読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

1968年ペンシルベニア。いじめられっ子のステラたちは、自分たちをいじめるトミーに悪戯を用いてやり返すも、探索していた幽霊屋敷で追いつかれ、閉じ込められてしまう。その隠し部屋には多数の怪談本があり、持ち主であるサラは屋敷の持ち主であった街の有力者ベローズ家にまつわる曰く付きの人物だった。彼女の本を持って帰ってきたステラだが、その本が一人でに物語を記述し始めたことで、様々な惨劇が起こり……。
怖い本が勝手に綴る物語、それが現実となって次々に人を襲い、殺していく。いい、とてもいいよそういうホラー!
時代設定が古いのが何故なんだろうと思っていたんですが、真相に納得。そういう時代だからこそ説得力のある真実だなあと思ったのでした。時代の雰囲気から逸脱するような、ちょっと浮いたステラたち。本による呪いを語る彼女たちが最初どうも滑稽で、周りが「まーた言ってら……」みたいな態度を取ってしまう痛々しさもホラーのエッセンスですね。信じてもらえないっていう軽い絶望から悲劇が加速するんですよ。
呪いの源と対峙するステラが語りかける内容が絶妙で「くううう」と唸りました。
面白かった!
PR

日常だったものがすべて偽りのものだと知り、本来の自分を取り戻した小夜。すべての元凶であった文人を追ってたどり着いた東京は、〈塔〉によって支配されていた。出現した〈古きもの〉を狩ったことで抵抗組織サーラットと行動を共にすることになった小夜だが、一方の文人も小夜がやってくるのを待ち続けていた。
いろんな人を巻き込んでいろんな人を犠牲にしながら最終的に殺伐といちゃいちゃする二人の話……なるほど異形に魅入られた人間の行く末はこれなんだなあと思いました。
人の輪に入って普通の女子高生をしていた頃とは違い、完全に漂流の一匹狼と化した小夜が超絶イケメンで素敵でした。異形を狩る一種の人外だけれどもちゃんと人の心がある。
あとやっぱり文人周りの登場人物が最低で可哀想で最高でした。

ハーバードヴィル空港のテロから数年後。東スラブ共和国に投入されていたレオンは撤退命令を無視して単独で潜伏していた。この国は現在、独立運動のただ中にあり、初の女性大統領であるスベトラーナが立ったものの、内戦が続いていた。反政府勢力と関わることになったレオンは、やがて大統領に接触していた因縁の相手エイダと再会するが……。
タイラントの登場に「でっか!」とテンションが上がっているの、我ながら意味がわからない。
Wiki情報だと5と6の間。レオンが主人公だとエイダが絡むので「イーッ!」となるんだけれど、やっぱり優秀なイケメンエージェントには、あらゆるものを狂わせる魔性の女がちらつく方が面白いんだよなあ……。かっこいいんだわやっぱり。
物語的にはバイオハザードのゲームではなかなかできなさそうな、内政の込み入った話がメイン。独立運動中の内戦国家ということで悲しい出来事も起こるわけですが、このエピソードがお約束だからこそ面白い。いいやつはすぐ死ぬんだ。

ラクーンシティで起こったアンブレラ社開発のT-ウイルスによるバイオハザードから、しばらく後のこと。あの街から逃げ延び、信念のもとに行動していたクレア・レッドフィールドは知人に会いにハーバードヴィル空港にやってきていた。だがそこでT-ウイルス感染者が現れ、次々に感染が拡大。クレアは知人の姪ラーニーを保護し、脱出の機会を測る。折しもそこには大統領命令で派遣されていたレオンの姿もあった。
実況動画というものの存在で、バイオといえばレオンとクレア、みたいな刷り込みがあったので、CG映画で動く二人を見ているとなんだか感動してしまった。レオンの声が森川さんじゃないのがちょっと気になるけれど。
Wikiによると、2の後の話、4と5の間だそう。いい女になったクレアといい男(ゴリラ)のレオンの協力体制は、ゲーム本編もあって絶大な信頼感を抱きますね。幼女を保護し、そして別の女性がヒロインだというのも、二人が登場する作品のお約束って感じ。黒幕の存在まで王道で、バイオはにわか知識ながらも面白かった。

