読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

歳国の田舎に暮らす鈴花は、ある日突然、王子妃候補に選ばれた! しかも相手は、何人もの妃候補を追いだしたという“半仙”王子・黎鳴。貧しい家族のため、鈴花は震える声で彼に「お嫁さんにしてください!」と直球勝負!! あっさり拒否するかと思われた黎鳴だったが、なぜか「御心のままに」と鈴花の前にひざまずき……一体どういうこと!? 俺様王子と弱腰嫁、言いなり中華ラブコメ開始!(裏表紙より)
押し掛け嫁は何故か王子を言いなりにできる力があるらしい……ということで秘密の関係に。呼べば王子召喚、命じれば逆らわれることはない。なのに、鈴花自身は自信がなくて常に申し訳なさそう。しかしキレると大変面白い子でした。もっとばしっと言ってやっていいのよー!
登場人物が結構多くて、誰がどういう人(正体)なのかというのが、次の巻もあったらいいなあと思うくらいのちょい出し感。国王陛下のただ者ではないっぷりが気になります。
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アディントン家の長女アリスは、父の遺した借金問題に途方に暮れていた。傾きかけた家を救うには、大金持ちの殿方との結婚しかない! 固い決意とともに、アリスは伯爵家の舞踏会に出席するのだが!? おっとりした長女のアリス、夢見がちな次女シンディ、人気者の三女キティ。十九世紀貴族社会に生きる三姉妹それぞれの愛の形とは? 女の子はみんな、幸せになるために生まれてきたの!(カバー折り返しより)
上記あらすじの、キティは三女は正確には四女の末娘。四姉妹のうち、三人の娘たちの恋愛物語。
長女アリスが、家のために結婚相手を探す物語「クリスマスプディングと花嫁」。アリスの一生懸命さと可愛らしさの勝利でした。長女のわりにはふわふわしたところが可愛らしかった。
次女シンディの「ローズティアラと花嫁」が一番好み! 貴族の奥方ってこんなものと思いながら自由奔放に生活しようとしたシンディが、「でもやっぱり私はあの人が好きなんだ……」と涙するところがほろりとしました。気の強い女の子が虚勢を張っているというのがいい!
「スウィートブルーベルと花嫁」は、アリス結婚時、まだ幼かった末の妹キティのお話。姉の結婚のおかげで磨き抜かれた愛らしさと才能で、社交界の花となった彼女が本当の恋を知るんですが、恋に溺れる感じが、英国ロマンス! という雰囲気。もっと濃密な描写だったら完全にヴィクトリアンな話ですよね(これでも充分ヴィクトリアンですが!)
個人的に、修道院に行った三女ファニーと、跡継ぎの弟ヘンリーの話も読んでみたかった! ファニーは絶対色々あったと思うんですよねー。あったら面白いと思うんですけれども!

超内気な少女ロザベラは、天涯孤独の身。思いがけず、名家「デ・コスタ家」に引き取られた彼女は、従兄を名乗る3兄弟、腹黒インテリ系長男エミリオ、無愛想な毒舌家次男ノア、やんちゃな問題児三男ダリオと出会う。なんと彼らの正体は、裏社会を牛耳る一大ファミリー! とまどうロザベラは、一族を存続させるため、3人のうち誰かと結婚して子を産むよう告げられて…!? 美しくも危険な獣たちとのラブゲーム、スタート!(裏表紙より)
めっちゃ面白いなんだこれー! ときめいたーぞくぞくしたー! 書き出しがすごく好き!
天涯孤独で内気な女の子が子どもを産む道具として引き取られ、逃げ出そうとする話なんですが、結局ロージーもデ・コスタ家の女なのだなあという。血にまつわる呪いと因縁と。この血族とその街は果たして変わることができるのかという今後の展開が楽しみすぎる。
主人公ロザベラが、内気なのに嫌味じゃなくて、底知れぬ才能を秘めているらしく、観察力もあるし考えることもできるし動ける度胸もあるしで、可愛くてかっこよすぎる。挿絵と相まってめちゃくちゃ好みすぎるんですがもうどうしよう。かわいい。美人。
「悪い子に、なっちゃう」うおおおおおお!!!

懸賞で当選した南の島旅行に旅立った和志。しかし、到着したのは無人島——しかもそこには和志にしつこく求愛してくる風変わりな画家・明仁が待ち構えていた!!「二人きりで話がしたかった」という明仁を警戒する和志だったが、豪華な屋敷や和志の好みを調べ尽くした明仁のおもてなしは完璧。しかも同性は無理と避けてきた明仁が、名家育ちゆえのちょっと愛情表現がずれてるだけの好人物だとわかり、和志は酔いに任せて唇を許してしまうが…!? ドキドキ無人島ラブバカンス!(裏表紙より)
気が強い受けと、名家出身のちょっとずれた攻めの、無人島バカンス。BLといっても濃くなくて、二人が理解し合うまでの可愛らしい話でした。無人島でいうと、多分攻めがあの手この手で受けを物にしようとするんでしょうが、この話の明仁は、あくまで和志の気持ちを尊重して、忠犬にも程があるよ! というほど耐える。丁寧で穏やかな態度を崩さない。ここが可愛い! 和志は素直になれなくて、でもだんだんと相手を認めていくところがいいな。
攻めがかわいいなーと思う話でした。

