読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
“ホテル・ウィリアムズチャイルドバード”、通称〈鳥籠荘〉には、普通の社会になじめない一風変わった人々が棲みついている。衛藤キズナ(17歳の少女。バイト・絵のモデル)、浅井有生(新鋭画家。ほぼ外出しない)、井上由起(有生のイトコ。超美形で女装癖あり)。彼らを中心に、妄想癖の美女、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、不気味な双子の老人たちも加わり、繰り広げられる——ちょっとおかしな、けれどいろいろフツーの日常がつづられた物語。今回は、キズナを慕う後輩の女子高校生の話、浅井有生と井上由起の子供の頃のキュートなヒ・ミ・ツのお話、キズナと由起のハプニングな1日の話を収録。(カバー折り返しより)
1を読んでからかなり間が空きましたが、2巻を読んでもさほど違和感はなく、2話目の有生と由起の話が新鮮で面白かったと思いました。変人ばっかりだけれど、なんだか童話めいていて愛おしい。
「ザリガニ/万引き/スケッチブック」は、オチと、その次の「彼女と彼の気まずい日曜、彼女と彼女?のハプニングな土曜」で明かされる由起の台詞に、そういうことか! と噴き出した。そうか、だからどちらも一生懸命だったわけだな!
でも「ザリガニ〜」で気持ち悪いところがあるのは変わらないな……とそこだけ後味が悪いと思いつつ。
「ザリガニ〜」で登場した、海の底から謎の巨大甲殻類が云々は、きっと有川浩さんの『海の底』だろうと思ってにやっとしました。
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「死ぬな、ロディア。俺のために生きていろ。これは命令だ」
上層部に啖呵を切ったロディアは、軍規違反の罪で投獄される。しかしランセの友人・カザルス提督の協力も得て、釈放されることに。その後ロディアは、密かに敵国の皇子誘拐を続行するため、再び仲間たちと海へ出た!! マディス王国軍の敗戦が色濃くなる中、人々は切り礼となるランセとロディアが率いるレーン号の帰還を待ちわびるが——!? 海軍出世物語、第3弾!!(裏表紙より)
男装軍人海軍ものの第三巻。この巻も非常ににやにや巻でした! 面白かった! レーン号の面々は基本的にランセとロディアが好きすぎだ。
ランセとロディアのストレートな会話が、噛み合っているようで噛み合っていなくて、にやにやにやとする。お互いが大切で、二人ともそれぞれ「愛」について主張しているのに、お互いのことになると根本的な理由(愛だと思う)に気付いていないという。最後にランセはなんとなく気付いたようですが、それでも淡い感じなのでじれじれします。
決戦のロディアの台詞は普通ヒーローが言うのではないかなあ! と楽しく読みました。かっこよすぎです。多いにときめいた巻でした。一段落しているけれど、続きもある、とあとがきにあるので、これからも楽しみだ!
不思議なツタにとりつかれ、淵国につれてこられたカナンを待っていたのは、呪われた体を持つ五人の皇子たちだった。奇跡の実の力で第四皇子・善の呪いを解き彼の求婚を受け入れたカナンだったけれど、四人の皇子はいまだ絶賛呪われ中……。そんなある日、王宮で花嫁修業するカナンに第一皇子・律が急接近! 情熱的な言葉をかけてきて——!?
恋の行方は嵐の予感? 西洋乙女と皇子たちが繰り広げる、中華風王宮恋愛ファンタジー!(裏表紙より)
面白かったです! 前巻よりもパワーアップしている、というか、カナンがすごくすごくかわいくなってめろめろになりました。皇子たちのあしらい方も覚えてきて、多分王宮で最強になるんだろうなあ……。その前には皇帝を乗り越えなければならないか。
「ここ、空いてますよ」に「春日のここ空いてますよ」@○ードリーを思い出して噴く。
領主を問いつめるシーンで、こっちも暗のことを疑ってしまったところからのひっくり返しがすごかった。律かっこいい。しかし、律かわいい。ピュアすぎてかわいい。
古戸さんの作品は、本当に何気ないことにはっと気付かされることが多くて、そういう発見というところでもすごく楽しくて面白い。続きを楽しみにする!
