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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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パロスの剣 (角川文庫)
 パロス第四王朝末期。時の君主アルディウスに一人の美しい王女があった。名はエルミニア。玲瓏にして燃える瞳。白馬を駆り剣に闌け、凛然と痩躯に男装を纒う佇いは、神話に顕れる美少年の姿だった。十八歳を迎え、結婚を父アルディウスより厳命されるが、時まさに隣国カウロスとの国交に揺れ、宮廷は叛徒の策謀に喘いでいる。運命の扉は、洗濯女フィオナとの出逢いに開く。恋か。自由への希求か。エルミニアは渦巻く野望の中、秘宝の剣を手に王国の存亡をかけ、栄光という名の、悲劇という名の闘いの途に独りひた疾る。
 現代の語部が紡ぎだす運命の物語。感動に彩られ書下しで堂々の登場。(カバー折り返しより)

剣の達人であり、常に男装する美しい王女、エルミニア。結婚の命令をはねのけた彼女は、偶然出会った洗濯女の少女フィオナに恋心を抱く。フィオナと添いたいと願うエルミニアは、剣闘大会を催し、自分に勝った者と結婚すると誓う。自分が勝てば、フィオナと結婚すると宣言することを夢に見て。
という、ヒロイックファンタジーです。女でもあり男でもあるヒロイン・エルミニアと、乳兄弟でエルミニアに思いを寄せるユリウス、心優しい野の花のような少女フィオナ、国を手に入れるためにエルミニアを罠にかける隣国の王子ファオン。この関係図だけでもうごろごろしてしまう。
最初、男勝りに「結婚しない」なんて言っているのかななんて思っていたら、本当に女性の体に男のたましいが宿った、というように書いているので、すごいなあ、なんて思いながら読んでいました。
そして、そういう状況で、乳兄弟のユリアスの不憫さが光る……笑 彼は本当にいいやつだ。
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夜を待つ姫君 ~スワンドール奇譚~ (ビーズログ文庫)
出生に謎を持つ美少女・アンナは、深い森の古城で何の不自由もなく健やかに育てられた。育ての親で城の主、ジュリアン・ザビエル侯爵は「奇病に冒されている」ため、滅多に外出もせず、食事はワイン1杯のみ。ジュリアンの正体に疑念を抱くアンナだったが、成長するにつれ彼の深い愛情にどうしようもなく惹かれていき——!? 一方、軍部の謀反により混迷するスワンドールでは、王族の唯一の生き残りがいるという噂が流れて——!? 時をも越えるラブストーリー、剛しいら待望の新作いよいよ登場!!(裏表紙より)

吸血鬼と、彼に拾われ赤ん坊の頃から育てられた少女のラブストーリー。ヒロイン、アンナは、実は王族。謀反による王家の人々が殺され、両親もまた逃亡の最中に亡くなってしまったところ、心優しい吸血鬼ジュリアンに拾われる。
登場する人物が結構多くて、この話、かなり深くて広い設定があるんだなと感じられるところがありました。イパネラ女王とか、ブルムの過去とか、いろいろ。
サブキャラクターとして登場する、アンナの家庭教師イボンヌの立ち位置がすっごくいい! ラストでそう登場するとは思わなかった。
大正箱娘 見習い記者と謎解き姫 (講談社タイガ)
 新米新聞記者の英田紺のもとに届いた一通の手紙。それは旧家の蔵で見つかった呪いの箱を始末してほしい、という依頼だった。呪いの解明のため紺が訪れた、神楽坂にある箱屋敷と呼ばれる館で、うららという名の美しくも不思議な少女は、そっと囁いた――。「うちに開けぬ箱もありませんし、閉じれぬ箱も、ありませぬ」謎と秘密と、語れぬ大切な思いが詰まった箱は、今、開かれる。(裏表紙より)

