読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
![ローマ法王の休日 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51rU5iKj6nL._SL160_.jpg)
ローマ法王死去によって行われたコンクラーベ。有力候補たちを押しのけて選出されたのは、誰も予想だにしていなかったメルヴィルだった。誰もやりたくない法王の座を押し付けられたメルヴィルは、重要な就任演説を放棄してしまう。医者にかかり、精神科医まで呼んで、それでも足りず外の医者にかかったが、そこでメルヴィルは逃亡してしまう。
どこがハートフルだー! 詐欺だー! と叫んでしまったラストでした。「ええー!?」と驚きの声を上げる結末。途中からそういう予感はしないでもなかったんですが、なかなかブラック。もうちょっとエンターテインメントっぽくて明るくきゃっきゃした話かと思っていました。おじいちゃんたちはみんな可愛いのに……。
上記紹介文の内容が全体の三分の一くらいはあってどうも導入(だと思っている部分)が長いので、期待していたタイプの話じゃなさそうだなと思ったら。だというのに過程を省いているところがあって、これはどういう状況でそうなったんだろう、という点が気になってしまった。
しかし、単なる悲しい映画ではなくて、人としてどう受け止めているのか、また、どう受け止めていくのか、メルヴィルが淡々と、じっと自分と向き合っているのが分かる。周囲は全然彼に意識を向けなくて世界は滞りなく回っていて、けれど時折知らされるサン・ピエトロ広場に集まった信者たちの姿が突き刺さるように訴えてくる。エンタメ映画としての起伏はほとんどないのですが、精神的なダメージが見ている人間には結構ありました。決めなければならない、法王として立たなくちゃいけない、でも自分には無理だ、期待されている、みんな待っている、ごまかしは続かない、けれどいつバレるだろう……などなど。傍観者ならではのどきどきがすごくて、だというのに最後はアレかと! 突き落とされたわ!
外から招かれた精神科医(監督ご自身なんですね……)がまた、こいつめんどくさいっていうキャラクターで、この人結局なんだったんだろうなと考えてみたんですが、内と外の隔絶の象徴だったのかなあ。プライドが高くて自分が最高峰だと言う外の精神科医と、自分では無理だ導くことなんてできないと頭を抱える新法王。かたや街のどこにでもいる医者、かたや世界唯一の法王様。そう考えると、医者なんかもうお前法王になっちゃえよっていう傲慢さでのキャラクター配置だったのかもしれない。メルヴィルは謙虚こそ美徳だと思いますが、それが過ぎるとああいう結末になるのかも。
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![ジェイン・オースティン 秘められた恋 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/511mw1kU2TL._SL160_.jpg)
イングランド・ハンプシャーで、牧師の父を持つ貧しい家の娘ジェイン。高等な教育を受けた彼女は、小説を書いて朗読することを趣味としていた。やがてそれで食べていきたいと思いながら、しかしその時代、女の幸福とはお金持ちの家柄のいい相手との結婚だった。裕福なレディ・グリシャムの甥ウィズリーに求婚されながら、ジェインは都会からやってきた鼻持ちならないトム・ルフロイに惹かれて恋をする。裕福で愛のない結婚か、貧しい未来が待っていても愛ある結婚をするか。ジェインが選んだのは……。
「高慢と偏見」を原作も映画二本も見ていたし、主演がアン・ハサウェイだし、この時代らへんの映画見るの好きだしということで何の事前情報もなく見ることにした一本。すっごく好みで面白かったです。服飾とか調度品とか文化がね! ときめくよね! こうして見ていると「高慢と偏見」のエリザベスは、まるきりジェイン・オースティンに重なっているのだなあと思わずにいられませんでした。まあ、この作品も結構フィクションだと思うんですけれども……。
頭のいい女性の言動や、周りの無理解というか風潮、けれどそこにある家族の愛だとかは、「高慢と偏見」の中にあったものだなあと思いました。恋に落ちていくきらめきも、頭のいい女性だからこそ溺れきれなかったことも、悲しく切ないながらもジェインという人の芯が感じられてかっこよかった。愛がいつか蝕まれて崩壊する、というのは、素晴らしい台詞だった。
静かな気持ちで、年月を経たジェインを見ましたが、でも最後にあれは! トム、あれは! 反則だろう! 噴いたわ! でもよかった。ちゃんと愛はあったんだな。
好みの映画でした。面白かった。
![ムーンプリンセス 秘密の館とまぼろしの白馬 [DVD]](http://g-ecx.images-amazon.com/images/G/09/nav2/dp/no-image-no-ciu.gif)
孤児となった少女マリアは、叔父に引き取られ、ムーンエーカーの館に移り住むことになる。気難しく怒りっぽい叔父の住む館は、何故か荒れ放題。光る馬や不思議な鏡、天井の絵の星が落ちたり、誰かがドレスを置いていったり。しかも黒いならず者たちに襲われてしまうのだが、そこには、叔父たちメリウェザー家と、黒い一族ド・ノワール家、そして月姫と呼ばれる女性が関わっているらしく……。
可愛いファンタジーでした。すみません、原作は未読です。女性が書くファンタジーっぽいなあと思いました。
可愛い金髪巻き毛の女の子が、気難しやの叔父さまに引き取られる(萌えポイント1)。この叔父さま、かなり感情のアップダウンが激しくてどうも素直じゃないらしい(萌えポイント2)。ロマンチックな内装や小物、風変わりで可愛らしい服飾。しかも美少女がそこを動き回っているだけできゅんきゅんする(萌えポイント3)。とにかく美少女(萌えポイント4)。
ロマンチックで、女の子はどきどきしながら見そうです。私はもういい年なので……色々突っ込んで見るのも楽しかったですけれども、素直にきゅんきゅんできない自分が嫌! 一つの目標に向かって走っている時に別の物に気を取られてそっちに行くというのはちょっとアウトー(この辺がなんだか女性作家っぽいところだと思いました)
原作を読んでみたいと思いました。孤児の少女、不思議な館、叔父さま、敵対している少年の存在とか、要素がたくさんあって素敵なんですよね!
