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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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海賊王の帰還―暁の天使たち〈3〉 (C・NOVELSファンタジア)
「きみのお母さんが生きている」
突然アレクサンダーから告げられてダンは呆然とした。しかも「お母さんの復活に伴ってお父さんも蘇ってくる」とは何事だ!?
ところがこの“彼”の再生体が連邦情報局によって強奪された!
己の中に本物の彼を宿しているルウは困惑し——そして奪われた“彼”を追って連邦に乗り込むが!?(裏表紙より)

再読? 当時デル戦の知識しかなかった状態で読んでいて、この辺でもう無理と思って投げた覚えがある。
リィとシェラが終盤になるまで出てこないので、ああこれはスカウィの世界なんだなと思う。
ケリー周りの事情説明が長いよ! と思いながらも、その長さの後に『彼』が出てくるのが非常に嬉しくてにやっとした。次の巻ではどんな無茶な無双、チートをやってくれるんだろうか! 早く夫婦は再会しろ!
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神々の憂鬱―暁の天使たち〈2〉(C・NOVELSファンタジア)
異世界から来たシェラにとって〈この世界〉は魔法に満ちていた。科学という〈誰にも平等に使える魔法〉が、人の代わりに何でもやってくれる。しかしシェラは知っていた。〈限られた者たちにしか使えない魔法〉の存在を。——魔法惑星ボンジュイの存在を。
ついに黄金の太陽リィと銀の月シェラ、そして闇のルウの3人が集う。この世界——宇宙に何が起きるのか?(裏表紙より)

再読? かな。第1巻目の連邦大学での事件の、その少し前に時間を戻して、シェラがこの世界の不思議を実感する、というエピソードが本の半分以上まである。リィの養い親とは、という話があったり、ボンジュイとラー一族、そして太陽と闇と月の伝説、など世界の根底に関わるお話をした、と思ったらスカウィ関係の話にいきなり爆弾が! という引きでした。話は全然動いていないですが、細々とサービスシーンがあって読むのが楽しいです。ちらっとデル戦の話をしたり、少年四人組が集まってたり。
マクガフィン・ゴースト (MF文庫ダ・ヴィンチ)
「アイドルにならないか?」
ある日、謎の男・坂口にスカウトされた大学生の優一。好奇心から男についていくと、たどり着いた場所は〈バーチャルアイドル研究所〉。そこには優一と同じように集められた3人の若者がいた。彼らは、坂口プロデュースのもと、協力してバーチャルアイドル・北沢芳人を創り上げ、その人気は絶頂に。だが、芳人のファンによる「連続少女自殺事件」が起こり……。(解説/中森明夫)(裏表紙より)

2010年7月から9月にかけて、ケータイ小説として配信されていたものです。思いがけず初めてケータイ小説(ネット小説にあらず)を読んでしまった。
作中のCGで描かれたアイドルが芸能プロダクションに所属していたことも……という一文を読んで、うたのおうじさまたちを思い出すなどする。あと実在、非実在の話が繰り返し出てくるので、ああ、そうか2010年は非実在青少年問題が話題になった時期かあと思った。
明らかに女の子に対する性的な色々がありすぎるとか、バーチャルアイドルが新世界の神になって少女たちを自殺に追い込んでとか、バーチャルアイドルに対してバーチャル刑事をぶつけるという話になって「ちょっと待てー!」と思ったり、なんだか突っ込みどころが盛りだくさんでした。が、それがちょっと面白かったです。
王立エトワール近衛隊  氷の薔薇に敬礼を (角川ビーンズ文庫)
熱血新米士官・アルの配属先は、お飾りと名高いエトワール近衛隊。失望するアルの前に現れたのは氷の薔薇と称される美形の上官・シャリオとその右腕の野獣系肉体派少佐・フラム。惚れ惚れと二人を見上げたその矢先、突然シャリオに投げ飛ばされ!? 美貌とは裏腹なドS上官に暴れるアルだったが、絢爛な軍服に身を包んだお飾り集団は、実は精鋭士官による特命部隊で!? 宮廷内の事件に挑む、美麗男子達の華麗なる作戦開始!(裏表紙より)

