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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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女子刑務所 知られざる世界
女子刑務所と受刑者を取材し、『婦人公論』に連載されたものをまとめた一冊。
ざっくり説明しているような印象を受けつつも、女子刑務所の「最後の福祉」の部分はとても興味深く読みました。受刑者も高齢化かあ。この本は2013年の発行ですからいまはまたもっと割合が増えているんだろうな……。
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チポロ
ひ弱で力のない少年だったチポロは、ある日彼を哀れんだツルの神が自ら矢に当たったことにより少しずつ生きるための力を蓄えていく。チポロの日々が変わり始めた頃、幼馴染の少女イレシュが魔物たちによって連れ去られてしまう。それから三年後。自らの無力を悔いたチポロは自身を鍛え上げ、弓矢の良き使い手になっていた。そんなときイレシュらしき「氷の魔女」の噂を聞き……。

アイヌ民族を描く児童文学。無力な少年がめきめきと力をつけて、幼馴染を助け出すべく旅立つ。そして彼には神様であるオキクルミにまつわるとある秘密が。
力強くて優しいお話で、神様と人間の違いを描きつつも、人はそれでも強く、善性を信じて生きていてほしいと願いが込められているように感じました。結構オキクルミもその部下であるヤイレスーホも勝手なんですが、それがまた人間臭くて面白い笑
ヤイレスーホとイレシュは異種族恋愛か!? とわくわくしてしまったんですが特にそういうことはなく。ヤイレスーホがかわいそうな終わり方でちょっと残念……ロマンスがあっても楽しかっただろうなと思う少女小説脳です。
女子校力 (PHP新書)
「女子校っぽいよね」——同性にはすぐにピンとくるらしい。モテることより先に笑いをとりにいく、基本は他人に関心がない、余計なことをつい言ってしまう……一見すると、好き放題。
そんな女子校出身者は社会に出て、冷たい視線にさらされる。異性もいる職場での女子どうしの監視。男性上司のメンツがわからない。
「世間知らず」。誇りとコンプレックスの狭間で悩む彼女たち。でも空気を読まずに自分を主張できることこそ、新しい時代を生き抜く力では。ここにきて一部で人気が上昇! なぜいま女子校なのか? 78名の取材から見えてきた、いまどきの女子校育ちの強さと存在感のヒミツ。(裏表紙より)

学校のことは全然詳しくないので、女子学校に「名門」「進学校」なんてジャンルがあるとは思わなかった。がっつりお嬢様系の学校もあれば勉強を主体としてキャリア育成する学校もあるのね。面白い。
女子校出身ならではの功罪というのか、女子校はだいたいのものが受け入れられる楽園で、けれど大人になるとコミュニケーション能力に問題があるように自覚されて……という成長の仕方には、そういうこともあるのかあと興味深く読みました。女子校にはいじめがあるともないとも聞きますが、いまはまたどうなんだろうな(この本は2013年の本)。やっぱりスクールカーストが存在してるんだろうか。存在していたとしても緩いんだろうか。
女子校の話をしながら最終的に成人した女性たちが社会でどのように生きているか、何を感じているかという話も軽くまとめてあって、最終的に女性の社会進出の話に結論したのはへえーと思いました。知らない世界で面白かった。
世界のへんな肉
地域紙の記者を経て世界放浪の旅に出た著者。訪れた国は100にのぼる。その国でしか食べられない肉や魚がある。驚きの肉や魚とそれを食べたエピソードがまとまった一冊。初出は「おとなの週末.com」の連載「世界一周"仰天肉グルメ"の旅」。

すごく面白かった。インドで牛という比較的ソフトなものから始まって、羊の脳みそ、ラクダ、キリン、アルマジロ、カブトガニなどなど。食べた国でのエピソードとともに、食べた料理と味の感想もあり、すごく興味をそそられました。
そそられたんですが、あんまり美味しくなさそう……笑 そういう風に食べるっていうことはいままでそうやって食べられてきたってことなんでしょうが、すごく野性味あふれているのでなんとか美味しく調理できないものかなあと読みながら考えてしまった。
ダチョウは食べたことがあるので、兎やカエルくらいは一回食べてみたい。
後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)
後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという——。時の皇帝・高峻は、ある依頼のため烏妃の許を訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す禁忌になると知らずに。
誰もが知る"彼女"の、誰も知らない正体。(裏表紙より)

面白かった! あわいの世界を描きながら中華後宮ものという、華やかな場所を選びながらもしっとりとした雰囲気を楽しみました。
なにせ語句の選び方が綺麗なんだよなあ。中華ものはどっしりした印象があるんですがこの作品は語句が優美で綺麗な気がして、雰囲気にとても合っていたと思います。
後宮ものなのでどろどろかと思いきや、そうしたものとは薄い壁を一枚隔てたところにあって、謎解きも妖しのものとそのわざを用いていて美しくてファンタジックだなあと感じました。こういう柔らかくてしとやかなお話、好きです。恋愛に振り切らないところもとてもよかった。
夏は終わらない 雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)
弱小野球部の三ツ木高校は、エース月谷と主将笛吹のもとで確実に実力をつけていった。急成長を遂げるチームの中、捕手の鈴江は月谷の投球に追いつけず苦しむ。一方、ライバル東明学園の木暮も、思わぬ乱調でエースナンバーを剥奪される危機に。それぞれが悩みと熱い想いを胸に秘め、最後の甲子園へ向けて走り出す!! 感動の高校野球小説、クライマックス!
まばゆいほどにきらめいていた、あの夏。(裏表紙より)

