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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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楓の剣! (富士見ミステリー文庫)
 父の転勤で大坂に下っていた榊原楓が三年ぶりに江戸に戻ってきた——。
 人々から「榊原の小天狗姫様」と称される楓は、男装の女武芸者で、大身旗本の姫ながら常に袴姿で町を歩く、名物じゃじゃ馬姫だった。
 ある日、腐れ縁の幼馴染みの筒井弥比古とともに、狼藉者から子供を助けた縁で、陰陽師・速水宗一郎と出会う。速水はそのときの御礼に、と源家重代の妖刀「鬚切」を二人に預ける。楓は速水の菩薩のような人柄にすっかり惚れ込んでしまう。
 ところで、江戸では、女の子が歌うわらべ唄を合図に鬼火がおこるという「わらべ唄火事」が世間をにぎわせていた。楓は弥比古、幼馴染みの嘉一とともに真相を探るが……。
 第5回富士見ヤングミステリー大賞佳作受賞!
 破天荒娘が大江戸を駆け回る——愉快な大江戸謎解き草子!(カバー折り返しより)

面白かった! なんちゃって時代小説と言いながら、ちゃんと江戸の雰囲気を感じ取ったよ!
惣領に恵まれなかった自家のため、女ながらも剣を握り男装する楓と、彼女を支える幼馴染みの武芸者弥比古が怪奇に出会い解決する。この二人の言い合いがかわいらしく、素直になれよなーとにやにやしながら、お互いがすごく大切であるところににこにこしてしまう。
江戸の話なのでただの怪奇事件解決ものなのかなと思ったら、少し不思議要素もあり、続きが読みたいなと思いました。でも、速水先生はあれでよかったんですか、ちょっとなんか腑に落ちないところがあるような……?
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ようこそ、古城ホテルへ 湖のほとりの少女たち (角川つばさ文庫)
その古城ホテルは湖のほとりに佇んでいる。人でないものさえ泊まるという、不思議なホテル、マルグリット。そこに集められた四人の少女たちは、こう、言い渡された。「このホテルの女主人になる気はないか」魔山を追放された魔女、ビィ。所属を捨てた美貌の軍人、ジゼット。とある稼業から足を洗った、フェノン。そして亡国の姫君、リ・ルゥ。これは、少女たちと、不思議なホテルの、優しく切ない物語。(裏表紙より)

それぞれに居場所を求めて古城ホテルに集った四人の少女のお話。かわいくて楽しかった。子どものときにこれを読んでいたらうっとりはまっていたんだろうなあ、という好みのお話でした。紅玉さんらしいテンポはちょっと薄まっていたのが寂しかった気もするんですが、読みやすくてするする読んでしまうお話でした。
女の子たちが集まってがんばるのはいいな! サクセスストーリーな面もあって、作戦が成功するようなことがあるのがすごく楽しい。それぞれの周辺事情がちょっとずつ表に出た状態なので、このさきもみんながわいわいするのかと思うと楽しみだな!
花は桜よりも華のごとく  第二幕・月下氷刃 (角川ビーンズ文庫)
「今日からそなたは私のものだ」戦国の火種くすぶる京の都。天才的な能の才を持つ男装の舞姫・白火は名門一座の次期太夫・蒼馬に連れられ嵐山に行くことに。しかし、泉で水浴びをしていた白火は、その姿を美貌の皇子・帯刀に見られてしまう。しかも、彼女を見初めた帯刀は無理矢理白火をさらい、抵抗する白火を「それも一興」と強引に自分のものにしようとして——!?
第8回ビーンズ小説大賞、読者賞受賞の能楽恋絵巻、第2幕!!(裏表紙より)

能楽と恋の和風ファンタジーの第二巻。拉致監禁の上、触られーの抱きしめられーのキスされーので、これはちょっとあれだわあと思いました。そこはぎりぎりのところで止めておこうよ! ヒロインが別の男とキスしちゃだめだよ!! と思いながらも楽しみました。帯刀がこんな風にたいそうひどいので、蒼馬の影が薄いのが残念でした。私が蒼馬が大好きなんだ! 喋り方が好きだ。粋なところが好きなんだー!
白火が「帰りたい」と泣くところは、本当に切なかった。白火はかわいい。それだけに帯刀がひどかった。帯刀は次以降から蒼馬にこれでもか責められればいい! と思っています。
この感想、帯刀がひどいとしか言ってないな!
1万字×小説―掘りだしものカタログ〈5〉 (掘りだしものカタログ (5))
一万字以内で書かれた作品を紹介。川上未映子さんのページがあるのに惹かれました。
久しぶりに読むのを再開したシリーズなんですが、「文学」な作品は私自身全然読んでこなかったので、いまいちぴんとこないのが悲しいなあ。あとこのシリーズ全般的に紹介文が結構突っ込んで書いてあるようなので、なんだかあらすじと解説を読んだだけで、全部読んだ気になってしまう。
十七歳の湯夫人【マダム・タン】 (MF文庫 ダ・ヴィンチ か 1-2)
美しい娘、阿露の正体とは?

