読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

深夜、鉄骨を振るい人を襲う亡霊「鋼人七瀬」。それは単なる都市伝説か、本物の亡霊か? 怪異たちに知恵を与える巫女となった美少女、岩永琴子が立ち向かう。人の想像力が生んだ恐るべき妖怪を退治するため琴子が仕掛けたのは、虚構をもって虚構を制する荒業。琴子の空前絶後な推理は果たして成功するか?(裏表紙より)
現代物で推理ものなんですが、異界のものが普通に出てきたり、何度死んでも生き返る青年がいたりと、ファンタジーの要素あり。
鉄骨を振るう鋼人七瀬は、インターネットの虚構により生み出され強化されたもの。これを退治するには、ネットの大多数が支持する「存在する」という定義を書き換えなければならない。そのために、岩永と九郎、巻き込まれる形で紗季が行動する。
「まとめサイト」がなんたるものかを知っていれば、おおっと思わせる展開で、しかし読みながらネットの存在が怖くなってしまった……。
イワナガヒメに対して岩永琴子、コノハナサクヤビメに対して、紗季(さく)と六花(はな)なのか! という、ラストまでおおっと思わせてくれて面白かったです。
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季節は初夏。今日も図書館塔最上階、秘密の小部屋で読書にふけるヴィクトリカの頭上に、金色の書物が落ちてきた。そこには〈未来の汝よ。我は愚者なり。そして汝、愚者の代弁者となりて、我が愚かなりし秘密を暴け!〉とメッセージが。時を同じくして学園にやってきた謎の人物。そして、時計塔で起きた密室殺人……知恵の泉のもと、すべての謎がひとつになるとき、王国の禁忌が白日のもとに!? 人気ミステリ、急展開の第4巻。(裏表紙より)
時計塔と錬金術師の謎を解く第四巻。大いなる事件の準備って感じもしつつ、一弥とヴィクトリカの関係も少しずつ進展している感じがあって、わくわくするなあ。まだ出来事は学園の内側とその周りって感じがあるけれど、ここから世界が広がっていくんだろうか、どうだろうか。
ヴィクトリカとアブリルのやり取りが、子どもか! って感じで可愛らしかった。二人とも普通の女の子と違うからなあ笑

〈青い薔薇〉を買ってきてちょうだい——故郷にいる姉の頼みで、首都ソヴレムに出かけてきた一弥は、巨大高級デパート〈ジャンタン〉で、不気味な体験をした。街に流れる“人間消失”の噂、異様な計算能力を持つストリートチルドレン——深まる一方の謎を抱え、一弥は風邪で寝込んでいるヴィクトリカに電話をする。“知恵の泉”は距離の壁を超え、難事件を解決できるのか…!? 大人気ミステリシリーズ、胸騒ぐ第3巻!!(裏表紙より)
一弥とヴィクトリカの距離がかなり縮まり、ヴィクトリカとブロワ警部の過去もちょっとだけわかる、箸休め的な話だったかな? 重要人物はだいぶと顔を見せているし、ブロワ侯爵もセシル先生に圧力をかけてきているようですが……二人はこれからどうなるんだろう。歴史の傍にあるような話で、ここから先、大きな波に飲み込まれていくんだろうけど、できれば二人は一緒にいてほしい。