男の子の割合が高いビーンズ文庫をすごく久しぶりに読んだような。主人公は少年、お話に大きく関わってくるのは秘密を持った美形上官と、それに付き従う野獣系というより番犬。あらすじほどぎすぎすはしてません。
女の子が、足りない! んですが、でもオペラ以降が女子成分が高かったのだろうかと思うなど。オペラの感想を読み返すと今と同じように「女子が」と言っている……。
能力は高いが圧倒的に経験と冷静さが不足しているアルが、これからどんな風に世界の秘密に関わっていくのか楽しみです。世界観的にあれ? これってあれじゃ……というところが結構出てくる感じがしたので、続きもぜひ読みたい!
エフィ姫と婚約者 (新書館ウィングス文庫)
パスカの王女エフィは、隣国ユリオスの若き王レオンのもとに嫁ぐことになった。それは小国の王家の娘に生まれた定め——結婚の形を借り、大国へ恭順の意をあらわす人質となるために。ところが輿入れの旅の途中、エフィは暗殺の危機に! そこを流浪民の占い師である大女のアトゥに助けられる。彼女にユリオスへの道案内を頼むエフィだったが、実はアトゥは……? 恋あり陰謀あり、どきどきの王宮ファンタジー♡(裏表紙より)

文化的に秀でているが小国であるパスカの十三歳の姫エフィ。かたや小国を二つ併呑した新興国ユリオス、十八歳の若き国王レオン。王宮+陰謀+年の差+政略結婚で、気の強い幼い姫と飄々とした柄の悪い国王のお話。中編集です。
えらいかわええなあ! という二人でした。政略結婚の上にけんかっぷるおいしいです。幼く未熟ながらも、才能を秘めたエフィががんばる姿が本当にかわいい。挿絵でもすげー美少女。
レオンも口悪いし柄悪いし、ヒーローとしては粗暴すぎるのですが、全然きらいじゃないです! むしろ好き! あちこちにちりばめられているセクシャルな話題は、セクハラというより悪ガキな印象でした。
面白かったです。続きがあったら読みたいな!
NO CALL NO LIFE (角川文庫)
サンタさんにお願い。クリスマスにおかあさんを届けて。高校3年の夏、携帯電話に残された過去からの留守メッセージに導かれて、佐倉有海は学校一の問題児・春川と出会った。心に同じ欠落を抱えた2人は互いの傷を埋めるように惹かれあうが、それはあまりにも拙く刹那的な恋だった。時を超えた留守電の真相が明かされる時、有海の衝撃の過去が浮かび上がる……。痛々しくて、たまらなく愛おしい、涙のラブ・ストーリー!(裏表紙より)

未熟で、拙くて、痛々しい少年少女たち。有海の言葉のひとつひとつが刺さる。三日先のことなんて考えてなくて、ずっと一緒にいたいという気持ちだけ抱えてる。でも、その気持ちは掛け値なしの本物。あああもおおおおすきだよおおおお(べそべそ)
有海も春川も不幸なのに、欠落を抱えているのに、へらへら笑って日々を過ごしている、その感じがたまらなく痛くて、愛おしい。傷ついた人ってきっとこういう感じなんだろうなあとか。
現実のネタがちょいちょい挟まるので、この本と現実の距離感がちょっと不思議で、久しぶりにこういうのを読んだなあ。どうして私の好きな人は私のことを好きじゃないんだろう、というのは壁井さんのテーマなんだろうか。鳥籠荘でもそういうのを見たぞ。
七胴落とし (ハヤカワ文庫 JA 167)
予備校に通う三日月は、19歳の誕生日を間近にひかえ、言いしれぬ不安に苛まれていた。大人になれば、他人と意識を共有できる感応力が失われてしまうのだ。同級生たちの危険なゲームに誘われる三日月。その身辺に現れる現実とも幻ともつかない少女・月子。崩壊していく現実感覚のなか、祖父が所蔵する妖刀”七胴落とし”の鋭利な死のイメージに囚われていく三日月であったが……思春期の孤独で残酷な心を描く初期代表作。(裏表紙より)

