読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
1世紀から中世末期にかけて、古代の呪術文字であるルーン文字が碑文などに残され、ヨーロッパ大陸やその周辺地域で広く発見されている。その豊かな歴史のなかで、ルーン文字はさまざまな目的で用いられてきた。ルーン文字は実用的な目的で、あるいは呪術を目的として、数多くの遺物に刻まれた。そして暗号、謎かけ、詩などのかたちで、神託をたまわる道具、呪術的なシンボル、暦として使われてきた。職人や石工たちの記録としてメッセージを伝えたように、ルーンは個人でも使われ、また古い落書きにも見られる。本書では、その魅力的な例をいくつか紹介した。(Amazonより)
この双書、統一されたデザインとオーロラ箔が美しいんですよね!
小さくて薄い本なんですが、ルーン文字の入門書らしくイラスト付きで文章も少なくて想像力を掻き立てられて好き。ぎっちり読むのも面白いんですがこういう本もいいよなあ。シリーズ集めたい……。
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突如失踪した人気小説家・遥川悠真。その背景には、彼が今まで誰にも明かさなかった少女の存在があった。
遥川悠真の小説を愛する少女・幕居梓は、偶然彼に命を救われたことから奇妙な共生関係を結ぶことになる。しかし、遥川が小説を書けなくなったことで事態は一変する。梓は遥川を救う為に彼のゴーストライターになることを決意するが――。才能を失った天才小説家と彼を救いたかった少女、そして迎える衝撃のラスト! なぜ梓は最愛の小説家を殺さなければならなかったのか?(Amazonより)
小説家という神様を抱いていた被虐待者の少女は、その神様本人に助けられ、彼とともに半ば一緒に暮らすようになる。小学生から中学生、そして高校生。けれど彼の破滅を認められなかった彼女は彼の罪の共犯者となる。
まあ途中でわかりますよね、誰が誰を殺すかなんて。神様は人に殺されるものなんですから。梓の罪は、本当はただの人でしかなかった遥川を神様に仕立てたことと、自分が彼の神様めいた聖域であったことに気付かなかったことだ。
終盤の展開が、予想できたのにうわー! と叫びたくなってしまうもので、神様を殺せる人間なんだから同じ人にはそんなことたやすいっていうのも、まだ心に神様の声がしているラストも、がんがん胸を殴ってきてすごかった。
巫女失格なの--ユミィはシェルティスにそう告げる。千年獅・ホルンとの因縁から、自分を追いつめるユミィ。そんな中、強力な幽幻種が発見される。ユミィは、討伐に向かうホルンと、ある“勝負”をするのだが--(Amazonより)
第三勢力との邂逅の後。再び護士候補生として昇格を目指すシェルティスたちの一方、ユミィの成長と世界の秘密に接近するための準備巻という感じでしょうか。
ちらちら登場する別シリーズの存在が気になるなあ。イリスやミクヴァの緋眼はそっち関連ですよね。
作中の台詞のように今回シェルティスは裏方メイン。ユミィと同じように彼も陰ながら彼女を支えているんだよなとわかる台詞もあり、二人の覚醒のときが待ち遠しいんですが、物語が動くときでもあるので怖くもある……。
まがいものの伯爵令嬢だとバレないように、死んだふりをして婚約話から逃げ出した少女マリア。彼女は、夢だった薬師になる後押しをしてくれた、隣国の王子レイヴァルトと想いを交わし、婚約することに。しかし、王城で女王達から歓迎された矢先に異常事態が!? なんと、最近ニンジンをくわえた変人がどこからともなく現れるらしく……。幻獣の血を引く王族に執着する変人から、レイヴァルト様達の平穏を守るために、新しい薬を作り出してみせます! 幻獣に愛されまくる少女の薬師ライフラブコメディ第3弾!(裏表紙より)
晴れてレイヴァルト王子と恋人関係になったマリア。青の薬師でもある彼女に惹かれる幻獣たちなので、その血を引いているセーデルフェルト王国の王族にももてもてで、という今回。
女王陛下と王弟殿下がものすごくマリアらぶなのが楽しかった笑 女王陛下の言動がものすごく熱烈で。家族仲がぎくしゃくしている噂があって、という偽装の話もありましたがこの様子をみていると遠からずばれた気がします。母も息子もお互いの立場を理解して尊重している感じ、読んでいて安心感がありました。
幻獣に嫌われるレイヴァルトの体質を改善できるか? というのもテーマである今回。個人的にめちゃくちゃ笑ったのは、うさぎに襲い掛かられる彼の「ああ!」という叫びでした。違う! 嬉しそうに叫んでる場合じゃない!!(ばくしょう)
婚約も成立したので、是非とも続刊では結婚式をよろしくお願いします!
