読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

感染から数週間で確実に死に至る、その驚異的なウイルスの感染ルートはただひとつ、唇を合わせること。
昔は愛情を示すとされたその行為は禁じられ、封印されたはずだった。
外界から隔絶され、純血を尊ぶ全寮制の学園、リセ・アルビュス。
一人の女生徒の死をきっかけに、不穏な噂がささやかれはじめる。
彼女の死は、あの病によるものらしい、と。
学園は静かな衝撃に包まれた。
不安と疑いが増殖する中、風変わりな犯人探しが始まった……。(カバー折り返しより)
全寮制女子校で百合な話だと思っていたら、百合は百合でも共学だったのでちょっとしょんぼりしました。が、面白かったです。この疑心暗鬼とダークさが!
誰がウイルスのキャリアなのかというのは読み始めた時点で大体分かるのですが、物語のきっかけになった女生徒の死の原因は? 犯人は? を探していくのにどきどきしました。ヤングアダルト向けにしてあるせいか、それほどミステリーものとして濃いわけではなく、一つずつあっさりと謎が解明されていく。
何よりも、『キス』という行為の描写の背徳感やエロスが滲み出ていて、ついぞくぞくっとしてしまう。
雰囲気はにおってましたが、オチがそうくるかー! 男女の睦み合いを汚らわしく感じたこともある彼女が、『キス』を武器にするかー……。とてもダークでいいと思いました。
私が読んだのは旧版なんですが、新装版が出ていて、しかもサイドストーリーが収録されているなんて! 読みたいなー。

信じていた親友に裏切られて、ショックで教室を飛び出した天野蓮、14歳。瀕死の小鳥を助けたことをきっかけに、運命が大きく変わる。愛犬ハチローに異世界の神パンの魂が乗り移ったり、無理やり中華風な異世界に連れて行かれたり!! しかも、悪い神様を倒さないと、元の世界に帰れないなんて!?
少女小説界珠玉の作家、喜多みどりが贈る、昨日まで普通だった女子中学生、ある日! 突然! の異世界トリップ物語!!(カバー折り返しより)
女子中学生が中華風異世界に飛ばされてしまい、予言の娘として終末に向かう世界を救うお話。読み終わった後、よくまとまったなあ! と思いました。オチがとてもかわいい(?)というか、こういう些細なことが少しずつ人をすれ違わせるものだなと感じさせるもので、ちょっと拍子抜けもしましたけれど、ともかく女の子の友情!!(握りこぶし) 優等生で行動力もあって正義感の強い蓮が、最後に「でも本当は……」と思うところにいきなりきゅーん! としました。
中華風異世界といっても、皇帝がー後宮がーという話ではなく、天仙や地仙がいて天の意志が存在する世界の救世の物語なので、恋愛方面は淡い感じですがそこが蓮らしくてとてもいい。今のままではいられない予感を抱きながら、きっと蓮はいい女の子になっていくだろうと思いました。

この二人には遭難しているという自覚がまったくないらしい。
シェラは残念そうに首を振っている。
「塩を持ってくるんでしたね」
リィも頷いた。
「だな。どうせならうまいほうがいい」
ハンスが大真面目に言った。
「いや、この際、贅沢は言えないよ」
全員がほぼ腹を満たすと、リィは荷物を持って立ち上がった。
途端にフランクが異議を唱えた。
「俺たちは遭難してるんだぞ。動かないで救助を待つのが常識だろう」
ハンスも頷いた。
リィは二人を見つめてはっきり言った。
「救助は来ない」
体験学習でリィとシェラは仲間たちとともに、総勢12人で惑星ヴェロニカに降り立った。
事件は、そこから始まった——。(裏表紙より)
今回は天使たちの話。
体験学習の安全なキャンプをするため惑星ヴェロニカに降り立ったが、そこは本当の目的地ではなかった。12人の子どもたちのサバイバルが始まる! ……とは言っても、自然生活レベル100以上のリィとシェラがいるので、ただのサバイバルものではないのでした。相変わらず最強過ぎる金銀黒天使。
今回はシェラが怖かった。笑顔でさらっと切り捨てられるものだから、これが正しいとは分かりつつも怖かった。でも鍋を見つけて喜ぶシーンはちょっと噴きました。かわいいなおい。

