読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「これで、おれたちは、夫婦だ」
皇子たちにかけられた呪いを解くため、西の都から淵国につれてこられたカナン。奇跡の実の力で二人の皇子の呪いを解き、カナンは婚約者となった善皇子と幸せな日々を過ごしていた。ところが、第三皇子・郷の姉が戻ってきたことで皇子たちとの王宮生活は再び大混乱に…。その上、郷皇子がカナンを妻にすると宣言して——!? 西洋乙女と皇子たちが繰り広げる、中華風王宮恋愛ファンタジー!(裏表紙より)
あとがきをぱらっとめくって、「……オブラート?」と、どういう話をしているんだろうと首をひねっていたんですが、本編を読んだらまさに「オブラート! オブラート!」と叫ぶ内容でした。電車で読んでてうっかりにやついてしまった! あー、お腹いたい。前回にも増してにやにや巻でした。
パフューム姐さんのかっこいいところが好きだー。姐さんが男に戻る瞬間がこれでもかというくらい好きだ。律はすっかり噛ませ犬ですが、成長したところが見えてすごく嬉しくなりました。繁と郷の問題が今回でしたが、家族っていいなあ! と思わせる内容でした。愛、だよなあ。
カナンと善もきちんと前進していてにやにやポイントでした。においを嗅ぐってセクシーだ。
しかし一方でおしべとめしべには噴いた。オブラート!
皇帝と妃たちの秘密も徐々に明らかになって不安になりつつ、どうやら次の巻でも新メンバー女子の出番がありそうで楽しみです! 家族のきゃっきゃうふふもおいしいですが、男女の関係もごろごろできてこの話がとても好きだ。
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「わたしの名前はルカルタ・ラカルタ。迎えが来るまで暇つぶしさせてくれ」
転校生は…異星人!? 地球調査団として日本に派遣された女団長ルカルタは、留学生のフリをして高校へ潜入。「キミは俺が必ず守る」と一方的に愛を捧げる部下のノモロをひきつれ、初めての学校生活を満喫&大暴走!
しかしそこに忍び寄る黒い影…地球の未来はどうなるのか!? 破天荒な宇宙人が巻き起こす地球救出ハイテンション・コメディ登場★(裏表紙より)
SFで青春もの。楽しかった! ルカルタの感動がかわいくて、楽しそうで、読んでいて楽しい気持ちにもなったけれど、幸せな気持ちにもなった!
ルカルタの視点でずっと描かれ続けているわけだけれど、これが普通の高校生である中村や竹内や愛尾から見れば、それまでつながっていなかった人間たちがつながることになった、とっても爽やかな青春小説なわけで。そういうところを想像すると、思わず転がってしまう。
SFと青春、本当にいいなあ。すごく楽しかった。
あとすごく好みだったところはあとがきで、神尾さんが言っていた、食べ物に感動しているか、というところ。すごくいいなと思う。

「俺とお前は今日から敵同士だ。殺し合おうぜ」終戦後、久々にランセからの誘いを受けたロディア。待ち合わせ場所へ向かったロディアが見た光景は、海賊船を率いるランセの姿だった!!「——俺にさらわれるか?」と囁くランセをきっぱりと退ける。そして海軍軍人として自らの手で必ずランセを捕まえる決意をしたロディアは、マディス王国初の女性艦長となり、再びレーン号に乗船する決意をするのだが!? 波乱の新章スタート!(裏表紙より)
ごろんごろんごろん(転がる音)
かっこよすぎです。なのに切ないです。きゅんとします。
海軍もの少女小説の四巻目。アルモニアの消滅によってマディス王国に平和が訪れ、ロディアはランセたちレーン号の面々と会わないまま、半年ばかりが過ぎ……。
冒頭の目覚めやお茶会のシーンににやにやしっぱなしで、ランセに「——俺にさらわれるか?」と聞かれるところはときめきゲージがぐーんと上がる。それに対するロディアの答えがかっこよくて!
艦長として、一生懸命になっているロディア。そんな彼女は、結構普通の人より色んなことができてしまうので、多分精神的にぎりぎりだったんだろうなあ、と思った。でも一瞬、まじでランセが出てきたのかと思った……(あの人ならやりかねないという想像で)。それから、アルデアが本当に苦しい思いをしているのに、ものすごく転がりました。
そしてロディアがランセに追い付いたところで……まさか「追い抜いたー!!?(精神的に)」と思うことになるとは……。あれって追いかけてましたけど追い抜きましたよね、黙って俺に(以下略)ですもんね。死にたがりやは愛に包まれるべき! ロディアのどきどきが伝わってきそうなシーンもあり、盛りだくさんで、続きもとても楽しみ!

