読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

県立三ツ木高校に赴任した庸一は、野球部の監督を任せられることに。初戦敗退常連チームに、野球経験のない素人監督。だが今年の選手たちは、二年生エース月谷を中心に「勝ちたい」という想いを秘めていた。やがて迎えた夏の甲子園地区予選。初戦の相手は名門東明学園。弱小チームと青年監督の挑戦が始まる…!! 少年たちの熱い夏を描いた涙と感動の高校野球小説集。
勝ち残りたい。一日でも長く。(裏表紙より)
「監督になりました」「甲子園からの道」「主将とエース」の三本。前の巻に当たる『雲は湧き、光あふれて』から引き続きの登場人物がいます。
この本は三ツ木高校を中心にした作品で、若杉監督、エース月谷、後に主将になる笛吹の三人がメイン。子どもたちの野球を見守る大人の視点も、野球をやる子どもの視点も、どっちもすごく説得力があってリアルで大変面白かったです。
読みながら心は大人側にあって、若杉の姿勢がいいなあと思ったり、記者の泉の見守りの視線に頷いたりと、甲子園という場所を目指す野球部員たちを応援する気持ちになっていました。三ツ木のみんなの今後がもっと読みたいなあ。
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念願かなって27歳で中途入社した出版社で、喜びも束の間、“あそこは特殊”と噂の男性誌「ANDO」編集部に配属になった文香。いきなり振られたのはAV女優のインタビューに添い寝クラブの体験記事、雑用の嵐をかいくぐって出かけた取材先では先輩のいやがらせ!?「もう自信ないよ……やっていけるの? 私……」編集長の不穏な行動、特ダネ合戦の意外な結末、謎のゲリラメール——アワアワで半泣きの日々の中に文香の居場所と幸せは見つかるのか!? 勇気と元気とやる気がもらえる、一気読みお仕事ノベル!(裏表紙より)
中途採用で、きらきらしい編集部ではなく特殊な男性誌「ANDO」に配属されてしまった文香。冒頭はともかく、だらだら不満を述べることなく仕事をこなす文香は、さすが中途採用だなあと思わせる。
事件もちょっと心がざわっとするくらいで大きな失敗もなく、周りに大事にされて助けられて、文香は仕事を一つ一つやり遂げていく。周りがいい人だっていうのは読んでいて安心感があっていいなあ。
仕事がメインなので恋の話は少しなのですが、作田さんといい感じだったけれどその後どうなったのかものすごく気になりました。

大志を抱き、二十三歳でフランスに渡った著者が、夢に体当たりして掴み取ったものとは? 「早くゴールしないほうがいい」「効率のいい生き方をしていると、すり切れていってしまう」。激流のように過ぎゆく日々をくぐり抜けたからこそ出てくる、熱い言葉の数々。料理人にとどまらず、働く全ての人に勇気を与えたロングセラー、待望の文庫化。(裏表紙より)
仕事のやり方って生き方に通じるなあ。本当に人それぞれだ。
フランスで働いたときのこと、職場や同僚の話を交えつつ、斉須さんが何を感じてきたかというエッセイです。
居心地のいい働き方って幸せな人生につながると思うんですよね。代表されるのが掃除とか綺麗にしているということで……と思って自分の部屋の汚さに打ちひしがれる。
自分という個性を最後にきちんと表現出来る環境。それでいてみんなが協力し合える場所。すごく難しいことだけれどそういう場所で働くのはすごく素敵だと思うし羨ましいと思います。そんな天国が本当に存在しているのか……?

四大公家のひとつ《黒狼公》となったヤエトのもとに、砂漠に巣食う盗賊を捕縛しようと第二皇子の使いがやってくる。その盗賊団と接触を試みたヤエトは、自らの恩寵の力と対になる未来視の力を持つ女性と出会い…。一方、兄である皇子同士の激しい後継争いを目の当たりにし、衝撃を受けた皇女は、ヤエトの助けを得ながら、自らの進むべき道を模索し始める。——陰謀と謎が渦巻く中、ヤエトの過去視の力が視た『真実』とは!?(裏表紙より)
読んだのは幻狼版。
二巻の下巻。北嶺にいるはずの皇女がやってきてしまったことから始まって、暗躍する皇子たちの一人に恩を売ろうという話。そして物語全体に関わってきそうな、「世界の罅」と呼ばれるものに世界が脅かされていることがちらりと明かされる。相変わらず命を狙われながらふらふらになっているヤエト先生……らしいというか、お大事にというか。
皇女はヤエトに導かれて王道を行くんだろうなあ。この世界の行く末に関わらされてしまったヤエトも気になりますが、彼女の未来もすごく気になります。いやしかし面白いなあこの作品。


