読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

魔法と科学が交わり、人々が地上から離れて暮らす異世界。名前と生き別れた弟以外の記憶を失くしてしまった少女・イスカは、おたずね者の空賊団、アルトレオのお頭・ヤフェトに拾われ、行動をともにすることに。ヤフェトと空賊団のメンバーたち、そして偶然助けることになった空軍の青年・ルヴェンとともに、少女は失われた記憶と隠された世界の秘密に迫っていく—―。交錯する3人の運命が切なく胸に響く、空の恋愛ファンタジー。(裏表紙より)
空と魔法と科学の世界。記憶をなくした少女が、大切なものを胸に抱えていこうとする物語、の序章っぽい感じでもっと読みたいけど続きないんか!! ピュアな女の子が、世界の汚いところとか、綺麗なところをたくさん吸い込んで、誰かに伝えていくというのが本当に好きなので、是非イスカとルヴェンの関係をもっと見ていたかった!
ヴォーパルについては、多分後ろ暗い事情で出来てるんだろうなーとは思っていたんですが、あんまり予想していなかった方向で説明が来てびっくりしました。いやでもその設定とっても美味しいです。イスカの正体も意外で、そう思うとやっぱり続きが読みたいなあ……。
そういえば、何故か分からないんですが登場する人の名前が覚えられず、ちょっと苦労しました。
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本が手の届かないほど遠くにあると思っていたこと。
本が母と娘を繋ぐ絆であったこと。
本が祖父への畏れであり、忘れ得ぬ思い出であったこと。
そして、強すぎる願いゆえに、たった一冊の本すら手放せないこと。
そこにあるすべての本には数え切れない“想い”があり、そこに集うすべての読者にはその数だけの“物語”があった。
さえずり町のサエズリ図書館。
それは本の“未来”が収められた、美しく、不思議な図書館。
紅玉いづきが詠う、すべての書物への未来譚(ラブソング)――。
あなたにとっての大切な一冊は、きっとここでみつかる。(裏表紙より)
無料公開していた一話を読んで、ぼろっぼろに泣いてから、なんだか恐くてしばらく遠ざけてしまっていた一冊。サエズリ図書館という私立図書館の特別探索司書ワルツさんと、利用者の人々の物語。
一話で、やられたー! と思ったんですが、二話からその世界が、一度終わりを迎えた時代だとはっきり分かるようになっています。どうやら首都は機能しておらず、地方ごとに運営がされているらしい。けれど、汚染された世界では確実に終わりが近付いている。
けれどそれをはっきり、本という形で「死なない」と言ってくれるのがワルツさん。終わりをひたひたと感じながら、「みんな、本を愛している」からと言ってくれる。それがなんだかなあ、胸をぐっと掴まれたように感じました。
もっとこの図書館と本の物語を読みたいなと思いました。


『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』でおなじみ海堂尊が贈る、大人気〈田口・白鳥シリーズ〉みたび登場! 伝説の歌姫が東城大学医学部付属病院に緊急入院した頃、不定愁訴外来担当の田口公平の元には匿名の告発文書が届いていた。“将軍(ジェネラル)”の異名をとる、救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという。高階病院長から依頼を受けた田口は調査に乗り出す。(上巻・裏表紙より)
『ナイチンゲールの沈黙』で起こっていたもう一つの事件。ナイチンゲールが妙に薄かったのでなんでかなーと思っていたら、事件が重なっていたのか! こちらは、病院内の派閥、人間関係、および各人の思惑が絡みあう複雑な物語。面白かった! ナイチンゲールでちょっとだけ消化不良だったけれど、これは会議のやり取りが白熱して面白かった。ナイチンゲールが桜宮市の物語だとしたら、ルージュは東城大付属病院の物語でしたね。
上巻はやっぱり白鳥はおらず、加納警視正もいない。けれど病院内の派閥が、みんな狸ばっかり……笑 田口はやっぱり巻き込まれて傍観者。と思っているのは本人と私くらいなのかな。
沼田助教授のいやらしいやり方にはうー! と唸ったし、速水の颯爽としたやり方にはほれぼれしたし、最後においしいところを押さえてくれた田口に拍手喝采! と爽快でした。姫宮ってどんな人だったかなーと思っていたら、えらく肝の座った、すっとぼけた女性で楽しかったですし、とても登場人物がいろいろでどこから切り取っても面白いなあ。

