読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
若き日のフランス滞在で磨きをかけた食の感性、そして美味なるものへの飽くなき探求心。美食の日々を経て「食の神髄は惣菜にあり」との境地へ至り、日常の中の美味に注ぐ情熱はますます旺盛となる。文士や画家との交友など、著者の人柄がにじむエピソードも交えた、食味随筆の傑作。解説・高崎俊夫(裏表紙より)
1976年11月に発刊されたものの復刊。
時代を感じさせる内容なのですが、面白かったのがまずいものやいまいちなものをはっきりそう書いてあるところ。その理由もこれこれこうだからと書かれてあったり、かつて美味しいと感じたものがいまはいまいちとか変化が感じられるのも面白かったです。この人を満足させられたのはどんな味だろうと想像が膨らんだ。
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大陸の強国、金椛国。名門・星家の御曹司・遊圭は、一人呆然と立ち尽くしていた。皇帝崩御に伴い、一族全ての殉死が決定。からくも逃げ延びた遊圭だが、追われる身に。窮地を救ってくれたのは、かつて助けた平民の少女・明々。一息ついた矢先、彼女の後宮への出仕が決まる。再びの絶望に、明々は言った。「あんたも、一緒に来るといいのよ」かくして少年・遊圭は女装し後宮へ。頼みは知恵と仲間だけ。傑作中華風ファンタジー!(裏表紙より)
開幕という感じの一冊。さほど大きな事件が起こったり解決に乗り出したりということはなく、謎があるのかもわからないままなのですが、すごくしっかりした印象で面白かった。
遊圭が若木のように成長していくのが一冊を通して感じられて、先がすごく楽しみになるんですよね。彼が何をやってくれるんだろうとわくわくする。状況はすごく悪いんですけどね。
新米植物研究員のまゆこは、突如現れた穴に呑み込まれ…目が覚めるとそこは異世界だった!? 戸惑うまゆこの前に現れたのは見目麗しい公爵・ジリアン。国王を決める闘技に勝つためにまゆこを呼び寄せたものの、なんと人違いだったというのだ。「この国を守ってくれ」――望まれたわけでもないけれど、なりゆきで公爵様を助ける羽目になってしまい…!?(Amazonより)
不本意、だったか? 救世主っぽくはあったラストシーンだったけれどタイトルに冠するほどか……? と考え込んでしまいましたが、さくっと読めて楽しかった。異世界召喚ものというともっと大きい規模のものを考えてしまうんですが、お話がまゆことジリアンからほぼ動かないから登場人物もさほど多くなく、シンプルなお話でまとめられていました。
まゆこの力の謎とか、カーライルは結局どうなったとか、いろいろ気になるんですが、行くか別れるかの瀬戸際に速攻でメッセージを打つところは、現代っぽく、かつドラマチックなシーンでどきどきしました。
確信する。決心する。
彼は、わたしの運命の人だ。
バーで出会った兼業小説家・高崎に惹かれ恋に落ちた藍。酒に酔った高崎の言葉を「これは運命の恋」と信じ、彼と同居をはじめる藍だが、高崎という男は、多くの女に言い寄られそれを優しく受け入れても決して女を幸せにすることができない――そういう人間だった。しかしそんな高崎も戸惑わせる藍の無垢な愛情は、いつからか止まっていた高崎の筆を進める格好の題材となっていき……。櫻いいよが“恋”を知らない男と女の“愛”を描く、年の差恋愛ストーリー。(裏表紙より)
二十代半ばの女性と、五十代男性の、年の差恋愛小説。
人物の造形やストーリー展開が全部作り物めいていて、読んでいて怖かった。全部まるっとリアリティがないというか。こういう人いるいるっていうのもなければ、藍が高崎を好きになる理由も全然ぴんとこなくて、不思議な読み心地だった。
大人気・激甘読みきりシリーズのパワーUP続編!! 幼いころ野原の国から嫁いできたレイリアは、海辺の王で夫のカイルと念願かなって結ばれた。カイルに優しく激しく愛され、未知の領域に踏み込んでいく喜びに、レイリアの身体は熱く切なく打ち震えて…。そして、すっかり教育されたレイリアが、今度は“愛のレッスン”をする立場に!? 無限の愛に包まれて…どこまでも欲しがる幼な妻の、極上・激甘ラブファンタジー読みきりシリーズ第2弾!(Amazonより)
相変わらずエロコメみたいな展開で笑ってしまうんですが、後半になるにつれて割と真面目に「海の王」と「陸の姫」の別れについての話をしていて、まさかこういうちょっと切ないラストに繋がるとは思いませんでした。永遠にらぶらぶしているのかと思っていた。
いろいろと決着していない感はあるけれど、不思議と柔らかい世界の甘いお話だったように思います。たまにはこういう優しいTL小説も楽しいな。