蛮族との戦で傷ついた北嶺部の復興のため、病弱な体を押しながらも奮闘するヤエト。そんな彼に、皇女の推薦で貴族に出世するという「悪い知らせ」が飛び込んでくる。失意の中、新年祭のために皇女と都に向かった彼は、その式典の最中、さらなる衝撃の事実を知らされることとなる……。妹尾ゆふ子の人気ファンタジー、待望の続編が登場!!(裏表紙より)
読んだのは幻狼版。
前に読んでからだいぶと時間が空いてしまった。
隠居願望を持ちながらも周りが放っておいてくれない、巻き込まれ体質のヤエトはついに逃げられないような高貴な身分に叙されてしまう。めんどくさいとぼやきながらも、見事に采配しているヤエトはやっぱり有能なんだなあとしみじみします。根がいい人なのでみんなに好かれるから、みんな助けてくれて、いいキャラだなあ。
ただ助けてくれるだけでなくちゃんとお互いの利があった上で、相手のことを信用・信頼しているというのがいいですね。
スーリヤの思いはどうなるんだろう。続きが気になる。


1940年代、次第に狂気を暴走させるナチスドイツ。SS将校アルベルトはユダヤ人虐殺部隊と怖れられた特別行動隊の任務に赴き、この世の地獄を見る。一方、司祭を志していたマティアスも衛生兵として召集された前線で、自らの無力を噛みしめていた。地獄の底で再会した二人は、思わぬ共通の目的の下、ローマを目指す。その先に待つのは、絶望か、希望か。心を揺さぶる衝撃の結末が待つ歴史ロマン巨篇完結(裏表紙より)
棘はとげでも、いばらの方だったか……。最後の最後にタイトル回収していくの、憎いなあ……。
マティアスはひたすらに神への道を歩みながら自分にできることをやり通した、と思ったところで、アルベルトの行動の真の意味が明らかになって。彼もまた自らにいばらを課して、自分自身を貫き通したのだということがわかって、胸が苦しくて仕方がなかった。お前、お前な……! と言ってがくがく揺さぶってやりたい。
どれだけ苦しかっただろう。孤独だっただろう。その氷みたいな心でどうしてそこまで進めたんだろう。最後にマティアスと会ったとき、どんな思いでその笑顔を見せたのかと思うと、涙が溢れてきてしまう。
凄まじい作品でした。

1935年、ドイツ。若く優秀な保安情報部員アルベルトは、党規に従い神を棄てた。そして上官のハイドリヒから、ヒトラー政権に反発する国内カトリック教会の摘発を命じられる。一方、アルベルトの幼馴染マティアスは、大恐慌で家族を失くし、修道士として静かに生活していた。道を分かたれたはずの二人が再び出会ったとき、友情と裏切りに満ちた相克のドラマが幕を開ける。全二巻連続刊行の歴史ロマン大作(裏表紙より)
息苦しい作品。歴史ロマンとは銘打たれているものの、この、誰にも救うことのできないであろう絶望感が、作中のドイツという国には漂っている。
アルベルトの冷ややかな態度と悪魔的な仕事ぶりには、多分最後にはすごい絶望と希望を見せられるんだろうなと思いつつも、後半のイルゼとのすれ違いぶりにはかわいそうに思いつつも自業自得とも思ったり。いやそんな言葉ではくくれない状況が、この国で生きているとたくさんあったんだろうなと思う。
マティアスはどのようにしてアルベルトに牙をむくんだろう。

深夜、鉄骨を振るい人を襲う亡霊「鋼人七瀬」。それは単なる都市伝説か、本物の亡霊か? 怪異たちに知恵を与える巫女となった美少女、岩永琴子が立ち向かう。人の想像力が生んだ恐るべき妖怪を退治するため琴子が仕掛けたのは、虚構をもって虚構を制する荒業。琴子の空前絶後な推理は果たして成功するか?(裏表紙より)
現代物で推理ものなんですが、異界のものが普通に出てきたり、何度死んでも生き返る青年がいたりと、ファンタジーの要素あり。
鉄骨を振るう鋼人七瀬は、インターネットの虚構により生み出され強化されたもの。これを退治するには、ネットの大多数が支持する「存在する」という定義を書き換えなければならない。そのために、岩永と九郎、巻き込まれる形で紗季が行動する。
「まとめサイト」がなんたるものかを知っていれば、おおっと思わせる展開で、しかし読みながらネットの存在が怖くなってしまった……。
イワナガヒメに対して岩永琴子、コノハナサクヤビメに対して、紗季(さく)と六花(はな)なのか! という、ラストまでおおっと思わせてくれて面白かったです。

季節は初夏。今日も図書館塔最上階、秘密の小部屋で読書にふけるヴィクトリカの頭上に、金色の書物が落ちてきた。そこには〈未来の汝よ。我は愚者なり。そして汝、愚者の代弁者となりて、我が愚かなりし秘密を暴け!〉とメッセージが。時を同じくして学園にやってきた謎の人物。そして、時計塔で起きた密室殺人……知恵の泉のもと、すべての謎がひとつになるとき、王国の禁忌が白日のもとに!? 人気ミステリ、急展開の第4巻。(裏表紙より)
時計塔と錬金術師の謎を解く第四巻。大いなる事件の準備って感じもしつつ、一弥とヴィクトリカの関係も少しずつ進展している感じがあって、わくわくするなあ。まだ出来事は学園の内側とその周りって感じがあるけれど、ここから世界が広がっていくんだろうか、どうだろうか。
ヴィクトリカとアブリルのやり取りが、子どもか! って感じで可愛らしかった。二人とも普通の女の子と違うからなあ笑