―—なぜ、アドリアンは駈け落ちなどしたのか、
異国から虜囚としてやってきた姫にだまされたのか……?
黒龍隊長ゼルス・ダガンは逃げた二人を追いながら思う。
古い貴族の家に生まれ、将来を約束された近衛騎士の青年は、美しい婚約者を置いて逃げる必要などないはずだった、と。しかし、月の輝く砂漠の中でダガンが二人を追いつめた時、アドリアンが吐露した心情、希求の叫びとは——!?
それぞれの立場、願いが交錯する表題作のほか、長篇書き下ろし「街の灯は黄水晶色にあたたかく」を収録。
期待のニューフェイス・甲斐透のデビュー作。(裏表紙より)
駆け落ちした姫と騎士。だが、姫は城を逃亡し故国へ戻って、恋しい男の元へ帰ろうとしていた。恵まれた立場に生まれた青年騎士と、異国の血を引くがゆえに出世できず部隊長に甘んじている男。二人の思いが、月の砂漠で交差するところは胸に迫ります。
出てくる人は基本的に男性ばかりですが、男所帯ながらも寄せ集めの面白さ、個性がとても楽しいです! 男どもがぎゃあぎゃあ言っているのってとてもいい。信頼されながらもいっつも貧乏くじを引かされる、不器用で優しい隊長殿って、ときめかないわけにはいかないでしょう!

少年はグレン警部の前にやって来ると、大柄な警部をきれいな菫の瞳で、珍しそうに見つめてきた。
「こんにちは。アルフォンス・レイヴンウッドです」
似ていると思ったのは最初の一瞬だけだ。短めの髪は茶色の癖毛で、シェラのつややかな銀色の髪とは似ても似つかない。肌の色も違う。声も違う。シェラの声は落ちついていたが、アルフォンスは少年特有の高くはしゃいだ声だ。
要するに、明らかな別人である。
「きみによく似ている子を知ってるんでね。シェラ・ファロットっていうんだが……」
少年は眼を丸くして、ちょっと唇を尖らせた。「ひどいや、警部さん。ぼく、男ですよ」
シェラ、まさかの失踪! その生存が刻々と絶望視される中、ルウのカードが隠された真実を語り出す……(裏表紙より)
めずらしく別行動したシェラは、その旅先で行方不明に。その後、シェラによく似た、けれど別人らしき少年が存在することを知って、リィとルウは調査に乗り出す。
どうしてこの世界のお金持ちというのは、金に物を言わせた悪者ばかりなのか! という、人と人とも思わぬ所行で、今回も動く要塞が派手に砲をぶっ放したり自爆したりと忙しなかったです。大人の男たちは金銀黒天使に翻弄されて、お疲れさまです。

“薔薇の騎士”と讃えられる青年・ケネス。彼は困窮するエストランジュを、領主として少しでも豊かにしようと努力していた。周囲からの結婚の勧めをはぐらかし、持参金目当ての結婚もする気のない彼だったが、旅先で賢いアベーハと呼ばれる少女と出会う。彼女の輝く黒髪に目を奪われたケネスは、けれどロザモンドという名の少女が調合した媚薬によって“結婚の罠”にかけられてしまい…!?(裏表紙より)
罠にかけられ、お互いの名誉を守るために結婚することになってしまった、美貌の騎士ケネスと、薬師と商才を持つロザモンド。貧困に喘ぐケネスの領地エストランジュを守るために奮闘する夫婦の物語。
面白かったー! 商才のある女の子いいなあ! 賢いアベーハと呼ばれる、真っ直ぐな気性のロザモンド。人とうまくやっていけるコミュニケーション能力もあるし、よく気のつくいい子! 対してケネスの考え方、騎士としてとか自分のプライドが邪魔して、ちょっと器が小さく見えるのはヒーローとしては減点です。もうちょっと素直になって! というわけで、とにかくロザモンドが凛としてかっこいい物語でした。シリーズのようですが三巻で打ち切り……?


第4回『このミス大賞』受賞作、300万部を突破した大ベストセラー『チーム・バチスタの栄光』の続編が登場。大人気、田口・白鳥コンビの活躍再び! 今度の舞台は小児科病棟。病棟一の歌唱力を持つ看護師・浜田小夜の担当患者は、眼の癌――網膜芽腫の子供たち。眼球摘出をせざるをえない彼らに心を痛めた小夜は、患児のメンタルケアを不定愁訴外来担当の田口公平に依頼し、小児愚痴外来が始まった。(上巻・裏表紙より)
『チーム・バチスタの栄光』ががっつり医療ミステリーだったので、これもそうなのかなと思ったら、ちょっといい話系なのかと思わせる上巻。最終的に、ちょっとだけファンタジー。大長編の一話目という感じらしく、チーム・バチスタが序章だとしたら、この話は超長編の一作目っぽい。
疑心暗鬼というよりは心の奥の闇を少しずつ描いている感じ。前からこんなに病院の内情って書いてたっけという設定の盛り具合。上巻の最後で事件が起こりましたが、白鳥さんは出てこない。なんか変な警視正がいる。濃いなあ!笑
歌うことによってイメージを伝えることのできる能力の持ち主によって事件は結末を迎えます。ロジカルモンスター白鳥は真実を暴き立てた。この容赦のなさが、白鳥のいいところであり嫌なところだなあと思います。不正は許さないけれど、ある意味人に優しく、厳しく容赦なかったり。なんだか白鳥が魅力的に思えてきたぞ。
シリーズが気になるのでまた読みます! オススメありがとうございました。

