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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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暁の王女 名を持たぬ聖女と紫の王 (コバルト文庫)
エインズレイ王国の第二王女アイリーンが幼い頃に恋心を抱いた相手は、姉の婚約者ヴェンツェルだった。いつまでも捨てられなかった恋心は実ることもなく、ヴェンツェルは姉と結婚してしまう。初恋に破れたアイリーンは、戦場で敵味方問わず治癒活動をする「名を持たぬ聖女団」の一員として活動を始めるが、どこかの国の兵士に捕まり、傷付き臥せったひとりの青年を癒やせと言われ——!?
私が自分の意志で、彼に付いていきたいの!(裏表紙より)

『最後の王妃』の子ども世代のお話。最初「王族でありながら臣下の養女になるってどんな状況だ?」と思ったんですが、『最後の王妃』を読んでいたら納得。ルクレツィアとメルヴィンの娘として生まれたアイリーンは、ルクレツィアの恩人でもあるティアナとクラウスの養女となる。王と王妃が最も信頼を置く二人の娘として育てられ王籍から外れるものの、実の兄妹たちとは仲がいい。けれど姉の結婚相手であったヴェンツェルへの思いを捨てきれないでいたところ、すべてを忘れるために「名を持たぬ聖女団」の聖女(国境なき医師団のような活動をする女性)の一人として活動を始める。
さすがアイリーンの娘として育てられただけあるというか、ちょっと世間知らずなところはあるものの前向きで行動的な娘さん。思い込みが強くて生真面目なところはルクレツィアそっくり。
自分に何ができるのかを考え、自分の幸せを最後に選べてよかったなあという気持ちはあるんですが、できれば聖女としての仕事をまっとうしてほしかったなあというところもあり……。本当に逃避として人を救仕事をしていたように思えて、少し残念かも。彼女の聖女としての行動が何か実を結んだのかどうか知りたかったです。
しかし随所にいいシーンがたくさんあってよかった! ティアナとクラウスの出会いに介入していたということもそうだし、何よりラストシーン。末妹のマーガレットと幼い頃のアイリーンが重なるようなシーンはとても素敵でした! 読後の余韻が素晴らしかったです。
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最後の王妃 (コバルト文庫)
ルクレツィアは、15歳でアウガルテン王国の皇太子妃となった。しかし皇太子シメオンは一度も彼女の部屋を訪れることはなく、後日、シメオンがマリーという下働きの娘を愛していると判明。ほどなく国王が崩御し、ルクレツィアは王妃となった。そして側室となったマリーが懐妊。それでも王妃としての務めを果たそうと懸命なルクレツィアだったが、隣国に攻め込まれた王国は敢えなく陥落し…?
激動の時代を駆け抜けた少女の、運命と恋の物語!(裏表紙より)

正妃でありながらないがしろにされているルクレツィア。それでも王が愛しているマリーを受け入れようと様々な助力をする。すべては自分は王妃であり国を守るものであるという矜持のため。
本当にルクレツィアが不憫で! マリーの無邪気な悪意には腹が立ったし、親子三人で無理心中された時には呆然としてしまいました。だからこそルクレツィアの気高さが光るわけですが、あんまりだよ……十代の女の子の輝かしい喜びを何も知らないままで……。
国が落ち、王妃でなくなったルクレツィアの日常に現れたのは、ティアナという少女。彼女の遍歴もものすごくて(さすが最初主人公に据えられていた子だ……)、美人で愛想がいいかと思えばとてもしたたか。でもそれが嫌味じゃないんだよなあ。一見相性が悪そうな二人に思えたのですが、ルクレツィアの真面目さとティアナの明るさがうまく噛み合って、旅をしている間はなんだか楽しそう。
ルクレツィアは最後には幸せになれたようでよかったよかった。ちょっと甘い終章はご褒美のように感じました。
惑星童話 (コバルト文庫)
西暦22世紀。天才宇宙飛行士アーノルドは、宇宙船のクルーとして大活躍している。
しかし、誰もがあこがれる彼の仕事には、大きな副作用があった。ひとりだけ時間の流れからとり残されてしまうという、とても悲しく、つらい副作用が…。
肉親との絆をも断った彼は、ある少女と出会った。そして…。
時空を越えた、感動SFロマンの決定版!(裏表紙より)