年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。その窓辺に咲いた季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作をはじめ、気の利いたビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作(裏表紙より)
連作短編集。日常の謎もあるけれど、もうちょっと事件性の高いものもあり、面白かった!
語り手はそれぞれ違うけれど、六つの話でどこかの話の人物が顔を出したり、リンクしているところがいい。香菜里屋のマスターである工藤が探偵なんだけれど、彼自身の心情は語られず、おおよそにおいて語り手である人物が、それぞれの解答を手にしていく。
表題作が好きだなあ。草魚さんの出てくる話がすごく好きだ。ひっそりとした俳人というところもそうだけれど、胸の内に秘めたものがなんだかしんみりして好きなのだ。俳句と交えてある表題作はぐっとくる。

絵のヌードモデル、引きこもり新鋭画家、女装の麗人、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、妄想癖の美女、不気味な双子の老人たち——〈鳥籠荘〉に棲みついたちょっとおかしな住人たちの、ちょっとおかしな、けれどいろいろフツーの日常をつづる物語第3弾。——今回のお話は、〈鳥籠荘〉の奇妙な嵐の一夜をめぐるちょっとしたホラー&ミステリイ。誰も素顔を見たことがない管理人さんの正体は? 着ぐるみパパの中身がついに暴かれる? さらにその晩、〈鳥籠荘〉で殺人事件が発声。住民の惨殺死体が発見され、浅井が殺人容疑をかけられてしまう。事件の真相を追うキズナの身にも危険が——!? 着ぐるみパパのデートをめぐるこぼれ話も収録。(カバー折り返しより)
鳥籠荘の住民たちの奇妙な日常を追っていくお話。メインのお話がちょっとずつ動いている印象。キズナと浅井の行方は、一巻では殺伐としていたような気がしていたんですが、二巻、三巻と読んでいたら、なんだか不器用な二人なりにちょっとずつ歩み寄っていてきゅんとしました。キズナの葛藤の色々が本当にかわいいんだよなあ。一巻のときはそんなにきゅんとしなかったのに。
——どうしてわたしじゃないんだろう。
(中略)
……好きになんてならない。
この葛藤がね、胸キュンなんだよね!

“ホテル・ウィリアムズチャイルドバード”、通称〈鳥籠荘〉には、普通の社会になじめない一風変わった人々が棲みついている。衛藤キズナ(17歳の少女。バイト・絵のモデル)、浅井有生(新鋭画家。ほぼ外出しない)、井上由起(有生のイトコ。超美形で女装癖あり)。彼らを中心に、妄想癖の美女、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、不気味な双子の老人たちも加わり、繰り広げられる——ちょっとおかしな、けれどいろいろフツーの日常がつづられた物語。今回は、キズナを慕う後輩の女子高校生の話、浅井有生と井上由起の子供の頃のキュートなヒ・ミ・ツのお話、キズナと由起のハプニングな1日の話を収録。(カバー折り返しより)
1を読んでからかなり間が空きましたが、2巻を読んでもさほど違和感はなく、2話目の有生と由起の話が新鮮で面白かったと思いました。変人ばっかりだけれど、なんだか童話めいていて愛おしい。
「ザリガニ/万引き/スケッチブック」は、オチと、その次の「彼女と彼の気まずい日曜、彼女と彼女?のハプニングな土曜」で明かされる由起の台詞に、そういうことか! と噴き出した。そうか、だからどちらも一生懸命だったわけだな!
でも「ザリガニ〜」で気持ち悪いところがあるのは変わらないな……とそこだけ後味が悪いと思いつつ。
「ザリガニ〜」で登場した、海の底から謎の巨大甲殻類が云々は、きっと有川浩さんの『海の底』だろうと思ってにやっとしました。

「死ぬな、ロディア。俺のために生きていろ。これは命令だ」
上層部に啖呵を切ったロディアは、軍規違反の罪で投獄される。しかしランセの友人・カザルス提督の協力も得て、釈放されることに。その後ロディアは、密かに敵国の皇子誘拐を続行するため、再び仲間たちと海へ出た!! マディス王国軍の敗戦が色濃くなる中、人々は切り礼となるランセとロディアが率いるレーン号の帰還を待ちわびるが——!? 海軍出世物語、第3弾!!(裏表紙より)
男装軍人海軍ものの第三巻。この巻も非常ににやにや巻でした! 面白かった! レーン号の面々は基本的にランセとロディアが好きすぎだ。
ランセとロディアのストレートな会話が、噛み合っているようで噛み合っていなくて、にやにやにやとする。お互いが大切で、二人ともそれぞれ「愛」について主張しているのに、お互いのことになると根本的な理由(愛だと思う)に気付いていないという。最後にランセはなんとなく気付いたようですが、それでも淡い感じなのでじれじれします。
決戦のロディアの台詞は普通ヒーローが言うのではないかなあ! と楽しく読みました。かっこよすぎです。多いにときめいた巻でした。一段落しているけれど、続きもある、とあとがきにあるので、これからも楽しみだ!

不思議なツタにとりつかれ、淵国につれてこられたカナンを待っていたのは、呪われた体を持つ五人の皇子たちだった。奇跡の実の力で第四皇子・善の呪いを解き彼の求婚を受け入れたカナンだったけれど、四人の皇子はいまだ絶賛呪われ中……。そんなある日、王宮で花嫁修業するカナンに第一皇子・律が急接近! 情熱的な言葉をかけてきて——!?
恋の行方は嵐の予感? 西洋乙女と皇子たちが繰り広げる、中華風王宮恋愛ファンタジー!(裏表紙より)
面白かったです! 前巻よりもパワーアップしている、というか、カナンがすごくすごくかわいくなってめろめろになりました。皇子たちのあしらい方も覚えてきて、多分王宮で最強になるんだろうなあ……。その前には皇帝を乗り越えなければならないか。
「ここ、空いてますよ」に「春日のここ空いてますよ」@○ードリーを思い出して噴く。
領主を問いつめるシーンで、こっちも暗のことを疑ってしまったところからのひっくり返しがすごかった。律かっこいい。しかし、律かわいい。ピュアすぎてかわいい。
古戸さんの作品は、本当に何気ないことにはっと気付かされることが多くて、そういう発見というところでもすごく楽しくて面白い。続きを楽しみにする!