国が開かれ新しい世がやってくる、時代の物語。
女性たちの物語でした。年齢も立場も、全部違う、さまざまな女が登場し、それぞれの立場を語る。一貫しているのは、「女として生きること」について問うということ。ちょっとした謎解きと、怪談めいたものと。こういう、文学っぽいようなテーマを用いたエンタメを書くのが、紅玉さんは上手いなあ! 
紅玉さんらしい文章のリズムを残しつつ、ラノベっぽくないというか、ずいぶん読みやすい文章になっているように思いました。
黒銀のオラトリオ 口づけは宵闇に捧ぐ (一迅社文庫アイリス)
城から隔離された塔で、閉じ込められているかのように暮らしている忌み姫・オルウェンと、その執事・クラウス——彼らには、他人に知られてはいけない秘密の役目があった。オルウェンは異界へとつながる<扉>を胸元に宿し、クラウスは扉を開く<鍵>を左目に宿す。契約によって結ばれた主と僕として、異形の存在を扉の向こうに封じるため戦い続けてきたふたり。しかしその関係が次第に揺らぎはじめて……!?(裏表紙より)

二人きりの閉じられた世界に暮らす、繋がれた二人の物語、という印象でした。
〈扉〉を宿す姫・オルウェン。〈鍵守〉のクラウス。二人は、この世の異形ダリウスと戦い、彼らを扉の向こうに封じる役目を持つ。その結果、幼い頃から二人で暮らし、二人で過ごし、二人で戦ってきた。その暗さと歪な関係性、閉じられた世界。
そこから出て行こうとするオルウェンと、本当は彼女を自分のものにしたいクラウスの、精神的な攻防がはらはらどきどきでした。その結果、再びつないだ絆はまた新しい形をしていて……しんみりと、よかったなあと思える話でした。世界が開くって、いいな。
BLコミック 恋する言葉。Perfect Bible
BLコミックを名言と紹介するガイドブック。結構偏ってるなーという印象ですが、読んでいてとても興味深かったです。
ハーレクインと並んで、BLは、決め台詞のストックをしたい時に浴びるように読むといい感じだと思っているんですが、そういう、キメキメなセリフのオンパレードで、面白かった。読んでみたいものが結構あったので、機会があったらと思っています。
親と教師のためのガイド (性虐待を生きる力に変えて)
子どもの性的行動・きょうだい間の性虐待、という副題が付いています。子どもが被害に遭った場合、周囲の大人はどのように対応すればいいか、というガイドです。精神科医のように具体的に、という行動ではなく、そういう人たちにつなぐ前段階として、まずどのように行動すればいいかというもの。
子どもの変化を見逃さないようにすること(変化の具体例つき)、言ってはいけないこと、言ってあげるべきこと。軽く事例も挙げられています。最後には資料が付いていて、相談機関のリストあり。2004年の刊行でした。
秘恋: 皇子が愛した男装花嫁 (ティアラ文庫)
何て素敵な人なの……。精悍な美貌、甘い香油の匂い、耳を蕩かす声。弟になりすました翠伶が、煌びやかな御殿で出会った美青年・颯瑛。運命的な出会いに胸がときめくけれど、告白できないもどかしさ。そんなある日、男装がばれてしまう! 絶望する翠伶に「君が女だったなんて最高だ」と秘密を守ってくれた颯瑛。恋人同士として蜜月を過ごしていたら、彼がとんでもない真実を……。(裏表紙より)

上記あらすじがびっくりするほどほぼ本編です。
中華風ファンタジーとしてすごくそれらしい設定を作ってあって、おお、中華風! と思いました。身分や、男女の違いや、貧富の差をさらっと書いてあるところがいいなー。
物語自体はすごくシンプル。弟の身代わりに、官吏の登用試験を身代わり受験した姉は、その成績があまりによかったので、州太子の教師役に任ぜられる。弟と引き取ってくれた養家のため、姉は男装して登殿する。そこで、美しく優雅な立ち居振る舞いのする素敵な男性がいて……、という。
立場に物を言わせて弱みに付け込んで脅してことに至るっていう、ちょっとあれな部分がありますが、最終的に幸せになってよかったよかった。でもヒーローの方がちょっとケダモノだなー優雅なのになー笑 などと思って読みました。
呪われた王子と糸紡ぎの姫君 ご主人様の淫らなお仕置き (ジュリエット文庫)
継母や義姉に虐待され、謎めいた魔導師セルフィに召し使いとして拾われてしまったシルクローズ姫。「ここも気持ちがいいのだな、覚えておこう」毎夜、理由をつけては彼女をベッドに引き入れ淫らに触れてくる彼。傲慢だけど、蕩けるような快楽を紡ぎ出す指先はとても優しく、彼女への密かな気遣いも暖かい。しかしある日、姫との婚約を破棄した王子に呪いがかけられたことを知り——!? (裏表紙より)

