読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

続刊行決定!! の注目シリーズ第二弾。千年王国では、二十歳を過ぎれば嫁き遅れ。規格外ヒロインのクリスティーナ、通称・骨董姫ことクリスと訳あり侍女(♂)のステファニーちゃんが大活躍の連作短編ミステリー! 今宵も華麗なる千年王国、プルーリオン公爵領メリーディエスの街は平和ながらも賑やかなようで……? クリスが欠伸まじりに観劇に向かったのは、本物の「ガラスの靴」が使われているという噂もある、話題の歌劇『シンデレラ』。しかし上演開始直後、劇場は暗転!? 煌めく「ガラスの靴」が姿を消してしまい……? 『ガラスの靴より輝く靴(リアル・ジュエル・スリッパー)』より。/あろうことか骨董姫を狙ったスリの少年を、ネームレス・ジャックと名付け公爵城に迎えることになったクリスだが……? 『我が麗しの若き騎士(マイ・フェア・ボーイ)』より。「かたや睦言」「かたや脅迫」W王子からの求婚ラブコメ『ガラスの靴はいりません! シンデレラの娘と白・黒王子』の少し前のお話――。(Amazonより)
電子オリジナル。『ガラスの靴はいりません!』の前日譚で、クリスとステファニーが領内の事件を解決する連作短編集。謎解き要素があったり、クリスの賢さが際立っていたり、お裁きが清々しかったりと、面白かったです。
クリスが本当に頭のいい女性なんだなあと思いつつも、自堕落っぷりが羨ましくてならない笑 いや、ちゃんと考えてぐうたらしているんですけど、ここまで清々しく「公爵家を途絶えさせるために放蕩します」とやりきる覚悟があるのはすごいと思います。
有能侍女のステファニーちゃんは、クリスに夢中なんだなとわかるところもあり、このまま二人で突き進んでいってほしい。
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千年王国では、二十歳を過ぎれば嫁き遅れ。かつては「比類なき一粒真珠」と称えられたクリスティアナも、今やぽっちゃり上等な三十路となり、色恋とは無縁の放蕩生活を謳歌していた。ところがある日……王国の美しき双子の王子から、なぜか同時に求婚されて!? 「僕を愛して」「俺を欲しろ」…もちろんお断りなクリスティアナは全力逃亡しながらも王子と自身の過去に向き合うことになって……?(Amazonより)
三十路、ぽちゃぽちゃで、贅沢ばかりの放蕩生活を送るクリス。彼女の両親は身分違いの恋を遂げた王子と庶民の娘で、戯曲シンデレラの題材にもなった二人だ。そんなクリスは父親から、この公爵家の歴史を終わらせろと言われ、結婚もせず財産を食いつぶすことに精を出している。
という状況で、次期国王と目されている双子王子から求婚を受けてしまう、逆ハーレムものです。
この双子王子の攻勢がかなり気持ち悪くて笑 でも同じことを言葉を変えながら繰り返されるの、コメディ感強くてめっちゃ好きです。双子の二人から迫られるから楽しいんだよなあ。
隠しキャラ的なステファニーちゃんもいい味が出ていて、楽しかったです。

五人の候補者が次期女王の座を競う小国デルリゲイリア。ある日、花街の化粧師であるダイの下に、女王候補の遣いと称する男ヒースが現れる。ダイの腕を見込んだ男は、専属の職人にとダイを誘うが、主となる娘は“最も玉座から遠い”と言われていて!?「わたしにできることはただひとつ。あなたを、あなたが望むように美しくするだけ」グランドロマン開幕!(裏表紙より)
序盤も序盤で、もっと先が読みたい! と思わせる作品でした。面白い!
花街の娼婦の子どもとして生まれて化粧師として生きるダイは、女王候補の使いであるヒースに引き抜かれ、ミズウィーリ家の女王候補マリアージュの化粧師となる。だが癇癪持ちでわがまま、世間知らずのマリアージュは容姿のこともあって誰からも期待されていない。もちろん自身も失意の底にいる……。だがダイの化粧と言葉が少しずつ彼女を変えていこうとする。
大きな物語の一部だけなのでもうほんと、もうちょっと分厚くして出してくれないか!? という気持ち。ここからじゃないですか! ここからめっちゃ面白くなるやつ! もおおお!!(だんだん!)って感じです。
ここまででも長期シリーズになってほしいなあという面白さなので、次巻めっちゃ待ってます。

侯爵令嬢テレジアの身代わりとなったエリシアは、王子・ロイバッシュに求婚されてしまう。美しい赤い髪をもち『緋色の闘神』と呼ばれて恐れられているロイだったが、激しい執着と甘すぎる相武でエリシアを快楽に染めていく。「すべて私のものだ」絶え間なくロイに愛を囁かれ惹かれていくが、彼の側近に別人ではないかと詰め寄られ…!?(裏表紙より)
浅いところをなぞるような話……というのか、台本を読んでいるような簡素さでびっくりしました。TL小説って濃厚なラブシーンが必須ではなかったのか。
エリシアはどこまでも流されていくのはさすがにちょっとなあ。もうちょっと「本当のことを言わなくちゃ」って葛藤してほしかった。こういうジャンルの作品はヒロインに甘いのはわかっているんですけれども。