創造主=時無しの人形師に最も愛された最高傑作、人形の女王・セレネ。心を持っているのに体を動かせず、喋ることもできないように作られたセレネは、長い長い時間、真っ暗な霊廟の中で迎えが来るのを待っていた。そこに現れたのは、墓荒らしを追ってきた人形師のアーセル。セレネが魂持ちだと見抜いて攻防に連れ帰ったアーセルの手により、止まったままのセレネの「人生」は動き始めて——? 人形師と人形の禁断の恋、そして魔抱石の秘密……人形と人間の壮麗なるラブストーリー、感動の終幕!(裏表紙より)
レプリカ・ガーデンシリーズの三巻目で最終巻。一巻で登場した人形師アーセルと、人形の女王セレネの物語。人形というものは、とても純粋なものなのだなあと思ったりする。愛がちょっと重いところもあるけれど、まっすぐに誰かを強く思ってくれる存在なのかもしれない。
というのは、セレネが本当にいいこ! だからです。絶世の美少女で私は女王だと思っているのに、誰かを思いやってその相手を認めて、言葉をかけてやれる。女王だと思っているけれどちょっと考え方のずれているところがかわいい。カリンとの掛け合いがいいなーと思いました。カリンもいいこだ。
バラッドのキャラクターがずっこけるぐらいに本気なのかちょっと間が抜けているのか分からないところが、可愛くて好きです。開き直りバラッドよかった。
最終巻ということでキャラクター勢揃いで、イファとフォルトナートが出てきたのも嬉しかったなあ! 仲良さそうで何より……っていうかフォルトナートは二人きりになるとイファになんて囁いているんですかそこんところ詳しくお願いします(真顔)
クリステルとヴィリも一緒にいるみたいだし、どんどん世界が広がっていくんだろうなあという予感が嬉しかった最終巻でした。

「バビロニアの都、シュメールのたまもの」
——そう謳われるウルの都に不可避の運命がやって来る。
勇士アダイアトゥムは、それを予知していた。
天使の子にして、バビロンの不死身の勇士・アダ。
〈堕ちた天使〉を殺しに向かう少年の姿のアダを、
親友の息子トバルカインが執拗につけ狙う。
そして、怪物化した〈半天使〉が。
ともに力を合わせて戦う中、
アダとバルの間に芽生えたものは……!?
伝説の洪水が近づく古代バビロニアを舞台におくる、
胸をうつ愛と生命の物語!!(裏表紙より)
古代オリエント世界が舞台の、神話的世界。書き出しからふおおおと鼻息が荒くなりました。
この世へ生まれ出るために、彼は母親の内蔵を食らった。
そこから続く誕生の描写がもう生々しくってえぐくって好き! と思ってしまいましたすみません。
両性具有の天使の子、アダ。いつか人から隠れるほどの巨人となってしまう運命を持つバル。バルの家族を殺した過去を持つアダを、バルは憎しみを持って付けねらうが、アダが口にするのはこの世の終末の大洪水のこと。天使殺しを繰り返すアダは、怪物化した半天使ネピリムをバルとともに追うことに。
双方の不器用具合がたまらない。アダはもうずいぶん長く生きているし、バルは青臭すぎるし、すぐに素直にはなれないけれど、お互いを受け止める存在として実感したときの繋がり合いがもうね! 愛を確かめ合うシーンの壮大さが好きすぎる。世界の終わりを予期しながら、相手の存在を確かめ合うというこの、ね!
アダとバルの旅のその後「残照、あるいはアダイアトゥムの遺言」ではまた新しい始まりの予感があって、雄々しくたくましくなったバルがとてもよかったです。

美人女子大生・麻美は、15世紀のフランスにタイムスリップ。そこで出会った美少女は、伝説の乙女、ジャンヌ・ダルクだった! 負傷したジャンヌの身がわりとなって、戦場に立つ麻美。——「ジャンヌが、生き返ったぞ!」ここに、新しい伝説が生まれる!?(裏表紙より)
青い鳥文庫の「タイムスリップ探偵団」の姉妹編で、タイムスリップ・ミステリーの第三巻、ということを全く知らずに何気なく読んでいまい、シリーズ物で続き物か! としょぼーん。あらすじに惹かれたのですが、児童書で書くならこのくらいになってしまうのか。もうちょっとしっかりめのくらーくておもーいのが読んでみたかったかもしれない。
タイムスリップ体質(なのか、道具のせいなのかその辺りがここから読んだだけだとはっきり言えない)の女子大生が15世紀フランスにタイムスリップして、ジャンヌ・ダルクとともに行動する。タイムトリップについてはどうやらハト派とタカ派がいるらしく、彼らにちょっと狙われているらしい。
ジャンヌ・ダルクという人物について読者に余計な解釈を与えないようにしているのか、よく知られているような逸話以上の話は追加されていなくて、果たしてジャンヌは神の声を聞いたのかもはっきりしなかったです。火あぶりになってしまう絶望的なところにまで行き着かなくて、ちょっと物足りなさを感じつつも、「美人女子大生」とか「外交官の父」がいて外国語がめちゃくちゃできるとか「剣道」「柔道」「空手」「合気道」をかじったとか、その辺りの設定が実にあれだなあと楽しく読みました。
この本、講談社のYAなんですが、挿絵の数が多くて、右側のページにもあったり、本文の中にあったりして面白い作りにしてあるなあと思いました。