シルクローズは、マルベリーの木に住むフェアリーたちと仲良し。けれど父が亡くなってから、継母と二人の姉に召使としてこき使われる日々。ある日、自分の婚約者である王子がやってくると聞いたけれど、姉たちの邪魔によって再会することは叶わない。城まで追い出されたシルクローズは、しかし、美しい魔導師セルフィーと遭遇し、彼の召使として拾われることになった。
……という、ちょっと童話めいた世界観の物語。
シルクローズがびっくりするほどいい子というか、無垢というか、だから付け入れられるんだよというか……。ヒロインは、もうちょっと賢くて逃げるほうが好みかなーと思いました。無邪気すぎると、貞操感がないような気がするのだ。
国の名前がバミューディル魔国というものだったり、フェアリーがいたり、馬と人の両方の姿を持つ少年がいたりと、魔法の国と見せかけてちょっと魔界っぽいような、そんな部分と、お話のメルヘンチックなところの落差が面白いなーと思って読みました。
レヴォリューション No.3 (角川文庫)
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」
オチコボレ男子高に通い、死んだような毎日を送っていた「僕たち」は生物教師ドクター・モローの言葉で突如生き返り、世界を変えるために行動を開始する。その方法は——難攻不落のお嬢様女子高の学園祭に潜入してナンパをすること! 果たして「僕たち」の潜入作戦は成功するのだろうか!? 革命的おバカストーリーが炸裂する、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第1弾!(裏表紙より)

生まれや立場が、社会的に弱かったり、恵まれなかったりする男子高校生たちが、周りからは落ちこぼれと見られながらも、仲間とともにそれぞれに革命を起こす話。
無理だと言われることを実現してやろう、と馬鹿をやりながら狡猾に、賢く、事件を解決する。こういう立場の人たちがたくさん出てくる話って、ともすると感想がすごく偉そうになってしまう気がするので難しいのですが、なんだろう、社会的には弱いから、精神的にも身体的にも強くたくましくなるのは当然なんだけど、読んでてすごく不思議な心地よさがあるんですよね。強さがうらやましくもあり、かけがえのない仲間を得ている彼らがまぶしかったり。
からっと書かれているけれど、死に向き合っているところもあって、面白かった。
陽だまりの彼女 (新潮文庫)
幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、僕には計り知れない過去を抱えているようで——その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる! 誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。(裏表紙より)

中学時代の幼い思いが大人になってもう一度、というところも、恋人同士のやりとりも、結婚してからのことも、ぎゅっと詰まったいい恋愛小説だと思って読み進めてたんですが、最後のオチ。最後の、オチ。これは、ない。あえて言うけど、それはないだろー!!? めちゃくちゃびっくりしました。ええー。伏線っちゃあ伏線だけど、ええー……?
それまでが本当に幸せな二人の、近づいてくる終わりへの焦燥も含めた恋愛ものだったので、どきどきしながら読み進めていたけれど、いきなりその展開はどうなんだ! こっちに来ると思ってたボールが明後日の方向に投げられて見えなくなった、みたいな感じで呆然としました。うーん、そこで何もかもなかったことにはなるのは……物語として驚きは必要だったかもしれないけど……別の終わり方にしてもよかったのでは……とか。
いやー、こんなにぶん投げられた感覚は久しぶりだったので、たいへん面白かったです。オチがたいへんアレなので簡単にお勧めはできませんが、映画見てみようかなあ。
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Author:月子
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