読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
江戸時代後期。将軍の異母弟に当たる松平斉韶は立場を利用しては自己中心的な振る舞いで多くの人間を傷つけ、ときには自死に追い込んでいた。このまま斉韶を放置できないと考えた大炊頭は、御目付役の島田新左衛門に暗殺を命じる。
2010年のリメイクの方。仲間を集めて悪い殿様を討ちます、というのが簡単な説明でしょうか。途中で山賊っぽい無法者が加わるのがとても日本の話っぽい。かつ、い人を殺すとたとえ主人公でも報いを受けなければならないというのと、後世に託すように若い人間が生き残るというのがやっぱり日本の話という感じ。
きらきらした邦画感はなく、終盤、斉韶が泥だらけになるように、あえてとても泥臭く作っているんだろうという部分に好感を持ちました。言っちゃなんですが、全員の小汚い感じがすごく侍映画であるところを押し出していたように思う。
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潔癖症の詐欺師ロイは、相棒に紹介された精神科医の診察を受け、病状の改善のために別れた妻との間に生まれた娘と会うように勧められる。ぎこちないながらも14歳になった娘のアンジェラと交流を深めるロイ。ある日アンジェラはロイの「仕事」を教えてほしいと言い出して。
ああーやっぱりねー! そういうことだよねー!! という「騙す・騙される」をテーマにした作品。
詐欺師に身を落とすような男の悲哀ぶりやおかしみが描かれている。なんというか、憎めない、優しい人なんですよね。父と娘の交流を描いているかと思えば、あれなんだかおかしいぞ、というのが最後に収束するのが楽しかったです。こういうロイだから、最後にこういう終わり方になったんだろうなあ。
文四郎は幼馴染と剣道に打ち込みながら、隣家の娘ふくに淡い恋心を抱いていた。しかし主家の権力争いに父親が巻き込まれ、家は落ちぶれ、文四郎は罪人の子と蔑まれるようになり、ふくもまた藩主の元へ奉公に出ることとなり離れ離れとなる。成長した文四郎はひとかどの剣士になったが、その頃、再びお家騒動が起こり……。
藤沢周平の小説が原作。原作は未読ですが読みたいなあと思わせる美しい、風情のある作品でした。
正しい人であった父が無残にも切腹させられ、家が没落し、罪人の子と蔑まれながらも、剣の道に打ち込んで周囲からも認められる剣士となる。この設定だけでロマンだ。ちょっと鬱屈した感じがありつつも、剣が作ったまっすぐな芯があるように見えるから役者さんはすごいなあ。
そして多分みんなこの、叶わぬ恋とその行方が好きなんだよな。私も好きだよ……。二人きりになれてようやく、もう二度と結ばれない思いを確かめ合うラストシーン、情緒に溢れていました。
富裕層がスペースコロニー「エリジウム」で暮らす一方、貧しい人々は荒廃した地球で暮らす世界。ドロイド工場で働くマックスは、致死量の放射線を浴びて余命五日と宣告され、解雇される。エリジウムなら治療ができると知ったマックスは闇商人のスパイダーと取引し、エリジウム市民の脳内データを奪うことになるが……。
超富裕層だけが暮らすスペースコロニー。それを開発した一大企業。貧民層の青年。そこに富裕層の幼馴染とその余命わずかな娘ですよ。たぎるよね。
自分可愛さで富裕層の人間からデータを盗み、助かろうとしたマックスは、エリジウムにとって重大な機密に触れたために追われることに。そんな中で出会った少女の何気無い言葉で、彼はその機密データを使って世界を変えようと試みる。うーん実にいい。
向こうがこちらを人とも思っていないのはその通りで、マックスもまたそうなんですよね。それが変わるのはやっぱりすごく感動する。こういう最後に大変革を起こす話がめちゃくちゃ好きなんですよ!いいSFであった。
元軍人のジョンは、大統領のSPになるべく面接に臨む。だがかつて素行が悪かったことを理由に結果は芳しくない。娘のエミリーが大統領の大ファンなこともあって、見栄を切ってしまったジョンは、娘を連れてホワイトハウスの見学ツアーに参加する。だがそこでテロ事件が発生し……。
娘がYoutubeに動画をアップロードするというところがいまどきっぽい。と言っても2013年の作品なんですね。
テロ事件に巻き込まれた父と娘。娘を探す父親は偶然大統領を助け、行動をともにして信頼を勝ち取る。そしてテロ事件を解決に導く、というべたべたなストーリー。大統領が助かるところまでべたでつい笑ってしまいました。多分悲しい展開は起こらないだろうという安心感が最後まで続いて、気楽に見てました。
親に捨てられ、お菓子の家にたどり着き、魔女に捕らわれるも無事に逃げ出したヘンゼルとグレーテルの兄妹。それから十五年、大人になった二人は魔女ハンターとなり、ある村から誘拐された子どもたちを救出するよう依頼を受ける。魔女と目される犯人を追っていくうちに、二人の出生の秘密が明らかになる。
賞金稼ぎの兄妹が戦う様を楽しむだけの映画。色々と突っ込みどころはあるんですが、とりあえず西洋風世界観のグロありバトルありのファンタジー映画。魔女の顔とか戦闘シーンとか怖いところやぐちゃっとなるところがあるので、苦手な人は注意。伝説や童話をモチーフにした作品で、クリーチャーとめちゃくちゃ戦う系の作品が溢れかえっていた、その一つという感じ。
時代がごちゃごちゃ感があるんですが、風景とか小道具を見るのが楽しかったです。こういうゴスっぽい魔女感好きだわー。
とある街で魔物と戦う百鬼丸と出会ったこそ泥のどろろ。百鬼丸は自身の身体の四十八カ所を奪われており、それを取り戻すために戦っていたのだ。魔物を斬る妖刀に目をつけたどろろは彼につきまとうが、二人の旅は少しずつ互いに変化をもたらす。そして百鬼丸の過去が明らかになり……。
だいぶと昔に見た気がするんですが、久しぶりに。原作は未読。
兄弟の殺し合いや親子の因縁が面白いなあと思います。そういうどろどろなんだけど美学を感じられるところが好きです。原作はでもっと濃いのかなあ。しかしこういうわかりやすいところに落としている台詞やシーンが集まった作品は嫌いじゃない。むしろ好きです。当時は多分これ一昨きりだろうなあなどと思いながら見ていた気がするんですが、いま見ると続編があったらいいなと思いました。
オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」を遊ぶアキオは、仕事一筋だった父親が突然退職したと聞き、その考えを知ることはできないかと交流を試みるべくゲームを勧めることにした。父・暁はその勧めでFFXIVを始め、アキオは自身のキャラクターを通じ、息子であることを隠してともに父と冒険することになる。
ブログ、ドラマは視聴済みです。お父さんが光の戦士=光のお父さんというのがめちゃくちゃツボに入って好きです。
映画はよりドラマ的に描いていて、かなり脚色があると思いますがわかりやすく感動的になっていると思います。父と対話ができたかという結果がきっちり書かれているのはとてもよかったです。現実はこうもいかないというのも合わせて面白かったです。家族の絆を取り戻し、愛する人も手に入れたという、まさに主人公そのものになれたエオルゼアという場所。FF14はいいよ! というのを全力で宣伝してくれるいい映画だと思いました。面白かったです。