読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
南十字島に泳いでやってきた少年・タクトは、島の住人であるワコとスガタと出会った。スガタは島を統べる家に生まれ、ワコは彼の許嫁、そして、綺羅星十字団と呼ばれる組織に狙われる四方の巫女だ。サイバディなる巨大な人形に乗り込んだタクトは、銀河美少年と名乗り、綺羅星十字団と戦う。この島に眠るサイバディは封印。ワコを始めとする四方の巫女、そしてスガタは、そのためにこの島から出られない。その宿命を壊すために。
本放送時に「意味分からんけど分からんなりにすごい面白いからちょっと見てみて」と布教したりもしたのですが、やっぱりわけが分からなかったよ! 冒頭が新映像だったので新しい話をやるのかと思ったら、そこと最後だけか! しかし相変わらず「あれはなんだ」「銀河美少年だ!」の流れに噴く。
本編はアニメ本編の総まとめで、三人組の関係の変化がメインだったように感じます。タクトが男前! スマートに友人を大事に思っていたり、熱く行動したりするところが、かっこいい主人公だ。ラスボス周辺の事情がやっぱりあんまり触れられないので、補足が欲しかったなーと思いました。コメディ部分をかなり削ってあったので、シリアスでストレートな話になっていたんですが、やっぱりワコの妄想は外せないのか……と苦笑いでした。
四方の巫女の描き方が好きなんです。好きなんです。巫女が交代するところ、巫女が自分の季節が来たと感じるところなど。本放送でバスに集ったときは興奮したことを思い出します。そしてやっぱり歌がいい。
最終的に冒頭のシーンにかえるのはいいんですが、サイバディを倒して外に出ておきながら、島の外でまたサイバディと戦っているというのはどういう状況なんだろう……。ワコもスガタも力を使えているし、特にザメク、お前はなんなんだ! と見終わった後に悶々します。続き作るつもりだったのかなあ。見たいなあ……。
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己の身体を取り戻すため、旅を続けているエドワードとアルフォンスは、脱獄した囚人メルビンが不思議な錬成陣を用いたことに興味を引かれ、彼を追う。その途中、同じく囚われていたジュリアという少女に出会った兄弟は、谷底に住むミロス人の状況を知ることになり……。
ど派手なアクションと、劇場版だというのに骨太なストーリーで、思ったよりも面白かった……。エルリック兄弟の罪と罰はそれほど描かれず、この世界に存在する錬金術師の業が、人と国を巻き込んで、呪いのように取り巻いているという話。その呪いに囚われた人を、今そこから逃れようともがいている兄弟が助ける、というストーリーだったでしょうか。
すみません、見た時期が悪かったと思うのですが、谷(底)の街、人々特に子どもから慕われ、戦う人々の旗頭になっている少女、飛行装置という小物がどうも姫姉様を思い出してしまいました(ちょうど金曜ロードショーの日だった)。ちょっとした言動(機械鎧技師のゴン爺や、ジュリアにお守りを渡す女の子)や、ジュリアの描き方(戦いに赴く前の膝抱えポーズ、怒り狂って剣を振り回すところ、力を得た時に膨らむ髪)などが、狙ってませんかという……。ジュリアが若すぎるせいでカリスマが足りない姫姉様だわ……と思ってしまった。
しかしそれにしてもアクションが派手で、うまいこと動くのでわくわくした! 最後は駆け足だったけれど、一つのお話になっていて面白かった。ジュリアを大事にしすぎて他のヒロインたちがちょっと唐突でしたが、みんな可愛いのでよし。
予告にありましたが、緑色の光を放っている兄妹のシーンが好きです。あの光の放ち方がすごく切なくて、どこのシーンか楽しみにしていました。
自身の行ってきたことを背負い、過去を負って生きているエドとアルが、自分たちと同じところに落ち込まないよう、人を助ける。二人らしいところがたっぷり見られて面白かったです!
