読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

公子から婚約を打診された伯爵令嬢マリアは、決めた――死んだふりをして、修道院へ逃げようと。なぜなら彼女は伯爵と血縁のない、まがいもの令嬢だったのだ。そこで善は急げと馬車に乗ったのだが、幻獣が棲むガラスの森を通りかかったマリアは、巨大ハムスター(幻獣)に連れ去られて窮地に!? そのとき、颯爽と隣国の王子レイヴァルトが現れて……。幻獣から助けてくれたうえに、夢だった薬師としての場所を用意してくれるなんて、たとえ下心ありでも、助かります!
なぜか幻獣に絡まれまくる少女の薬師ライフラブコメディ!(裏表紙より)
ハムスターの可愛さとおかしみが爆発している。何度ハムスターの動きに笑わされたか。
マリアはとある理由で伯爵の養女になった。親類縁者もそれを認めており、いずれ気の合う一族の若者と結婚すればいいだろうと考えていた。だが公子に見初められてしまい、血縁の娘という経歴詐称がばれてしまえば伯爵家の縁者が罪人になってしまう。というわけでそれから逃げて義理の親族たちを守るべく、修道院に入ることにしたのだけれど、ハムスターたちにさらわれた!
とにかくハムスターですよ。他にも幻獣はいるんですがいたるところに巨大ハムスターがいて、イラストのハムが頭をよぎるわけです。可愛い。可愛いけど怖い。
マリアがしっかりした娘さんで、穏やかでちょっと不思議なところのあるレイヴァルトといい組み合わせだと思います。後半怒涛の展開で明かされたものにはえっとなりましたが、次巻があったらそのあたりの話になるのかな。
とても可愛いハムスターラブコメ(違います)でした。

寿町四丁目にある、通称〈椿屋敷〉。そこに住む柊一は、若くして隠居暮らしをしているため、若隠居と呼ばれている。そんな彼のもとに嫁いできた、十九歳の香澄。しかしそこには秘密があった。ふたりは利害の一致から結婚した、偽装夫婦なのだ。町の相談役である柊一のもとには、たびたび近所から相談が持ち込まれるが——。「家」が語る、わけありな人々の物語。
寿町四丁目〈椿屋敷〉——それが私だ。(裏表紙より)
家という第三者かつだいたいの事情を知っている視点から語る、偽夫婦がちょっとずつ近付くのを見守るお話。二人がぎこちなさがずいぶん可愛くて、上手くいってほしいなあと見守りたくなってしまう。
ご近所の小さな事件を解決したり、椿にまつわる課題を解いたりと柊一が頼りにされているところがわかるのがまたよくて、さらに香澄さんがちょういい子。家庭的すぎるところがあるのでもうちょっとわがままを言ってほしいなあなんて思ってしまうのですが、私も嫁に欲しいです。

仕えている少年王子が大好きすぎる女官サリカ。彼女は、わけあって日ごろから結婚をしないと公言していたのに、急に女官長から執拗にお見合いを勧められてしまう。きっぱりと断っても、女官長は止まらない!無理やり出会いの場を作られ、サリカは窮地に立たされてしまった!!
そのとき颯爽と現れ救ってくれたのは王の騎士ラーシュだったのだが……。この男、なぜかサリカの命令に無意識に従ってしまうようで!?
女官と下僕騎士の王宮ラブコメディ!(裏表紙より)
これ一冊で終わっていなかった! 二人の仲がいい感じに進展したところで、黒幕の謎がわからないままという凄まじく気になる終わり方。
最初からだいぶと説明不足のまま話が進んでいて置いてけぼり感があったのですが、中盤になるとサリカの頑張っているところや苦悩、そんな彼女に惹かれつつあるラーシュなんかが見ていて面白くなってきて、槍試合のところはとても盛り上がって楽しかったです。可愛いなあもう。
しかし物語の見えないところでサリカ父と母がとんでもない人という設定が付与されつつあるんですが、かわいそう……笑 大丈夫?