須賀しのぶさんのデビュー作。「惑星童話」と「惑星童話 オイディプスの惑星」の二本を収録。秀逸っていう言葉が浮かぶほど、丁寧で読みやすいSFです。
雷光船と呼ばれる超高速移動宇宙船のクルーになるには素質が必要。そしてクルーになると、その宇宙空間移動の影響で浦島効果と呼ばれる、地球とクルーとでは時間の流れが異なるという現象が起きてしまう。アーノルドがたった四十日宇宙を旅している間に地球では十五年の月日が流れ、航行を繰り返す度に知った人がいなくなっているという。
そんな中、姉の子どもで姪であるクレアと出会い、少女だった彼女は再会した時には妙齢の女性になっていて、あなたに会いたくてクルーを目指してきたという……もうロマンしかない。ロマンしかないよこれ! 叔父と姪という禁断の関係ではあるんですけれども、宇宙に引き裂かれる二人というシチュエーションはすごくいい。
さらっと書かれていますがアーノルドの親友コジマもいい男で、アーノルドが知らない間に生まれた子を養子にして育ててるんですよね。いい男すぎる。
「オイディプスの惑星」はその養子となったアーノルドの子ども、リチャードの話です。この二つの話には共通の話題として「氷の王様の物語」と「惑星アドラス」があるのですが、最後には二つが綺麗につながって、とてもよかったです。
しかしあとがきのテンションの高さにちょっと笑ってしまった。「ブラック・ベルベット」でも「流血女神伝」でもこんなテンションは高くなかったように思ったので、大学四年生であとがきを書く当時のテンションってこんなだったのかあと思いました。
身代わり伯爵と白薔薇の王子様      (角川ビーンズ文庫)
第五師団の同僚・アレックスは見た!! ミレーユ扮する男装のミシェルを見守る(つけまわす!?)、ロジオンの異様な眼差しを!! 果たしてロジオンの思惑は!?「身代わり伯爵と危ない保護者」。その他リヒャルトのために開かれる二人だけの甘い晩餐を描く「身代わり伯爵と真夜中の料理教室」や、フレッドとセシリアの初めての出会いを描いた著者渾身の長編書き下ろしなど6本を収録。爆笑&ラブ満載(初心者歓迎)の外伝集!!(裏表紙より)

「身代わり伯爵と午後の訪問者」「身代わり伯爵と姫君の宝物」「身代わり伯爵と内緒の追跡」「身代わり伯爵と危ない保護者」「身代わり伯爵と真夜中の料理教室」「身代わり伯爵と白薔薇の王子様」の六本。アルテマリス編からシアラン編までの小さな話が集まった短編集です。
アルテマリス編のミレーユとリヒャルトがまだ距離があって初々しくてかわいい。リヒャルトの甘い台詞、昔からそうだったとか思ってたんですが、花嫁修業に入ってから砂糖をまぶして激甘に変化してるんだなと気付いて苦笑しました。
そんな主役たちもかわいいのですが、シルフレイアとカインも、フレッドとセシリアもかわいいですね。「白薔薇の王子様」ではセシリアが恋に落ちた時、そしてフレッドがこの人と決めているらしい様子が描かれていてにこにこ読みました。嫌われ役を引き受けていることを自覚してにこにこと楽しそうなフレッドはすごいなあ。作中でも言われてましたけれど、どんな嫌がらせもさらりとかわしてしまう彼はかっこいい。じわじわ気づいてましたけど、フレッドって最高にかっこいいですね。
身代わり伯爵の花嫁修業  III 禁断の恋の手記 (角川ビーンズ文庫)
花嫁修業に明け暮れるミレーユの元へついに、太后から最後の試験が出された!! それは巷で大流行の、禁断の恋の手記の作者を捜すこと。同じ頃、ミレーユが所属する第五師団に加入したリヒャルトの従兄・フィデリオは、彼女が扮するミシェルにご執心!! ミレーユは男装中にフィデリオに唇を奪われ、大パニックで頭突きをくらわすが!? リヒャルトに恋のライバル出現!! 花嫁修業と二人の恋の行く末は!? 大混乱の第三弾!!(裏表紙より)