雲は湧きシリーズの三巻目。三ツ木高校のメンバーで長編になっています。
いやあ本当に面白かった。高校野球の描写も人間関係も爽やかで、年頃の少年たちの悩みとか野球に打ち込むことの懊悩を気持ちよく書いていて、読んでいて楽しくなりました。やっていることは野球だけれど相手を思うこととかチームであることなど、個人としての立ち位置やスタンスがあるよなあとよくわかる。こういう「みんな違う」ことを描いている作品、大好きです。
マネージャーの瀬川さんに後輩が出来た話、嬉しかったなあ。自分のしてきたことをちゃんと見ていてくれる人がいて、後を継いでくれるってすごく嬉しいことだ。
エースナンバー 雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)
県立三ツ木高校に赴任した庸一は、野球部の監督を任せられることに。初戦敗退常連チームに、野球経験のない素人監督。だが今年の選手たちは、二年生エース月谷を中心に「勝ちたい」という想いを秘めていた。やがて迎えた夏の甲子園地区予選。初戦の相手は名門東明学園。弱小チームと青年監督の挑戦が始まる…!! 少年たちの熱い夏を描いた涙と感動の高校野球小説集。
勝ち残りたい。一日でも長く。(裏表紙より)

「監督になりました」「甲子園からの道」「主将とエース」の三本。前の巻に当たる『雲は湧き、光あふれて』から引き続きの登場人物がいます。
この本は三ツ木高校を中心にした作品で、若杉監督、エース月谷、後に主将になる笛吹の三人がメイン。子どもたちの野球を見守る大人の視点も、野球をやる子どもの視点も、どっちもすごく説得力があってリアルで大変面白かったです。
読みながら心は大人側にあって、若杉の姿勢がいいなあと思ったり、記者の泉の見守りの視線に頷いたりと、甲子園という場所を目指す野球部員たちを応援する気持ちになっていました。三ツ木のみんなの今後がもっと読みたいなあ。
編集女子クライシス! (だいわ文庫)
念願かなって27歳で中途入社した出版社で、喜びも束の間、“あそこは特殊”と噂の男性誌「ANDO」編集部に配属になった文香。いきなり振られたのはAV女優のインタビューに添い寝クラブの体験記事、雑用の嵐をかいくぐって出かけた取材先では先輩のいやがらせ!?「もう自信ないよ……やっていけるの? 私……」編集長の不穏な行動、特ダネ合戦の意外な結末、謎のゲリラメール——アワアワで半泣きの日々の中に文香の居場所と幸せは見つかるのか!? 勇気と元気とやる気がもらえる、一気読みお仕事ノベル!(裏表紙より)

中途採用で、きらきらしい編集部ではなく特殊な男性誌「ANDO」に配属されてしまった文香。冒頭はともかく、だらだら不満を述べることなく仕事をこなす文香は、さすが中途採用だなあと思わせる。
事件もちょっと心がざわっとするくらいで大きな失敗もなく、周りに大事にされて助けられて、文香は仕事を一つ一つやり遂げていく。周りがいい人だっていうのは読んでいて安心感があっていいなあ。
仕事がメインなので恋の話は少しなのですが、作田さんといい感じだったけれどその後どうなったのかものすごく気になりました。
芙蓉千里
明治時代、人買いを探して自ら身を売ったフミは、海を渡り、遥か哈爾濱の地にいた。「酔芙蓉」という名の娼館でお職となることを目指すフミだったが、秘められた才能が見出されたとき、やがて芙蓉の名を戴くようになる。

古い時代の少女たちの物語。状況はだいぶときついんですが、フミの出世物語的な要素が強くて安心して読みました。恋の部分は、やっぱり揺れてしまうようなあとはらはらしてしまったんですが、彼女の選択がどこに行き着くのかとても楽しみ。
フミとタエだけでなく、酔芙蓉の女郎たちもそれぞれ魅力的で、最後に千代のシーンはしんとした気持ちになりました。彼女たちは花だなあと思う。

芙蓉千里 (角川文庫)
調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)
大志を抱き、二十三歳でフランスに渡った著者が、夢に体当たりして掴み取ったものとは? 「早くゴールしないほうがいい」「効率のいい生き方をしていると、すり切れていってしまう」。激流のように過ぎゆく日々をくぐり抜けたからこそ出てくる、熱い言葉の数々。料理人にとどまらず、働く全ての人に勇気を与えたロングセラー、待望の文庫化。(裏表紙より)

仕事のやり方って生き方に通じるなあ。本当に人それぞれだ。
フランスで働いたときのこと、職場や同僚の話を交えつつ、斉須さんが何を感じてきたかというエッセイです。
居心地のいい働き方って幸せな人生につながると思うんですよね。代表されるのが掃除とか綺麗にしているということで……と思って自分の部屋の汚さに打ちひしがれる。
自分という個性を最後にきちんと表現出来る環境。それでいてみんなが協力し合える場所。すごく難しいことだけれどそういう場所で働くのはすごく素敵だと思うし羨ましいと思います。そんな天国が本当に存在しているのか……?
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Author:月子
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