読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

いつものように空き地に集まっていたのび太たちは、出木杉が読んでいた『宝島』の物語について聞いていた。のび太は自分も宝島を発見すると意気込むが、ジャイアンたちに無理だと嘲笑われ、ドラえもんに助けを求める。ひみつ道具で宝のある島を突き止めてしまったのび太は、ドラえもんや友だちとともにその島を目指す。だが途中で海賊に襲われ……。
一夏の冒険譚かと思いきや、想像以上に壮大だった。時空海賊、メカニック、宇宙といった要素込みの、船は船といっても時空や宇宙という広大な海を渡る船(島)の話。ここに親子要素が絡んできて、最後はめちゃくちゃうるうるになって見てしまった。終盤になって、僕なんて何もないと言っていたのび太が投げかける、当たり前でいて善性溢れる台詞の数々が刺さる。
フロックがすごく才能溢れる子で、見ていて楽しい。のび太と対照的なだけに大事なシーンでは格好よさを奪われがちですが、台詞や設定からびしばし天才のオーラを感じる。けれどこれもフィオナという母親から受け継いだものなんだと思うと、シルバーは本当にこれからちゃんと父親として彼の道行を見守っていてほしいと願うばかり。

国際テロ組織コブラを壊滅させたG.I.ジョーだったが、残党に襲撃される。主要メンバーであったらデュークらが戦死し、残されたメンバーは初代司令官ジョー・コルトンに助けを求める。再びG.i.ジョーとコブラの戦い始まった。
思い切りが良すぎるにもほどがある続編。前作の続きだけれど全然違う人が主人公だよ。ついでに前作の主人公は離脱(戦死)させるねって。わかりやすすぎてどうなんだ。
前作はいかにも、元になった玩具が好きな人のための、というがちゃがちゃした感じだった気がしたんですが、この作品はもうちょっと真面目に、しっかり組織立って戦いましたという印象でした。嫌いじゃないんですがなんか違うな? という感じ。
2020年にスネークアイズが主人公の作品が公開される予定で、日本も撮影地のようですけれど、どうなるんだろうな。

代々続く武器商人マッカランが開発した「ナノマイト」は金属物質をすべて破壊していくという究極の兵器だった。だが護送中、謎の戦闘機から攻撃を受け、護衛部隊にいたデュークは秘密組織G.I.ジョーに助けられる。襲って来たのが元恋人のアナだったこと、そして仲間のために、デュークはG.I.ジョーに入隊を希望する。
玩具がアニメ化したものがベースだそうな(Wilipedia調べ)。アメリカで生まれ育ったなら大抵は知っているという感じなのかな。世界征服を企む悪の組織に、地上最強のエキスパート、ナノマシンという高度な科学といったところが子ども心をくすぐるんでしょうか。あと貴族。敵側にいる女性が男爵夫人で通称「バロネス」って、それは私も好きだなうん。
主人公は男性ですが仲間にちゃんと強い女性がいるというのが作り手の意思を感じる。こういう作品だと正統派でかっこいい主人公よりお調子者でやるときはやってくれるサブキャラクターが好きなので、リップコードがめっちゃ好きです。

ギャングの配下として盗みを働いていたハンは、同じく働かされていたキーラとともに脱出を企てる。だが捕縛されてしまい、ハンはキーラを救い出すために帝国軍に入隊し、パイロットを目指す。だがその望みは叶わず、三年後のハンは歩兵になっていた。軍を脱走したハンは、ウーキー族のチューバッカと出会い……。
スター・ウォーズシリーズに登場するハン・ソロを主人公にした過去の物語。EP7から思っていたけれど、いまでないと描けない話になっているのがまた味わい深い。最後に相対する敵が女性だっていうのは、多分EP4の時代では描かなかったと思うんだ。
大きな物語の一部分じゃなく、一人の冒険者の物語だなと感じました。ハン・ソロの特別館というか、この人の物語は帝国軍と反乱軍とは別のところにあるのかな、みたいな。けれどそれが第3部に収束するのかと思うと胸熱。

ロンドンの各地で連続爆破事件が発生し、それらの犯人がジェームズ・モリアーティだと気付いたシャーロック・ホームズ。ワトスンがメアリーと結婚式を挙げることになり、コンビを解消、もう事件には関わらないという。彼の思いを汲んで、ホームズは一人宿敵に立ち向かうが……。
いまでしか描けないシャーロックだなあと思ったのは、やっぱり映像が綺麗だからかな。探偵ものというとちょっと変わった人間の風変わりな画面やストーリーを思うんだけれど、映画らしくすごく派手で賑やかな作品だなあという印象でした。
あとやっぱりホームズとワトソンはこじらせている解釈なんだな!笑 相棒の結婚式に立ち会う一方の気持ちを描くのって普遍的なものがあるのかもしれない。

伝説の暗殺者「人斬り抜刀斎」だった緋村剣心はいまは不殺の誓いを立て、旅をしながら人を守り助ける日々を送っていた。そこで根拠のない噂で門下生を失った神谷活心流の師範代の少女・薫と出会う。神谷道場に居つくことになった剣心はやがて新型阿片の密売と抜刀斎を名乗る辻斬りの二つの事件に関わることになり……。
実は原作をちゃんと読んだことがない。ないながらも再現度高いんじゃないかと思わせる良き時代劇だと思います。わかりやすいって大事。アクションシーンはかっこよく(……一部「んん?」と思うところはありますが笑)、明治らしい和と洋が入り混じった風景がまたいい。好きなやつです。色濃く残る幕末の気配が、殺し合いと不殺の間で揺れる剣心の心をうまく表しているなあ、などと思いました。
そして調べてみたら結構超大作なんですね。しかも最終章は2021年公開か。気になるなあ。

奨学金を目当てにカトリック系の学校に入ったキャスリーンは、次第に神への恋心を抱くようになった。ついにはシスターを志し、神の花嫁となるべく修練に励む。ときは1960年代。現代にまで影響を及ぼす第2バチカン公会議が遂行されようとしていた。
不仲な両親のもとに育った少女がシスターを目指すも、ハラスメントと取れる厳格な指導、過度な献身、自己犠牲に苦しみ、やがて訪れる修道女の立場が大きく失墜する出来事を経てなおもキリストの花嫁を目指す。結構扇情的なあおりがつけられているんですけれども中身はかなり真面目な、修道女になる道、という感じの内容。何を愛し、何を罪とし、罰を受けるか。己を厳しく律する少女や女性たちの揺らぎを描いた作品で、めちゃくちゃ好きなやつでした。
いやしかし予想していた展開にならなくてよかった……閉鎖的な空間における性犯罪みたいな内容を想像して怖かったんですが、ストイックかつ繊細で美しく、悲しくもほのかな熱を宿す余韻のある作品だった。もう一つのエンディングがある方が個人的には好きです。世の無常さと信仰の揺らぎを感じるから。

修道院学校から出た十七歳のジャンヌは、出会った青年ジュリアンに恋をし、やがて結婚する。だがジュリアンはだらしなく、けちで、ついにはジャンヌの乳姉妹メアリを妊娠させ、子どもとともに追い出した。やがてそのジュリアンが浮気が原因で死に、ジャンヌは息子ポールを溺愛するようになる。
モーパッサンの『女の一生』が原作。原作は未読。
世間知らずの娘が男に翻弄され、母親として息子に執着し、金を無心され、それでも生きていく、多分きっと当時はごくありふれた「ある一生」なんだろうという作品で、始終暗いトーンなのですが合間に差し込まれる光溢れる光景がジャンヌの執着を表しているようで物悲しい。常に世界は凍えて、荒波にさらされているような気がして。