読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
敬愛する巫女姫を殺され、一族を滅ぼされて4年。復讐を誓う侍女アイシャは、水の精霊ナーギの助けで剣を鍛え、魔法の指輪で絶世の美姫に変化する術を得た。時は満ち、仇と思しきザハルカド族の王子マハールの元に姫として嫁いだアイシャ。ところが、歴戦の軍人カファスにも同時に戦士として仕えることになってしまう。陰謀と愛憎渦巻く砂漠の王国・カダルで、ひとり二役を演じる彼女が辿りついた驚くべき真実とは——。(裏表紙より)
なにかときめくものが読みたい! と選んだ本。アラビアンな精霊と魔法がある世界、復讐に燃える少女と精霊、仇らしき王子と軍人の物語。
と、ときめいたー……! 途中で食事を挟んだので一旦置いたのですが、これは、一気に読むとときめきすぎて多分死んでたと思う。けっこう真面目に言ってる。
主は立派だけど自分はダメだと感じているアイシャが、最愛の姫カミリアを殺されるところから始まって、彼女が並の男を寄せ付けぬ肝の据わった女の子になっているという設定からしてもうときめきというか! かと思うとそんな彼女の魂を美味しいからという理由でくっついてくるようになったナーギとの関係が非常に美味しいよ! 食事シーンえろい! すき!(ごろごろ) もふもふしたい! 一緒に寝たい! きっと澄んだ水のにおいがするんだろうなー。
カファスが無邪気で大変かわいいです。あれを無邪気と言っていいのか分かりませんが、でも純粋に「あーアイシャのこと好きなんだなー」というのが伝わってにこにこ、にやにやしてしまった。追いかけっことかどうしようかと! でもそんな言動もあるのにすごくデキる人、というところが最大の萌えポイントです。
カミリアとアイシャ、カファスとマハールの対比が面白くて、だから二人はお互いの望むことが分かるのかなと思ったりしました。多分二人の立場が逆でも、アイシャは彼と同じことをすると思うな。
後半ばたばたっとたたんだところにぎょぎょっとしながら読み進め、満足して本を閉じました。あーやばい。ときめきすぎて本当にやばい。本をぱらっとめくってまたじたばたしてしまう。終わり方も少女小説でたいへん、たいへん満足しました。オススメです!
PR
世界中の呪いが集まる街で生まれ育ちながら「無能」なアレシュは、絶世の美貌と父の遺産である魔香水を駆使して、美と恋を謳歌していた。だが、呪われた街を浄化しようと、神の寵愛深い司教が乗り込んでくる。一癖も二癖もある知人——自称兄貴分な下僕、愛玩中毒な魔女、葬儀屋の首領、魔界の住人であるメイドの少女——と共に、アレシュは街を守る「深淵の使徒」を結成し……。(裏表紙より)
面白かった! ああもう台詞回しが好きすぎる!
世界中の呪いが集まり魔界の住人が存在したりもする異端の街での物語。悪は美、悪は華麗、というようなお話で、人が傷ついたり死んだりもするのですがそれがまた香水のようにうっとりと香る感じで、とてもゴスゴスなお話でした。お話の中に黒い色が含まれていて、それがきらきらと光って見える。
百塔街の世界は、アレシュにとてもふさわしい世界なように思います。私たちの世界での、子どもたちが駆け回る路地の、ちょっと覗いた暗がりに広がる、闇に包まれた不気味で不吉で、でも心躍る世界。実際はそれは大人たちに秘密の匂いなんでしょうが、百塔街はそれがぎゅっと詰まっていて、楽しい悪趣味と美の世界だな。
その世界で、栗原さんの描く「愛」があるわけで! アレシュが気付くところは、やっぱりいいな! 愛というか仲間というか、そういうものの存在があるということは生きていくのが楽しいと思うので、「深淵の使徒」がアレシュたちにとって楽しみみたいなものになるといいな。
全体的にダメ人間ばっかりでそれがまた愛おしいです。カルラさん好き! ルドヴィークさん好き! 綺麗なおねえさんとかっこいいおじさまが大好物です。美少年アレシュと愛すべきおばかミラン、可能性を秘める幼女ハナも大変おいしいのですが、やっぱりおねえさんとおじさまが好きだー!! クレメンテも好き! すごく意外な話が始まったのでびっくりしたのですが、しかし……最後には切なくて、じわりとする話でした。
面白かった!