花嫁修業編第三巻。登場人物がずいぶん多くなってきましたが、誰の話を読んでも楽しいのはすごいことだ。
次シリーズの伏線になりそうな、リヒャルトのライバルになりそうなフィデリオが登場して、ミレーユにちょっかいをかけてくる。いいねえいいねえ! 取り合って二人のらぶらぶっぷりに打ちのめされてしまえー!
エドゥアルトパパとフレッドの娘離れ・妹離れが寂しいけれど微笑ましかったです。ミレーユが嫁に行くのはもうちょっと先のはずなので、パパがんばれ……笑
気になっていたレルシンスカの顔がわかる挿絵が登場して、すごい美女ぶりに「これは近衛騎士になったら大評判だぜ……」と思ってしまいました。シアラン宮廷のごたごたは続きそうだけれども、頼もしい仲間たちが集っていて楽しいです。
身代わり伯爵の花嫁修業  II 嵐を呼ぶ花嫁合宿 (角川ビーンズ文庫)
いちゃいちゃ禁止令をくらい、密かに禁欲生活を決意するリヒャルト。無邪気に拷問のような新婚ごっこを仕掛けるミレーユ。次なるミレーユの試験は、リヒャルトの元花嫁候補の中から、自らの側近候補を選ぶことだった!! 花嫁合宿の途中、本命候補と目されていた令嬢が、リヒャルトの寝室にあらわれた!! 一方のミレーユも告白されている現場を見られてしまい——!? W浮気疑惑勃発!? 大波乱の花嫁修業編、第二弾!!(裏表紙より)

ミレーユをはじめとした令嬢たち(リヒャルトの元花嫁候補多数)が参加する交流会が始まる。今度のミレーユの試験は、自分の側近となるような人物を見出せ、というもの。
リヒャルトの禁欲生活がかわいそうで楽しい。にやにやしてしまう。もどかしいだろうなあ(にやにやにや)
側近候補の令嬢たちは一癖も二癖もあり、ミレーユと同じようにある意味修業というものに行ってしまった人たちもいますが、彼女たちが戻ってきて勢ぞろいしてくれるのが楽しみです。
リヒャルトの過去に関係があるらしい、レルシンスカが自分の好きなことができるかなり有能な人なのようなので活躍を期待します。ひとまずミレーユと争うことがなくてよかった!笑
身代わり伯爵の花嫁修業  I 消えた結婚契約書 (角川ビーンズ文庫)
リヒャルトと婚約したミレーユは、男装で第五師団員として働きながら、ラウールの下でスパルタ妃教育を受けるという二重生活を送ることに!! そんなミレーユに太后殿下は妃修業の第一試験として、ミレーユと大公の消えた結婚契約書の行方を捜すように命じる!! 一方リヒャルトは娘命の舅・エドゥアルトに結婚の許しをもらいに行くが——!?「命を狙われるのも花嫁修業のひとつですわよ」ラブ増量!! 波乱の新章スタート!!(裏表紙より)

前巻の『〜誓約』を読んだのがほぼ五年前でひいって叫びました。積みすぎィッ!
書き付けた感想を読むと、とにかくおめでとうって感じだったらしいので、さて「花嫁修行」というからにはどんな甘いラブコメなのかと思ったら、糖分増量、爆笑成分も増えているようで、たいへん楽しく読みました。
やっぱり花嫁としての「お試し」は王道だよねー! っていう感じで、けれどミレーユも少しずつ大人になったのか暴走っぷりは控えめに、うまく立ち回ろうと頑張っているのが見えてかわいいなあと思いました。でもリヒャルトの「早く結婚したい」には噴きました。したいよなー結婚なー!
そしてやっぱり王道、相手の婚約者(候補?)の存在! 続きが楽しみだ。
烙印の紋章〈2〉陰謀の都を竜は駆ける (電撃文庫)
 初陣で勝利を飾り帝都へ凱旋したオルバ。都では皇帝の専横が目立ちはじめていた。反皇帝派の不穏な噂を耳にしたオルバは、真相を探るため建国祭の大剣闘大会に出場することになる。反皇室派のほかにも、ガーベラからの使者ノウェ、ビリーナに敵意を燃やす皇太子の義妹イネーリ、オルバを操ろうとするフェドムなど、帝都は様々な思惑の坩堝と化す。
 そんな中、オルバは皇太子と剣闘士、二つの役割の間で揺れ動く。一方、ビリーナはオルバへの複雑な想いと、異国の姫という立場の間で思い悩む。はたして二人の関係と帝都を舞台にした政争の行きつく先は——!?