成人する前の子どもは、みんな感応力と呼ばれるテレパス能力を持っている。成長するとある日突然その力が消え、大人の仲間入りを果たすことになる。だが、大人は死、ただの肉塊だと蔑む三日月は、19歳の誕生日を恐れている。
大人になりたくない! という思いをこういう風に書くなんてすごいわー! と思って読みました。全編通して陰鬱な調子で、あちこちに大人への嫌悪感が溢れているような気がする。麻美が母親と料理を作るところは暗喩の山でひいっと悲鳴をあげた。食材や料理の内容もそうだけれど、料理という行為そのものが人間の三大欲求の一つだからなあ……。露骨だった。にやっとしてしまった。
氷の海のガレオン/オルタ (ポプラ文庫ピュアフル)
斉木杉子、十一歳。自分の言葉を持つがゆえに学校に居場所のない少女は、「学校なんてなけりゃいい」と思った。そして、自宅の庭に生えるナツメの古木に呼びかける。時々、心にねじをまくように。ハロウ——。(「氷の海のガレオン」)
ヤングアダルト小説ファンの間で「何度も読み返したくなる一作」として語り継がれてきた名作に、書き下ろしを加えて文庫化。〈解説・藤田香織〉(裏表紙より)

自分の言葉を持ち、自分の考えを持ち、自分という個をすでに獲得している十一歳の杉子。その日々の話。読みながら叫び声をあげてしまいそうで、涙がこぼれそうで、すごく好きな話だった。殴られたような気がした……。
周囲を否定して自分を保つところで個に固執していることだろう杉子は、やはり子どもなのだなあとも思うし、その孤高さが綺麗で儚いし、危うい感じもする。世界との折り合いを見つけながら、杉子がハロウに縋るのはぎゅうっとしました。ハロウって、こんにちは(ハロー)か、海だし波浪(はろう)の意味なのかな。世界と繋がりたいという意味の言葉なのかもしれないな……とか。
「オルタ」の方は日記のような体裁の語りで綴られるお話。これもまた、叫びが込められたような話だなあ……。これは結局実在のことなのかな。でもこの世のどこかにあるお話だろうと思う。
やばい、この本はやばかった。私が読んだのは文庫版なので、ぜひともハードカバー版で収録されている他の話も読んでみたい!
楓の剣!〈2〉ぬえの鳴く夜 (富士見ミステリー文庫)
「ばっかじゃねぇの。正月だからって、気張ってそんな女みたいな格好しやがって」
「したくてしてんじゃないわよ。ってゆうか、あたしは元々、女よっ」
 大身旗本の姫ながら常に袴姿で町を歩く、名物じゃじゃ馬姫の榊原楓と腐れ縁の許嫁、筒井弥比古は二人で出かけた神田明神への初詣でもきゃんきゃんと口げんか。
 そんな中、楓が食べていた大福をいきなり「よこせ」と言ってきたのは、明け方の池に張る薄氷のごとき美人の高飛車姫。負けん気の強い楓は、当然のごとく、くってかかり——。
 そのころ江戸では正体不明の辻斬りが横行し、楓の幼馴染みで京菓子屋の若旦那・嘉一も襲われてしまう。楓と、嘉一の護法童子・羽瑠は、仇をとろうと事件を探り始めるが……。
 じゃじゃ馬姫の大江戸謎解き草子第二弾!!(カバー折り返しより)

二巻目。面白かった! 幼馴染み喧嘩っプルかわいいな!
一巻は最後辺りにばたばたっとしていたなと思ったのですが、二巻はちょうどいいペースのお話だったように思いました。「強さ」とは何か、「弱さ」とは何か。何のために剣を振るうのか。楓が芯の通った清々しいヒロインなだけに、その悩みも、答えも気持ちよく思えました。
楓は弥比古のことをかっこいいと認めつつもつい噛み付いてしまうのですが、弥比古はいい男だよ! 一生懸命楓を守ろうとしていて、包容力がありすぎる! 収まるところに収まってほしいなあ。二人でずっと歩み続けてほしい。
文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)
忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」……。箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者——骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。謎の巨刹=明慧寺に封じ込められた動機と妄執に、さしもの京極堂が苦闘する、シリーズ第四弾!(裏表紙より)

本文1341ページ。分厚い。読み応えあったー。
記録に存在しない謎の明慧寺と、そこに集った謎の修行僧たち。禅と悟り。複数の事件が重なって、かなりややこしいはずなのに、分かりやすくて面白かった。禅についてはさっぱり分かっていないけれど、もしかしたら分かっているけれど言葉にできないという状態なだけなのかもしれない。これは四作目で、前作から少し話を引っ張ってきているけれど、説明が必要なところだけしかしていなくともちゃんと読めるのが本当にすごいな。
異界的でもあり、現実的でもあり。なんだか淵に立っていたような気がするな。みんなちゃんと人間なんだけれど、みんなどこかしら人でないような部分を抱えていて。うまく言えないけれど、面白かった。
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Author:月子
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