十五年間外に出ず、美しい従者のヴィリと二人きりで育ったクリステル。彼女にとって、ヴィリと図書室の本たちが世界の全てだった。そこへ突如「墓守」を自称する青年ルカが現れる。彼がもたらしたのは、クリステルの住む「円環都市」が三十年前に死滅した街だという事実と、ヴィリを破壊するための「滅びの鍵」——ヴィリは、父がクリステルに遺した人形だったのだ。クリステルは壊れかけのヴィリと共に廃園の街から旅立ち、世界の真実と「恋」に目覚める……。美しき退廃世界に咲いた、珠玉の恋物語!!(裏表紙より)
一冊読み切りのレプリカ・ガーデンシリーズ第二巻。可愛くってピュアな物語だったなあ! これ好きだわー。
何も知らず閉ざされた世界で暮らしてきた女の子が、世界をどんどん吸収していく様は、とても美しくてかっこよくて愛らしい。クリステルとてもいい子! 自分でできることは少ないし、望むものしか見えていないけれど、それが全然嫌みじゃないのがどうしてかなあ。ルカやジュリアが「いい!」って喜んでくれるからかな。そういう世界なのが悲しいし、でもうれしがってくれる人がいて嬉しい気もする。
ヴィリはもう定番従者でごちそうさまでした。だっことかいいわーときめくわー。最後かなり可愛くてにやにやした。
前巻の二人も仲良さそうで何よりでした。

リィはその絵の前でぽかんと口を開けていた。横にはシェラもいたが、同じく困惑の表情である。
絵の題は『暁の天使』
「……ルーファだよな?」
「わたしにもそう見えるんですけど……この制作年代を見てください」
ありとあらゆる常識を無視して存在する人だが、三百年も前の絵にその顔が描かれているとなると、いくら何でも理解の範疇を超えてしまう。
三百年前に死んだ画家が残した遺書
《まだ見ぬ黄金と翠緑玉の君へ。
余は『暁の天使』を君に贈る》
絵を見上げて、誰が見ても天使と言うに違いない少年は大真面目に呟いた。
「このまま持って帰ったらだめかな?」
そして、この連邦の至宝は消失する。誰もが、緑に輝く瞳を脳裏に浮かべ、「もしや」と考え、そして——(裏表紙より)
人知を超えたチート登場人物たちゆえの話ですぐにストーリーは展開するんですが、これはシリーズの中でも好きなタイプの話でした。いや、嫌いな話はないんですけれども! オチが好きだこれ!
ルウを描いている三百年前の絵画。文化財級で、当時クーア財閥総帥だったケリーでも購入できなかった絵。しかし謎の遺言に記された《黄金と翠緑玉の君》であるリィはこの絵は自分のものだと主張する。だがその矢先、絵は何者かに盗まれてしまって、という話。ヴァレンタイン卿、父親の面目躍如の巻でもあります。
鈴木理華さんの絵じゃないとだめだなー! というのを強く感じた巻でもありました。最後の挿絵の美しさよ!

「きみはいったい何なんだ?」
慣れているように見えた。銃の扱いも、暴力も、あの異様な状況にも。少年はダグラスを見つめて微笑した。
「賭けをしようか。この連中の仲間がまたダグラスを誘拐しにやって来る」
心底ぞっとした。悪夢がやっと終わったのに、すかさず次の悪夢を強引に見せられている。そんな気分がする。
「だったらなおさら警察に……!」
「保護を求める? 却下。それだと、また狙われるっていう賭けが成立しなくなる」
開いた口がふさがらない。それが仮にも誘拐されそうになった被害者に言う台詞か。
リィのことを「モンドリアン」と呼ぶ少年は何者かに狙われていた。しかもその奇妙な事件はまだ終わっていない。むしろここからが始まりだった。(裏表紙より)
天使回。前々巻『ソフィアの正餐会』にて登場したダグラス少年が、偶然にもリィと再会し、何者かに狙われるという話。
相変わらず天使たちが最強です。今回ダグラスの視点が多かったせいか、天使が意味分からない感じに最強だったのでそれがちょっと不満です。もうちょっと怪傑してくれてよかったのよ! 黒幕、というかその周りの陰謀もさわりだけだったので!
私は演技時のレティがすっごく好きなんですが、もっと出てきませんか。無邪気でちょっと馬鹿っぽい男の子、の皮を被ったすんげー危ないやつという設定がすごく好きだ……。