ジェレミーへの気持ちを自覚して以来、クレアは脅えていた。「当主の愛した人は死んでしまう」という伯爵家の呪いは解けていない。もし今、爵位がクレアに移れば、彼を殺してしまうかもしれないのだ。そんなある日、クレアはブラウン姉妹と一緒に出席したお茶会で、〈エデン・ブルー〉らしきアンティーク・ジュエリーが売りに出されるという噂を聞いて…!? 英国ラブストーリー、涙の完結巻!(裏表紙より)
マーチ伯爵家の呪いは解けるのか。三巻目にして最終巻。
ああー本当によかったー。クレアとジェレミーの駆け引きというか、「僕のこと好き? それとも嫌い?」というやりとりはきゅんきゅんしました。クレアの気持ちがわかっているからこそ答えられないのがわかるので、ジェレミー気付いて! って必死になってしまった笑
最後には傷を負った人もいれば、失ってしまった人もいて、ちょっぴりひりひりと痛む部分はあるけれども、この先も大事な人と一緒にいられればいいなあなんてことを思いながら読み終わりました。
最後に収録されている「キスをあなたに」。ジェレミーが完璧にワンコ化で笑いました。恋人同士になると、こんなにジェレミーは可愛くなるんだなあ。にやにやしてしまった。

19世紀ロンドン。高級店が軒を連ねる通りに「リリー骨董店」を開いてから約半年——。クレアはジュエリーたちの手入れをしながら伯爵家の呪いを解く手がかりを探していた。宝石商のオーナー、ジェレミーは毎日のように訪ねてくるが、好意をストレートに伝えてくる彼に戸惑ってしまう。ある日、ジェレミーが義母の遺品であるという指輪を持ち込むが、呪いのジュエリーの気配を感じて……!?(裏表紙より)
リリー骨董店に持ち込まれてきたのは、ジェレミーの兄から持ち込まれたエメラルドの指輪。クレアの耳にはその宝石の声が聞こえていた。呪いのジュエリーだと確信したクレアたちは、指輪の由来を調べるうち、再びロビンと遭遇することに。
クレアに友人候補とライバル候補が出現? 浮世離れした彼女が少しずつ社会に溶け込み始めて、自分の望みを自覚していく。「恋していいの?」というのは、クレアにはすごく重い言葉だなあ。
でもジェレミーは諦めずに思ってくれているようなので! 幸せになってほしい。

19世紀、英国——。マーチ伯爵家の跡継ぎであるクレアは、ロンドンに骨董店を開く決意をする。令嬢が店を構えるなど前代未聞だが、骨董品の声が聞こえるクレアは、伯爵家に伝わる『レディ・アン・ジュエルの呪い』を解く鍵を探しているのだ。そんなある日、宝石商のオーナーだという青年が、伝説的なジュエリーの鑑定をしてほしいと訪ねてきて……!? 宝石がみちびく英国ラブストーリー、開幕!(裏表紙より)
タイトルの字面からして少女小説! って感じでとても素敵。また宝石にまつわる謎と魔法が絡まって、これぞ、という雰囲気をびしびし感じました。とても可愛らしくてちょっと悲しみと毒を含んでもいる素敵なお話。
呪われた伯爵家と噂されるマーチ伯爵家の跡継ぎ、クレア。家の事情と、宝石の声が聞こえる特殊能力と、陽を浴びた雪のように輝く白い髪を持つために華やかな場所からは離れて暮らしてきた。そんな彼女が出会ったのは、口を開けば女性を褒める美貌の青年である実業家のジェレミー。腹違いの兄セドリックも加わって、呪われていると噂されるラプンツェル・ダイヤモンドの真贋を見極めることに。
この三人揃っているところがまた可愛いんだよなあ! 満たされているように見えるジェレミーにも埋められない欠落があり、クレアもセドリックもそうで、そんな三人が一緒にいることでそれを補い合う、という関係性が愛おしい。
魔術師という存在も絡まって、果たしてマーチ伯爵家の呪いは解けるのか。ちゃんとみんな幸せになってほしいなあ。

