読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

サンタさんにお願い。クリスマスにおかあさんを届けて。高校3年の夏、携帯電話に残された過去からの留守メッセージに導かれて、佐倉有海は学校一の問題児・春川と出会った。心に同じ欠落を抱えた2人は互いの傷を埋めるように惹かれあうが、それはあまりにも拙く刹那的な恋だった。時を超えた留守電の真相が明かされる時、有海の衝撃の過去が浮かび上がる……。痛々しくて、たまらなく愛おしい、涙のラブ・ストーリー!(裏表紙より)
未熟で、拙くて、痛々しい少年少女たち。有海の言葉のひとつひとつが刺さる。三日先のことなんて考えてなくて、ずっと一緒にいたいという気持ちだけ抱えてる。でも、その気持ちは掛け値なしの本物。あああもおおおおすきだよおおおお(べそべそ)
有海も春川も不幸なのに、欠落を抱えているのに、へらへら笑って日々を過ごしている、その感じがたまらなく痛くて、愛おしい。傷ついた人ってきっとこういう感じなんだろうなあとか。
現実のネタがちょいちょい挟まるので、この本と現実の距離感がちょっと不思議で、久しぶりにこういうのを読んだなあ。どうして私の好きな人は私のことを好きじゃないんだろう、というのは壁井さんのテーマなんだろうか。鳥籠荘でもそういうのを見たぞ。
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予備校に通う三日月は、19歳の誕生日を間近にひかえ、言いしれぬ不安に苛まれていた。大人になれば、他人と意識を共有できる感応力が失われてしまうのだ。同級生たちの危険なゲームに誘われる三日月。その身辺に現れる現実とも幻ともつかない少女・月子。崩壊していく現実感覚のなか、祖父が所蔵する妖刀”七胴落とし”の鋭利な死のイメージに囚われていく三日月であったが……思春期の孤独で残酷な心を描く初期代表作。(裏表紙より)
成人する前の子どもは、みんな感応力と呼ばれるテレパス能力を持っている。成長するとある日突然その力が消え、大人の仲間入りを果たすことになる。だが、大人は死、ただの肉塊だと蔑む三日月は、19歳の誕生日を恐れている。
大人になりたくない! という思いをこういう風に書くなんてすごいわー! と思って読みました。全編通して陰鬱な調子で、あちこちに大人への嫌悪感が溢れているような気がする。麻美が母親と料理を作るところは暗喩の山でひいっと悲鳴をあげた。食材や料理の内容もそうだけれど、料理という行為そのものが人間の三大欲求の一つだからなあ……。露骨だった。にやっとしてしまった。

斉木杉子、十一歳。自分の言葉を持つがゆえに学校に居場所のない少女は、「学校なんてなけりゃいい」と思った。そして、自宅の庭に生えるナツメの古木に呼びかける。時々、心にねじをまくように。ハロウ——。(「氷の海のガレオン」)
ヤングアダルト小説ファンの間で「何度も読み返したくなる一作」として語り継がれてきた名作に、書き下ろしを加えて文庫化。〈解説・藤田香織〉(裏表紙より)
自分の言葉を持ち、自分の考えを持ち、自分という個をすでに獲得している十一歳の杉子。その日々の話。読みながら叫び声をあげてしまいそうで、涙がこぼれそうで、すごく好きな話だった。殴られたような気がした……。
周囲を否定して自分を保つところで個に固執していることだろう杉子は、やはり子どもなのだなあとも思うし、その孤高さが綺麗で儚いし、危うい感じもする。世界との折り合いを見つけながら、杉子がハロウに縋るのはぎゅうっとしました。ハロウって、こんにちは(ハロー)か、海だし波浪(はろう)の意味なのかな。世界と繋がりたいという意味の言葉なのかもしれないな……とか。
「オルタ」の方は日記のような体裁の語りで綴られるお話。これもまた、叫びが込められたような話だなあ……。これは結局実在のことなのかな。でもこの世のどこかにあるお話だろうと思う。
やばい、この本はやばかった。私が読んだのは文庫版なので、ぜひともハードカバー版で収録されている他の話も読んでみたい!