自動車事故で記憶喪失におちいった未紀のノートにしるされた過去——「パパ」を異性として恋した少女の崇高なまでに妖しい禁じられた愛の陶酔を強烈なイメージで描いて、特異な小説世界をくりひろげる。未紀と青年Kとの愛、未紀と「パパ」との愛、Kとその姉Lとの愛、三つの愛の錯綜した展開のなかに、不可能な愛である近親相姦を、選ばれた愛に聖化することを試みた書下ろし作品。(裏表紙より)
読んだのは版が古いものですが、こちらを貼っておきます。
愛は愛でも、毒を含んでどろどろとした泥のような愛ばかりが出てくるのですが、読み終えた後は不思議と静かな気持ちになりました。あんまり後味がいいとは言えないのになあ。
少女・未紀の愛にはあまり感動することはなかったのですが、確かにこれは聖「少女」だなあと感じたりしました。でも、未紀のノートの部分はとても興味深く、面白く読みました。という点では、私は最初からこれは小説なんだろうとは感じていたのかな。
これはもう少し繰り返して読みたいなあ。まだ消化しきれていない。
「私にしかできないことだろう? ならば、達成してみせる」
実力が認められ、憧れの艦長・ランセが指揮を執るレーン号の副長になったロディア。王から受けた新たな任務は、ランセと犬猿の仲であるコーツ艦長との共闘だった!! 問題だらけの出航、次々と襲いかかるトラブルにたち向かうクルー達だったが、起死回生を賭けた作戦は、ロディアの命を懸けた潜入捜査で!?
深紅の美しい薔薇が激しく舞い踊る、海軍出世物語、第2弾!!(裏表紙より)
登場人物が濃いレッド・アドミラルシリーズ。「大好きだ!」という言葉が色んな人から飛び交う話はとてもめずらしいんじゃないだろうか! しかしみんな仲良しでにやにやです。何があっても、みんなはお互いのことが大好きなんだなあ! あとやたらと手に口づけたり、頭を撫でたり、スキンシップが多いのににやにやする。ランセとロディアはお互いに無自覚で触ったりなんだりでときめきすぎる。
そしてロディア男前! 女だと自分でも忘れてたところにぶっと噴いた。潜入調査はロディアらしすぎて面白かった。そして夜会で踊る→救出、っていうのはもうときめきだな! 顔が壊れるかと思った(にやにやしすぎて)
この巻は色んなエピソードが詰まってて楽しかったですが、アスファル帝国の皇子たちは後にも出てくるのかなあ。色んな変人が集まってて、今後が楽しみ!
高校ソフトボール部仲間の通夜で再会した、七人の女性たち。二十五歳を迎え、それぞれが悩みやトラブルを抱えていた。過酷な仕事に疲れた看護師、厄介な職場で奮闘する栄養士、過去のあやまちを引きずる主婦……。彼女たちは、傷つき、迷いながら自分だけの答えを見つけていく——。ミステリのエッセンスを加えながら、前向きに生きようとする女性の姿を描いた、爽やかな青春群像劇。(裏表紙より)
再読。加納さんの文章が心地よい上に、どういう話か忘れていることもあって、久しぶりに読んで面白かったー。この本を見ると、頭の中に青いビニールシートが浮かんでいたので、無意識に話は覚えていたっぽい。裏表紙の紹介文はちょっと薄暗い、罪に苛まれている感があるけれど、私の印象としては、女性たちの群像劇を明るくして少しの謎を追う、爽やかな話だと思う。
群像劇ならではの、ある視点から見た他者が、他の人物から見たら違う、というところが面白いな。本人の認識とも違っている。
「雨上がりの藍の色」が一番好き。ちょっとした事件と、主人公が快進撃的な行動をしてくれるのは気持ちいいなあ!
デルフィニアの黄金期を創出した「獅子王」のそばには、内乱期から数々の戦場を共にした二人の騎士団長がいた。一人は筆頭公爵家の才気煥発な嫡子、一人は地方貴族の出身ながら卓抜した剣の腕を持つ天才剣士。身分の異なる騎士たちの強固な絆はいかにして結ばれたか。若武者の青春を描く待望の外伝。(裏表紙より)
デルフィニア戦記シリーズには数多くの魅力的な登場人物がいますが、二人の騎士団長、ナシアスとバルロの青春時代を描いた外伝です。青かったり、清々しかったりして、楽しかった。毒舌家になる前のバルロはまだ本当に子どもだったり、怒らせるとこわいナシアスは昔から一番バルロに恐れられていたり。
この人にだけは軽蔑されたくない、という存在があることは、すごく幸せなことで、その人に恥じないように生きたいと思う気持ちが、すごくよく分かりました。
最後「10」の章では本編その後のことが少しだけ触れられていて、余韻があって、なんだか懐かしい人にもう一度会った気になりました。みんながもう一度会えたらいいのになあ……!
