
スカーレット・ウィザード〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)
一匹狼のこの俺が、あろうことか
巨大財閥の副総帥におさまった
総帥のジャスミンと結婚したからだ
おまけにこの女王には物騒な敵がいて
街中でコマンド部隊に襲われるは
探査宇宙船は消失するは
当分、退屈だけはしそうにないが
こんどはニンシン? だと!?
海賊なんだぞ、これでも俺は……
どうにも異色な宇宙恋愛物語(スペース・ラブ・ストーリー)(裏表紙より)

たぎったー!! 最強夫婦かっこいいいい!
一人捜索に乗り出したジャスミンを助けに行くのは、ケリーの役目だと思っていたけれど、しれっとゲート発見の報告を入れて跳躍するところがかっこよすぎて悶絶した。このシーンが好きすぎてたまらない。その後の無理なゲート突破も、かっこよかったああ!
ジャスミンのことを好きなのかどうかも分からないケリー、という図がいいなあ。どう見てもジャスミンという「存在」に惚れてしまったようなのは間違いなさそうだけれど、それが恋愛なのかというのは別問題という感じかな。ジャスミンの方は、ケリーに対してまだ隠していることがありそうだ。
黒幕がまだ分からないので、どきどきする。
スカーレット・ウィザード〈1〉 (C・NOVELSファンタジア)
奇妙な仕事が舞い込んだ。
一年だけ結婚してくれ、だと?
お相手はあのクーア財閥の女王だ
殺しても死なない男がご希望だとか
理由や事情は知らないが
宇宙きってのお尋ね者
『海賊達の王(キング・オブ・パイレーツ)』向きの仕事じゃない
一匹狼の海賊の誇りをかけて
決着を宙(そら)でつけることになったが……
かなり異色な宇宙恋愛物語(スペース・ラブ・ストーリー)(裏表紙より)

茅田さんの得意な、人外や異端たち(でもどちらも人間)が手を組む話だった。楽しい!
キング・オブ・パイレーツのケリーと、巨大財閥の女王と呼ばれる百九十一センチの長身を持つ剛胆な美形の女性ジャスミンの、とりあえず一年間という期限付きの結婚。財閥の重役たちから裏切り者を見つけるため、二人は協力し合うが、ジャスミンは訳の分からないほど妙な素性を持っているらしく。
やっぱりバトルはたぎる! ケリーとジャスミンの夫婦が、最初からレベル100はあるので、わくわくする。
夫婦もかっこいいけれど、ダイアナもかわいいなあ。ジャスミンにとってもいい相棒になってくれたらいいのになー。異端的な立場にある人たちが手を合わせて、彼らを排除しようとする勢力と戦う、という構図は燃える。
KON’S TONE?「千年女優」への道
今 敏氏の公式サイト「KON'S TONE」に掲載された文章をまとめたもの。
「千年女優」の制作についてから、「パーフェクト・ブルー」の詳細な制作日誌が綴られている。このパーフェクト・ブルー戦記が凄まじくて、腹が立ったり憔悴したりほっとしたり……。こんな環境で作ったとは思えない、すごいサイコホラーだったけどなあ! 私はあの作品の現実と虚構が混じって害をなしてくるところとか、オタク的ともいえる執着を見ていて面白かったので、まさかこんな現場だったとは……と思った。スタッフの皆さんおつかれさまでした……。
今 敏さんが昨年急逝されたので、これを読んで寂しい思いもしたけれど、また今さんの映画を見よう、と思う。
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Author:月子
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