十一年に一度の祭りを前にした聖十字学園町。燐、雪男、しえみの三人は、ファントムトレイン討伐任務にあたっていた。しかしその任務の最中とある祠を破壊したことで、封印されていた悪魔が姿を現してしまう。幼い少年の姿をした悪魔を監視する燐だが、うさ麻呂と名付けて親しくなっていく。
青エクでお祭り騒ぎするよ! という話で、とにかく燐を愛でようという映画だった気がしました。兄弟の険悪さはちょこっとだけ。仲間周りも薄く、しえみも特に目立ったことをするわけでもなく。燐が主人公らしい男前さと無謀さで、やっぱり彼が好きだなーと思いました。悪魔と友達になるという燐らしさと、悪魔は悪魔なんだという雪男の真っ直ぐさがきっちり描かれているので、燐が燐らしいところをとことん描いた劇場版という印象です。
よく動いて戦うし派手だし、背景美術が美しくて好きだ! 本編は和洋折衷な、洋風寄りの現代日本的な世界観だったように思うのですが、劇場版はアジア系で赤い色が素敵ですごく好み! 雑多な感じがすごく好きだー!
何故これを見ようと思ったのかというと、サントラがすごく好きで、音楽が聞きたかったせいもあったのでした。やっぱりいい曲だった。
近付くクリスマス。数組の男女がそれぞれその日を迎える群像劇。
マーティン・フリーマンが出ているので見ようと思ったのと、ちょうどクリスマスイブだったので!
楽しかった。ロマンチックだしくすっとできるし、幸せなカップルはよいものです。恋がうまくいかなかったり、頑張ってみたり、切ない気持ちを抱いて笑ってみたり。それぞれの方法で恋をしているところがいい。幸せな気持ちになりました。
役者さんの豪華さがすごい! この人見たことあるー! という人がいっぱい出ている。ビル・ナイさんの弾けた演技がすごく好き! 吹き替えもすごくぴったり。それから首相がめちゃくちゃかわいいー!! 政治家なんだから有能でしたたかなはずなのに、可愛いってどういうことやねん! とにやにやもだもだしてしまった。それからそれから、サム役のトーマス・サングスターがこれでもかという美少年でもう、もう……!! 走っていく男の子はすごくいい。大好きだ。血のつながらないお父さんとの関係もにこにこして見てしまった。
楽しかったです!
悪魔祓師のジョン・コンスタンティンは、この世ならざるものが見える。かつて犯した罪により地獄行きが決まっているが、その行き先を変えようと、神の恩恵を受けるために悪魔祓いを続けていた。そのうち、悪魔が人間界へ干渉しようとしているという異変に気付いて……。
CV.小山力也の威力。
などと思ってすみませんでした。スーツ×くたびれたおにいちゃんで小山ヴォイス、威力強すぎでした。すんげー楽しかったです!! 元がアメコミなので狙いまくりな展開やら何やらの連続で、そのチープさに笑っちゃったり楽しかったりしました。やっぱりキャラクターがいいなー! コンスタンティンもですが、ガブリエルも、魔王も、美味しい美味しい! っていう人たちで、にやにやして見てしまいました。
しかし、一番よかったのは、あっさり恋愛脳にならなかったことです!! キスしないの本当によかった! 「おおーっと、ここでキス……しなかったァー!!!」という脳内実況の楽しさよ。悪魔祓い師として我が道を突き進むコンスタンティンが、他の人に関してはあんまり重きを置いていないらしいところが見ていて楽しいです。ちゃんと手を貸してくれる友人を思ってはいるのですが、うまいこと表に出せない不器用さが見ていてかわいい。かっこいい仕事持ち男子(ストイックだとなおよし)にときめこうと思ったのに何故私はスーツのおにいちゃんをかわいいと言っているのだろう……。
とにかく面白かったです! 面白かったです!