「帝国の人間と婚約していただきましょう」前世、帝国の女性騎士だった記憶を持つオルウェン王国の男爵令嬢リーゼ。彼女は、死の間際に帝国の重大な秘密を知ってしまった。だからこそ、今世は絶対に帝国とはかかわらないようにしようと誓っていたのに……。とある難題を抱えて、王国へ視察に来た皇帝の女官に指名されたあげく、騎士シディスと婚約することになってしまい!? その婚約を解消するため、前世仕込みの戦闘能力で、皇帝達の抱える問題を私が解決します! 秘密を抱える女官の転生婚約ラブコメディ!!(Amazonより)
魔法と長寿をもたらす原初の光を抱えた国で騎士として生きていた前世。今世はそれとはまったく逆の国で、女性らしさとは縁遠い性格のまま婚期を逃しつつあるリーゼは、少年時代を知る皇帝の女官に抜擢され、秘密を知ったせいで側近の騎士シディスと婚約をするはめに、という転生もの。
てっきり皇帝と結ばれるのかと思ったら、騎士の方か!
いやあもう皇帝だけじゃなくシディスのことにも気付いてあげてと何度思ったか! めちゃくちゃ押してきているのが丸わかりなのに、リーゼの鈍感ぶりにもだもだしました。従兄くんめっちゃ可哀想だし笑
オルウェンでのリーゼの扱いがひどかったので、帝国で幸せになれるのかすごく気になる。歓迎されるといいなあ。
両親を失い、伯父の家に引き取られた綾乃。村祭の夜、サーカスから逃げたアナコンダに襲われた彼女は、危ういところを箒に乗った魔女に助けられる。魔女の正体は、村に来ていた女性民俗学者。怪我を負った綾乃は、救い主の母校で治療を受け、そのまま入学することに。だがそこは、妖怪たちが魔女と一緒に魔法を学ぶ奇妙な学校だった。第2回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。(裏表紙より)
閉塞感を感じる地方の暮らしの冒頭、そこから飛び出して生き生きと動き始める物語の面白いこと! 前半を過ぎたらぐいぐい読んでいました。
確かにこれは「RDG」で「ハリーポッター」だ。私たちが愛する物語を読んできた人が書いたお話だ、と思ってすごく嬉しかったです。
伯父夫婦に引き取られた綾乃はわがままを言わず、本を読むのが好きな少女。みんなに内緒だけれど山に住む白蛇のアロウという恋人もいる。ある日村の祭りで巫女役をやったことからアナコンダに狙われ、村に滞在中だった民俗学者の由希恵に助けられる。実は彼女、横浜にある人ならざるものたちの通う特別な学校を出た魔女だったのだ。
かくして人ならざる「妖魅」なるものたちが通う学校の一員となった綾乃。そこでの常識を知らない綾乃なので飛び交う専門用語なり決まりなりに戸惑うけれど、どんどん目覚めるようにして活発になって、できることが増えるようになるのが楽しい。
冒頭で白蛇のアロウと婚約を交わすのも異類婚姻譚好きとして大変どきどきしたんですが、学園生活での特別な男子生徒となる雪之丞がどのように絡んでくるか構えていたものの、彼、本当にいいやつでな! 意地悪かと思ったら、本の話で綾乃と通じ合えるところが微笑ましくて。
学校生活から一転する第三部、ものすごく意外な展開でびっくりしつつ、全部そこに収束するかあああ!!! と叫んで叫んで、最後はにっこり、幸せなため息をついて読み終わりました。第三部の重要な要素であるタイムスリップ、盛り込みすぎじゃないかと思ったんですが綾乃とアロウ、そして雪之丞の関係の決着としては最高の展開でしたね。こんなにきれいに、面白く決着した三角関係も珍しい。
楽しかったです。続編読もうっと!