「ばっかじゃねぇの。正月だからって、気張ってそんな女みたいな格好しやがって」
「したくてしてんじゃないわよ。ってゆうか、あたしは元々、女よっ」
大身旗本の姫ながら常に袴姿で町を歩く、名物じゃじゃ馬姫の榊原楓と腐れ縁の許嫁、筒井弥比古は二人で出かけた神田明神への初詣でもきゃんきゃんと口げんか。
そんな中、楓が食べていた大福をいきなり「よこせ」と言ってきたのは、明け方の池に張る薄氷のごとき美人の高飛車姫。負けん気の強い楓は、当然のごとく、くってかかり——。
そのころ江戸では正体不明の辻斬りが横行し、楓の幼馴染みで京菓子屋の若旦那・嘉一も襲われてしまう。楓と、嘉一の護法童子・羽瑠は、仇をとろうと事件を探り始めるが……。
じゃじゃ馬姫の大江戸謎解き草子第二弾!!(カバー折り返しより)
二巻目。面白かった! 幼馴染み喧嘩っプルかわいいな!
一巻は最後辺りにばたばたっとしていたなと思ったのですが、二巻はちょうどいいペースのお話だったように思いました。「強さ」とは何か、「弱さ」とは何か。何のために剣を振るうのか。楓が芯の通った清々しいヒロインなだけに、その悩みも、答えも気持ちよく思えました。
楓は弥比古のことをかっこいいと認めつつもつい噛み付いてしまうのですが、弥比古はいい男だよ! 一生懸命楓を守ろうとしていて、包容力がありすぎる! 収まるところに収まってほしいなあ。二人でずっと歩み続けてほしい。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」……。箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者——骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。謎の巨刹=明慧寺に封じ込められた動機と妄執に、さしもの京極堂が苦闘する、シリーズ第四弾!(裏表紙より)
本文1341ページ。分厚い。読み応えあったー。
記録に存在しない謎の明慧寺と、そこに集った謎の修行僧たち。禅と悟り。複数の事件が重なって、かなりややこしいはずなのに、分かりやすくて面白かった。禅についてはさっぱり分かっていないけれど、もしかしたら分かっているけれど言葉にできないという状態なだけなのかもしれない。これは四作目で、前作から少し話を引っ張ってきているけれど、説明が必要なところだけしかしていなくともちゃんと読めるのが本当にすごいな。
異界的でもあり、現実的でもあり。なんだか淵に立っていたような気がするな。みんなちゃんと人間なんだけれど、みんなどこかしら人でないような部分を抱えていて。うまく言えないけれど、面白かった。

「誓います——俺の女王陛下。永遠に、あなたと共に」……舞台は、世紀の博覧会を控えたコローニアへ! ウィルとアンジェリンは兄弟のふりをして市街に潜伏し、新政府とリナルドの動向を探ることに。来るべき決戦に備え、“毒舌幽霊執事”エルネストの復活の儀式も行われるのだが……? 故国のために世界征服を夢見る少女と、私欲のために世界を壊そうとする男。双方の想いをのせ、絢爛たる大博覧会は開幕する——!!
白金の王女と黄金の騎士——究極に想いあうふたりがたどり着く、理想の王国とは!?(裏表紙より)
アルケミストの誓約の後編。スチームパンクといえば、博覧会!(という偏見)のもとにわくわくと読みました。蒸気演算機なる怪しげな機械も登場してくううっとなる。
エルネストがかっこよすぎる。愛が深すぎて怖い気もしますが、とても綺麗で、本当に優しい人だと思います。作中、「友達」という言葉がキーワードになっていますが、そうか、ウィルとエルネストも友達だったんだなあ……と思うと、じわっとしました。孤独で、さびしくて、一人きりで生きてきた人たちが、世界の綺麗な様子や人の思いに触れる話が、本当に好きだ。そういう結びつきが、栗原さんのお話で描かれるのが本当に好きだ。
つーか、ウィルは六年も待ったの……?(爆笑) 本当に誠実なやつだな! いとしいぞ!
面白かったです。

「——私が世界を征服したら、あなたは私の《騎士》になってくれるか?」
世界を揺るがした大戦争から2年。かつてコローニアの英雄と称えられ、いまは中立国で若隠居を決め込んでいるウィルのもとに、少々危険そうな依頼が舞いこんだ。海岸で出会った依頼人——アンジェリンは、白梟を連れた自称・天才錬金術師という怪しい美少女。おまけに、やたら美形で毒舌な執事の幽霊がまとわりついていて……!?
“元英雄”と“亡国の王女”。ふたりの運命が交わり、輝かしき王国の物語は動き始めた!!(裏表紙より)
前後編の前編。人間ではない《騎士》というサイボーグっぽいものである大戦の英雄と、世間知らずながらも実は錬金術の天才だという王女、そして幽霊となってまで彼女の側にいる従僕。錬金術と蒸気と数秘術のある世界での、三人の物語。
世界観が好きだ! スチームパンク! なんだろう、わくわくするよ! 誇りや魔法が失われつつある世界で、それでもそれらを握りしめている彼らのかっこいいこと!
王女アンジェリンがかわいい! まっすぐすぎてちょっと心配ですが、エルネストが好きになるのも分かる気がする。この人には汚していけない何かがあって、大切にしたいという気持ち。