目覚めると列車に乗り、見知らぬ女性と会話していたスティーブンス。状況を確認してみると、どうやら自分はまったく別人になっているらしい。直後、列車は爆発。再び目覚めたスティーブンスは、自分が八分間だけ列車の中のショーンなる人物になり、列車爆破事故を皮切りに始まる連続テロ事件を阻止する任務に就いていると知る。八分間だけを繰り返し、果たしてテロの最初の事件は阻止できるのか。
ループものと聞いたので見てみることに。やっぱり時間ものって面白いなあ! 繰り返す中の、ちょっとした異なりや、登場人物の心理的負担でぎりぎりになっていくところが、面白くて好きです。神経をすり減らしてループするって、いい……。気付きつつあったけど、上手い閉鎖空間ものが好きなんだな自分と思いました。
途中からそういうことなんだろうという予感はあったけれど、改めて突きつけられる辛さとか。知ってなお助けたいと思うほど短い時間の中で芽生えた思いとか。たぎるわー。時間ものは想像の余地があって楽しいです。段々頭の中がごちゃごちゃになりますが! ぎりぎりしている中で、はっとするシーンがあってすごく面白かった。
広告代理店に務めるヘレンは、会社を首になったその日、地下鉄に乗り損ねる……が、もう一つの時間軸では乗車に間に合い、隣席に座った男性ジェームズと知り合い、帰宅すると彼氏ジェリーの浮気現場を目撃する。一方、地下鉄に乗れなかった方のヘレンは同棲しているジェリーの浮気に気付かないまま、彼のためにウェイトレスの仕事を始める。
運命の分岐点で一人の女性の人生が変わる。平行世界、バタフライ効果が作用した二つの人生を交互に追っていく物語。途中からどちらも不幸になるんじゃないかと思って頭を抱えて見ていました。同じような出来事、しかしそれが起こる人が微妙に違うところがもうはらはら。
ジェリーとジェームズ、不誠実と誠実さがラストではっきり描かれているのが面白い。本気で探してくれるかどうか、でジェームズがどんな人間なのかは分かったのですが真実を口にしてもらえるまでどきどきしました。そして、この真実がラストに大きな効果と予感をもたらす。ネタバレになるから言えないのだけれど、今度は不幸にはならないだろう。最初の台詞が最後にまで生きるというのが、本当にうまいなあ!
平行世界ものの「バタフライ・エフェクト」は痛いくらい必死に世界戦を越える物語でしたが、この「スライディング・ドア」は誰も分岐点の存在に気付いていないおかげで、はらはらするのはこちらだけでほっと見れました。誰かが痛い想いをしたり必死に足掻いたりするのもすごく、すごく面白いのですが胸がきりきりしてしんどいので……。こういう気楽な平行ものも面白いと思いました。
自宅が取り壊されることに抗議していたアーサーは、友人のフォードに「自分は宇宙人で、あと十分で地球が消滅する」と告げられる。自宅が破壊されている最中、ヴォゴン人の宇宙船が襲来、地球は消滅してしまう。何が起こっているかわからないアーサーに、フォードは宇宙で一番売れたという自著「銀河ヒッチハイク・ガイド」を読ませる。そうして、宇宙大統領ゼイフォード、トリリアン、ロボットのマーヴィンに出会ったアーサーは、とある星に行くべく旅を始める。
原作がスラップスティックSFシリーズで、イギリスでは大人気の作品だという前情報と、マーティン・フリーマンが主演だということで見ました。チープでバカなSF映画でした。冒頭の「魚をありがとう」で半笑いの顔を妹に向けたら爆笑された。
「魚をありがとう」とは、人類は自分たちを地球上で一番賢い存在だと思っていたが、実は三番目。二番目だったイルカは地球が滅びるという銀河の立ち退き警告を知っていたので、大抵が優しい人類にもそれを伝えようとしたが、輪くぐりしたりボールを突いて遊んでいるとしか思われなかったので仕方なく地球を後にする、その別れの歌、です。長い。
人類の驕りやイルカのくだりもそうですが、「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」についてスーパーコンピューターに尋ねた結果、「42」という意味不明な答えが算出され、その答えに該当する「究極の問い」の存在が不明というのも、かなり皮肉がきいています。全編ジョークがきつすぎてどこでどんな顔をしたらいいのか分からないの……。