「そっか、ママってバツイチなんだー」
「えっ、あのおじさんが、パパだったの」
「妹だけはパパと血がつながってるなんて、ずるいと思う」
「ママ、化粧濃いけど最近、男でもできた?」
「俺、父さんの歴代の彼女、みんな知ってんだよね」
子どもたちの素直な本音に泣き笑い! 6つの家族の実話。(カバー折り返しより)
「cakes」のウェブサイトに連載されたものと書き下ろしを加えたもの。離婚家庭の子どもと保護者から聞き取ったものを再構成したもので、まるで短編小説を読んでいるかのようで読みやすく、面白く、ちょっといい話になっている。
実際は当事者ってすごく複雑で苦しかったんだろうけれど、大人びた子どもたちの眼差しが愛おしいなあ。大人にならざるを得なかった部分もあるけれど、なんというか、しなやかな感じがあってすごくいい。

瑞燕国で最下層とされる尹族の少女・玉瑛は、皇帝の「尹族国外追放」の勅命により、下女として働いていた貴族の屋敷を追われた。山中を彷徨う玉瑛は追いついた騎兵に斬られ、尹族差別の元凶となった皇帝の側室・柳雪媛への恨みを胸に意識を失ってしまう。意識を取り戻したとき目に入ったのは、見知らぬ女。高価な調度品。そして女が玉瑛に呼びかけた。「雪媛様」と。(Amazonより)
奴婢である玉瑛は、主人に虐げられ、搾取される少女。ある日殺されそうになったところを逃げ出したが、騎兵に斬り捨てられる。そうして死を覚悟したはずだったが、玉瑛の心は過去へ飛び、尹族差別の元凶となった柳昭儀に入り込んでいた。
素性の知れぬ、だがさぞ名のあったことだろう老師に教えを受けていた玉瑛=雪媛は、その知識を「予言」として用いて未来を変えようとする。そうして自らを切り捨てた男、いずれ将軍となる青嘉を手元に置くが、不信感を募らせる彼は雪媛の素顔を知るようになり、惹かれあって……。
転生ものめいた、時空跳躍のような設定を用いた中華風ファンタジー。時間ものは大好きなんですが、後半の流れがたいへんに熱く、青嘉が未来にたどり着いたところから展開がもう「うおおおおおお」という感じで、とてもよかった。もう終わりなの!? っていうここから始まる予感のあるラストも大変よかった。きっと雪媛はやり遂げたんだろうな……。だから不幸な転生も跳躍もこの世界線では起こらなかったんだと思います。そう信じたい。

未婚のプロ、ジェーン・スーの真骨頂!
理屈より気分を優先する女子メンタリティは、社会的弱者に宿るからこそ輝くもの。社会経験とコズルイ知恵と小金を備えた女たちが「女子! 私たちはずっと女子」と騒ぎ出したら、暴動みたいなものです。(カバーより)
ものすごく頭のいい人が書いた女性向けエッセイだ(小並感)みたいな感想を抱いてしまった。
四十代である著者は、二十代三十代、社会に出て働いていたことや、家族間の関係などを綴るエッセイ。解放されたいという感情にあふれていて、もしかしてまだ解放されていないのだろうかと思いながら読みました。自分を取り巻く状況、自分自身を振り回す感情や、どうしようもない社会を本当に変わらないなと諦めている素振りさえ感じる。すごくわかるんですけど、読み終わった後ちょっともやもやしました。思うように生きればいいんだけど、じゃあ私はどうしようかって考えてしまった。

オープンリー・ゲイである歌人の鈴掛真が、LGBT、特にゲイについての素朴な疑問に答える。初恋はいつ? ゲイだと自覚したのはいつ頃? もし友達にゲイだと打ち明けられたら? などLGBTを考える入門書。
非常にわかりやすくて面白かった。文章が柔らかくて優しい。心地いい文を書く人だなあ。
「いつゲイだと自覚した?」とか「初恋は?」など定番の質問にも答えつつも、「それは男女間だったらこういう理由なので失礼」など言い換えてくれるのがわかりやすい。セクシャリティの問題って同性間でもやっぱり不用意に踏み込むべきではないから、ちゃんときっちり言ってくれるのがすごくよかった。
LGBTの人に特権を与えるのではなく、マイナスのものをゼロに戻そうしているだけだという言葉には深く頷いた。差別とか平等化ってそういうものだと思う。でもそれを特権だと考える人が多いんだよな……。

後宮で生きながら帝のお渡りがなく、また、けして帝にひざまずくことのない特別な妃・烏妃。当代の烏妃として生きる寿雪は、先代の言いつけに背き、侍女を傍に置いたことに深く戸惑っていた。ある夜、後宮で起きた凄惨な事件は、寿雪が知る由もなかった驚愕の真実をもたらす、が——。烏妃をしばる烏漣娘娘とは何か? 烏漣娘娘がおそれる「梟」とは一体誰なのか?
烏妃とは、なにも望まず、ひとを遠ざけ、ただひとり……(裏表紙より)
シリーズ2巻。孤高の妃が不思議な力を持って謎解きをし、皇帝や周囲とのふれあいで少しずつ心を温めていくお話、だったのですが、この巻はすごく「ひとりぼっち」の感覚が強くて、だからこそかすかなふれあいや誰かを思うことがより強く感じられるものだったように思います。
烏妃誕生のきっかけになった香薔や烏漣娘娘の話は次回かなあ。高峻の周りも徐々にきな臭くなってきているようだし、悲しい結末にならないといいけれど、と思いながらも二人が凛と立つ姿をこの先最後まで見守りたいと思う。