第二次大戦終結直後、従軍看護婦だったクレアは夫とともにスコットランドのハイランド地方で休暇を過ごしていた。ある日、地元の人間に教えられてストーン・サークルを訪れた彼女は、突如異様な感覚に襲われ、意識が混濁する。気がつくと、古めかしい衣裳の戦士たちが眼前で戦いを繰り広げていた。逃げかけた彼女を捕らえた男の顔を見ると、夫にうりふたつ。こともあろうに、その男は夫の先祖だった。クレアは18世紀にタイムスリップしていたのだ!
世界中で人気沸騰のロマンティック・アドベンチャー巨編、いよいよ開幕!(裏表紙より)
1945年頃の従軍看護婦だったヒロインが、18世紀にタイムスリップしてしまうというトリップ・ロマンスの第1巻。18世紀の西洋の文化にあんまり詳しくないのですが、細かいところがすごい書き込まれているように感じられてすごく面白かった。クレアは20世紀の看護婦なのでもちろん医療知識があるわけですが、18世紀の民間療法との違いはもちろん、その地方の服装をはじめとした習慣や食事事情、城という場所の風景など、現代とは違うという書き方に本格的なタイムスリップものを実感しました。
1巻はじわじわと進んで、最後に特大の爆弾(ロマンスの)が落とされるわけですが、ここからクレアがいったいどうなるのか全然見当もつかなくて! クレアはとてもたくましくて賢い女性なので、ここからどうなるんだろうとわくわくしています。
オススメされた作品でした。ありがとうございました!

ヴァンツァーはレティシアに机の上の写真を見るよう、身振りで示した。
大の男が眼を背けるほど凄惨な写真を前にしてもレティシアは顔色一つ変えなかった。
「こりゃまた派手にやったもんだ」
写真の内容に衝撃は受けないにせよ、それ以上の関心もないらしい。
「おまえがやったと思っているらしい」
「俺が!?」
ヴァンツァーは無言で頷いた。
こちらは何やら笑いを噛み殺しているような妙な顔つきだった。
レティシアは逆に茫然と立ちつくしている。
「……嘘だろう?」
連続惨殺事件が起きていた。犯人か?と疑われたレティシアは意外な行動に出て……。各界のプロフェッショナルの活躍を描く中・短篇3本を収録。(裏表紙より)
連続惨殺事件とレティシアの話である「ファロットの美意識」、ジンジャーが巻き起こした一騒動の話「ジンジャーの復讐」、そして暁の天使たちでちょろっと話が出たマース軍の演習の約束が果たされる「深紅の魔女」。
ファロットの話も面白かったですが(女のふりは得意なんだ、という台詞がおなかいたかった)、ジャスミン周りの話はやっぱり面白いというか、ちょっとしか出てこなかったケリーがやっぱりかっこよくて唸りました。財閥総帥をしていたケリーが結構好きだったんだなあ……と自覚した。この「ジンジャーの復讐」に登場する、容姿が独特な映画監督ってあの有名な指環の映画の……と考えつつ、今回も面白かったです。

「——ねえ、歌が聞こえない?」
ケリーもジャスミンもきょとんとなった。
「感応頭脳にしか聞こえない歌?」
そんなものがあるのかと思ったが、ダイアナはそのまま恒星クレイドに向かって猛然と加速を開始したのだ。
ジャスミンは顔色を変えて叫んだ。
「何とかしろ、海賊!」
と言われても、五十年のつきあいのあるケリーもこんなダイアナを見るのは初めてだったのだ。
「なんだかわたし歌いたい気分だわ」
人間二人が自分の耳を疑う中、ダイアナは本当に調子っぱずれに歌い出した。
「きゃはは! 楽しいわねえ!」
——ケリーもジャスミンも凍りついた。
ケリーたちがこの辺境の星系に赴いたのはなぜか? ここに、何が隠されているのか? ダイアナの変調の訳は?
期待の新シリーズ——いよいよ開幕!(裏表紙より)
暁の天使たちシリーズの続き。読み切り連作なんですね。最強な人々が事件に巻き込まれてしまう話。今回は、怪獣夫婦がメイン。
夫婦が、夫婦っぽくないけど通じ合ってる感があるシーンがあってもえるー!!(草冠でも火の方でも)。この夫婦だけでたいへんごちそうさまでした。もうちょっとべたべたしてくれてもいいのよ!笑
挿絵でダイアナのぶっ飛んだところを、ちょっと見たかった。