——あの世に逢いたい人がいる。……高校の修学旅行で、かつて近くに住んでいた京都の清水寺を訪れた里桜は、急に、あの世の入り口と言われる井戸を見たい衝動に駆られる。そして、親友の柚月や空哉にも黙って、井戸のある六道珍皇寺へと足を向けたその時…。『ねえ』——呼ばれるままに振り向いた彼女は森の中にいた。里桜を呼んだものの正体は、目の穴から紫陽花を咲かした髑髏だった。(カバー折り返しより)
修学旅行で京都を訪れた少女が見る、人の心と幻想の物語。各章は、話はつながっているようなつながっていないような、という感じです。
「見る」ことのできる里桜が、京都という町の幻想に取り憑かれているような印象を受けました。彼女は昔から囚われていて、今も囚われている。起源は恐らく、たましいたちの執着によるもの、かしら。
少女と少女の結び付きや、恋心なのかと考えたりするところが、非常に妖しい感じで幻想的だなあと思いました。親友と呼べる人への執着心や、ちょっとしたきっかけで離れてしまうところなんか、わかる気持ちで読みました。
ずっと昔に読んだ時は、ただただ不思議な印象の話だなあというだけだったのですが、今ならこの少女たちがすごく分かる……!
祈らないルカナートの話「信じるならば君の心を」。上流貴族の令嬢シルヴィアナがどうしてそう考えるまでに至ったのか、ルカナートとの初対面とライオスとの恋「何度でも」。近衛隊三人組の日常「さても楽しき」。花祭りの夜の二人「だからひそやかに祈るよ」。『wonder wonderful』の番外編衆。
どれも素敵なお話でした。祈らないルカナートに始まって、祈るルカナートに終わるというのがにくい! 好き!
中編とも言えるページ数の「何度でも」がすごく好きでした。上流階級に生まれながら、柔軟な思考と知性、親しみやすさを持ったシルヴィアナが、どうしてそうなるに至ったのか、ということが描かれているのですが、ひとつひとつ新しい見方を見つけていくシルヴィアナがとても素敵な人でした。それを見ているルカナートもライオスも、新しい見方を見つけていって、うまくいかないことも、悪意もあったけれど、シルヴィアナが自分に出来ることを信じて前を向く様がかっこよかった。
半泣きで読んでいたのが、p144-146、特に「決して相手を非難しなかった」という一文。ここにすごく感動して、ぽろっと泣いてしまった。こういう人が、この世界にいたらどれだけ素敵になるんだろう。そういう風に。
おまけがー!! もうすごく嬉しかった!
遊郭が集う天下の歓楽街——《胡蝶街》には、人やモノにとり憑く《影》を詠み、《影》を封じる《巫》と呼ばれる遊女たちが集められていた。胡蝶街一の巫と名高い少女・天花は、お祭りの夜、7年前に突然姿を消してしまった幼馴染の月長と再会する。喜びと戸惑いのなか、大陸からやって来た皇子からの依頼をきっかけに、ふたりの過去と運命と恋が動きはじめる——。栗原ちひろが描く、和風退魔浪漫ファンタジー開幕!(裏表紙より)
和風退魔浪漫ファンタジー。健気で明るい、胡蝶街一、もしくは世界一の巫と名高い天花が主人公。言動が一生懸命でかわいいです。でも芯はしっかりしていて、前向きなところが好感が持てる。
お話は、どちらかというと退魔がメインで、甘くはないんですが、不思議な言動と謎めいたところのある幼馴染み月長が気になりすぎて、読んでいる途中からそわそわ。単純にふわふわした人、天花が大好きすぎて身を立てようとしただけかなーと思っていたんですが、実ははっきりとはそうでなかったというところがすごく面白かった。天花好きすぎだよこの人……!
あと鳩羽に噴く。この人多分一番面白い。変態的な意味で。
月長と紺藍だったら、紺藍が好きです。自分でももてあましてる感がよいです。