電撃文庫は読みづらいと感じる時があって、1巻を読んでからちょっと間が空いてしまいました。2巻目です。
うつけ皇子の身代わりになったオルバが、ギル皇子として戦ったことで評判をあげてしまい、加えて周囲もものすごい勢いで変わっていこうとする不穏な状態。メフィウス皇国と他国の情勢、皇帝の専横、奴隷たちの反乱などなど。オルバは、剣闘士としての自分と身代わりであるギル皇子としての自分、どちらにいるべきなのか悩み始める。またギル皇子の死の真相にも近付きつつあり。
オルバがどんどん戻れないところに行ってしまっていく感じがして、なあ……。立場や環境が違えばこうも見えるものが違うのかという気がする。できれば彼には国を変えてほしいけれども、そうするとオルバがいなくなってしまうんだろうという予感がして。
あとビリーナとの関係もちょっと進展したようで微笑ましい。この二人が共闘することがあれば嬉しいな。
封殺鬼 帝都万葉 (ルルル文庫)
武見志郎が手にした曰くありげな簪には、黒い蛇のような影が絡みついていた。一方、神島桐子はに二人の鬼・戸倉聖と志島弓生を連れて東京に入り、悪夢騒ぎを追っていた。二つの出来事をつなげる鍵は、簪に覚えがあると語る記憶喪失の「しゃべる達磨」で……? 大人気シリーズ、待望の新作が登場! 周囲から結婚を迫られつつある桐子と、彼女を憎からず思う志郎の関係にも進展が!?(裏表紙より)

鵺子ドリより一年後。十五歳になっている桐子が再び東京入り。というのも京都の実宅から、そろそろ結婚をと見合いを迫られているのから逃げ出したようで。
全体としては嵐の前の静けさという感じで、桐子と志郎の仲にも進展あり。というかだいぶといったな! 志郎の自覚が早かったのは当然かとも思ったんですが、桐子も動き出すとは思わなかった! なんだか変だという自覚はあったのね! ありがとう!
そうして悩む志郎に啖呵を切った桐子のかっこいいこと。そうだったこの子そういう子だった! というのが感じられてうれしかったです。
封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈5〉 (ルルル文庫)
『人喰い』の予告が届いた。「見せ物としては最後の『人喰い』でこれからは本来の目的に使う」との知らせであった。西洋魔術でいう錬金術が完成し、バケモノを兵士として使う目処がたったというのか? なんとしても阻止せねばならない、そのためにまずは魔人を倒す。しかし相手が軍部と組んでいる以上、軍部と衝突は避けたい。そこで魔との最終決戦を前に桐子が考えた手段とは?! シリーズ完結編。(裏表紙より)

鵺子ドリ鳴イタの完結巻。犬養毅暗殺の時期と絡めて、この国がどんどん混沌としていく予感を覚えた最終巻でした。
乙夜と真明が二人で一つの錬金術師(魔術師)であるというのとか、人体実験とか、軍部とか、昭和初期のオカルト要素を味わえて楽しかったです。主人公側も影の側に属しているので、裏で動いているっていうだけがもったいないくらい。光の部分ももう少し味わいたいなあなんて欲が出てしまう。だからか、聖の言動が楽しくって仕方がないです笑
志郎がどんどん優しくて広いいい男になっていくので、桐子との恋模様が見たいなあ! ということで、次のシリーズを読みたくなりました。
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Author:月子
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