デイジー・ローズはお気に入りの薔薇園で3人の天使に出逢った。菫の瞳と輝く銀の髪の、すさまじく丁寧で礼儀正しい天使。宝石のような緑の瞳と太陽の光を浴び黄金に光る髪で、恐ろしく口も態度も悪い天使。そしてもうひとり、黒い天使に——
『デルフィニア戦記』『スカーレット・ウィザード』シリーズの著者が新たに送る待望の新作!(裏表紙より)
再読。初読当時はデル戦を読み終えた頃で、スカウィの内容をまったく知らなかったのでさっぱりで、それでも二三巻読んだんですが、やっぱり意味が分からなくて諦めた覚えがあります。今回はデル戦もスカウィも分かるので、面白く読みました。時間を置くと感じ方が変わるなあ。
ボーナストラックといった感じのお話で、ちょっとパロディみたいなお話です。スカウィの世界に、デル戦の金銀黒天使と暗殺者二人が少年になって生活していたら? みたいな。
ここにどうクーア夫妻が絡むのかが楽しみです。

父の転勤で大坂に下っていた榊原楓が三年ぶりに江戸に戻ってきた——。
人々から「榊原の小天狗姫様」と称される楓は、男装の女武芸者で、大身旗本の姫ながら常に袴姿で町を歩く、名物じゃじゃ馬姫だった。
ある日、腐れ縁の幼馴染みの筒井弥比古とともに、狼藉者から子供を助けた縁で、陰陽師・速水宗一郎と出会う。速水はそのときの御礼に、と源家重代の妖刀「鬚切」を二人に預ける。楓は速水の菩薩のような人柄にすっかり惚れ込んでしまう。
ところで、江戸では、女の子が歌うわらべ唄を合図に鬼火がおこるという「わらべ唄火事」が世間をにぎわせていた。楓は弥比古、幼馴染みの嘉一とともに真相を探るが……。
第5回富士見ヤングミステリー大賞佳作受賞!
破天荒娘が大江戸を駆け回る——愉快な大江戸謎解き草子!(カバー折り返しより)
面白かった! なんちゃって時代小説と言いながら、ちゃんと江戸の雰囲気を感じ取ったよ!
惣領に恵まれなかった自家のため、女ながらも剣を握り男装する楓と、彼女を支える幼馴染みの武芸者弥比古が怪奇に出会い解決する。この二人の言い合いがかわいらしく、素直になれよなーとにやにやしながら、お互いがすごく大切であるところににこにこしてしまう。
江戸の話なのでただの怪奇事件解決ものなのかなと思ったら、少し不思議要素もあり、続きが読みたいなと思いました。でも、速水先生はあれでよかったんですか、ちょっとなんか腑に落ちないところがあるような……?

その古城ホテルは湖のほとりに佇んでいる。人でないものさえ泊まるという、不思議なホテル、マルグリット。そこに集められた四人の少女たちは、こう、言い渡された。「このホテルの女主人になる気はないか」魔山を追放された魔女、ビィ。所属を捨てた美貌の軍人、ジゼット。とある稼業から足を洗った、フェノン。そして亡国の姫君、リ・ルゥ。これは、少女たちと、不思議なホテルの、優しく切ない物語。(裏表紙より)
それぞれに居場所を求めて古城ホテルに集った四人の少女のお話。かわいくて楽しかった。子どものときにこれを読んでいたらうっとりはまっていたんだろうなあ、という好みのお話でした。紅玉さんらしいテンポはちょっと薄まっていたのが寂しかった気もするんですが、読みやすくてするする読んでしまうお話でした。
女の子たちが集まってがんばるのはいいな! サクセスストーリーな面もあって、作戦が成功するようなことがあるのがすごく楽しい。それぞれの周辺事情がちょっとずつ表に出た状態なので、このさきもみんながわいわいするのかと思うと楽しみだな!