![夜のピクニック 通常版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/31GXK1RrUfL._SL160_.jpg)
一昼夜かけて80キロの道程を歩くだけの学校の伝統行事、歩行祭。三年生の貴子は、クラスメートである西脇融を意識しながらも、ずっと話しかけられないでいた。ただそれは、恋心が理由ではなかった。また、融は友人の忍から貴子のことをずっと見ていると指摘されるが、彼もまた、その理由は恋ではなかった。ただみんなで夜歩くだけ、けれど特別なその日の出来事。
本屋大賞を受賞していたんだっけ、と予告編を見ながら思い出しました。原作は当時すぐ読んでいたので、今では詳細をほとんど覚えておらず、それでも説明不足は感じられつつも焦点がぶれなかったので、日常の延長にある切なさを感じられて好きな作品でした。貴子と融のことばかり見ると気詰まりなのですが、そこはちらっと見える周りの子たちのささやかなエピソードがいいスパイスになっていて、特に高見くんはすっごくよかった!笑 癒された。
融は、吹っ切れる前と後の表情がまるで違うのが、もうお姉さんきゅんきゅんしました。険しさが拭われて気の抜けた、忍から好かれるような本来の優しくてお茶目な顔が、もう本当に素敵だった!
それから私は美和子の役の女優さんが好きで、どこかで見たことがあるなーと思ったら、花男でつくしの親友役をやっていた方だったんですね。この方がすごく好きで、雰囲気もすごく素敵で、ぽーっとなってしまった。ブログを見に行ってみたら大人なお姉さんになっていて、おお……と思いました。やっぱり綺麗な人だなあ!
![STAY Vol.1 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51HnmhIKVdL._SL160_.jpg)
![STAY Vol.2 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51fOmtrruWL._SL160_.jpg)
西炯子さんの『STAY~ああ今年の夏も何もなかったわ』を映像化したもの。六編の短編映画連作。美少女女子高生たちが見たかったので……(欲望に忠実)
原作は「何もなかったわ」と言いながら、彼女たちには何かしらあったんですが、映画は、本当にまるで何もないような、普段通りの風景で、かつちょっとだけ非日常がある。誰かと関わることで、ゆっくりと人生が転換していく感じだなあと思いました。高校三年生の夏ってそういうものかもしれないなあ。この中で年下のリカがまだちょっと夢見ている感じなのが、またぐっとくる。
夏の緑とか、雨の多い風景が印象的で、セーラー服の女子高生たちの、大人びた寂しさと可愛らしさがね! とってもよかったなって思います。私は昔から、学校に集まっている制服姿の女子たちのスナップが好きなので(こう書くとマジで変態だ)、DVDに収録されているスナップショットはでれでれして見ました。いやーセーラー服美少女はいいね! とってもいい!