「本当に嫌なら、私を突き飛ばして逃げてみよ」王宮に刺繍師として勤める没落貴族令嬢のアメリアは、寝室に忍んできたと勘違いされて国王アウロに襲われる。誤解は解け、王の婚礼衣装を刺繍することに。何度も呼び出されては執拗に求められ、拒めず初めての快楽に蕩けてしまうアメリア。身分違いで婚約者もいるアウロへの想いに苦しむが……。(裏表紙より)
原作はキム・ローレンスの『冷たい求婚者』とのことですが、原作があるってどういうことなんだろう。ヴァニラ文庫さんはこういう、原作をアレンジしたものを出しておられるのかな?
あらすじがほぼ本文です。かなりこざっぱりとしたお話で、没落貴族のご令嬢が王様に見初められて王妃に、という定番から大きく外れることもなくど真ん中ストレートを突き抜けていきました。とても王道で安心して読んでました。
王宮の刺繍師たちが最後にちらっと出てきたのがよかったなあ。カレンさんも何かロマンスを秘めていそうな匂いを感じ取った。

〈“灰色狼の末裔”に告ぐ。近く夏至祭。我らは子孫を歓迎する〉不思議なその広告を見たヴィクトリカは夜、学園を抜けだし山間の小さな村にやってきた。時が止まったようなこの地で、またも起こった惨劇。それは、かつて彼女の母・コルデリアが巻き込まれた事件と呼応するかのように続いてゆく。そして、最後にヴィクトリカが見抜いた真実とは……!?
直木賞作家がおくるダーク・ミステリ待望の第2巻登場!!(裏表紙より)
灰色狼の末裔に呼びかける広告を見たヴィクトリカと、彼女を追って同行することになった久城が事件に巻き込まれる。ヴィクトリカの秘密がちらっと伺える巻だったかなあと思います。まだまだ序の口という感じだけれども。
ぞくっとするようなシーンやキャラクターがやはり見事で、深夜に読むのはちょっと雰囲気が出すぎて怖かった笑
ブロワ警部がデレてくれるのを期待する。

1924年、春。ヨーロッパの小国ソヴュールに、極東から留学してきた久城一弥は孤独である。不慣れな環境、言葉の壁、クラスメイトの間で囁かれる不吉な言い伝え〈春やってくる旅人が死をもたらす〉……そして噂どおり起きてしまった殺人事件。容疑者として絶対絶命の危機に陥った一弥に気まぐれな救いの手をさしのべたのは、図書館塔に篭もる謎の少女だった——。世界を変える出会いの瞬間を描く、名作ミステリ外伝短編集。(裏表紙より)
一巻を読んだのがだいぶと前だったので、出会いの話から読むのは案外よかったのかもしれない。
留学してきて馴染めないでいる久城と、図書館塔のてっぺんにいるヴィクトリカの出会い、そして連続する小さな事件のお話。
殺人事件だったり大泥棒だったり人形だったりと、ちょっとどきっとするホラーなシーンがあるのがいいなあ。
二人の出会いを別の人の視点から見ているのも新鮮でした。ヴィクトリカの秘密ってなんなんだろう。

才色兼備な大貴族の令嬢メアリ・アルバート。彼女は始業式で前世の記憶を思い出す。この世界は前世でプレイしていた乙女ゲームと同じで、自分は主人公をいじめて最後に没落する悪役令嬢だったことを——となれば、ここは「そんな人生、冗談じゃない!」と没落を回避……しない! 従者のアディ(口が悪い)を巻き込んで没落コースを突き進もうとするけれど、なぜか主人公になつかれて!? 人気沸騰WEB小説、ビーンズ文庫に登場!!(裏表紙より)
楽しかったー! もしかして初めて読んだ悪役令嬢ものかな……?
「いや、単なる親切な人ですね」でもう絶対面白いわと思いました。
とある理由ゆえに、自ら没落を目指すメアリ。彼女の考え方、スタンスがすごく好感の持てるもので、主人公よりも断然応援したくなるキャラクターでした。またアディとのやりとりがいいんだよなあ。
とにかくゲームとは違い、メアリがメアリであることが彼女の未来を救っていて、周りのキャラクターや状況もいい方向に進んでよかったよかった。メアリが望む没落ではないけれども、未来が保証されて何よりでした。
読んでいてすごーくコロッケが食べたくなりました。