父親の教え子というハンサムで紳士的な翻訳家・九条雅孝と閑静な洋館で暮らすことになった高校生の征也。雅孝は身寄りのない征也の全てを援助し、溺れるような愛情で甘やかしてくれる。その綿菓子のような甘い生活や、優しく頬を撫でる手のひらに、いつしか征也はそれ以上のものを求めてしまっていて…!? 恋してはいけない人。雅孝との大切な日々を守るには、この想いは隠し通さなければ——。必死で恋心を抑えていたある日、二人を引き裂くある秘密が判明してしまい…!?(裏表紙より)
離婚して父に引き取られていた征也は、その父を亡くして身寄りがなくなったところを、父の教え子だったという雅孝に引き取られる。作中では結構時間が流れていて、日常もありつつすれ違い、とんでも設定もあったりのお話でした。
征也がせっかく経済学を学ぼうとしていたのに、その学びが雅孝に生かされるという話がなくて残念でした。どこまでも征也は溺愛される存在なんだな。溺愛、というジャンルをいまいち理解していなかったのですが、こういうことかーという発見でした。
海外児童文学に登場するお菓子のレシピ。
この本で紹介されているのはピーター・ラビット、メアリー・ポピンズ、くまのプーさん、ハリー・ポッター、ナルニア国物語、ムーミン、大草原の小さな家、赤毛のアン、秘密の花園、ホビットの冒険、きかんぼのちいちゃいいもうと、おちゃのじかんにきたとら、たのしい川べ、ミス・マープル、くまのパディントン、天国を出ていく、ドリトル先生、グレイ・ラビットのおはなし、長くつ下のピッピ。
ミンスパイってこんななのか! ライスプディング食べてみたいな! といったあまり西洋菓子になじみのない日本人が想像しにくいようなものもありましたが、キッシュとかビスコッティといったものもありました。
絵のヌードモデル、引きこもり新鋭画家、女装の麗人、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、妄想癖の美女、不気味な双子の老人たち——〈鳥篭荘〉に棲みついたちょっとおかしな住人たちの、だいたいフツーでだいぶおかしな日常をつづる物語第4弾。——今回のお話は、着ぐるみパパがお見合い!? 山田家と加地家を巻きこんだちっちゃな事件簿(第1話)。浅井と由起の弟妹がやってきた。ところが浅井と由起が大喧嘩して……(第2話)。鳥篭荘随一の変人・へれんさんのフィアンセ登場。しかしへれんさんはフィアンセを拉致監禁!?(第3話)。浅井がキズナにモデルの解雇を通告、さらに鳥篭荘から住人立ち退きの噂が——など急展開の全5編を収録。(カバー折り返しより)
変人たちの暮らす鳥籠荘の物語第四巻。出てくる話やひとつひとつの設定や細かいところは悪趣味なのに、ちゃんと王道を押さえている感じがにくい! 好きだー!
画家とモデルの関係が、読んでいくうちに段々おいしくなってきた。メインストーリーが有生とキズナと由起の話で、この三人が、若く惑えるがゆえに愛おしくて。ちょっとした青春、だよなあ。二十歳くらいまでってそんなものだよなとか。にやにやしてしまう。
養護教諭として、保健室で、思春期を生きる生徒たちの悩みと長年向き合ってきた著者は、教室では「からだ・こころ・性の学習」に積極的に取り組んでいます。成長による変化を自ら知り、心身の成熟を喜べる感性をつちかうことが生きる力につながると考えるからです。思春期をより豊かに生きる知恵や考え方をアドバイスします。(裏表紙より)
2008年の本。
岩波ジュニア新書なので、子どもに向けての本。養護教諭として見てきた子どもたちのことを書いているところがあるので、リアルに感じられました。からだの変化、こころの変化、性への目覚め、友達関係、家族、社会などを感じ取り、疑問を持つ子どもの心にアドバイスをする、といった形の本でしたが、子どもの悩みのひとつひとつが、本当にささいなんだけれど、自分も悩んだよなあと思ったりも。読み物として面白かった。
だれもが一度はあこがれるマンガ家。でも実際はどんな世界? 少女誌で活躍中の若手作家が、プロになるまでの道のり、マンガ家の日常生活、マンガづくりの極意など、マンガっ子が知りたい少女マンガ界のあれこれを、イラストいっぱいで紹介します。プロを目ざす人はもちろん、夢をふくらませたいすべての人に。(裏表紙より)
ふらーっと図書館を歩いてたら見つけたので。こういう本が最近面白くて……。
93年の本。少女マンガ家の北原菜里子さんが、一ページ漫画とエッセイで、作家生活を紹介。少女漫画家のデビューは早いと聞いたことはあったけれど、中三でデビューかあ。すごいなあ。
北原さんの投稿生活、デビュー、漫画家になった後の仕事、作品についての悩み、道具、アシスタント、といった色んなものに触れられている。
お話作りについて、意識したら思った通りの出来で完成できるみたいなのはすごいな。プロだ。そういうのが大事なんだろうなあ。比較的ゆるゆるしていたように書かれてあるけれど、実際、描くのはすっごく大変だったろう……。
合わせて読みたい。絵夢羅『今日も明日も。』