■美少女は再び足を止め、キアランを見上げてきた。
その長い髪はまるで純金のように眩く、その瞳はまるで最高級の翠緑玉のように深く鮮やかだった。
「あたしを誘ってるの?」《優しい狼》
■「あら、友達のお願いは聞いてくれるものよ」
「誰が? 誰の?」
「あなたが。わたしの」
いつこの女性の友達になったのだろうかと、ヴァンツァーは真剣に思い返してみた。《初戀の詩》
■「あのな、海賊」
ジャスミンはにっこり笑って言った。
「わたしはドレスアップした妻を一人で劇場に送り出すような甲斐性なしと結婚した覚えはないんだ」《怪獣の宴》
赤いマーガレットに絡む、にぎやかで彼で麗しい中篇三話の登場!(裏表紙より)
金銀黒天使に暗殺者組、怪獣夫婦とオールスターな中編。表紙は麗しい女性三人組(間違っていないよ!)
物語は、リィの姉ドミューシアが、憧れのフットボール選手キアランに侮辱されたことから始まる。
怒り狂うリィは復讐のため、問題の少年に接触を開始する、とい「優しい狼」。
先日知り合った女性ジンジャー(『サイモンの災難』より)について知ったヴァンツァーは彼女の頼みでパートナーのふりをすることに。そこで誘拐事件に巻き込まれる「初戀の詩」。
ジンジャーの舞台を見に行くことにしたジャスミンとケリーは、そこで何故か女性になっているリィと、ヴァンツァーとすれ違い、更にジャスミンは誘拐事件の解決に乗り出してしまう「怪獣の宴」。
リィが起点になっているかと思えば、実は最後で別の物語に繋がっていたという中編三話。とんでもない人々のくせに、最後の「怪獣の宴」でのクーア夫妻がなんかほっこり可愛いのが、もう!!

サイモンはどきりとした。
校門から出てきた少年の一人がサイモンを一瞥し、すぐに視線を外した。他の少年たちとまったく同じ仕草に見えたが、決定的に違っていたからだ。
その鋭い視線はサイモンを貫き、サイモンの心の奥底までを一瞬で見透かした。
「きみ!」
一見したところ物憂げにさえ見える、それでいて深い知性を感じさせる、冷たく整った抜群の美貌。
「きみ、映画に出てみないか?」
「警察に通報されたくなければ、ここがどこなのかよく考えてから話したほうがいい」
この警告にサイモンは歓声を上げて喜んだ。
サイモンが無謀にも声をかけたことで事件は起こ——いや、未然に防がれたのかも知れない。その奇妙な事件は…(裏表紙より)
新人映画監督が作品を作ろうとしたことによって、事件が発生。ヴァンツァーが関わってしまったことによって、天使たちに怪獣夫婦まで加わってしまい、大騒ぎになってしまう。映画(演技)といえばこの人でしょう! というわけで、ジンジャー・ブレッドの回でもあります。
こう思うと、スカウィ組もやっぱりチートだよなあ……。ジンジャーと怪獣夫婦の絡みが好きだ。
作中の「彼女の作為」は「薮の中」みたいな話だなーと思った。もっと恐かったのは、サイモンの母親の話でした。うん、こういう人、いるよな。
挿絵も映画を撮っているということで凝っていて、最後の挿絵恐い! ジンジャー恐い! でも飴と鞭がたまらない! 好き!

父親の決めた婚約が嫌でプチ家出を結構することにした清花。京都に向かう新幹線で隣に来たのは大好きな漫画のヒーローそっくりなイケメン! ステキなハプニングが恋を運んでくる!?(帯より)
純粋培養な箱入り娘が、父親の決めた結婚が嫌で家出する。その新幹線で隣に座ったイケメンに助けられるところから始まるラブロマンス。
清花は純粋すぎ、疑わなさすぎだろう! と思って、それが理由で全部がうまく行き過ぎているような気がしましたが、幸せなら何よりでした。でも清花の純粋培養さが、本当に世間知らずなんだなーという感じなのが個人的に残念……。こういうタイプのヒロインをあんまり読んだことがなかったのですが、清純お嬢様ってこんな感じなのかな。研究してみたい。
エタニティなんですがレイティングのことを全然頭に入れておらず、そういうシーンがあってびっくりしました。そうか、これ赤だったか。ヒロインがピュアだったので、初心いところが可愛かったです(こう書くと変態くさいな……)