竜と絆を結びし人々――竜使い。彼らの故郷である翡翠の里が一夜にして滅びた。ただ一人生き残った少女ミュースは、里を滅ぼした者たちへの復讐を誓い、旅に出る。そして二年。〈千年凍土〉の奥深くで、かつて三つの国を蹂躙した禁断の黒竜シャグランの封印を解き放つ。美しい青年の姿で現れたシャグランは、ミュースに問う。「俺が欲しいか、小娘」それが大きな罪であると知りながら、ミュースは頷く。「いいだろう。ならば、俺はおまえのものだ」悪鬼にも等しい竜を道連れに、ミュースはゆく。これは、血と慟哭と、愛の物語。(Amazonより)
竜使いの里長の娘に生まれたミュース 。だが一族と里が一夜にして滅び、ただ一人生き残ったミュースは復讐を誓って、封印された黒竜シャグランを解放した。伝説では悪として語られるシャグランは、しかし伝承の残虐性とは裏腹に不器用な優しさや気遣いを見せてくる。復讐の道を進むミュースの強張った心に、彼の存在は大きく影響し始めるが。
最高の! 人と竜のお話!!! こんな素敵な作品があったなんて知らなかったー!! 一巻しか出ていないのがくやしいいいいいい!!! 続きが読みたああい!!!
三つの国を滅ぼして封印された残虐な黒竜(人間の姿だと長髪美青年)。
復讐を誓った放浪の果てに枯れ枝のようになりつつも心を燃やす里長の娘(どうも彼女自身知らない役目を課せられている様子)。
この! 二人が! 「俺が欲しいか」「欲しい」と! 力を欲してぎこちなくも主従関係を始めて! 本当に心をつなぎ合わせる過程が尊すぎてうおおおおお!!!(大興奮)。
口が悪くて粗暴なシャグランが、ちゃんとミュースを見ていて、かつての主人と重ね合わせつつ優しくして、武器として戦うところがもう、もう! 隠していることはちゃんと話してあげてよおおおおと何度がくがく揺さぶってやりたくなったか。国を滅ぼさなくちゃならないわけがあったんだろうなあ、それは翡翠色の瞳の持ち主に関わることなんだろうなあ、なんだったら裏切り者ユージーンの理由に関わるに違いないよなあ! と妄想が膨らむ。
よき竜×少女の作品でした。竜好きの方におすすめしたい。
ユミィ護衛任務中のシェルティスの前に現れた、最強の錬護士筆頭イシュタル。シェルティスは、かつて剣を交わした彼女に正体がばれることを心配するが、イシュタルは謎めいた笑みを浮かべるばかりで……(Amazonより)
世界を守る巫女と、知られてはならない秘密を持つ双剣使いの少年、幼なじみが約束を胸に戦うファンタジー、第五巻。
5巻は錬護士筆頭イシュタルが登場。千年獅に最も近いと言われる実力者だけれど本人はそこに留まったまま。どんな人かなーと思ったら、煙に巻くような可愛らしい口調の妹大好きお姉ちゃん。何か秘密があるようだったのでこの人も世界の秘密に関わる人かなあと思っていたら、ものすごく意外でものすごく納得がいく目的で滾りました。こういう理由で戦う人、めちゃくちゃ好き。
天結宮でも統政庁でもない第三の組織が関係していると判明したところで幕。想像はつくのでそろそろ大きくお話が動く頃合いかなあ。
不思議な力で奇跡を起こす「緋術」は、人前では使ってはいけないと分かっていたのに――。人助けのためにとっさに緋術を使ってしまった少女モニカは、案の定捕まり、牢屋に入れられてしまった! とある目的のために旅に出たのに、明日には処刑されてしまうなんて、絶対にイヤ!! 兵士の青年ロイの目をかいくぐって脱獄できたし、少年姿になれば大丈夫だと思っていたけれど……。偶然知り合った彫金師エリオに少女だとすぐにバレてしまって!? 恋に鈍感な少女のラブファンタジー。(Amazonより)
現国王の政策によって迫害されている特殊能力者、緋術師。その隠れ里に住むモニカは母のために探し物をするため遠くの街に向かったものの、力を使ったことで捕らえられてしまう。なんとか脱獄し、親切な彫金師の少年に助けられたものの、捕まれば大変なことになってしまう。モニカは目的を果たせるのか?
全体的に可愛らしい、メルヘンチックなファンタジー。動物と話し、命令する力があるモニカですが、特殊能力者というより本当にごくごく普通の、世間知らずのお嬢さん。素直な良い子なのでみんなに助けられつつ、同じく鈍感なエリオと束の間ののんびり旅をする。
最終的には鈍感ながらも三角関係になる模様ですが、エリオが優勢すぎてロイの当て馬感が哀れでちょっと笑ってしまった。