王例の妻で十七歳の湯夫人の元に、妖艶な娘・阿露が連れてこられた。主人が何者かに追われていたところをかくまったのだ。娘が家に来てから、家畜が無惨に殺される事件が相次ぎ、ついには王家の家人が内蔵を抜かれた死体で発見される。傍には血まみれの阿露。果たして阿露の正体は? 「吸血鬼カーミラ」を彷彿とされる表題作ほか、アジアン会談全17作品。解説は南条竹則氏。(裏表紙より)

面白かった! 主に中国圏を舞台にした幻想短編集。仙人が出てきたり、科挙の話があったりします。先日タニス・リーの「血のごとく赤く」という童話を元にした短編集を読みましたが、この「十七歳の湯夫人」はアジアでの伝承などを元にしている感じがしました。不勉強なので「感じがした」としか言いようがないのですが、多分どこかで聞いたことのある妖怪・幽霊・幻想のお話だと思う。
表題作の湯夫人が淡々としていて面白く、意外な正体が明らかになったラストはなんだかしみじみと面白い話だなあと思いました。「四つ辻の男」はちょっと現代っぽい雰囲気の流れるちょっととぼけたところのあるお話で、なのに幻想的。長い作品もありますが、二ページくらいの小品もあり、とても面白い短編集でした。オススメです。
はじめまして、本棚荘(MF文庫ダヴィンチ) (MF文庫ダ・ヴィンチ)
お家賃は本で、払います?

本棚荘の大家さんは言う。「昔は本がお家賃だったのよ」と。中にも外にも本棚だらけのそのアパートに越して来た“わたし”。そこで出会ったのは、猫芝居をなりわいとする猫遣い師、本棚に捨てられていたサラリーマンなど、やっぱりへんてこの住人たち。どこかいびつで、とげを抱えた彼らに触れるうち、少しずつ“わたし”のなかで何かが変わり始める……。文庫書下ろし。(裏表紙より)

不思議な、独特の世界観でのお話でした。シュールなのか、ファンタジーなのか、よく分からないまま読んでいって、いつの間にかくすっと笑っていました。
主人公はとげ抜き師。同じとげ抜き師の姉が外国にいってしまったので、代わりに部屋の留守番をすることになった。その部屋は本棚荘という変わったアパートにあり、大家さんは「昔はお家賃は本で払ったものよ」と言う。
冒頭がとげ抜きのお話なので、とげというのは人の心の傷や心に根を張った何かなのかなあと思ったら、それについては言及されることはなく、本棚荘なので本の話をするのかなと思ったらそういうわけでもなく。奇妙な住人と奇妙な生活のお話で、最後はちょっと煙に巻かれたような気もしましたが、なんだかふんわりと満足しました。
住人たちが、なんとなくみんな猫っぽいなあと思う。本と猫の相性はいい、と聞いたことがありますが、猫遣い師とその鞄猫、日中ずっと寝ている女学生、捨てサラリーマンと、なんとなくみんなマイペースに生きているように感じられて、猫っぽい。
ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)
眠れない夜を生きる少女たちの失花園
 誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。しかしだからこそ、それを失うときの痛みは耐え難いほどに切ない。

 誰にでも優しいお人好しのエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと呼ぶマル、男装が似合いそうなオズ、毒舌家でどこか大人びているシバ。花園に生きる女子高生4人が過ごす青春のリアルな一瞬を、四季の移り変わりとともに鮮やかに切り取っていく。
 壊れやすく繊細な少女たちが、楽園に見るものは——。(裏表紙より)

最初から最後まで、気持ち悪くて心地いい、毒のあるようで優しい、あのときの私たちの話、でした。いつも、どこかにいる、少女たち。
お人好しで優しく、誰をも責めることができないエカ。自分をかわいらしく飾って、誰をも好きにならないマル。男っぽい容姿をして女としての自分を認められない部分を持つオズ。世界を呪って自分を呪うシバ。私の中での彼女たちはそういう印象でした。本当に、日本のどの高校にも、絶対何人か彼女たちがいると思う。
四人が四人とも、言動が! リアルで! こわい! 遊んでいるようなふざけているような、でも結構本気の言葉。言い回し。世界を皮肉っていて、でも離れていけない自分を知っていて、もがいてる感じ。もう、本当にきもちわるい!(褒め言葉)でも好き……!
シャイターンの花嫁 偽りの巫女姫と影の王子 (一迅社文庫 アイリス く 1-2)
敬愛する巫女姫を殺され、一族を滅ぼされて4年。復讐を誓う侍女アイシャは、水の精霊ナーギの助けで剣を鍛え、魔法の指輪で絶世の美姫に変化する術を得た。時は満ち、仇と思しきザハルカド族の王子マハールの元に姫として嫁いだアイシャ。ところが、歴戦の軍人カファスにも同時に戦士として仕えることになってしまう。陰謀と愛憎渦巻く砂漠の王国・カダルで、ひとり二役を演じる彼女が辿りついた驚くべき真実とは——。(裏表紙より)