特別な才能を持ちながら魔法科高校の劣等生に甘んじている司波達也と、対して最優秀の妹の深雪。高校生活の一年を終え、友人たちと春休みを過ごすはずが、軍からの呼び出しを受けてしまう。何者かによって小惑星の軌道が変えられ、このままでは日本に墜落するのを止めろというのだが……。
普通に見ていたんですが、リーナが出てきて、あれっとなりました。来訪者編って2020年でしたよね。フライング登場だったのか。しかし来訪者編を見ていると、達也が仲間たちと協力して事に当たるようになっているのが絆の深まりを感じて楽しいですね。
相変わらずお兄様がチートなのは置いておいて、小さい子を助けようとする青少年たちが微笑ましい。状況的にはまったく微笑ましくないんですが。しかし一高生はみんな実家が太かったり能力が高かったりで、力を合わせるチーム戦で大人を手玉にとる展開が性癖だからめちゃくちゃ楽しい。

五人の若者が山奥の古い小屋で楽しく過ごそうと、曰く付きだと匂わされたにも関わらずやってきた。だがそこで古びた日記を見つけたことで、次第に状況がおかしくなっていく。そして犠牲者が現れるが、このすべてはある人々によって巧みに計画されたことだった。
浅慮な若者たちがタブーに触れて次々に殺されるホラー、と思いきやそこに思い切りオカルト要素を加えてB級にしたよ! という作品。若者たちが殺される理由が邪神復活を阻止するためで、世界各国で行われている習慣だっていうのさすがに笑ってしまった。しかも成功と失敗数を競い合っているの滑稽でしかない。色々オマージュも仕込んであるようだし、本当に邪神復活を阻止する気ある? ないよ! というのを全アクセル全開でやっている。そういうの嫌いじゃない。
なので映画の内容としてはホラーもののセオリーを監視役たちと一緒に笑い、そうやって笑っている監視役たちを滑稽に感じる構造。深く考えるな、感じろの世界。頭空っぽにして楽しく見ました。

東京、八丈島。高校生の娘、双葉が反抗期を迎えて生意気な態度をとるのに腹を据えかねた母、かおりは、その日から学校に持っていくお弁当を凄まじく手の込んだキャラ弁に変える。母の怒りを感じた双葉だが、残したり捨てたりするのは負けたことになると毎日意地でも完食。そんななか、進路をはじめとした変化が母娘に訪れ……。
原作は未読。劇中のお弁当、撮影用とはいえめちゃくちゃ手が込んでいるし美味しそうで見ていてお腹が空きました!
思春期の難しさと親の気持ちについて、最近別の方の本で触れたところだったので、いろんな母娘の反抗期を思うとなんだか、娘としては大変だったんだけれどお母さんも本当に大変だったんだなあ、すごいなあとしみじみしてしまう。めちゃくちゃ面倒臭いし邪魔くさいし腹の立つ生意気な子どもを、よく放り出さず面倒を見てくれたもんだ。同じこと、私も子どもにできるのかなあなんて思う。
お弁当生活最後の母の嫌がらせ弁当は、最高に素晴らしくて泣いてしまった。

ブラック企業に勤める青山は、毎日上司のパワハラを受け、心身ともに疲弊していた。ある日駅のホームでふうっと飛び降りてしまいそうになったところ、小学校時代の同級生だったヤマモトに助けられる。意気投合し、やがて飲み友達となる二人だったが、別の同級生の情報で、ヤマモトがまったく知らない別人だと判明し……。
原作読了済。原作は小説として安定して面白かったんですけれども、思いがけず映画映えする内容だったんだなあと鑑賞後に思いました。
ヤマモトは一体誰だ? という不気味さよりも、青山がいい方向に変わったこと、仕事をする上で不幸な人がたくさんいること、新しい一歩を踏み出すことへの勇気やエールを強く感じました。最後はすごく爽やかで見ていて気持ちよかった。
しかし先輩の五十嵐さん、こちらは映像で見ると余計にやり方がえぐくて……。女優さんの演技力もあるんでしょうけれど、最後に青山が微笑んで突き放すの、なんとも言えない気持ちになったな。