読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

生まれつき喜怒哀楽のあらゆる感情をもたない少年・宥現。現実社会に適応できない彼は、警備の職についた砂漠の遺跡発掘現場で、旅賊の女性。魔姫と出会う。だがその時、発掘された戦闘機械が数百年の眠りから覚め、その場の人間すべてを殺戮する。以来、未来と過去が干渉しあう不思議な時空間で、宥現と殺戮機械の終わりなき戦い、そして、幾度とない魔姫との邂逅が繰り返されていく——宥現の感情の在りかはいずこに?(裏表紙より)
銀妖子なる、人類の生活の基盤となる妖精めいた何者かが人間を支えている世界で、という話だったので、旅賊に会ったときには「これ都市に挑むやつだー!」と思ったのに、見事にまったく違いました! まったく違いすぎて、ちょっとついていけなかったぜ……。
過去と未来が干渉しあって、あらゆる時空にある世界が、宥現と魔姫と戦車の存在によって無茶苦茶に破壊されていってしまうのですが、その戦いが永劫に続くし、繰り返し何度も魔姫は死ぬし、最後はもう戻れないところに辿り着いてしまう。最後まで読んで、冒頭の文章に戻ってくると、ぶわっとなりました。言いようのないものが、こう……。

暴力や介護放棄などによる高齢者虐待が問題化している。献身的な介護に努めてきた息子が老親に手を上げる、長引く介護に疲れ果てたお年寄りが配偶者を殺める、といった事件もしばしば報道される。適切なケアが期待される介護施設で虐待が横行している事実も看過できない。誰もが安心して老いを迎えるため、いま何が必要か。家庭や施設における虐待の実情を明らかにし、虐待防止に向けた国内外の取り組みを報告する。(カバー折り返しより)
2004年7月の発行なんですけど、書いてあることは全然古くなくて、むしろここから発展しているものもあったり、そのままになって改善されていないこともあったり、という感じかと思いました。先日読んだ『あなたの大切な人を寝たきりにさせないための介護の基本』という本が非常に面白かったのですが、この『高齢者虐待』に書かれている、オムツをせずにお手洗いに自分で行けるように、というのはその基本の一つ。根強く改善を、介護を考える人たちが進んでいる証拠か、と感じました。
十年前のこの本は読んだので、今はどうなのか知りたいな。調べてみようか。

湖のほとりの白い古城。背筋を正して、客を迎え入れる四人の少女たち。そう、ここは、彼女たち——四人の女主人を擁する、世にも珍しい古城ホテル『マルグリット』。にぎやかで、でも平穏なそのホテルに、ある日事件が勃発! 女主人のひとり、ドジっ娘魔女ピィを捕らえるために、賊が潜入したのだ。抵抗むなしくピィは連れ去られ……!? これは不思議なホテルを舞台にした、四人の少女の切なくも優しい友情物語。(裏表紙より)
それぞれの事情がありながら、とある人外の者によって集められた四人の少女たち。彼女たちが経営する古城ホテルを舞台にした物語。
ピィの話と、フェノンの話の二本立て。ピィは追放された魔山から遅まきながら追及の手がやってきてという話で、フェノンは昔の稼業にまつわる話です。
これ読んでると、思うんです。もしこれを小学生で読んだとき、絶対にこの話この作家さんが大好きになるんだろうなあ、と。この話をすごく大事にしている子がいたなら、と想像すると、なんだか泣けてくるんですよね……。なぜこんなにセンチメンタルなのか。
多分、すごくまっすぐなんだろうと思います。こういうことを大事にしてほしいんだっていうのが分かるのかも。言葉とか、台詞とか、すごくストレートなのが、最近響く。

記憶喪失の画家リンと出会った錬金術師見習いのセツリは、神殺しを目的とする深淵派のカルヴァスに追われ『世界画廊』に逃げ込む。異界への扉が絵の数だけ存在するその場所で、白い王女アイカの絵に心惹かれたセツリ。リンの不思議な力によって絵の中に入り、アイカの悲しい境遇を知って額縁の外に連れ出そうとするが…。やがて辿り着く、世界の禁じられた真理。その先にあるものは——!(裏表紙より)
おお! 陰鬱なんだけど希望を描くファンタジーだった! めっちゃ栗原さんらしい。確かどこかで、この作品はそれまでと書き方を変えている、ということをおっしゃっていたように思うんですが、確かに、より演劇っぽい台詞まわしになっていた気がするし、キャラクターも舞台映えしそうな性格だった。
錬金術師として認められるための論文を提出したセツリではあったけれど、それは異端と見なされ、神殺しを目的とする新興宗教組織に狙われることになる。それも、暗殺者をともなってきたのはかつての兄弟子イカイ(カルヴァス)。偶然助けた男は画家だというが、その日、謎の「お告げ」とやらで、セツリは世界画廊の管理人に任命される。
このまとめから想像できる物語があると思うのですが、多分これから九十度くらいひねったのがこの話の本当の物語です。ところどころ、読んでいて、おかしいな? と首をひねるところや引っかかりを覚えていると、あるときにそれに手をかけてぐるっと物語が回転する感じ。すごかった。おおー! と思いました。
最終的に神に挑む物語でしたが、ヒロインのアイカがとても可愛いです。栗原さんの書くこういうヒロインが、もうめちゃめちゃ好きです。