日常のふとした裂け目に入りこみ心が壊れていく女性、秘められた想いのたどり着く場所、ミステリの中に生きる人間たちの覚悟、生活の中に潜むささやかな謎を解きほぐす軽やかな推理、オトギ国を震撼させた「カチカチ山」の“おばあさん殺害事件”の真相とは? 優美なたくらみに満ちた九つの謎を描く傑作ミステリ短編集。(裏表紙より)
九つのミステリ短編集。北村さんの作品は、主に長編を読んできたので短編はとてもめずらしい気持ちで読みましたが、このふやふやしたような、ざわっとしたものを残す後味がとてもよかった! でも怖かった!
「白い朝」と「おにぎり、ぎりぎり」が好きです。「白い朝」は落語の話が不意に出てきて「あれ?」と思ったんですが、解説(文庫版)を読んでみると、やっぱり円紫さんの話なのかな。円紫さんの学生時代!(むっはー!)と思ってすみませんでした。
オススメされた本でした。面白かったです! ありがとうございました!

ホテル・ウィリアムズチャイルドバード、通称〈鳥籠荘〉の住人たちは、清潔で早寝早起きでエコロジスト、良識ある真人間ばかり。あそこの住人は立派な信頼できる人々だと近隣の住人からも讃えられている。建物は古いが、きれい好きで勤勉で器量よしの掃除人たちがいつもぴかぴかに磨いて住み心地を維持している。山田パパはブランド物のスーツが似合うエリートビジネスマン。衛藤キズナはぐるぐる眼鏡の根暗な女子高校生。浅井有生は明るい性格の美大建築科学生。井上由起は売り出し中のグラビアアイドルで——あれ? なんだか全体的に変?
住人たちが集まって騒ぐ最後のウエディング・パーティーを皮切りに、〈鳥籠荘〉に終幕の時間が迫る。住人たちの行く末は? キズナ、浅井、それぞれが選んだ道は——。(カバー折り返しより)
鳥籠荘第5巻。キズナ、浅井、由起の三人に決着がつき……最終巻が気になる!
浅井が吹っ切れる話、第4話「それは非可逆的でありながら断続的であり」にうるっときた。こう、芸術家のキャラクターが壁にぶち当たって何も出来なくなっている、そこからの這い上がりの話が好きすぎるんだよ! ちょっと弱っている双子の老人の片割れっていうのも反則だ。
それからキズナの話が好きだ。段々現実の中に入っていく、子どもでなくなる私たち、みたいな感じがもうすごく好きだ。

●デルフィニア国王の愛妾ポーラが気晴らしにとコーラル城下に出かけたがこれが大騒動に発展——!〈ポーラの休日〉
●リィとウォルの婚姻も間近なある日シェラは超絶技を駆使して平穏な日々を送っていた……?〈シェラの日常〉
デルフィニア物語が二中篇+一短篇にて久々の登場!(裏表紙より)
外伝2。茅田作品漬けになっていて、それが天使シリーズだったから、久しぶりにデルフィニアの面々に会うことができてとても嬉しかったし面白かった!
いちいちリィのツッコミに吹く。「とんだ一大仮装大会だな」。
あと「王と王妃の新婚事情」の扉絵に吹いた。それからウォルの「新婚か……。今の俺には縁遠い響きだ」にも吹いた。おまえら! おまえらー!(じたばた)
本のタイトルが「平穏な日々」ですが全然平穏じゃない! と笑い転げて、楽しかったです。

黒い天使がセントラル星系を崩壊させかねない災厄を起こしていた一方で、彼らは平穏で地道な一般市民的(天使及びゾンビ主観において、ではあるが)学園生活を送っていた!
渾身の作の小論文に『不可』を出されヴァンツァーは落第の危機に。教授の特殊な趣味を知って行動を起こす彼らの活躍を描いた「一般市民のすすめ」など中・短篇4作を収録した外伝2。(裏表紙より)
金銀黒天使と暗殺者少年たちの学園ものになっていました。海賊と女王もちらちらでてきて、読んでいてにやにやにやにやしました。楽しそうだなあ! 少年たちが仲良しで本当に嬉しい。もっとなかよしして!
とりあえず、天使シリーズはここでおしまい。海賊と女王にもっと活躍してほしいんですが、続くクラッシュ・ブレイズシリーズでは登場するんだろうか。楽しみである。
「趣味の時間」は嬉しかった。帰ってきた……と思った。やっぱり女性になってる方が好きだよー。