海辺の国に嫁いだレイリアは、病弱な夫のカイルと会えず、寂しい気持ちを抱えていた。しかし、夜ごと訪れる不思議な影がレイリアを慰めるようになる…。おやすみのキスで始まったやさしい愛撫は、やがてレイリアの柔らかい肌にしどけなく激しく絡みつくようになり…。この影は誰…? もしかして、愛しいあの人なの…!? 眩暈を起こすような熱く甘い快楽に溺れてしまいそう…。官能的なファンタジーロマンス・読みきりシリーズ第1弾!(Amazonより)
当時コバルト文庫でこの作品が出た衝撃を思い出す。
エロコメとファンタジーが合わさったメルヘンなTL小説。健気ながらも何かとえっちい襲われ方をしてしまうレイリアと、海の王として海で暮らす夫のカイルのお話。
いかにもな展開やら男性からのアプローチやらを受けるところがなんというかこう、面白い、というか、笑えてしまう、というか……べたべたなんですけれど軽い読み心地でTL小説らしい可愛らしさがありました。
乙女ゲームの悪役令嬢・セシリアに転生したアラサーOLの神崎真理子。このままでは処刑ENDまっしぐら! 運命を変えるべく、手始めにカイゼル王子(腹黒)との婚約イベントを失敗させようとするが「貴方のような方は初めてです」と逆に気に入られてしまい!?その後も個性の強い攻略対象者達からの求愛が止まらず……!? 怒涛の逆ハーラブコメ!(裏表紙より)
第4回カクヨムコン特別賞受賞作の書籍化作品。悪役令嬢に転生した元OLが、ヒロインの代わりに逆ハー攻略をしてしまうお話。
ゲームの知識以外は現代知識でチートすることもなく、ヒロインのイベントをかっさらい続けるわけでもなく、誰かと協力して自分の願いを達成するわけでもなく……。まるでアプリの乙女ゲームシナリオを淡々と読んでいるような感じだったんですが、最後の最後で、ああ、主人公がセシリアだったからかと腑に落ちました。
あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。ほかの家族が殺されたこの屋敷で、姉のコニーと暮らしている……。悪意に満ちた外界に背を向け、空想が彩る閉じた世界で過ごす幸せな日々。しかし従兄チャールズの来訪が、美しく病んだ世界に大きな変化をもたらそうとしていた。“魔女”と呼ばれた女流作家が、超自然的要素を排し、少女の視線から人間心理に潜む邪悪を描いた傑作。(裏表紙より)
誰しも心の中に抱く、ちょっとした意地悪な気持ちがあると思うんですが、それが小さな村で集団的に大きくなると、憎しみや暴力として降りかかるのは、本当に怖いと感じるんですよね。コントロールが効かない感じ……なんて思っていたら、このコントロールの効かなさが最終的にメリキャットに感じられてぞーっとしました。これ、ある意味語り手を信用しちゃだめなやつですね。
『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』etc…ジブリはなぜ常に予想を超えるヒットを生みだし続けることができたのか。そこには作品の力に加え、プロデューサーである著者と、仲間たちの力があった。「宣伝の本質は仲間を増やすこと」という思想の下、監督と激論を交わし、企業を巻き込み、駆けずりまわり、汗まみれになって体得してきた経験則とは——。秘話満載で綴る、三〇年間の格闘の記録。(裏表紙より)
これまで読んできた鈴木敏夫さんのジブリ関係の本というと、作品とか制作現場の話が多かったように思うんですが、これは鈴木さん自身の仕事、宣伝やプロデュースにかなり筆が割かれています。時代に即して宣伝を変えたり、仲間とどう繋がってきたのかという話があったり、とても面白く読んだ。
個人的にはずっと不思議だったことの理由がわかって納得できました。私は映画の宣伝スポットとか予告を見るのが好きなんですが、ジブリの初期作ってどうも、作品世界とはちょっと違うようなコピーや宣伝ナレーションが入っているような気がしていて。わかりやすいはわかりやすいんだけど、どうしてこう、言い方は悪いんですが「おじさんがファンタジーについてわかりやすく説明している感」があるんだろうと思っていたんですよね。そういう積み重ねでそういう人たちが作ってたからなのかーと思いました。
『CREA Traveller』連載時から人気のガイド・エッセイが待望の文庫化。1995年から続ける個人サイトでは3000軒におよぶレストラン・レビューを書き、おいしい食事のためには労を惜しまない著者が、悩みに悩んで選び抜いた15エリア珠玉の二泊三日旅。旅先の食事は絶対に外したくない人必見の旅(食べ)エッセイ。旅のお供に、かばんにどうぞ。(裏表紙より)
金沢、伊勢志摩、仙台、高知、札幌、広島・尾道、大阪、那覇、長崎、軽井沢、秋田、名古屋、福岡、京都、東京というエリアで、二泊三日するなら何を食べるか、コースを作ってみたという本。二泊三日じゃ足りない! というのが伝わってくるようだった。食時期に行く回数があるから全部回れないものなあ。
食エッセイというよりは紀行文に近かった。これはこれで面白いな。