妃の病いを癒してもらうため、水上庵の巫女のもとを訪れた木莵王イヨギは、あまりの巫女の幼さに不安を抱いた。しかも、妃を救うことは道にそむくことと治療を拒否される。はたして、妃は助かることができるのだろうか……人を疑うことしか知らぬ老王が真の愛に目醒める表題作ほか、愛する相手に対して、ふと不安をいだきはじめる少女の微妙な心の動きをつたえる「紙の舟」など久美沙織の新しい魅力を伝える作品集。(裏表紙より)
主にSFな短編集。「あけめやみ とじめやみ」「OUT OF DATA」「紙の舟」「きんぽうげ」「サマー・ドレス」「ドリーム・キャスター」の六編。おお、文章のノリがどれも80年代だぞ……と思って読みました。ちょっと読みづらかった。
SFは少し散漫でうーん? となったのですが、「あけめやみ とじめやみ」はなんだか好きだ。

卒業旅行でホワイトハウスを訪れた森美咲は、そこで銃と携帯を手にした記憶喪失で、全裸の男に遭遇する。滝沢朗と名乗った彼と関わることになった咲は、彼の持つ謎の携帯とあるゲームに巻き込まれていく。100億円の電子マネーが振り込まれた12個の携帯電話、そしてそれを持って「日本を救う」使命を与えらえれた者たちは、セレソンと呼ばれた。
アニメは未視聴。文章はノベライズという感じでしたが、ストーリーはすごく面白かった! でもこれで終わりませんよね? 多分劇場版の名を冠す本が続きなんですよね。
日本の現状への風刺が結構入ってます。ニートとか就活とか、会社の先輩後輩、サークルのカオス感、ネット、炎上やら陰謀論やら。うすら寒くなったのが、後半の全裸ニートたちの表現。能動ニーツと受動ニーツって言葉は、寒い。怖い。
「東のエデン」のメンバーはどうなってしまうのかとか、セレソンが全員出てないとか、誰がこのゲームに勝つのかとか、大事なところが分からずに終わってしまうので、最後どうなるか気になります。

「貴様が、わたしを選べ!」「あなただけが、俺の星だ」
国王がついに崩御し、アルは最新の遺言状をエトワール近衛隊の隊長・シャリオから極秘に託される。急展開の事態の中、シャリオが先王の血を引くと知ったアルは暴走し、シャリオ自らに謹慎を言い渡されてしまう。同じ頃第二王子・ソールにより、最悪の形で出生の秘密を暴かれたシャリオは、表舞台に引きずり出され!? 隊長と新米士官の絆が試される最終作戦開始!!(裏表紙より)
少女めいた美貌だけど中身は熱血の少年アルカイド・クレール。彼が星と戴く、正義を貫くエトワール近衛隊の若き隊長シャリオ。シャリオをひたすらに見つめて、正義を貫いてくれ、というアルのまっすぐさに、もぞもぞする反面、「やっぱり…………好きー!!!」って叫んでしまう台詞やエピソードが満載で、最後まで顔を覆いながら、胸がいっぱいになりました。自分を貫く人はかっこいい。
そして、ソール王子の闇が悲しい。深くて、重くて、寂しくて。彼も星が欲しかったんだなあ。
熱血でまっすぐ、なだけだった少年アルが、近衛隊隊長になった姿にもにやーっとしてしまいました。そこで大人の余裕を滲ませるのが、にくい! 好き!
台詞のかっこよさがしびれるシリーズでした。楽しかった!

『ジェネラル・ルージュの凱旋』で屈指の人気を誇る救命救急センター部長、速水の短編三部作が登場! 単行本に収録されたジェネラルの原点「ジェネラル・ルージュの伝説』に、新たに書き下ろした「疾風」とその後の物語「残照」を収録。さらに、大幅加筆したエッセイや自作解説で、創作の秘密を惜しみなく明かします。巻末には全作品を邑楽下年表&登場人物リスト330&用語解説辞典付き!(裏表紙より)
本編はジェネラル・ルージュまで読んでます。新聞か何かで、海堂さんは、一度書き上げた作品は最初から何度も書き直して全編推敲する、みたいなのを読んだ気がして、エッセイが収録されているならどんな風に執筆活動されているのかな、と思って手に取ってみました。
この方、めちゃくちゃ書くの速いんだなあ……ということが学べました。日記みたいなエッセイが収録されているんですけれども、他のことをしながら執筆して、期日までに上げて、週刊連載も持つことがあって、みたい忙しい環境って、すごく頭のいい人だからこそできることなんじゃなか、と思いました。
短編は、やっぱり「伝説」が面白かった! 顔色が悪いから口紅を引きなさい、というのは前に読んだ時もすごく印象に残っていて。速水の凄まじさと、けれどその若さが引き立った物語だった。