銀河のおかしなところや発明品や、宇宙人の設定が楽しい。メインメンバーではゼイフォードが馬鹿で面白かったんですが、アーサーがもうちょっと振り回されてたらよかったのにと思います。舞台っぽいと感じたり小説らしい話運びで、出てきたものの意味が後から驚くようなものだったりするところがおおっと思いました。
出演者のビル・ナイさんが好きだ。特典映像の演技って、何かのパロディなのかな。しかしかっこいいよなあ……。
生まれたときから孤児院に暮らすエヴァンは、常に世界に満ちる音楽の音色を聞いている。それは、きっと両親からもらったものだと信じて。ある日、その音楽に従って孤児院を抜け出し、ニューヨークを訪れたエヴァンは、偶然出会った浮浪児の少年アーサーと、彼ら子どもたちを束ねて音楽をやらせて稼いでいるウィザートという男に才能を見出され……。
耳を澄ませば音楽が聞こえる、両親からくれた音楽だ……というモノローグから泣かせにくるので涙腺を引き締めるのに苦労しました。最初に涙腺が決壊したのは、ジェフリーズがエヴァンと懇談している時、口笛を吹いて聞かせて、この子は何か違うなという表情をして自分の電話番号を渡すところ。ちゃんと気付いてくれる人がいるんだ、この子はきっと大変な思いをするけど大丈夫だ、という希望を感じて涙。早い。
このエヴァンの物語の間に、十一年前の彼の両親の出会いと現在の二人の物語が入ってくるのですが、音楽に導かれた二人がエヴァンのいるニューヨークにやってくるところから、いつ会えるのか、本当に会えるのかはらはらどきどきする。子どもが生きていることをようやく知らされたライラと、音楽を諦めライラを忘れようとしていたルイス、それぞれの気持ちも分かる気がして、こちらもどきどき。
エヴァンは音楽が父母からもたらされたものだと信じ届くように奏で、彼を拾ったウィザードは音楽の力を信じているようで金儲けの道具にしている。父ルイスにとっては苦い思い出と夢。音楽に見出すものは人それぞれ。家族三人がゆっくりと近付いてくるところもあって、音楽は神様のものだというのを強く感じました。
感動した。涙が出た。いい話だった。オススメ、ありがとうございました!
森の中、壁に囲まれた封鎖された学校には、五つの寮に最年少は赤、最年長は紫のリボンをつけた少女たちが暮らしている。最年少として入ってきたイリス、校長に選ばれることを望むアリス、卒業を控えたビアンカ……彼女たちはどこへ行くのか。
少女、箱庭学園、というイメージに引かれて見始めましたが、冒頭から水のシーンが始まったのでそういう予感しかしませんでした。恐いんですよ! 水=女性=性のイメージが! そうして初っ端から棺に横たわっている裸体の少女が出てくるので、もう腹をくくりました。性的倒錯(少女趣味。ロリータ)が感じられる作品なので、最後まで見るとあてられました……若干酔った……。
最上級生に懐く最年少のイリスと、卒業していった生徒を失い反発する最年少から一つ上がったセルマ。選ばれたいこと、外に出ることを望むアリス。出て行きたくないと思いながら否応無しにその時を迎える最年長のビアンカと後を継ぐナディア。この揺れが、子どもらしさ少女らしさを段階で現しているようですごく示唆的。他にも違う年齢の少女がいるのですが、イリス、アリス、ビアンカが大きな段階を現しているのかな。ビアンカの後を継ぐナディアが「嫌だ」と言うのも、なんかこう、ああ分かる、恐いよね……ともぞもぞします。
とにかく少女ばかりの箱庭、薄暗い森の中で大人も全員女性だというのは恐いです。薄暗いし、みんな言葉少なだし、無知故のシーン(正直「これはあかん……」と思ったものがいくつもあった……)、意味深なシーンが続くので、とにかく「何かが起こっている」と感じるのが恐い。それは、多分彼女たちの変化だし、倒錯的な繋がり方だし、彼女たちの怯えだと思う。「外に出たい」という意志がすごくまっとうに感じられてくる世界観。彼女たちは売られる少女たちだったらどうしようとか、世界が滅んでて管理されてたらどうしようとか考えながら怖々見ましたが、何か変だと思ったのが若い先生二人の仕草でした。つまり健全と不健全、自然の摂理に逆らうかどうかの話だろうか……。
箱庭ものは、外の世界はとんでもなく恐ろしいというものか、外の世界は楽園だというもののどちらかなのですが……この結果は言わないでおきます。しかし、最後「ああああ」と内心で思わず突っ伏した、というか、考えていた部分も含め結末が腑に落ちたので、良い映画でした。
でも結局、彼女たちはどこから来たのかというのが気になる。大人が出て来ないので、個人的に管理社会になっている近未来世界なら面白いなーと思う。