なにかときめくものが読みたい! と選んだ本。アラビアンな精霊と魔法がある世界、復讐に燃える少女と精霊、仇らしき王子と軍人の物語。
と、ときめいたー……! 途中で食事を挟んだので一旦置いたのですが、これは、一気に読むとときめきすぎて多分死んでたと思う。けっこう真面目に言ってる。
主は立派だけど自分はダメだと感じているアイシャが、最愛の姫カミリアを殺されるところから始まって、彼女が並の男を寄せ付けぬ肝の据わった女の子になっているという設定からしてもうときめきというか! かと思うとそんな彼女の魂を美味しいからという理由でくっついてくるようになったナーギとの関係が非常に美味しいよ! 食事シーンえろい! すき!(ごろごろ) もふもふしたい! 一緒に寝たい! きっと澄んだ水のにおいがするんだろうなー。
カファスが無邪気で大変かわいいです。あれを無邪気と言っていいのか分かりませんが、でも純粋に「あーアイシャのこと好きなんだなー」というのが伝わってにこにこ、にやにやしてしまった。追いかけっことかどうしようかと! でもそんな言動もあるのにすごくデキる人、というところが最大の萌えポイントです。
カミリアとアイシャ、カファスとマハールの対比が面白くて、だから二人はお互いの望むことが分かるのかなと思ったりしました。多分二人の立場が逆でも、アイシャは彼と同じことをすると思うな。
後半ばたばたっとたたんだところにぎょぎょっとしながら読み進め、満足して本を閉じました。あーやばい。ときめきすぎて本当にやばい。本をぱらっとめくってまたじたばたしてしまう。終わり方も少女小説でたいへん、たいへん満足しました。オススメです!
廃王国の六使徒 (f‐Clan文庫)
世界中の呪いが集まる街で生まれ育ちながら「無能」なアレシュは、絶世の美貌と父の遺産である魔香水を駆使して、美と恋を謳歌していた。だが、呪われた街を浄化しようと、神の寵愛深い司教が乗り込んでくる。一癖も二癖もある知人——自称兄貴分な下僕、愛玩中毒な魔女、葬儀屋の首領、魔界の住人であるメイドの少女——と共に、アレシュは街を守る「深淵の使徒」を結成し……。(裏表紙より)

面白かった! ああもう台詞回しが好きすぎる!
世界中の呪いが集まり魔界の住人が存在したりもする異端の街での物語。悪は美、悪は華麗、というようなお話で、人が傷ついたり死んだりもするのですがそれがまた香水のようにうっとりと香る感じで、とてもゴスゴスなお話でした。お話の中に黒い色が含まれていて、それがきらきらと光って見える。
百塔街の世界は、アレシュにとてもふさわしい世界なように思います。私たちの世界での、子どもたちが駆け回る路地の、ちょっと覗いた暗がりに広がる、闇に包まれた不気味で不吉で、でも心躍る世界。実際はそれは大人たちに秘密の匂いなんでしょうが、百塔街はそれがぎゅっと詰まっていて、楽しい悪趣味と美の世界だな。
その世界で、栗原さんの描く「愛」があるわけで! アレシュが気付くところは、やっぱりいいな! 愛というか仲間というか、そういうものの存在があるということは生きていくのが楽しいと思うので、「深淵の使徒」がアレシュたちにとって楽しみみたいなものになるといいな。
全体的にダメ人間ばっかりでそれがまた愛おしいです。カルラさん好き! ルドヴィークさん好き! 綺麗なおねえさんとかっこいいおじさまが大好物です。美少年アレシュと愛すべきおばかミラン、可能性を秘める幼女ハナも大変おいしいのですが、やっぱりおねえさんとおじさまが好きだー!! クレメンテも好き! すごく意外な話が始まったのでびっくりしたのですが、しかし……最後には切なくて、じわりとする話でした。
面白かった!
はなあそぶ-淵国五皇子伝- (一迅社文庫アイリス)
皇子たちの呪いを解くため、淵国につれてこられたカナン。三人の皇子の呪いを解き、結婚を目前にしたカナンと善皇子の前に立ちふさがった最大の障害は皇帝陛下だった!? 皇帝と命懸けの賭けをすることになったカナンだが、そのせいで善皇子との関係がぎくしゃくしてしまう。そんなカナンを、呪いが解けた郷皇子が熱烈に口説いてきて——!?
西洋乙女と皇子たちが繰り広げる、中華風王宮恋愛ファンタジー★ 感動の終幕!(裏表紙より)

ほんのちょっとネタバレ気味なので続きから。
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