若き日のフランス滞在で磨きをかけた食の感性、そして美味なるものへの飽くなき探求心。美食の日々を経て「食の神髄は惣菜にあり」との境地へ至り、日常の中の美味に注ぐ情熱はますます旺盛となる。文士や画家との交友など、著者の人柄がにじむエピソードも交えた、食味随筆の傑作。解説・高崎俊夫(裏表紙より)
1976年11月に発刊されたものの復刊。
時代を感じさせる内容なのですが、面白かったのがまずいものやいまいちなものをはっきりそう書いてあるところ。その理由もこれこれこうだからと書かれてあったり、かつて美味しいと感じたものがいまはいまいちとか変化が感じられるのも面白かったです。この人を満足させられたのはどんな味だろうと想像が膨らんだ。

大陸の強国、金椛国。名門・星家の御曹司・遊圭は、一人呆然と立ち尽くしていた。皇帝崩御に伴い、一族全ての殉死が決定。からくも逃げ延びた遊圭だが、追われる身に。窮地を救ってくれたのは、かつて助けた平民の少女・明々。一息ついた矢先、彼女の後宮への出仕が決まる。再びの絶望に、明々は言った。「あんたも、一緒に来るといいのよ」かくして少年・遊圭は女装し後宮へ。頼みは知恵と仲間だけ。傑作中華風ファンタジー!(裏表紙より)
開幕という感じの一冊。さほど大きな事件が起こったり解決に乗り出したりということはなく、謎があるのかもわからないままなのですが、すごくしっかりした印象で面白かった。
遊圭が若木のように成長していくのが一冊を通して感じられて、先がすごく楽しみになるんですよね。彼が何をやってくれるんだろうとわくわくする。状況はすごく悪いんですけどね。

新米植物研究員のまゆこは、突如現れた穴に呑み込まれ…目が覚めるとそこは異世界だった!? 戸惑うまゆこの前に現れたのは見目麗しい公爵・ジリアン。国王を決める闘技に勝つためにまゆこを呼び寄せたものの、なんと人違いだったというのだ。「この国を守ってくれ」――望まれたわけでもないけれど、なりゆきで公爵様を助ける羽目になってしまい…!?(Amazonより)
不本意、だったか? 救世主っぽくはあったラストシーンだったけれどタイトルに冠するほどか……? と考え込んでしまいましたが、さくっと読めて楽しかった。異世界召喚ものというともっと大きい規模のものを考えてしまうんですが、お話がまゆことジリアンからほぼ動かないから登場人物もさほど多くなく、シンプルなお話でまとめられていました。
まゆこの力の謎とか、カーライルは結局どうなったとか、いろいろ気になるんですが、行くか別れるかの瀬戸際に速攻でメッセージを打つところは、現代っぽく、かつドラマチックなシーンでどきどきしました。

確信する。決心する。
彼は、わたしの運命の人だ。
バーで出会った兼業小説家・高崎に惹かれ恋に落ちた藍。酒に酔った高崎の言葉を「これは運命の恋」と信じ、彼と同居をはじめる藍だが、高崎という男は、多くの女に言い寄られそれを優しく受け入れても決して女を幸せにすることができない――そういう人間だった。しかしそんな高崎も戸惑わせる藍の無垢な愛情は、いつからか止まっていた高崎の筆を進める格好の題材となっていき……。櫻いいよが“恋”を知らない男と女の“愛”を描く、年の差恋愛ストーリー。(裏表紙より)
二十代半ばの女性と、五十代男性の、年の差恋愛小説。
人物の造形やストーリー展開が全部作り物めいていて、読んでいて怖かった。全部まるっとリアリティがないというか。こういう人いるいるっていうのもなければ、藍が高崎を好きになる理由も全然ぴんとこなくて、不思議な読み心地だった。

大人気・激甘読みきりシリーズのパワーUP続編!! 幼いころ野原の国から嫁いできたレイリアは、海辺の王で夫のカイルと念願かなって結ばれた。カイルに優しく激しく愛され、未知の領域に踏み込んでいく喜びに、レイリアの身体は熱く切なく打ち震えて…。そして、すっかり教育されたレイリアが、今度は“愛のレッスン”をする立場に!? 無限の愛に包まれて…どこまでも欲しがる幼な妻の、極上・激甘ラブファンタジー読みきりシリーズ第2弾!(Amazonより)
相変わらずエロコメみたいな展開で笑ってしまうんですが、後半になるにつれて割と真面目に「海の王」と「陸の姫」の別れについての話をしていて、まさかこういうちょっと切ないラストに繋がるとは思いませんでした。永遠にらぶらぶしているのかと思っていた。
いろいろと決着していない感はあるけれど、不思議と柔らかい世界の甘いお話だったように思います。たまにはこういう優しいTL小説も楽しいな。