空気感がとても素敵だった。どこにでもいる少年とどこにでもいる女性の、存在しているという空気感がすごく。なんて表現していいのかなー。いるいる! っていう感じじゃなくて、少し離れたところで存在を感じているような気がする。例えば、御苑を歩いていると、あの東屋に女性と少年がいるのが見えて「誰かいるなー」と通り過ぎるような。なんだろう、ある程度距離があるのに、私がそこに誰かいるということで想像できる物語を詰めたような、胸にしっくりと馴染む作品だったように思います。
序盤は特にそうだったんですが、終盤にかけての加速がすごくて、ドラマチック。二人の心の些細な動きが、表情だけは声だけではなく、映像の端々から見えたりして、すごく素敵でした。
またテーマソングがいいんだよなー! 思わずDVDを買ってしまいました。

アニメ版本編最終話にして、原作『図書館革命』に相当する内容の映画。この前実写の方を見に行ったので、アニメの映画も見てみることにしました。
アニメはアニメで、恥ずかしくていい感じですね! 当麻蔵人亡命までのはらはらどきどき、それからきたー!! という興奮は、やっぱりすごく面白かった。当麻先生といえば、出てくるものがいちいち有川作品パロディだったので面白かったです。郁と堂上が別行動する時、当麻先生いたたまれないのでは……と思って笑ってしまった。
郁がちょっと馬鹿っぽいですが、元気がよくて可愛いです。柴崎は美人だし、手塚とのあれこれを見ることができてにやにやしました。この不器用カップル、もうちょっと何とかならんのか!(もだもだ)
ラストのあのキスシーンはとても綺麗で、清々しくて、見ていてなんだかほっとする気がしました。にやにやでした。
![スカイ・クロラ [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/411CMhowK7L._SL160_.jpg)
どこの時代とも分からぬ世界。国は請負会社に戦争を委託し、戦闘機に乗るのは「キルドレ」と呼ばれる永遠の子どもたちだった。キルドレは永遠に歳を取ることもなく、また死ぬこともない。基地に配属された新しいパイロット、カンナミは、淡々と日々を過ごす。同じキルドレである同僚トキノ、女性パイロット・ミツヤや、司令官クサナギと関わっていくうちに、キルドレの秘密を知ることになるが。
森博嗣原作の小説をアニメ映画化したもの。原作は、どこまで読んだか覚えていませんがそれなりくらいまで読みました。が、内容をあんまり覚えていないので、とても新鮮な気持ちで見ました。
原作がすごく断片的というか、読んでいると同じ側面からでしかその世界の出来事を追えないので、映像にするとどういう風に脚色して描くのかなと思っていたんですが、とても……とても私好みでしたよ……! キルドレの描き方とか、道具の使い方とか。人を食った台詞もそのままだったように思うし、この静謐で無慈悲で淡々と過ぎていく、隔絶された箱庭的な世界観がとてもいい! と思いました。スイトの囚われ感がよかったなー。同じくカンナミの淡々とした態度もよかった。世界は何一つ変わらないけれど、もしかしたら変わるものがあるかもしれない。スイトが眼鏡を取った時そう思った。
![ターゲット [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51kNzsuzIjL._SL160_.jpg)
家業である暗殺を生業とするビクターは、その仕事に失敗し、あまつさえその対象である女性ローズに惹かれていってしまう。しかもローズは、手癖が悪い、自由奔放な女詐欺師。一般人の青年トニーまで巻き込んで、三人で逃亡生活を送る羽目になってしまう。
原作が『めぐり逢ったが運のつき』という作品。この映画はリメイク版らしいです。ジャンルはアクションコメディ。何故見たのかというと、ギャング側の暗殺者ディクソンが、SHERLOCKに登場する俳優さんだからと妹が言うからです。彼女の熱意が恐いです。
とてもよい、おじさまの話でしたよ! 独り身で潔癖性のいい歳のおじさま(暗殺者)と、自由奔放で手癖が悪くて自分勝手な小悪魔女性との、喧嘩して喧嘩して、でもお互いに惹かれていくところがとてもよかった。コメディ部分もテンポがよくて見ていてぶっと噴き出したり、台詞がおかしかったり、何より俳優さんの表情がよかったりと、うまいなあ! と素直に面白かった。
紳士なおじさま好きにおすすめ。
![劇場版 機動戦士ガンダムOO ―A wakening of the Trailblazer― [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51TjKf-r1KL._SL160_.jpg)
本編から二年後。戦争は終結し、地球連邦軍の元、地球には平和が広がり始めていたが、武力介入によって戦争を抑止していたソレスタルビーイングは未だ活動していた。そんな中飛来した、謎の金属。地球連邦軍、そしてソレスタルビーイングは、地球外生命体ELSと戦うことになる。
すいません、本編をちゃんと見ていないので大体こんなもんという予備知識で見ました。地球外生命体と戦うガンダムって初めてなんでしょうか。マクロスみたいだなと思いました。
刹那周りの女の子の関係が分からない! と思いながら、フェルトはいい子だな……と思いました。しかし本編時、私はマリナ姫がめちゃめちゃ好きだったので、素直に祝福してあげられない感じが。
それから、ミレイナとティエリアに、意味が分からないくらい萌えたのが自分でもどうしていいのか分からないです。なんだそれ。なんだそれ! どんな姿になっても大好きって女の子ってまじ! まじすごい!
一期、二期、そして劇場版とすべての話に繋がるエピローグはじわりと感動したのですが、これ本編もちゃんと見ていたらよかったなあと思える台詞があったので、いつかちゃんと見たいです。けれどそうか、分かり合えたのか……。